英語の倒置法が難しい…初心者でもすぐ分かる倒置の使い方を徹底解説!

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英文を読んでいるとき、「あれ、この語順入れ替わってない?」「疑問文でもないのに、なんで動詞が主語の前にあるの?」などと思ったことはありませんか。実はこれ、主語と動詞を入れ替える「倒置」が起こっているのです。語順が入れ替わることで混乱するなど、倒置を苦手とする人は多いかもしれません。

こちらの記事ではそんな悩みを解決するべく、倒置がなぜ起こるのか、倒置を使うパターンなどについて詳しく解説していきます。倒置は会話ではあまり使われず主に書き言葉で使われますが、より高度な英語を身につけたい人はぜひ押さえておきましょう。

英語の倒置とは?

そもそも「倒置」の定義をご存じでしょうか?辞書では以下のように説明しています。

倒置法:
文などにおいてその成分をなす語や文節を、普通の順序とは逆にする表現法。語勢を強めたり、語調をととのえたりするために用いられる。-『デジタル大辞泉』-

まずポイントとなるのが「普通の順序とは逆にする」こと。基本的に、英文は「主語(S)+ 動詞(V)」の語順になります。一方、倒置を用いると「動詞(V)+ 主語(S)」の語順になるのが特徴です。以下の例文を見てみましょう。

A:She is a nurse. (彼女は看護師です)

B:Is she a nurse? (彼女は看護師ですか?)

Aの文は平叙文と呼ばれる倒置のない語順の文です。一方、Bは疑問文となり、動詞と主語の語順が逆になっていますね。このような文を倒置文と呼びます。

英語の倒置はなぜ起こる?

そもそも、英語の倒置はなぜ起こるのでしょうか?それには主に2つの理由があります。まず一つ目は「文の内容を強調するため」。文法的にまったく問題のない文であっても、倒置によって句や節の語順を変えることで、その箇所を強調することができます。あえて語順を変えることで聞き手の注意を引くというわけです。

The police comes here. (警察官が来る)という文章を倒置にしてみましょう。

Here comes the police.

Here(ここに)を冒頭に持ってくると強調され目立ちますね。英語は結論を先に述べる構造なので、強調したいことや言いたいことを文の初めに持ってこようとするのは自然なことです。

二つ目は「文法上のルールとして起こる倒置」です。例えば、be動詞や助動詞を主語と入れ替えて作る疑問文も倒置の一種です。Do you like cake? (ケーキは好きですか?)という文の倒置には、特に強調の意味はありません。

【倒置法のルール】英語の倒置はこんなときに使う!

倒置について理解できたところで、倒置がどんなときに使われるのかを見ていきましょう。ここでは、倒置が使われる11のパターンを例文とあわせて詳しく解説します。

1.否定語が文頭にくるとき

否定を表す節や句(否定語)が文頭にくるとき、否定語の後ろに続く節が倒置を起こします。「否定語 + 動詞(V)+ 主語(S)」の語順になるというわけです。このように否定語が文頭にあれば、ひと目で倒置が起こっていることがわかります。長文などを読解するときに意識しておけば、意味を理解しやすくなるでしょう。

よく使われる否定語
・never
・no
・not
・hardly
・little
・rarely
・nor
・only
・no sooner
・seldom など

Never have I seen such a touching film like this. (こんなに感動する映画はいままで観たことがない)
↕︎
I have never seen such a touching film like this.
感動を強調するために否定語のNever を文頭で効果的に使っています。

Little did I dream that I could go to Spain again. (スペインにまた行けるなんて夢にも思っていなかった)
↕︎
I little dreamed that I could go to Spain again.
「まったく〜ない」という意味のlittle を用いた倒置表現。little に続く節が疑問文の形になっています。

Seldom had his car been kept so clean. (彼の車がこんなにきれいだったことはめったにない)
↕︎
His car seldom had been kept so clean.
「めったに〜ない」という意味のseldom を使った表現です。否定語に続く節が過去完了形なので一見複雑に見えますが、倒置方法は同じ。Seldomの後を疑問文の形にしましょう。

2.場所や方向を表す語が文頭にくるとき

場所や方向を表す語が文頭にくるときにも倒置が起こります。作り方は否定語のときとは異なり、場所や方向を表す語の後ろで単純に主語と述語の順番を入れ替えるだけ。疑問文の形にはならないので注意しましょう。また、主語によって倒置にならないケースがあるのも気をつけたいポイントです。主語が代名詞(you / he / she / it など)の場合は、Here you are.(はい、どうぞ)のように、here の後は通常の語順になります。

よく使われる場所や方向を表す語
・here
・on
・in
・near
・behind
・around
・high / low
・down / up など

Here comes the train. (ほら、電車が来るよ)
↕︎
The train comes here.
Hereを用いて「ここに」を強調しています。Here comes〜はよく使われる表現なのでぜひ覚えておきましょう。

Right around the corner is the post office. (角を曲がってすぐのところにあるのは郵便局です)
↕︎
The post office is right around the corner.
「角を曲がったらすぐの場所にある」ことを、倒置を使って強調しています。

In her bag was the hamster. (彼女のバッグにいたのはなんとハムスターでした)
↕︎
The hamster was in her bag.
こんなシチュエーションがあると確かに驚いてしまいますね。倒置法を用いてバッグの中にあるものを強調することで、驚きをうまく表現しています。

3.「So」「Neither」「Nor」が文頭にくるとき

前の文を受けて「〜もまた〜である」「〜もまた〜でない」と表現したいとき、倒置法を使うことができます。So(〜もまた〜である)、Neither / Nor(〜もまた〜でない)などの語を文頭に置き、これらの語に疑問文の形が続きます。難しいのがNeither / Norの使い分け。Neitherは副詞、Norは接続詞なので、文中にandのような接続詞がある場合はNorを使うことができません。

He is very upset. – So am I.(彼はとても気が動転しています/ 私もそうです)
↕︎
He is very upset. – Me, too.
肯定文を受けて「〜も〜です」といいたいときにはSoを使いましょう。

I don’t like this music very much. – Nor do I.(この曲はそれほど好きではありません / 私もです)
↕︎
I don’t like this music very much. – Me, neither.
「〜もまた〜でない」という否定を表すnorを使った文。Norに続くdoを否定形(don’t)にしないよう気をつけましょう。

His daughter doesn’t speak, and neither does she smile.(彼女の娘は口を聞かないし、笑わない)
↕︎
His daughter doesn’t speak, and also, she doesn’t smile.
こちらはneitherを使用した例文です。文中に接続詞andがあるため、norは使うことができません。neitherとnorの使い分けは難しいので、しっかりと理解しておきたいですね。

4.比較を表す形容詞句が文頭にくるとき

More / Most などを用いる比較級や最上級表現でも倒置が使われることがあります。では、Money is more important(お金はより大切です)という文を倒置を用いて言い換えてみましょう。

More important is money.(より大切なのはお金です)

More importantを強調するため文頭に持ってきた場合、後に続く主語と動詞が入れ替わって倒置が起こります。最上級を表す表現も同様に、倒置でより強調させることが可能です。

More impressive was his white hair.(より驚いたのは彼の真っ白な髪でした)

上記の例文と同様、Moreを文頭に置き、主語と述語を入れ替える倒置が起こっています。

More cheap is this product.(より安いのはこちらの商品です)

こちらもMoreを使用した倒置表現。More cheapを文頭に持ってくることで、「安さ」をより強調できています。

Most surprising of all is that he lives in the car.(もっとも驚くべきことは彼が車で生活していることです)

こちらは最上級のMostを使用した表現。be動詞isの後にはthat節を持ってくることも可能です。

5.「as」や「than」などの接続詞を使うとき

as(〜のように、〜も同様に)やthan(〜よりも)は接続詞なので、as she is / than I expected などのように後ろに主語(S)+動詞(V)の節が続くのが一般的です。このとき、まれにasやthanの後で倒置が起こるケースがあります。倒置が起こるのは、asやthan以下の動詞部分が単独では意味を持たない場合。例えば、以下のようなものです。

・be動詞
・do / does
・have /has
・その他の助動詞(can、will、would、should、mayなど)

英語ではこれらを文末に置くことをあまりよしとしないため、省略したり、主語の前に持ってきて倒置させたりすることがあります。詳しい使い方については以下の例文を参考にしてみてください。

My brother is taller than is my father.(弟は父よりも背が高い)

My brother is taller than my father (is) の最後のisがthanの後に移動していますね。英語では最後のisを省略することも多く、そもそもthanを接続詞と認識していない人も多いかもしれません。この辺をしっかりと理解しておくと、倒置の仕組みが頭に入りやすいでしょう。

This egg is bigger than is that one .(この卵はあの卵よりも大きい)

This egg is bigger than that one (is)に倒置が使われた文。 比較表現ではこのように倒置が使われるケースが多いのが特徴です。

Her mother agrees, as does his father.(彼女の母親も父親も賛成しています)

こちらの文では、as以下の主語とdoesの語順が入れ替わって倒置が起きています。英語では一度出てきた単語を繰り返すことを好まないので、his father agreesではなくdoesが使われている点もポイントです。

6.仮定の「if」を省略するとき

「もし〜だったら、〜だろうに」という仮定法の文章ではIfが使われますね。このIfを省略することで倒置が起こります。ただし、すべてのIfを用いた仮定法が倒置できるとは限りません。Ifを含む条件節に以下の3つを含むパターンのみでIfの省略が可能です。

・be動詞(were)
・had+過去分詞
・should

また、この倒置はあまり会話で使われることがなく、基本的に文語で使われるということを覚えておきましょう。

Had she known the truth, she would have been upset.(もし彼女が真実を知っていたら、きっと動揺していたでしょう)
↕︎
If she had known the truth, she would have been upset.
「had+過去分詞」を含む倒置法です。Ifが省略され、Had she〜と主語と述語の語順が入れ替わっています。

Were I in your shoes, I would be delighted.(もし私があなたの立場だったら、大喜びするでしょう)
↕︎
If I were in your shoes, I would be delighted.
be動詞のwereを使った表現。仮定法では主語がIの場合もbe動詞wereを使うのが決まりです。また、in your shoesは「あなたの立場で」という意味を持つフレーズなので、こちらも覚えておきましょう。

Should you have any questions, please feel free to contact us.(もし質問があれば遠慮なくご連絡ください)
↕︎
If you should have any questions, please feel free to contact us.
shouldは仮定法の条件節でIfと一緒に用いられ、「もし〜ならば」という意味になります。他の2つの表現は文語で使われることが多いものの、Should youは会話でも使える便利な表現です。

7.「be動詞」の前後を入れ替えるとき

英文では、ただ単純にbe動詞の前後が入れ替わることがあります。be動詞はそもそも「=(イコール)」の意味となり、前後の主語と補語を入れ替えても意味は基本的に変わりません。英語は結論を先に述べる構造なので、主語が長くなるのが好まれない傾向にあります。そのため、主語が長くなるときに主語とbe動詞の後ろの補語を入れ替えることがあるのです。また、補語を強調したいときにも倒置法がよく使われます。

Amazing is the view from the window of this hotel.(このホテルの窓から見える景色は素晴らしい)
↕︎
The view from the window of this hotel is amazing.
こちらの文の主語はThe view from the window of this hotelと長く、読みづらい印象を受けます。このような場合に使いたいのが倒置法です。また、倒置によりamazingを強調する効果もあります。

Beautiful is her long hair.(彼女の長い髪は美しい)
↕︎
Her long hair is beautiful.
Beautifulを強調する倒置文。場所や方向を表す倒置の箇所でも解説しましたが、主語が代名詞のときは倒置は起こらないので注意しましょう。例えば、Beautiful she is.とういう文では主語が代名詞sheなので、Beautifulの後は主語・動詞の語順となります。

Strange was his behavior after drinking so much wine.(たくさんのワインを飲んだ後の彼の行動は奇妙だった)
↕︎
His behavior after drinking so much wine was strange.
こちらも主語の長さを倒置でカバーしている文章で、同時にstrangeも効果的に強調されています。

8.「There is」構文を作るとき

「〜がある」と存在を表すThere is構文。実は、この構文も倒置法です。まずは、以下の例をご覧ください。

There is a small car on the road.(道路には1台の小さな車が停まっている)

この文の本来の主語はa small car、動詞はisです。Thereは形式上の主語なので訳す必要はありません。ここでは、主語と動詞の倒置が起きているといえます。

There is nothing to do.(何もすることがありません)

意味上の主語nothing to doと動詞isが倒置した文です。このThere is nothing to〜はとても便利なフレーズで、toの後に続く動詞によってさまざまな意味を表すことができます。例えば、There is nothing to watch on TVとすると、「テレビで何も見るものがない」という意味になります。

There are a lot of recipes in this cook book.(この料理本にはたくさんのレシピが載っています)

意味上の主語a lot of recipesとbe動詞areが倒置した文。主語が複数の場合は動詞もareにすることをお忘れなく。

There lived an old lady in the house with red roof.(赤い屋根の家には一人の年老いた女性が住んでいた)

意味上の主語an old ladyと動詞のlivedが倒置した文。このように、There is 〜だけでなく、There lived〜という使い方もできます。

9.疑問文を作るとき

もっともなじみ深い倒置といえば疑問文ではないでしょうか。中学英語の早い段階で習う文法ですね。主語と動詞を入れ替えることで、「〜ですか?」という疑問形にすることができます。be動詞の場合は主語とbe動詞を入れ替えるだけ、一般動詞の場合は主語と助動詞を倒置させます。疑問文は意味を強調するために倒置にするのではなく、ただ文法的に生じるものです。

Is he an English teacher?(彼は英語の教師ですか?)

He is an English teacher.の主語heとbe動詞isを倒置した文。他の倒置では主語が代名詞の場合倒置が起きないものが多く見られますが、疑問形では倒置することができます。

Do you play the piano?(あなたはピアノを弾きますか?)

You play the piano.の主語と助動詞doを倒置して疑問形にした文です。

Can your mother drive a car?(あなたのお母さんは車の運転ができますか?)

Your mother can drive a car.の主語と助動詞canを倒置した文。過去形のCouldも同様に疑問文にすることができます。

10.祈願文を作るとき

「〜しますように」「〜でありますように」など、願望や祈りを表現したいときに使う祈願文。英語では「May +主語(S)+動詞(V)」の語順となり、倒置が起こるのが特徴です。こちらは主に文語で使用され、フォーマルな文章などで見かける表現です。

May your wishes come true.(あなたの願いが叶いますように)

バースデーカードやクリスマスカードなどでもよく使われるフレーズです。Mayを文頭に出すことで倒置が起き、祈願文となります。

May you return home safe.(無事に帰れますように)

こちらは相手の無事を願う英文です。このようなフレーズをさらっと使えるようになると、コミュニケーションを円滑にはかるうえでも役立ちます。

May the Force be with you!(フォースと共にあらんことを!)

こちらは映画『スターウォーズ』で使われる有名なセリフ。好きな映画のセリフなどを使って勉強すると、楽しみながら英語が身につくのでおすすめですよ。

11.感嘆文を作るとき

感動や悲しみなど、感情が大きく動いたときに使える感嘆文も倒置の一種です。感嘆文には主に、whatを用いるもの、howを用いるものの2種類があります。強調したい部分が名詞を含む場合はwhatを、名詞を含まない場合はhowを使いましょう。詳しくは以下の例文を参考にしてみてください。

How genius she is!(彼女はなんて天才なんだ!)

こちらはShe is genius.(彼女は天才です)を感嘆文にしたものです。「How + genius(形容詞)」を文頭に出すことで倒置が起きています。

What a wonderful day today is!(今日はなんて素晴らしい日なんだ!)

Today is a wonderful day.の感嘆文。文末のisを省略することも可能です。

What a terrible smell this kitchen has!(この台所はなんてひどいにおいなんだ!)

感嘆文では称賛だけでなく、ネガティブな意味合いも表現することができます。ただし、会話の相手やシーンによって使えるかどうかを見極める必要があります。

まとめ

難易度が高く感じる倒置表現ですが、パターンを押さえることで苦手意識を克服することができるでしょう。倒置法をしっかりと理解すれば、よりネイティブらしい表現に近づくことが可能です。

学習した英語表現は、ただ覚えるだけでなくアウトプットすることが大切。暗記しただけではいざというときとっさに出てこないこともあるので、何度も書いたり声に出したりして、いつでもさっと使えるようにしておきましょう。

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