「一個前」「一歩前へ」など「前」を含む表現は日常にあふれています。日本語では「前」で表現できるこれらの表現は、英語に訳すと「previous」「former」「last」「prior」「ex-」「forward」など多岐の表現にわたり、その使い分けが大切です。そこで今回は「前」と訳される英単語の意味の違いをご紹介するとともに、「前半」「1人前」などといった「前」の表現はどう英語で表現すればよいかもご紹介しましょう。
「前」を表す色々な英単語の使い分け
「前」という言葉は、日本語でも色々なシーンで使われる基礎単語ですが、実は「過去における以前」の意味や「未来に向かって前へ進む」という意味、「人の面前という意味」など、色々な意味を含んでいます。それら一つひとつが、英語では「former」「forward」「in front of」など、様々な英単語に使い分けられているので、苦手に感じる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は「前」の意味を持つ英単語の使い分け方を徹底的にご説明したいと思います。
previous:順序的に「一つ前の」
The numbers were up from the previous year. (この数は前年より増加している。)
Click to return the previous page.(前のページにはこちらをクリック。)
「previous」は「前の」と訳されますが、順序的に、「一個前の」という意味の言葉です。例えば「the previous year」であれば、その年の「一個前の」年、つまり「前年」を表します。
同様に、ページの順序的に「一個前のページ」と言いたい時に「on the previous page」と表現し、この場合反対語は「the next page(次のページ)」となります。
former:時間的に「かつての」「過去の」
The former French President visited Britain.(元フランス大統領がイギリスを訪れた)
I visited my former workplace.(私は前の職場を訪れた。)
「previous」との使い分けでよく混乱するのが「former」です。「former」は時間的に「過去の」「かつての」という意味があり、たとえば「a former French president」であれば、何代か前の大統領かは不明ですが、とにかく「以前フランス大統領だった人」ということになります。もしここで「a previous French president」と表現すれば、それは「一個前のフランス大統領」ということになります。
2つ目の例文でも、「former workplace」が一個前の職場なのか、更に前の職場なのかはわかりませんが、かつての職場ということになります。
last:時間的、順序的に「直前の」
She didn’t attend the last class.(彼女は前の授業には出席しなかった)
I went skiing last Monday.(この前の月曜日、スキーに行った。)
「last」はもともと「連続したものの最後のものや出来事」について使われます。時間的にも順序的にも、過去において、「最後にくるもの」になり、そこから「現在に一番近い」「直前の」という意味になります。例えば「the last class」は「直前の授業」ですし、「the last Monday」は「直前の月曜」ということになります。
そこで例えば「前年」を表す時、「the last year」と表現する時もあれば「the previous year」と表現するときもあり、違いが分かりづらいということがあるでしょう。
He had already arrived in Japan during the previous year.(彼はその前年日本にすでに到着していた。)
例えば上記のように、過去のある一点を起点として、それより前年のことを言う時には、「the previous year(その前年)」は使えますが、「the last year」は使いません。「last」は「現在に一番近い直前のもの」を表すため、起点は現在となるからです。
prior:時間的、重要性で「より前の」
I have a prior engagement today.(今日は先約が入っています。)
We did a review of the story prior to publication.(出版前に記事をチェックした。)
「prior」は「〜より前に」「より先立って」という意味で訳されます。他の単語と異なる点は、「優位性」を含んでいるということです。例えば「a prior engagement」は、時間的にも先に入っていたし、また重要性も勝るという含意があります。「prior to publication」も「出版より前にやるべき重要なこととして、チェックした」というニュアンスがあるわけですね。
in front of:物理的空間の「正面に」「面前で」
I was standing in front of the theater.(私は劇場の前に立っていた。)
Don’t talk about school in front of my parents.(両親の前で学校の話はしないで)
「in front of」は「建物の前に」や「人々の前で」といったような場所や人が実際に存在する空間の「前に」という意味で主に使われます。「in front of the theater」は「建物の前」、「in front of my parents」は「人の前」ということですね。その他、「in front of people」なら「面前」というように訳します。
forward:時間的、空間的に「前方へ」
He took a step forward.(彼は一歩足を踏み出した)
I moved a clock forward one hour.(私は時計を1時間すすめた。)
「forward」の「for」という接頭語は「前」という意味、「ward」は「向き」を示す接尾語で、「forward」全体で「前へ進める」というイメージがあります。サッカーのポジションとしても脚光を浴びやすい「フォワード」も、ボールを「前に向かって」すすめていく役割をしますよね。時間的にも「将来へ向かう」方向性が含意されています。なお違いがよく問われるのが「onward」。「onward」も「前方へ」と訳されますが、この「on」は「そのまま」という意味で、今まで通り同じ進路を保ちながら前へ進むというイメージがありますよ。
ex-:官職・地位などで「前の」「元」
She is an ex-foreign minister.(彼女は前外務大臣です。)
We are exes.(私達は元夫婦だった。)
「ex-」は人の地位や官職について、「元」という意味があります。「かつての」を表す「former」と同義ですが、「former」に対してカジュアルな印象がありますが、新聞の見出しなど文字数が限られた場面では「ex-forein minister(前外務大臣)」などといった形でよく見かけます。また「もはやそうではない」というニュアンスも含まれています。なお「元カレ」「元カノ」などの元パートナーは「my ex」と省略して表現することもしばしばあります。
日本語で「前」を含む言葉の英語表現
「前」を表す英単語についてはご紹介しましたが、こうした単語を含まず、「前」と訳すフレーズもたくさんあります。よく使うものをご紹介してみましょう。
前半:the first half
The first half of the game ended with a score of 30 to 15.
(前半戦は30対15で終わった。)
「前半後半」という時の「前半」は、「前後2つに分けたうちの最初のほう」なので「the first half」と表現します。一方の後半は「the second half」と表現します。なお、年齢で「20代前半」などという場合には、「in one’s early 〜s」という表現を使って、「She is in her early twenties.(彼女は20代前半です)」というように表現します。
後ろ前:backwards, front to back
You have your T-shirt on backwards.
(Tシャツが後ろ前だよ)
洋服を前後反対に着ているとき、「backwards(後ろの)」という表現を使います。その他「back to front(うしろまえに)」という表現を使って、「You are wearing your T-shirt back to front」と表現することもできますよ。
300メートル前:300 meters ahead
My school is about 300 meters ahead from here.
(私の学校はここから300メートル先にあります。)
「ahead」は「前方に」という意味があり、「300メートル先」「300メートル前方」を表す際は「300 meters ahead」と表現します。
前から5番目の席:the fifth seat from the front
Please take the fifth seat from the front.
(前から5番目の席に座ってください。)
「前から〜番目」というような表現の場合、「front」という「前」を表す単語が使われます。また〜番目の部分は1番なら「the first」、2番なら「the second」と序数で表現しますよ。
3人前:three portions
I have eaten three portions.(3人前食べた)
「1人前分の食事」「3人前」などの「前」は、「portion」という表現で表すことができます。1人前であれば「one portions」や「single portion」と表現しますよ。また「dinner for three」で「3人前の夕食」というように「for」をつかって「3人前」を表現することも可能です。
「前」の英語表現がわかったら
「前」を使って表現することは日本語でも日常茶飯事ですが、英語となると使い分けが必要です。「前」という直訳ではなく、英語を本来持つイメージで捉えて理解することがネイティブへの近道です。
そしてもっと「前」の英語表現について話したいと思ったら、レアジョブ英会話がおすすめ。まずはレアジョブ英会話の無料体験レッスンを活用してみましょう。
初回レッスンのレベルチェックをもとに日本人カウンセラーがあなたのためにアドバイスします。
Please SHARE this article.
英語を話せるようになりたいなら
学習のプロにみてもらおう
英語を学んできたのに、いざ話そうとなると全く言葉が出てこない、その原因は圧倒的にアウトプット量が不足していることにあります。
英会話の経験量を増やしたいなら断然オンライン英会話がおすすめ。1日25分だけ英語を話す習慣が鍵を握っています。高いお金を払って海外留学する必要はないのです。
無料登録しておくとお得な情報が届きます
今すぐ無料体験する最適な学習サイクルが
レアジョブ英会話ひとつで完結
レアジョブ英会話なら、英会話レッスンはもちろんのこと、「聞いて話す」発話トレーニング「ソロトレ」や一歩一歩英語力を積み上げられるオリジナル教材など、オンライン英会話市場で長年培ってできたコンテンツを豊富に取り揃えています。(追加料金なし/教材無料)苦手を克服したいなら使うべき選りすぐりのコンテンツです。
利用者インタビュー
無料登録~7日以内なら初月半額
今すぐ無料体験する