英語の受け身(受動態)をわかりやすく解説!基本から応用までの活用方法

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受け身(受動態)は英語表現の上でも大事な文法の一つです。単純な文ならついていけても学習を進めて複雑な文に触れるようになるにつれ、苦手意識が芽生えてくることも少なくありません。記事ではそんな苦手意識が解消できるよう、使用するシチュエーションや使い方、間違えやすいポイントなどについて詳しく解説していきます。この記事を読めば受け身についてしっかり把握できるようになりますよ。

英語で受け身を使うのはどんな時?

「〜をする」という能動態の文に対して、「〜される」という表現は受け身の文です。英語ではどんな場面で受け身を使うのか詳しく解説していきます。

誰の動作なのか不明な場合

受け身は主語がはっきりわからない場合やあえて主語を書く必要がないと書き手が判断した場合に使われます。以下の例文を見てみましょう。

The building was built in 1990.(そのビルは1990年に建てられた)

書き手は誰がビルを建てたかについて知らないのかもしれません。もしくは、「誰がビルを建てたか」よりも「ビルがいつ建てられたか」を重視しており、あえて行為者を説明しなかった可能性もあります。受け身は、行為者を明らかにしなくても使える表現です。

主語が簡潔におさまらない場合

主語が短くおさらない場合も受け身を使います。例文を見てみましょう。

The cake was made by a three-star rank cook who is from France.
(このケーキはフランスから来た三ツ星シェフによって作られました)

例文の主語は「The cake」ですが、能動態にすると、「The three-star rank cook who is from France 」になります。主語が長くて頭でっかちなのは英語では好まれません。

一般的な話をする場合

世の中で広く伝えられている意見や噂、伝承など一般的な話をする場合も受け身を使います。以下のような表現に出会ったら一般論について述べているなとわかりますよ。

It is said that~(〜と言われている)

It is said that they are the best carpenter team in this town.
(彼らはこの町で一番の大工集団だと言われている)

It is known that~(〜と知られている)

It is known that drinking alcohol too much is bad for the health.
(酒を過剰に飲むことは体によくないと知られている)

感情を表現する場合

excited(興奮して)、interested(興味深い)、bored(退屈な)など感情を表現する特定の単語は受け身の形ですが、以下の例文のように形容詞として使われています。

I’m excited about the summer trip.(この夏の旅行はとても楽しい)

I’m interested to the new program of science.(科学の新しいプログラムに興味がある)

英語では「楽しい」や「興味深い」といった感情が生まれる際には何か理由があると考えます。そこから「(何かによって)〜な気持ちにさせられる」という解釈で、感情を表す表現が受け身になっていると考えられます。受け身の形をした感情を表す形容詞の主語は主に「人」となることを覚えておきましょう。

英語の「受け身」の文章の作り方とは?

ここでは受け身の作り方や文の構造を例文とともに解説していきます。受け身の文は時制によって単語の並べ方のパターンが決まっています。以下で詳しく解説していくので、しっかり整理してみてください。

受動態と能動態との比較

受動態と能動態との違いをそれぞれ例文で比較してみましょう。

能動態:
Shelley made the wooden table. (シェリーが木製の机を作った)

受動態:
The wooden table was made by Shelley.(この木製の机はシェリーによって作られた)

能動態の主語は受動態では「by Shelley」という副詞節になっていますね。動詞は能動態では「made」なのが受動態では「was made」に変わり、能動態の目的語にあたるthe wooden tableは、受動態では主語になっています。2つの例文は同じ内容を言っているようですが、能動態であれば「シェリー」、受動態であれば「木製の机」が着目されています。重きを置くポイントによって能動態と受動態を使い分けましょう。

基本の受け身の文

基本となる現在形の受け身の文は「主語+be動詞+過去分詞」です。例文で見てみましょう。

The medical room is cleaned by the person on duty.(医務室は当番の人によって清掃されています)

This tower was made in 1580.(この塔は1580年に建てられたと言われている)

歴史的な建造物や出来事については受け身を使う場合が多いです。

I’m bored to doing my homework.(宿題をすることにうんざりしている)

boredは受け身の形を取る形容詞なので、訳す時は能動態のようになります。

英語のさまざまな受け身の文

ここではさまざまな時制の受け身の文を例文で紹介していきます。時制が変わるとどこかどうかわるのかといった点に着目して確認してみてください。

過去形の受け身の文

受け身の文の過去形は、「主語+was/were+過去分詞」です。主語が単数の場合はwas、複数の場合はwereになります。例文を見てみましょう。

The house was burnt a few days ago.(あの家は先日全焼した)

The pumpkins were harvested three days ago.(このカボチャは3日前に収穫された)

It was said that he was the best singer in the world.(彼は世界で最高の歌手だと言われていた)

未来形の受け身の文

「will」や「be going to」を使う受け身の文の未来形は、それぞれ「主語+will+be+過去分詞」、「主語+be going to+be+過去分詞」です。willとbe going toの違いは、前者が意志や気持ちに基づいた未来についてかどうか、後者が予定に基づいた未来についてかどうかという点です。「絶対こうするんだ!」という決意を表明する時や、「たぶんこうなるだろう」など予想に基づく憶測の時はwillをおすすめします。以下は例文です。

This train will be used by many people in the future.(この電車はこれからも多くの人に利用されるだろう)

The plane is going to be used by Company executives.(その飛行機は会社の重役に使われる予定だ。)

進行形の受け身の文

受け身の文の進行形は「主語+be動詞+being+過去分詞」という形です。例文を見てみましょう。

進行形の受け身:
The wooden desk is being made by Sherry.(木製の机は(いままさに)シェリーによって作られている。)

be動詞とbeingが両方あると動詞が多く見えて混乱するかもしれません。例文を現在形にして考えて見ましょう。

現在形の受け身:
The wooden desk is made by Sherry.(木製の机はシェリーによって作られている。)

例文中の「is」が進行形「be+~ing(動詞の現在分詞)」の形に変化すると①「is being 」になります。現在形の受け身の「…is made 〜」の「is」に先ほどの①「is being 」を代入すると、「…is being made 〜」になりますね。

また、進行形を過去進行形にすることもできます。この場合、進行形「be+~ing(動詞原型からの変化)」のbeが過去形になり以下の例文のようになります。

A new theme park was being built.(新しいテーマパークが建設されていた)

完了形の受け身の文

受け身の完了形は「主語+have/has been+過去分詞」という形で表現します。主語が3人称単数の場合はhasになります。まずは現在形の例文で考えて見ましょう。

現在形の受け身:
The room is cleaned by the housekeeper.(この部屋は家政婦によって綺麗にされている)

完了形にするには、動詞を「have/has+過去分詞」に変化させます。すると動詞の「is cleaned」が「have/has been+過去分詞」に変わるので「have been cleaned」になります。例文の場合、主語が三人称単数現在のためhaveはhasとなり正しく受け身の完了形にすると以下のようになります。

完了形の受け身:
The room has been cleaned by the housekeeper.(この部屋は家政婦によって綺麗にされた)

受け身の否定文

受け身の否定文は「主語+be動詞+not+過去分詞」という形で表します。notの位置は能動態と変わりませんね。以下のような例文で表せます。

That desk was not repaired.(あの机は修理されていなかった)

The apple was not being eaten. (そのリンゴは食べられていた最中ではなかった)

That building will not be destroyed yet.(あのビルはまだ壊されることはないだろう)

受け身の疑問文

受け身の疑問文は「be動詞+主語+過去分詞~?」になります。また、whatやwhyなどWh-の語から始まる疑問文の場合は「Wh-+be動詞+主語+過去分詞~?」という形です。以下は例文です。

Is this PC used by Shelley?(このPCはシェリーに使われているの?)

When was this paper written by Dr Hilary? (この論文がヒラリー博士によって書かれたのはいつ?)

助動詞を使った受け身の文

受け身の助動詞を使った文の形は「主語+助動詞+be+過去分詞」です。

Wonderful views can be seen from the top of this mountain.(この山の頂上からはすばらしい光景を見ることができます)

This problem has to be solved one day.(この問題はいつか解決されなければなりません)

疑問文の場合は「助動詞+主語+be動詞+過去分詞」となります。

Could this desk be used by someone else?(この机を誰かに使ってもらうことはできませんか?)

あわせて覚えておきたい英語の「受け身」で使われる前置詞

受け身の文では本来主語になる行為者について「by」を使って補足することがよくあります。よく使われる前置詞はあわせて覚えておくのがおすすめです。以下で詳しく紹介します。

受け身でよく使われる「by」

受け身でよく使われる前置詞「by(〜によって)」は行為者が誰なのかを補足します。能動態では主語になる部分ですね。以下の例文のように使われます。

That trophy was won by Shelley.(あのトロフィーはシェリーによって勝ち取られたものだ)

That room has been cleaned for three years by a cleaner.(あの部屋は清掃員によって3年間綺麗にされている)

受け身で使われる「by」以外の前置詞

受け身で「by」以外の前置詞を使う場合もあります。まず、前置詞が特定の動詞とセットになってイディオム化している場合です。このパターンは受け身の形を取りながら形容詞として使われている単語によく見られます。以下は例の一つです。

surprised at(驚かされた)

I was surprised at the terrible environment.(私はひどい環境に驚かされた)

interested in(~に興味がある)

I’m interested in International Relations.(私は国際関係学に興味がある)

またややこしいのが、「make」を使った受け身です。

以下の例文のように場合によって前置詞が変わります。

素材と完成品が同じ場合はmade ofを使います。

This table is made of wood.(このテーブルは木から作られている)

木と木製のテーブルは形が変わっただけですので、made ofとなります。

素材と完成品が加工によって異なっている場合はmade fromを使います。

Bubbles are made from soap.(シャボン玉は石鹸から作られている)

石鹸とシャボン玉は加工によって別物になっているので、made fromが使われます。

覚えておきたい例外的な英語の受け身の文

ここからは、今まで紹介した受け身の基本の型とは別に、能動態から受け身の文に書き換える時に間違えやすい例外的なパターンについて取り上げていきます。これを覚えておくと、TOEICなどで出題される単語の並び替え問題にも、自信を持って取り組めるようになるでしょう。以下で詳しく解説していきます。

SVOOの文型を使った受け身の文

目的語が2つあるSVOO’(主語・述語・目的語・目的語)の文型を受け身にする時、形は「O+ be動詞+過去分詞+O’」となります。受け身になった時、2つの目的語がそれぞれどの位置になるのかに注意しましょう。SVOOは基本的に「人に物を与える」といった形の文が多いですが、目的語のうち「人」と「物」どちらが受け身の主語になっても語順は変わりません。

He gave me a ring.(彼は私に指輪をくれた)という能動態の文を受け身にすると、
→ This ring was given to me by him.
→ I was given a ring by him.

He bought me coffee.(彼はコーヒーを私に買ってくれた)という能動態の文を受け身にすると、
→ I was bought coffee by him
→ Coffee was bought to me by him.

群動詞を使った受け身の文

群動詞は句動詞とも呼ばれ、以下のような動詞と前置詞がセットになったフレーズを指します。

・take after(面倒を見る)
・look for(探す)
・stand for(表す)
・laugh at(笑う)

受け身の文で群動詞を使う場合を例文で見ていきましょう。

This dog was laughed at by heartless people.(この犬は心ない人たちによって笑われた)

上記の例は群動詞laugh atを使った受け身の文です。atとbyを同時に使うので、なんだか奇妙に見えるかもしれません。しかし、atはこの場合、「laugh at」のセットで必ず使われるので省略されません。

さらに、否定形・疑問文でも受け身のルールに従って同じように文章を組み立てます。

This dog is not laughed at by heartless people now.(この犬はいまや心ない人たちによって笑われることはない)

Is this dog laughed at by heartless people?(この犬は心ない人たちによって笑われているのですか)

使役動詞を使った受け身の文

使役動詞「make, let, have」は能動態から受け身に変換すると、例外的な変化をするので気をつけましょう。まず使役動詞「make」を受け身にする場合について例文で説明します。

使役動詞「make」を使った能動態:
The supervisor made her build a desk.(上司は彼女に机を作らせた)

使役動詞「make」を能動態で使う場合は 「make+目的語+動詞原型(不定詞)」の形になり、上の例文でも「build」が動詞の原形(不定詞)ですね。使役動詞を使った受け身の文になると、「be made +to+動詞原形(to不定詞)」となり、以下のように「build」が「to build」書き換えられます。とても間違えやすいのでしっかり覚えておきましょう。

使役動詞「make」を使った受け身:
She was made to build a desk by the supervisor.(彼女は上司に机を作らされた)

使役動詞「let(許す)」は受け身にすることができません。なので、代わりに「be+allowed+to+動詞原型(to不定詞)」が使われます。例文を見てみましょう。

使役動詞「let」を使った能動態:
He let me drive his bike.(彼がバイクを運転させてくれた)

この例文を受け身にすると、
上記の受け身:
I was allowed to drive his bike.

使役動詞「have」にも受け身の形はありません。書き換えをする時は代わりに「be+told+to+動詞原型(to不定詞)」や「be+asked+to+動詞原型(to不定詞)」などを使います。例文を見てみましょう。

使役動詞「have」の能動態:
I have my brother run.(私は弟を走らせる)

この例文を受け身にすると、
上記の受け身:
My Brother is asked to run bymy.(弟は私に走るよう言われる)

知覚動詞を使った受け身の文

see,feel,hearなど人間の感覚的な動作を表す動詞を知覚動詞と言います。これを使った能動態を受け身に書き換える場合を解説します。知覚動詞は通常3パターンの使い方があるので順に例文で見ていきましょう。

「知覚動詞+目的語+原型不定詞」の形の能動態の文の場合

能動態:
I saw the dog cross the street.(その犬が通りを渡るところを見た)

上記を受け身の文にすると原型不定詞がto不定詞に変わり以下のように、書き換えられます。間違えやすく、試験などでもよく試されるポイントなのでしっかり覚えておきましょう。

受け身:
The dog was seen to cross the street.(その犬が道を渡るところを目撃された)

「知覚動詞+目的語+動詞ing」の形の能動態の文の場合

能動態:
I saw the dog crossing the street.(その犬が通りを渡っているところを見た)

上記を受け身の文にすると動詞ingはそのままで以下のように書き換えられます。

受け身:
The dog was seen crossing the street.(その犬が道を渡っているところを目撃された))

「知覚動詞+目的語+過去分詞」の形の能動態の文の場合

能動態:
I saw the dog dressed in cute clothing.(その犬がかわいい服を着ているのを見た)

上記を受け身の文にすると過去分詞はそのままで以下のように書き換えられます。

受け身:
The dog was seen dressed in cute clothing.(その犬がかわいい服を着ているのを目撃された)

まとめ

受け身の基本や、さまざまな時制文の作り方、能動態から受け身への書き換えなどを詳しく解説してきました。日常生活の中には受け身で表現できるシチュエーションは以外とたくさんあります。記事を読んだだけではまだ難しく感じるかもしれませんが、受け身で表現できそうな身の回りの状況を見つけたら、簡単な例文を作ってみるということをぜひ試してみてください。しだいに、受け身の表現に慣れて体得していけるでしょう。

自主的にそういった練習するのが難しいなと感じる人は、英会話レッスンというアウトプットの機会を利用してみてはいかがでしょうか?間違った表現などはその場で指摘をしてもらえるので効率的に上達できるでしょう。レアジョブではオンラインでの英会話レッスンを開催しています。無料体験レッスンも実施しているので、試してみてはいかがでしょうか。

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