※この記事内の例文は、World Englishes の考え方に基づき解説しています。英語ネイティブにとって正確であることより、あらゆる人に分かりやすいことを優先しています。
関係代名詞と聞いてどんなものか思い浮かべられますか?知っていたとしても、関係代名詞にはいくつもの種類があって、いつどんな場面で使えばいいのか、わかりづらいですよね。そのうえ、「〇〇格」や「△△格」では使い方が違うという解説を読んで、戸惑っていませんか?
今回はそんな関係代名詞の中でも、最も基本的な “that” “which” “who” の使い方をご紹介していきます。出来るだけ難しい文法用語を使わずに説明していきます。
特に英文法が苦手だったと感じていたという方は、このコラムを読んで少しでも英語を好きになっていただければと思います。
“関係代名詞”、“先行詞”とは?
関係代名詞とはそもそもどういう意味なのでしょうか。
英語では関係代名詞を、“relative pronoun” と呼びます。“pronoun” とは、私たちがよく知っている「代名詞」の事です。「あれ」とか「彼」のように、特定の名詞の代わりに使うものですね。
では、“relative” とはなんでしょうか。これは「関係がある」という意味の形容詞です。
総合英語FORESTで使われていた例を引用して説明します。

“who”によって、それまで無関係だった “the woman” (先行詞)と “helped me” が関係を持つようになっています。
また、“who helped me” だけ取り出してみると、“who” は “helped me” の主語になっています。この “who” に “the woman” を代入することで、
“The woman helped me.”
(その女性は私を助けた)
と、似た意味の文を作ることが出来ます。前に来る言葉の代わりになるという、代名詞の機能も持っているのです。
このように、今まで関係のなかった者同士に「関係」を持たせる機能と、「代名詞」の機能を併せ持った単語だからこそ、「関係代名詞」と呼ばれているのです。
関係代名詞の種類と格
関係代名詞は、関係代名詞に修飾される名詞や代名詞を先行詞と言い、関係代名詞には、以下の表のように種類と分類されます。
| 先行詞の種類 | 人 | もの/動物 | もの/動物/人 | 先行詞を含む |
| 主格 | who | which | that | what |
| 所有格 | whose | whose/of which | – | – |
| 目的格 | whom (who) | which | that | what |
以下は、次回以降のコラムで解説します。
では「格」というのは、何でしょう?「格」とは、英語では“case”といいます。これは、言語学者が、名詞の変化から文の構造を分析するときの考え方です。
・私がご飯を食べる。
・私を困らせる。
どちらも同じく文の先頭に来ている、「私」という同じ単語です。ですが、この2つの「私」は、明らかに違う役割を持っています。前者はご飯を「食べる」という動作の主体ですが、後者は「困らせる」という動作を受ける客体です。
このように、その名詞が持っている、他の言葉に対する役割の事を「格」と呼びます。
日本語の場合は「が」がついているものを「ガ格」、「を」がついているものを「ヲ格」というように、名詞の後についてくる助詞によって、その名詞の役割を区別しています。「私が」がガ格の私、「私を」はヲ格の私というわけです。
“that”“which” “who” の違いとは
ではここから関係代名詞は、どのように使えばいいのかを解説していきます。
thatの使い方
“that” は人と物の両方を説明するときに使うことができます
The wine that I poured
The wine(そのワイン)
→どんなワイン?
that I poured(私が注いだ)
⇒つまり?
The wine that I poured
(私が注いだワイン)
The person that built this house
The person(その人)
→どんな人?
that built this house(この家を建てた)
⇒つまり?
The person that built this house
(この家を建てた人)
The rumor that he said
The rumor(そのうわさ)
→どんなうわさ?
that he said(彼が言った)
⇒つまり?
The rumor that he said
(彼の話したうわさ)
一般に、人を説明するときには“who”の方が好まれるようです。とはいえ、「迷ったらthat」で大丈夫です。
whichの使い方
“which” はモノ・コトだけに使うことができます
The glass which I bought
The glass(そのコップ)
→どんなコップ?
which I bought(私が買った)
⇒つまり?
The glass which I bought
私が買ったコップ
The bill which you need to pay
The bill(その請求書)
→どんな請求書?
which you need to pay(あなたには払う必要がある)
⇒つまり?
The bill which you need to pay
(あなたが払う必要がある請求書)
という意味になります。以下のように、
The town which many tourists visit
(多くの観光客が訪れる町)
The table which I made
(私が作った机)
などがあります。
whoの使い方
“who” は人を説明するときに使います
The man who I met in Paris
The man.(その男性)
→どんな男性?
who I met in Paris.(私がパリで会った)
⇒つまり?
The man who I met in Paris
(パリで会った男性)
他にも、
The girl who used to play this video game
(かつてよくそのゲームをプレイした女の子)
The friend who watched the movie
(その映画を見た友達)
などがあります。
このように、“which” はモノ・コト、“who” は人を説明するときにだけ使います。一方、“that” はそのどちらにも使うことが出来るので、より使い勝手がいいことがわかります。“that” が使いづらいマニアックなケースもありますが、差し当たっては “that” の優先順位が高いと考えて間違いないでしょう。
所有格関係代名詞の“whose”と“of which”の使い方
所有格関係代名詞「whose」と「of which」は、名詞の所有や性質を表す際に用いられます。
whose
「whose」は、先行詞となる名詞の「所有物」や「属性」を表す所有格の関係代名詞です。「その人の(ものの)〜」という意味合いで使われ、人だけでなく物に対しても使用できます。
「whose」の後に続く名詞は、その「whose」が指し示す先行詞の所有物となります。
例文:
The man whose house is big.
-
- (その人の家が大きい男性 → 大きな家を所有する男性)
- この文では、「The man」の「house」について述べています。「whose house」で「その男性の家」という意味になります。
- (その人の家が大きい男性 → 大きな家を所有する男性)
The house whose kitchen is small.
-
- (その家のキッチンが狭い家 → キッチンの狭い家)
- 「The house」の「kitchen」が小さいことを表しています。「whose kitchen」で「その家のキッチン」という意味になります。
- (その家のキッチンが狭い家 → キッチンの狭い家)
The man whose name is known to all the world.
-
- (世界中に名を知られている男性)
- 「The man」の「name」について述べています。「whose name」で「その男性の名前」という意味になります。
- (世界中に名を知られている男性)
of which
「of which」は主に物の所有を表す際に使われます。「of which」を使うことで、よりフォーマルな表現になります。また、“whose” と同様に「そのものの〜」という意味合いで使われます。
「of which」は「前置詞 + which」の形であり、文頭に置くことはできません。通常、修飾する名詞の後に続きます。
例文:
I bought a car, the color of which is red.
(私は車を買ったが、その色は赤だ。)
この文では、「a car」の「color」について述べています。「the color of which」で「その車の色」という意味になります。
We visited a house, the roof of which was damaged by the storm.
(私たちは家を訪れたが、その屋根は嵐で損傷していた。)
「the roof of which」で「その家の屋根」という意味になります。
She read a book, the ending of which was quite surprising.
(彼女は本を読んだが、その結末はかなり驚くべきものだった。)
「book」の「ending」について述べています。「the ending of which」で「その本の結末」という意味になります。
このように、「of which」は先行詞が物である場合に、その物の部分や性質、関係性を示すのに使われます。特に書き言葉やフォーマルな場面で好まれる表現です。
「whose」は人にも物にも使え、先行詞の「所有物」や「属性」を示します。より汎用性が高く、口語でもよく使われます。
一方、「of which」は基本的に物の所有を表す際に用いられ、よりフォーマルな響きがあります。
目的格関係代名詞の省略とは?
目的格の関係代名詞(whom, which, that)は、会話ではほぼ省略されます。関係代名詞のあとに「主語+動詞」が続くのが目的格です。目的格の関係代名詞は、会話やカジュアルな文章ではほとんどの場合省略されます。これは、省略しても文の意味が明確に伝わるためです。
whomは人を表す名詞を修飾するとき、whichはものを表す名詞を修飾するとき、thatは人とものどちらにも使えます。
「昨日のショーはとても楽しかった」というフレーズを例に説明すると…
・関係代名詞の省略前:
I really enjoyed the show that I saw yesterday.
・関係代名詞を省略:
I really enjoyed the show I saw yesterday.
2つの例文を声に出して言ってみると、関係代名詞を省略したほうが滑らかだということがわかると思います。
それでは、次の2つの文を、関係代名詞を使って1つにしてみましょう。
This is the teacher. + I respect him a lot.
「これは先生です。」+「私は彼をとても尊敬しています。」
・関係代名詞の省略前:
This is the teacher whom (that) I respect a lot.
・関係代名詞を省略:
This is the teacher I respect a lot. この人が私が尊敬する先生です。
英会話では、目的格の関係代名詞は省略したほうが自然に聞こえるということを覚えておきましょう。
関係代名詞の「制限用法」と「非制限用法」のポイント
関係代名詞には、先行詞を修飾する「制限用法」と先行詞について補足的な説明を加える「非制限用法」があります。簡単な見分け方として、制限用法は、先行詞の前に “、(コンマ)” を置きません。
例文:
This is the student who solved the difficult math problem.
(これが、その難しい数学の問題を解いた学生です。) 【制限用法】
解説:「who solved the difficult math problem」がなければ、どの学生なのか特定できません。
The car which is parked over there is mine.
My brother, who lives in New York, is a doctor.
(私の兄は、ニューヨークに住んでいるのですが、医者です。) 【非制限用法】
解説:兄は一人しかいないので「who lives in New York」がなくても「My brother」は特定できます。この部分は、兄の居住地についての補足情報です。
I visited my hometown, where I spent my childhood.
よくある間違いと関係代名詞を使う上での注意点
関係代名詞は英語学習者がつまずきやすいポイントの一つです。ここでは、よくある間違いと、それを避けるための注意点を解説します。
関係代名詞の誤った省略
目的格の関係代名詞(whom, which, that)は省略可能ですが、主格の関係代名詞(who, which, that)は省略できません。これを混同すると不自然な英語になります。
例文:
✖ The man lives next door is a doctor. (隣に住んでいる男性は医者です。)
〇 The man who lives next door is a doctor.
解説: この文の”The man”の後に主格の関係代名詞 “who” が省略されています。”lives”は動詞なので、その前に主語となる関係代名詞が必要です。
関係代名詞の直後に動詞が続く場合は、その関係代名詞は主格であり、省略できません。
〇 This is the teacher (whom) I respect a lot.
(これが私がとても尊敬している先生です。)
whomについてよくわからない人は、「英語の関係代名詞「whom」ってなに?whoとの違いや使い方を徹底解説!」でおさらいしましょう!
関係代名詞と接続詞の混同
関係代名詞は「名詞を修飾する」と「文と文をつなぐ」という二つの役割を同時に持ちます。そのため、接続詞(and, butなど)と混同して二重に接続詞を使ってしまう間違いがあります。
✖ I have a friend, and who lives in Tokyo.
〇 I have a friend who lives in Tokyo.
解説: “and” と “who” の両方を使ってしまっています。”who”自体に接続の機能が含まれるため、”and”は不要です。
注意点: 関係代名詞を使う際は、その中に「接続」の役割も含まれていることを意識しましょう。
前置詞の誤った位置
前置詞を伴う関係代名詞(例: about which, with whom)の場合、前置詞の位置を誤ると不自然になります。
✖ This is the book which I was talking about.
解説:前置詞 “about” が文末にあり、フォーマルな表現では、前置詞を関係代名詞の前に置くのが適切です。口語では一般的だが、フォーマルな文では不適切とされる場合がある
〇 This is the book about which I was talking.
ポイント: 前置詞を伴う関係代名詞を使用する際は、前置詞を関係代名詞の直前に置きます。特に「of which」はその典型的な例です。
非制限用法における「that」の使用
非制限用法では、関係代名詞として “that” は使用できません。必ず “who” や “which” を用います。
✖ My sister, that lives in London, is a teacher.
〇 My sister, who lives in London, is a teacher.
ポイント:コンマで区切られる非制限用法では、”that” は使えないと覚えましょう。
関係代名詞の理解度チェック!練習問題
以下の( )内に、適切な関係代名詞(who, whom, whose, which, that, where, when, why など)を入れましょう。省略できる場合は( )で囲んでください。また、制限用法か非制限用法か、その見分け方も意識しながら解答してください。
問題1:This is the camera ( ) I bought last week.
(これは私が先週買ったカメラです。)
問題2:Mr. Tanaka, ( ) is a famous novelist, lives next door.
(田中さんは、有名な小説家ですが、隣に住んでいます。)
問題3:I know a girl ( ) father is a pilot.
(私は父親がパイロットの女の子を知っています。)
問題4:The restaurant ( ) we had dinner last night serves excellent Italian food.
(私たちが昨夜夕食を食べたレストランは、素晴らしいイタリア料理を提供しています。)
問題5:Tell me the reason ( ) you were late.
(あなたが遅れた理由を教えてください。)
▼解答
問題1:This is the camera (which / that) I bought last week.
解説: 「I bought the camera.」の「the camera」が目的語なので、目的格の関係代名詞である which または that が入ります。これらは省略可能です。
問題2:Mr. Tanaka, who is a famous novelist, lives next door.
解説: コンマがあるので非制限用法です。先行詞が人なので who を使います。非制限用法では that は使えません。
問題3:I know a girl whose father is a pilot.
解説: 「a girl’s father」のように所有関係を示しているので、所有格の関係代名詞 whose を使います。
問題4:The restaurant (where / which / that) we had dinner last night serves excellent Italian food.
解説: 「we had dinner at the restaurant」のように場所を表しているので where が使えます。また、where の代わりに which や that を使うことも可能です。この場合は、at which や in which が省略されていると考えることもできます。
問題5:Tell me the reason (why / which / that) you were late.
解説: 「the reason」を説明する関係副詞 why が適切です。また、why の代わりに which や that を使うことも可能です。
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