「会社の昇進・昇格に必要だから…」「将来の転職・キャリアアップに備えよう」「海外研修や海外転勤のチャンスを手に入れたい!」など、TOEICのスコアアップを目指して、英語学習に取り組んでいる方は多いと思います。
では、みなさんは、TOEICのスコアアップに向けてどのような学習をしていますか? 大量の英語を聞いたり、英文の読解問題を解いたり……と、試験内容でもある「リスニング」と「リーディング」にまずはターゲットを絞って学習している方も多いかもしれませんね。しかしながら、このアプローチは果たして効果的といえるのでしょうか。
今回の記事では、TOEIC受験者に関する調査データから、受験者の重要視するスキルとスコアの関係性を明らかにしつつ、そこから導き出されるTOEICのスコアアップに効く学習方法をご紹介します。
(※注:以下、今回の記事で「TOEIC」と表記する場合、「TOEIC Listening & Reading Test(TOEIC L&R)」のことを指します)
TOEIC受験者が重要視しているスキルとは?
これからご紹介するのは、TOEICテストを開発しているETS(Educational Testing Service)が、TOEIC受験者に実施したアンケート結果をもとに作成した『2015 Report on Test Takers Worldwide』に掲載されているデータです。
TOEICの受験経験のある方はご存知だと思いますが、テストの開始前には、マークシートに名前や受験番号を記入する以外に、「学歴、業種、英語学習歴、英語の使用状況、TOEICの受験歴…」などといったバックグラウンドに関するアンケートにも回答します。『2015 Report on Test Takers Worldwide』は、そのアンケートの結果をもとに、様々な角度から受験者のスコアを検証したものです。
次の表は、「言語能力のうちもっとも重要視されている(いた)のは次のどれですか?」という質問に対するTOEIC受験者の回答をまとめたものになります。
【表】<最も重要視されている(いた)言語能力>
(出典:『2015 Report on Test Takers Worldwide』 P.9)
※注:SD(standard deviation)=標準偏差
この質問への回答選択肢は以下の7通りで、受験者はいずれかひとつを選択します。
5)リスニングとスピーキング、
6)リーディングとライティング、
7)リスニングとリーディングとスピーキングとライティング
まず、最も重要視する能力として、受験者が回答した割合がもっとも多かったのが「リスニングとスピーキング」です。4人に1人である、約25%(24.7%)の受験者がこの2つのスキルを重要視していると答えました。
英語によるコミュニケーションが発生するビジネスシーンにおいては、相手の言っていることを聞き取る力・理解する力(=リスニング)と、会議やプレゼンなどで自分が発信していく力(=スピーキング)が特に求められます。そのため、この2つのスキルを特に重要視している受験者が多いのでしょう。
また、「リスニングとスピーキング」の次に多かったのが「リスニング・リーディング・スピーキング・ライティング」と回答した受験者の割合です。約23%(22.9%)の受験者が、4技能すべてを重要視しているという結果が出ています。
そして、この4技能を重要視している受験者には、驚くべき特徴があるのです。
圧倒的にスコアが高い!「4技能」重視の受験者
次のグラフは、先ほどの質問(「言語能力のうちもっとも重要視されている(いた)のは次のどれですか?」)に対する、それぞれの回答者グループの平均スコアを比較したものです。
【グラフ】<最も重要視する能力別平均スコア>
(出典:『2015 Report on Test Takers Worldwide』 P.20)
まず、ここから明らかとなったのは、「4技能すべてを重要視している」と回答したグループの平均スコアが最も高く、他の回答グループと比べて顕著な差が見られるという点です。
別の選択肢を選んだグループの平均スコアが、軒並み500点台にとどまる中、最も重要視する能力として「リスニング・リーディング・スピーキング・ライティング」の4技能を選択したグループの平均スコアは、665点(L:359、R:306)となっており、群を抜いて高くなっています。
4技能重視 > 1つのスキル重視
また、ここで興味深いのが、最も重要視する能力として「リスニング」または「リーディング」と、TOEICテストにも関わりの深いどちらか1つのスキルを回答したグループの平均スコアが、4技能重視のグループに比べて、どちらも遥かに下回っているという点です。
【リーディング】4技能重視:R306点 > リーディング重視:R243点
このように、4技能重視のグループの平均スコアは、リスニングが359点・リーディングが306点であるのに対し、リスニングのみを選択したグループは285点、リーディングのみを選択したグループは243点……と、大幅に下回っているのです。
「スピーキング」重視はスコアが高い
もうひとつ特徴的なのは、「スピーキングを最も重要視する」と回答したグループの平均スコアの高さです。
【リーディング】スピーキング重視:R264点>リーディング重視:R243点
このように、リスニング・リーディングをそれぞれ単独で重要視している受験者よりも、スピーキングを重要視していると回答した受験者の方が、それぞれのセクションでスコアが上回っているのです。また、トータルスコアにおいても、先ほどの4技能重視のグループの665点に続き、590点と二番目に高い平均点となっています。
つまり、ここから明らかとなったのは、TOEICは「リスニング」と「リーディング」のテストだからといって、そこばかりを重要視している人よりも、4技能をバランスよく身に付けていくよう意識している人の方が、圧倒的にスコアが高いという事実です。そして、特に「スピーキング」を重要視した学習が、意外にも、リスニング・リーディングがメインとなるTOEICテストにおいても、スコアアップへと繋がる可能性が高いのではないかということです。
「スピーキング」で「リスニング・リーディング」を鍛えよう!
上記を踏まえ、ここではスピーキングのスキルを磨くことで、リスニング・リーディングの力を伸ばすための仕組みと学習法について簡単にご紹介します。
1)「発音・イントネーション・アクセント」を磨く
リスニング力を向上させたいと思い、英会話のCDや教材を使って聞き取りの練習をしている方は多いのではないでしょうか。しかしながら、何回も聞いてもどうしても聞き取れない・苦手であると感じる発音はありませんか?
実は、自分が発音できない音は、聞き取ることが難しいとも言われています。そのため、リスニング力を上げるには「発音」の練習をはじめ、「イントネーション(抑揚)」「アクセント(強弱)」といったスピーキングに関連した学習も取り入れていくといいでしょう。発音も含めて、イントネーション・アクセントなどが身に付くと、相手が言っていることが聞き取りやすくなります。
2)「音読」で素早く理解する力を磨く
「音読」は英文を口に出して読むため、スピーキングの練習として最適な学習方法です。また、それだけではなく、音読の練習では英文を素早く理解する力も鍛えることができるため、リーディングのスキルアップにも効果を発揮するのです。
英語を発音するときには、正しく「強弱」をつけることが重要です。例えば、重要な意味を持つ語や新しく出てきた情報などは強く発音しますが、既に出てきた情報や単なるつなぎの言葉などは、弱く発音するのです。音読の際に、適切に強弱をつけていくためにも、文章の内容を素早く理解していくことが必要となるので、この繰り返しによって速読力を磨いていくことができるのです。
【動画付き】ラップで英語の発音強化!
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おわりに
このように、スピーキングのスキルは、リーディング・リスニングとも密接な関係があります。TOEICでスコアアップを目指している方も、リスニングやリーディングのみに絞って学習していくのではなく、4技能をバランスよく磨いていくことを意識してみてはいかがでしょうか。
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