現在完了形って、一体何が完了しているの?英語落第生だった私が独学で学んだ現在完了形の本質を徹底解説

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Lady Writing Notebook Diary

新年明けましておめでとうございます。ライターの石田です。

突然ですが、この2種類の文はどう違うか説明できますか?

a. There was a great earthquake here.
b. There has been a great earthquake here.

文の大まかな意味は同じで、「ここで地震があった」ということです。違うのは過去形を使っているか、現在完了形を使っているかだけです。私たちには、どちらも「ここで大きな地震があった」としか訳せません。

現在完了形の感覚

英語が公用語のネイティブスピーカーに2つの文を見せると、aの文からは、すでに復興が済んだ地震のことを、昔のこととして思い出しているようなイメージを彼らは受けます。

一方、bの文からは、深刻な被害、多くのけが人など、今まさに対策しなければいけないものとして地震をとらえているようなイメージを彼らは受けます。

このニュアンスの違いは、少し文の形を変えることで、私たちでも感じることが出来ます。

a’. あの大地震について語り合った
b’. あの大地震について話し合った

a’の「語り合う」には思い出のようなニュアンスがある一方、b’の「話し合う」からは対策を練っている緊迫感が伝わってきませんか?

「完了形」って何が完了してるの?

現在完了形は、中学英語の後半に登場する文法項目です。普通の文の動詞の前に”have”をつけ、動詞を過去分詞形にすることで作ります。

I study English. → I have studied English.

学校英語では、現在完了形には経験・継続・完了の3用法があると教えられています。

①経験用法:ある行為を経験したことを表わす。
I have been to America twice.
私はアメリカに2回行ったことがある。
②継続用法:ある行為を続けていることを表わす。

I have studied English for three years.
私は英語を3年間勉強し続けている。
③完了用法:ある行為が終わっていることを表わす。

I have already finished my homework.
私は宿題をもう終わらせた。

ところで英語落第生の私は、中学生で現在完了形を習って以来、ずっと頭を悩ませてきました。
「現在完了形って、何が完了してるの?」

①の経験用法と②の継続用法は、そもそも何も完了していません。アメリカに行って、日本に戻ってきているから完了なのか?英語を3年勉強し続けているって、完了とは真逆じゃないか?英語の先生を含めて、答えてくれる人は誰も居ませんでした。

③の完了用法だけは、確かに完了している。でも、”I finished my homework.” と言えばそれで済む話じゃないか!どうしてわざわざそんなややこしい言い方をするのでしょうか?

こうして私は英語嫌いをますますこじらせていったのでした。

完了形は完了していない

現在完了形には、学校英語ではちゃんと教えない、コアになっている意味があるのです。それを理解するためには、まずは「現在完了」という名前の本当の意味を知る必要があります。

現在完了形は、英語で”present perfect”といいます。”present”の意味は「現在」でいいのですが、この”perfect”は、「完璧」という意味ではなく、言語学の専門用語です。読者の中には、『現在完了の英訳だから「完了」という意味でいいのでは?』と思われる方もいるかと思います。実際に英和辞典にも「完了時制」や「動詞の完了形」と訳されているそうです。しかしこのパーフェクト、私たちが普段使う「完了」という言葉とは、意味が全く違っているのです。ですので今回は、そのまま「パーフェクト」と翻訳します。

実はこのパーフェクトは「過去の出来事を、別の時間との関係を強調して伝える」ような態度のことを言います。

”present perfect”=現在パーフェクトは、「過去の出来事を、現在と強い関係があるかのように話す」、より分かりやすく言えば、「過去を、目の前の現実に変換する」力を持っています。

先ほどの地震の例をもう一度見てみましょう。

a. There was a great earthquake here.
b. There has been a great earthquake here.

aの文は過去形を使っているので、地震は単なる過去の出来事です。だから、遠い世界の事として、あたかも他人事のように想像するようなニュアンスになるのです。

一方、bの文は現在完了形を使っています。現在完了形は「現在パーフェクト」ですから、過去の出来事を目の前の現実に変換してしまうという力を持っています。だから、これを聞いた人は、我が事として地震が目の前に迫ってくるように感じるのです。

つまり、現在完了形は、動作が完了しているかどうかとは関係ありません。過去の出来事を、現在の問題や出来事に変換する、「現在パーフェクト」という表現方法なのです。

パーフェクトの訳し方

英語のパーフェクトと完全に一致する形は、日本語にはありません。ですが、近いニュアンスを持っていると言われるものはあります。「○○している」という言い方です。

「え?○○しているって、現在進行形じゃないの?」と思われるかもしれません。試しに先ほどの例文を、「○○している」を使って訳してみましょう。

I have been to America twice.→私は2回アメリカに行っている。
I have studied English for three years.→私はもう3年英語を勉強している。
I have already finished my homework.→私は宿題をもう終わらせている。

「○○している」にも、現在パーフェクトと同じく、過去の行為を現在に結び付ける力があることがわかります。

とはいえ、英語のパーフェクトを正確に表現する手段は、日本語にはないと言っていいでしょう。だからこそ、現在完了形は難しいのです。

現在完了形の使い時

まとめると、ある出来事を語る際に、

過去形
・自分達とは直接関係がない
・昔あったイベントを思い出すような感じ
・今の感情と切り離して理性的に語る

現在完了形
・今の自分達と直接関係がある
・目の前に迫ってくるような感じ
・今の感情と絡めて直感的に語る

というニュアンスの違いがあります。

ノンネイティブ同士で英語を使う場合には、この違いは特別意識しなくてもよいと私は思います。ノンネイティブがこの違いを感じ取るのは難しいからです。いちいち”have”を活用させたり過去分詞形を作ったりする手間に見合うかどうかは微妙なところです。

一方で、ネイティブスピーカーと話す場合には、現在完了形も必要になってきます。過去形は過去の事を過去のまま、傍観者のように語ります。現在完了形は過去の話を現在の自分と強く結びつけて語る、直感的な言い回しです。過去形だけで話をしていると、ネイティブスピーカーには他人事ばかり話しているように感じられるでしょう。例えば、

今の気分
It has been a long day!
(今日は1日大変だった!)
大変だった! だからこそ今は疲れ切っている! と、現在の自分の気分を言っています。この時に”It was a long day.”というと、「長い1日だったみたいだね。」と、現在の自分とは関係ないように聞こえてしまいます。

過去の出来事が自分を変えた
The days in America have really toughened me up.
(アメリカで過ごした日々は、本当に私を強くしました。)
この場合、過去形を使うと、昔の出来事のうちの一つのようになり、今の自分とアメリカとの特別な関係が感じ取りづらくなってしまいます。「アメリカ生活あっての私なんだ」と伝えたい時には、現在完了形を使うと効果的です。アメリカでの生活が今の自分の生活の後押しをしてくれているような、目の前に迫るようなニュアンスが出てきます。

まとめ

現在完了形は日本語の感覚では理解しづらく、難関と言えるトピックです。私自身、到底完璧に使いこなしているなどとは言えません。それでも、現在パーフェクトの持つ、感情的で過去を現在に変換する力を知ることで、現在完了形のメカニズムが見えてきます。現在完了形を使いこなして、直感的な英語を目指しましょう!

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