2025年から新設された「英検準2級プラス」。英検2級と準2級の間のレベルを埋める新たな級として注目されています。これまで受験してきた人も、これから挑戦しようと思っている人も、本記事では英検準2級プラスの試験概要、レベル、難易度、準2級・2級との違い、学習法などを解説します。ぜひ参考にして、自分のレベルに合った級を受験しましょう。
英検準2級プラス概要、検定料
従来の英検準2級と2級の間にはレベル差が大きくあり、多くの受験者がそのギャップに悩まされていました。英検5級から準2級までは各級の合格までに要する期間がおよそ1年間。さらに準2級合格者が、2級に合格するまでに約2年近くかかっているという結果でした。このような課題を解決するために設定されたのが、英検準2級プラスです。
まずは、検定料の違いから見てみましょう。

出典:https://www.eiken.or.jp/eiken/schedule/group/fees/2024/
ちなみに、本会場とは、全国47都道府県の約230都市、および海外4都市に協会が設置する公開会場です。主に個人で申し込んだ人を対象としています。準会場とは、協会が準会場として認めた団体が設置する試験会場です。主に(学校・塾・企業など)からの団体を対象としており、申込団体が設置した試験会場で受験をします。さらに、一次試験免除者も同じ検定料となっています。
各級の特徴
次に、各級はどのような英語力が問われるのか見てみましょう。今回注目の英検準2級プラスは、高校上級レベルの「身近な話題であれば、社会生活に必要な英語を理解し、使用できる」ことができます。2級は高校卒業程度の「社会生活に必要な英語」、準2級が高校中級程度の「日常生活に必要な英語」です。このように、段階的にレベルを上げて、次の級にスムーズに上がれるように分けられています。

出典:https://www.eiken.or.jp/eiken/about/#pl02
合格基準
英検の合格基準は、英検CSEスコアを基に判定されており、英検準2級プラスも同様に判定されます。スコアは各回の全答案を採点した後、Item Response Theoryと呼ばれる統計的手法で算出されているため、受験者が自分でスコアを計算することはできません。1問何点というような単純な採点方法ではなく、受験者の正答率や問題の難易度、過去のデータなどをもとに統計的にスコアが算出されています。
英検準2級プラスでは、一次試験(リーディング・リスニング・ライティング)が1402点で、二次試験(スピーキング)は427点、合計1829点以上で合格となります。

出典:https://www.eiken.or.jp/eiken/2025newgrade/index.html
試験内容
英検準2級プラスの試験内容は、一次試験(筆記・リスニング)と二次試験(スピーキング)の2部構成となっています。各セクションの出題形式や難易度は下記のような特徴があります。
● リーディング: 日常生活や社会的なテーマに関する文章読解が中心です。パラグラフの要約や文章全体の構造を理解する問題も出題されます。
● リスニング: 日常会話やアナウンスメント、短い講義など、多様な音声教材が出題されます。会話の意図や話者の感情を理解する問題が増えます。
● ライティング: Eメールの作成や意見論述など、より実践的なライティング能力が求められます。論理的な文章構成や適切な語彙の選択が重要です。
● スピーキング: 面接形式で行われ、身近な話題についての質問に答えたり、短いプレゼンテーションを行ったりします。流暢さ、語彙力、文法力、発音、そしてコミュニケーション能力が総合的に評価されます。
内容 | 特徴 | 問題数 | 試験時間 |
リーディング | 短文・長文の語句補充、内容一致問題 | 31問 | 合計85分 |
ライティング | 英文要約(25〜35語)、 意見論述(50〜60語) | 各1問 | |
リスニング | 会話・短文の内容一致 | 30問 | 25分 |
スピーキング | パッセージ音読(約57語)
・音読内容に関する質問 ・3コマイラストを見てストーリーを展開説明 ・自分の意見を述べる質問(2問) | ー | 7分程度 |
英検2級、準2級プラス、準2級 の違い
ここで英検2級、準2級プラス、準2級を比較してみましょう。
試験時間と問題数などの比較
リーディング問題 詳細項目 | 2級 | 準2級プラス | 準2級 |
筆記時間 | 85分 | 85分 | 80分 |
リスニング | 約24分 | 約25分 | 約25分 |
2次試験 | 約7分 | 約7分 | 約6分 |
時間 | 2級 | 準2級プラス | 準2級 |
問題数 | 31問 | 31問 | 29問 |
リスニング問題数 | 30問 | 30問 | 30問 |
ライティング問題数 | 2問 | 2問 | 2問 |
ライティングの内容 | 英文要約、意見論述 | 英文要約、意見論述 | Eメール、英作文 |
英検準2級では、基本的な語彙や文法が中心ですが、準2級プラスでは、よりアカデミックな語彙や複雑な文法構造が問われます。例えば、準2級では「important」という単語を知っていれば十分ですが、準2級プラスでは「significant」や「crucial」といった類義語も理解している必要があります。文法も同様で、仮定法や関係代名詞の応用など、より高度な知識が求められます。
準2級プラスの難易度は、準2級と比べて、単に語彙や文法のレベルが高いだけでなく、問題形式がより複雑になっている点にもあります。全体の比較をしてみた表が以下のようになります。
リーディング問題比較
次にリーディング問題を見てみましょう。リーディング問題では、文章全体のテーマや筆者の意図を把握する問題が増えます。
リーディング問題 詳細項目 | 2級 | 準2級プラス | 準2級 |
語彙問題 | 17問 | 17問 | 15問 |
会話文を完成させる | なし | なし | 5問 |
文意に合ったやや長め問題 | 6問 | 6問 | 2問 |
メール文 | 3問 | 3問 | 3問 |
長文読解問題 | 5問 | 5問 | 4問 |
ライティング問題比較
ライティング問題では、やはり2級がレベルが高く、準2級プラスが中間的な問題傾向にあります。表で比較を見てみましょう。
ライティング問題 詳細項目 | 2級 | 準2級プラス | 準2級 |
英文要約 | 45語~55語で要約 | 25語~35語で要約 | メールの返信を40語~50語で作成 |
意見論述 | 80語~100語 | 50語~60語 | 50語~60語 |
特にライティングでは「要約問題」が追加され、論理的に情報を整理する力が試されます。以下、2級と準2級プラスのサンプル問題でその違いを見てみましょう。
・サンプル問題 準2級プラス ライティング(英文要約)問題:25語~35語
More and more people are buying clothes on the Internet. Nowadays, people even buy socks, hats, and other items from online stores.
The good thing about buying these items online is that people can save money. When they shop online, they can compare the prices without going to the store.
However, there is a problem. Online shopping users can sometimes be disappointed. The reason for this is that the actual products may be different from the photos on the online stores.
・サンプル問題 準2級 ライティング(英文要約)問題:45語~55語
When people look for a job, some choose a workplace that is close to where they live, while others move to a new town or city in Japan. There are other choices, too. Some of them decide to go to other countries to work.
What are the reasons for this? They can have experiences that they cannot have in their own countries while working abroad. Also, they can learn a local language by using it not only at work but also at other times. This can help their future career as well.
On the other hand, people have to face issues with differences in customs at work. It can take a long time to get used to the new work environment if things are very different from their own countries. Also, people cannot easily visit their family and friends back home. This can cause them to feel lonely.
同じ出題傾向ですが、語数が違うので、要約は準2級プラスのほうが比較的楽にできます。このように、準2級プラスでは、2級の難易度に近づけつつも、学習者が無理なくステップアップできるよう設計されています。
リスニング問題比較
リスニングでは、会話の流れや話者の感情を理解する問題が多くなります。これらの問題に対応するためには、単に単語や文法を覚えるだけでなく、文章全体の構造や会話の流れを理解する力が必要となってきます。
リスニング問題 詳細項目 | 2級 | 準2級プラス | 準2級 |
第1部 | 15問 | 15問 | 10問 |
第2部 | 15問 | 15問 | 10問 |
第3部 | – | – | 10問 |
面接試験
単なる受け答えでだけでなく、自分の意見を述べることができるように2級は準備をしておきましょう。
面接試験 詳細項目 | 2級 | 準2級プラス | 準2級 |
第1部 | 音読 | 音読 | 音読 |
Q&A問題 | 4問 | 4問 | 5問 |
英検準2級プラスの過去問については、公式ホームページで公開されていますので、問題を解いてみましょう。
他にものEnglishlabでは、それぞれの級の特徴を紹介していますので、ぜひ一読してください。
英検2級についての記事:英検2級のTOEIC換算スコアは?どちらを取っておくのが有利か、違いや対策も解説
英検準2級についての記事:英検準2級って難しい?レベルはどのくらい?試験内容をわかりやすく解説!
英検準2級プラスの効果的な学習法
準2級プラスに合格するためには、効果的な学習法を取り入れることが不可欠です。以下に、具体的な学習方法と対策を紹介します。
基礎力強化のための学習を行う
学習法は、教科書や参考書だけでなく、英字新聞や英語のニュースサイトを活用することも有効です。これにより、より実践的な英語に触れることができます。また、単語帳だけでなく、例文を音読したり、自分で文章を作成したりする練習も重要です。文法も同様で、単に文法ルールを覚えるだけでなく、実際に文章を作成したり、会話の中で使ったりする練習が必要です。
具体的な方法を知りたい方は、Englishlabの記事を紹介しておきますので、確認して学習を始めてみましょう。
・英検の単語の覚え方|誰でもできる効率の良い勉強法を伝授します!
・英語の文法の覚え方|効率よく身に付けるためのコツと練習法
・英文法の覚え方!【成果重視】効率的な勉強をするにはどうしたらいい?
・英文法の効率的な勉強法&勉強時のコツを徹底解説!使いやすい参考書はどれ?
過去問を解いて問題を把握する
英検本番に臨む前に、過去問を解くことが大切です。過去問を繰り返し解くことが大切で、その1つ目のメリットとして、苦手なポイントを発掘して克服できることが挙げられます。
正答率の低いパートや間違えやすい問題など自分の弱点を正確に把握し、弱点を集中して対策することで、効率的に正答率を上げられます。間違えた問題はそのままにせず、わかるまで何度も復習しましょう。
2つ目のメリットとして、問題慣れすることで本番で実力を発揮できることが挙げられます。時間を測り配分を意識しながら解く練習をしておけば、本番で時間が足りなくなることはありません。最初はパートごとに区切って時間を測り、慣れてきたら全体を通して時間を計りながら解くのがおすすめです。
英文要約スキルの練習をする
週に1回、約80語の英文を25〜35語に要約する練習を行いましょう。段落ごとに一番大事なポイントだけを抜き出すトレーニングや、最初は日本語で要約してから英語に直す流れで進めるのがおすすめです。
英作文の勉強法まとめ!中学生~社会人まで使えるコツや学習効果を紹介
英検ライティングの採点基準と注意点|英作文で高点数を取る方法とは
社会的な話題に触れる習慣をつける
Yahoo!ニュースの簡単な記事を英語で読んだり、中高生向けの時事英語サイト(例:News in Levels)を活用したりしましょう。1日1トピックで良いので、「どう思う?」を考えるクセをつけると良いでしょう。
イラスト展開練習をする
漫画やアニメの3コマを見て、英語で説明してみましょう。「状況 → 問題 → 解決」の順で組み立てるとスムーズです。録音して聞き返すと、客観的に改善点が見つかります。
二次対策のための対策をしておく
他の級と同様、二次試験のスピーキングテストでは、面接官との対話を通じて、自分の意見や考えを的確に伝える能力が問われます。日本人は英語を話すことに抵抗を持ちがちで、どこか自信なさげだったり、本番で実力を発揮できなかったりすることが少なくありません。
正しく発音すること、綺麗な文法で発言することなどのスキルも必要ですが、それらは単語学習やリーディング対策などほかの学習で身につくもの。その級に必要とされる基本的な英語力さえあれば二次試験はスムーズに進むので、できれば毎日自分で英語を話し抵抗感を取っ払っておきましょう。
レアジョブ英会話の英検に特化した教材:
英検®二次試験面接対策(2級、準2級、3級)
合わせて、英検2級の面接対策も紹介していますので、参考にしてください。
英検準2級プラス取得のメリット
英検準2級プラスは、一定レベルの英語力を持っていることの証明となります。進学や就職において、英語力をアピールする材料として活用できます。例えば、大学入試では、英語の資格を持っていることで加点されたり、英語の試験が免除されたりする場合があります。就職活動では、履歴書に英語力を記載することで、英語を使う業務への適性を示すことができます。
特にグローバル化が進む現代社会において、英語力は多くの企業で求められるスキルの一つです。準2級プラスを取得していれば、海外企業とのやり取りや、英語の資料を読むなど、ビジネスシーンで英語を活用できる可能性が広がります。また、英語を使う仕事だけでなく、英語学習を通じて得られた論理的思考力やコミュニケーション能力も、様々な職種で役立つでしょう。さらに、準2級プラスの学習を通じて、英語に対する自信をつけることもできます。
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英検準2級プラスは、英語学習者にとって、2級への合格の道筋となります。準2級・2級との違い、学習法を理解し、効果的な対策を行い最短で合格を勝ち取りましょう!
準2級と同様に筆記試験を合格すると二次試験もあります。スピーキング対策は、レアジョブがおすすめです。レアジョブの英検®二次試験面接対策(2級、準2級、3級)コースでは、自信をもって話せるように、スピーキング専門講師との1対1レッスンであなたの挑戦を全力でサポートしています。
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