スウェーデン・アカデミーを唸らせた日本人スピーチとは…ノーベル賞にまつわる歴史や英語表現を楽しもう

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毎年発表されるノーベル賞は、世界中で大きなニュースになりますよね。海外の方も感心を持っていることが多く、会話の中でノーベル賞の話題が繰り広げられることも。そんな時にすぐに「ノーベル物理学賞」や「ノーベル賞を受賞する」などの英語表現が出てきたら安心です。そこで今回はノーベル賞にまつわる英単語や、過去のノーベル賞受賞者のスピーチなどを英語でご紹介したいと思います。

ノーベル賞とは

毎年、年の終わりが近づくころから話題になるノーベル賞。その歴史を簡単にご紹介しましょう。ノーベル賞は、「dynamite(ダイナマイト)」を発明したスウェーデンの科学者であり実業家の、Alfred Nobel(アルフレッド・ノーベル)の「will(遺言)」にしたがって始まった賞です。

遺言の中で彼は、ノーベルの遺産を家族や庭師などに分け与えたあと、残りの遺産について、

to be distributed annually as prizes to those who, during the preceding year, have conferred the greatest benefit to humankind.
(前年、人類に最大の貢献をもたらした人々に賞として毎年配分されるように)

と書きました。アルフレッド・ノーベルは1896年に亡くなり、1901年に最初のノーベル賞が授与されることになりました。一人の男性の遺言が世界的な賞になって、今日のノーベル賞があるわけなんですね。

ノーベル賞にまつわる英語表現

ノーベル賞が話題にあがった時、よく使われる英語表現がすぐに口からでてくるでしょうか。まずはそんなノーベル賞にまつわる基本の英語表現をご紹介したいと思います。

ノーベル賞受賞者:Nobel Prize winner

There have been many Nobel Prize winners from this university.
(この大学から沢山のノーベル賞受賞者が輩出されています。)

まず「ノーベル賞」は「Nobel Prize」と表現します。「(なにかの賞)を受賞する」というときには「win」という単語を使い、受賞者であれば「winner」となります。また、「laureate」という英単語もよく見かけます。「名誉ある賞を受賞した人」という意味で、「Nobel laureate(ノーベル賞受賞者)」というように表現します。

受賞する:be awarded

He was awarded the Nobel Peace Prize.
(彼はノーベル平和賞を受賞しました。)

「award」は「授与する」の意味で、受け身になって「受賞する」となります。また「win the Nobel Prize」や「receive the Nobel Prize」という表現を使って「受賞する」と言い表すこともできますよ。

ノーベル文学賞:Nobel Prize in Literature

Yasunari Kawabata won the Nobel Prize in Literature in 1968.
(川端康成は1968年にノーベル文学賞を受賞しました。)

ノーベル賞には現在6つの分野がありますよね。こうした「ノーベル○○賞」といいたい場合、「Nobel Prize in ○○」や「Nobel Prize for ○○」、「Nobel ○○ Prize」といった形で表現できます。

例えば
「Nobel Prize in Physics(ノーベル物理学賞)」
「Nobel Prize for Chemistry(ノーベル化学賞)」
「Nobel Prize in Economics(ノーベル経済学賞)」
「Nobel Peace Prize(ノーベル平和賞)」
「Nobel Prize in Physiology or Medicine(ノーベル生理学・医学賞)」
などと表現されますよ。

ノーベル委員会:Nobel committee

A Nobel committee is a working body responsible for most of the work involved in selecting Nobel Prize laureates.
(ノーベル委員会はノーベル賞受賞者の選定に関わる作業の大半を担当する作業部会です。)

ノーベル賞の受賞者を決める審判員として「Nobel committee」が話題に上がることがあります。「Nobel committee」は「スウェーデン・アカデミー(Sweden Academy)」という国立の学士院から選出されたメンバーで成り立っているそう。

なお「committee」は「委員会」の意味で、日常生活でもよく使われる言葉です。また、「involve」は「関わる」という意味になります。

ノーベル賞授賞式:Nobel Prize award ceremony

The Nobel Prize award ceremony takes place at the Stockholm City Hall, Sweden on 10th December – the anniversary of Alfred Nobel’s death.
(ノーベル賞授賞式はアルフレッド・ノーベルの命日である12月10日にスウェーデンのストックホルム市庁舎で執り行われます。)

ノーベル賞の「授賞式」は「ceremony」と表現されます。ちなみに、その後の晩餐会は「dinner party」や「banquet」と表現されますよ。また例文の「take place」は「行われる」という意味、「anniversary」は「〜周年」という意味で、ここでは「命日」となります。

共同受賞する:share the Nobel Prize

Three scientists shared the Nobel Prize in Chemistry.
(ノーベル化学賞は3人の科学者が共同受賞しました。)

ノーベル賞はしばしば共同研究などによって「共同受賞」となる場合がありますよね。こういった場合「share(分けあう)」の単語が使われて、「share the Nobel Prize」と表現します。

ノーベル賞受賞者の英文スピーチをご紹介

ノーベル賞といえば華やかな授賞式と晩餐会。そこでは受賞者がスピーチを行いますよね。そこで次に過去の日本人ノーベル賞受賞者の英文スピーチからの一節をご紹介したいと思います。

川端康成:美しい日本の私 – その序説

The single flower contains more brightness than a hundred flowers. The great sixteenth-century master of the tea ceremony and flower arranging, Rikyu, taught that it was wrong to use fully opened flowers. Even in the tea ceremony today the general practice is to have in the alcove of the tea room but a single flower, and that a flower in bud.
(1輪の花は100輪の花よりも花やかさを思はせるのです。開ききった花を活けてはならぬと、利休も教へてゐますが、今日の日本の茶でも、茶室の床にはただ1輪の花、しかもつぼみを生けることが多いのであります。)

(出典:川端康成著 訳:エドワード.G・サイデンステッカー 『美しい日本の私』 講談社現代新書)

1968年に日本人で初のノーベル文学賞受賞者となった川端康成のスピーチです。授賞式では川端が日本語でスピーチをし、サイデンステッカーが同時通訳をしました。上記はスピーチのごく一部ですが、スピーチ全体では日本の古歌の引用や日本独特の細やかな美意識を紹介した文学的な長文で、かつ草稿が出来上がったのがスピーチの当日の朝だったということもあり、通訳のサイデンステッカーも準備に肝を冷やしたという逸話があります。

しかしこの「1輪の花は100輪の花よりもはなやかさを思はせる」という日本独自の美意識に、当時の聴衆は深い感銘を受けたと言われています。さすが文学人、とても美しいスピーチですよね。

なお、例文の「tea ceremony」は「茶会」、「alcove」は「床の間」、「bud」は「つぼみ」の意味ですよ。

山中教授:The Winding Road to Pluripotency

One day, in early morning, a technician working with me rushed into me. She was taking care of these mice. And she said something strange to me. She said, “ Shinya, your mice! Many of your mice are pregnant.” But they are male.
(ある日の早朝、私と一緒に働いていた助手が駆け込んできました。彼女はマウスたちの世話をしてくれていました。そして彼女は変わったことを言ったのです。「伸弥、あなたのマウス!妊娠してるのが沢山いますよ」と。でも、私のマウスはオスなのです。)

2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授は、45分ほどのスピーチの中で、多くの思わぬ実験結果からiPS細胞の発見につながったことを順を追ってわかりやすく説明しました。スピーチの題名の「winding road to pluripotency(多能性への曲がりくねった道)」からも、その紆余曲折ぶりが感じられますよね。今回ご紹介した一節のように、英語のスピーチにもかかわらず、ところどころでクスっと笑える話を入れて聴衆を和ませているのが印象的なスピーチです。

ちなみに山中教授のスピーチは下記から全編動画を見ることができます。上記の一節は09:45から確認することができますよ。

https://www.nobelprize.org/prizes/medicine/2012/yamanaka/lecture/

なお、例文の「mice」は「mouse(ネズミ)」の複数形、「pregnant」は「妊娠した」という意味です。

『ノーベル賞』に関する英語表現がわかったら

毎年発表される『ノーベル賞』は、日本人が受賞すると大きな話題になり、英語で話す機会も増えるでしょう。しかし話す相手の出身国の方が賞をとった際にも話に合わせられるように感心をもっておきたいものです。そんな時、基本的知識や英単語を知っていると安心です。

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