英単語は「語源」で覚える!仕組みから覚える大人の英語学習者のための語源7選

公開日:更新日:
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

最近、にわかに注目を集めている「語源学習法」って聞いたことがありますか?「語源学習法」とは、英単語をパーツに分解し、そのパーツごとの意味から単語全体の意味をつかんでいくという学習方法。英単語は主に接頭辞、語根、接尾辞の3つに分類されます。

例えば“prepaid”という単語は「pre+paid」と2つのパーツに分解可能。「前もって、あらかじめ」を意味する「接頭辞」“pre”と「支払った、払われる」を意味する「語根」“paid”が組み合わさり、「前払いの・前納の」という意味になるのです。

丸暗記とは異なり、単語を深く理解することができるため、記憶に残りやすくなります。脳科学の見地からも、理解して覚える「意味記憶」を得意とする大人に大変有効だと言われています。

そこで今回は、知っておくと便利な7つの語源をご紹介します。語根を中心に、その前後につく接頭辞や接尾辞について学んでいきましょう!

耳馴染みのある単語の語源から語彙力を高める

03

「tract」 引く、引っ張るの語源

語根「tract」はラテン語“trahere”が由来で、「引く・引っ張る」を意味します。日本語にもなっている“tractor”(トラクター・牽引車)は、「tract(引く)+or(【接尾辞】名詞化:〜する人・物)」から成り立つ単語です。
01-2

attract

at(【接頭辞】〜の方へ)+tract(引っ張る)
⇒引きつける
=attract[動]:(注意・興味などを)引く、魅了する

extract

ex(【接頭辞】外に)+tract(引っ張る)
⇒引き出す
=extract[動]:抜く、抽出する、抜粋する

distract

dis(【接頭辞】離して)+tract(引っ張る)
⇒気持ちを引き離す
=distract[動]:そらす、 紛らわす

contract

con(【接頭辞】一緒に)+tract(引っ張る)
⇒共に引き合う
=contract[動・名]:契約をする、契約

retract

re(【接頭辞】後ろへ)+tract(引っ張る)
⇒引っ込める
=retract[動]:取り消す、撤回する

subtract

sub(【接頭辞】下に)+tract(引っ張る)
⇒引き下げる
=subtract[動]:〜を減じる、引く、引き算をする

<品詞を自在に変化させる「接尾辞」>
接尾辞は、単語の品詞を判断するのに役立ちます。仕組みやパターンを理解しておけば、学んだ単語の品詞を変化させることができるため、芋づる式に単語量を増やしていくことができます。

【例】attract[動]
・attractive[形]:魅力的な
attract+ive(【接尾辞】〜の傾向のある、性質をもつ)

・attraction[名]:引きつけること、魅力、アトラクション
attract+ion(【接尾辞】名詞化:〜もの・こと)

「mit / miss」送るの語源

語根「mit / miss」はラテン語“mittere”が由来で、「送る」を意味します。接頭辞や接尾辞と一緒になり、さまざまな単語を形成しています。「-mit」という綴りの単語は数多くありますが、接頭辞の持つ意味をイメージすることで、それぞれの意味の違いが分かりやすくなり、記憶の手助けとなります。
word_admit

admit

ad(【接頭辞】〜の方へ)+mit(送る)
⇒ 〜へ送り入れる
=admit[動]:〜を認める、〜入ることを許可する
※admission[名]:入場、入会、認めること

commit

com(【接頭辞】完全に)+mit(送る)
⇒全てを送る
=commit[動] :委任する、委ねる
※commission[名]:委員会

emit

e(【接頭辞】外に)+mit(送る)
⇒外に出す
=emit[動] :放出する、出す、吐く
※emission[名]:排出、放出

omit

o-=ob-(【接頭辞】下へ)+mit(送る)
⇒入れない
=omit[動] :〜を省く、抜かす
※omission[名]:省略

permit

per(【接頭辞】通して)+mit(送る)
⇒通過を許す
=permit[動] :〜を許す、許可する
※permission[名]:許可

transmit

trans(【接頭辞】向こう側へ)+mit(送る)
⇒別のところへ送る
=transmit[動] :〜を送信する、伝える、伝染させる
※transmission[名]:送信、伝達

「sur」上、超過、上位の語源

接頭辞「sur」はラテン語“super”が由来で、「上の・超えて」を意味します。“survive”“surprise”など、皆さんにもお馴染みの基本単語も「sur」から成り立っています。
word_survive

survive

sur(【接頭辞】上、超えて)+vive(生きる)
⇒超えて生きる
=survive[動]:生き残る、生きのびる

※survival[名]:生存、生き残ること
survive+al(【接尾辞】名詞化/形容詞化:性質、〜の性質をもった)

surprise

sur(【接頭辞】上、超えて)+prise(つかまえる)
⇒上からつかまえる
=surprise[動・名]:驚かす、驚き

surface

sur(【接頭辞】上、超えて)+face(面)
⇒上の面に
=surface[名]:表面、外見、うわべ

surplus

sur(【接頭辞】上、超えて)+plus(加えた)
⇒上に加える、加えすぎる
=surplus[名]:余剰

surcharge

sur(【接頭辞】上、超えて)+charge(積むこと、詰める)
⇒超えて積む
=surcharge[動・名]:積みすぎる、過重・追加料金

surpass

sur(【接頭辞】上、超えて)+pass(通過する)
⇒超えて通過する
=surpass[動]:〜を超える・上回る、〜よりまさる・優れている

関連する言葉を知れば単語を覚えるのが楽しくなる

02

「fer / port」運ぶの語源

語根「fer」はラテン語で“ferre”、「port」は“portare”が由来で、どちらも「運ぶ」を意味します。運ぶもの=フェリー(ferry)、船で荷物が運ばれる場所=港(port)という単語からも、意味を想像しやすいのではないでしょうか。
word_04

differ

dif=dis(【接頭辞】離れて)+fer(運ぶ)
⇒別々に離して運ぶ
=differ[動]:異なる、相違する

・difference[名]:相違
differ+ence(【接尾辞】名詞化:〜もの・こと)

・different[形]:異なった
differ+ent(【接尾辞】名詞化/形容詞化:性質、〜の性質をもった)

infer

in(【接頭辞】中に)+fer(運ぶ)
⇒心の中に運び込む
=infer[動]:〜を推測する、推量する
※inference[名]:推測、推論

suffer

su=sub(【接頭辞】下に)+fer(運ぶ)
⇒苦しみを下から背負って運ぶ
=suffer[動]:苦しむ、悩む、害を被る

interfere

inter(【接頭辞】間に)+fer(運ぶ)
⇒間に運び込む
=interfere[動]:邪魔をする、干渉する

fertile

fer(運ぶ)+tile(【接尾辞】形容詞化:〜できる、〜に関係した)
⇒運ぶことができる=多くを生み出せる
=fertile[形]:肥沃な、繁殖能力がある

・fertilize[動]:肥沃にする、豊かにする
fertile+ize(【接尾辞】動詞化:〜化する、〜する)

・fertility[名]:肥沃なこと、出生率
fertile+ity(【接尾辞】名詞化:〜の性質、〜の状態)

portable

port(運ぶ)+able(【接尾辞】形容詞化:〜できる、しやすい)
=portable[形]:持ち運べる

transport

trans(【接頭辞】向こう側へ)+port(運ぶ)
⇒ある場所から別の場所へ運ぶ
=transport[名]:輸送する

・transportation[名]:交通機関
transport+ation(【接尾辞】名詞化:〜もの・こと)

海外にいくときに必ず必要なパスポートも、「pass(通る)+port(港)=港を通過する」から成り立っています。何気なく覚えていた単語も、語源の視点から眺めてみると新しい発見があるものです。これが語源の面白さでもあります。

「rupt」壊れる、破裂するの語源

語根「rupt」はラテン語“rumpere”が由来で、「破る・壊れる」を意味します。“bankrupt”という単語は、「bank(銀行)+rupt(壊れる・破裂する)=銀行が破裂する」ことから、「破産した」という意味になっているのです。
word_corrupt

abrupt

ab(【接頭辞】離れて)+rupt(破裂する)
⇒離れて破れる=予期しないこと
=abrupt[形]:突然の、思いがけない

corrupt

cor=con(【接頭辞】完全に)+rupt(破裂する)
⇒完全に壊れる
=corrupt[形]:堕落した、汚職の、不正の

disrupt

dis(【接頭辞】離して)+rupt(破裂する)
⇒破って分け離す
=disrupt[動]:〜を混乱させる、中断させる、邪魔する

interrupt

inter(【接頭辞】間に)+rupt(破裂する)
⇒間に割って入る
=interrupt[動]:〜をさえぎる、中断させる

erupt

e(【接頭辞】外へ)+rupt(破裂する)
⇒外に破れ出る
=erupt[動]:噴火する、噴出する

「manu / mani」手の語源

単語の中には、人間の体の一部を起源とするものもあります。語根「manu / mani」はラテン語“manus”が由来で、「手」を意味します。女性がするマニキュアですが、実は「mani(手)+cure(治療する)=手を治療する」という語源を持った単語なのです。
word_06

manual

manu(手)+al(【接尾辞】名詞化/形容詞化:性質、〜の性質をもった)
=manual[名]:マニュアル、手引書
※manual work[名]:手作業、肉体労働

manuscript

manu(手)+script(【語根】書く、書かれた)
⇒手で書かれたもの
=manuscript[名]:原稿、草稿

manipulate

mani(手)+pul(【語根】満たす)+ate(【接尾語】動詞化:〜する、〜させる)
⇒要件を満たすために巧みに手を使う
=manipulate[動]:〜を操作する、操る

<“足”を表す語根「ped」>
“手”に関する単語があるように、“足”を起源にした単語もあります。

・pedal[名]:ペダル
・pedicure[名]:ペディキュア
・pedestrian[名]:歩行者
・expedition[名]:遠征、探検
・impede[動]:妨げる
・peddle[動]:行商する、売り歩く

数に関連した「接頭辞」の語源

数を表す接頭辞にはさまざまなものがあります。今回は特に知っておくと便利な3つをご紹介します。

「uni」 ひとつの

・uniform[名]:ユニフォーム、制服
⇒uni(ひとつの)+form(形)
・unite [動]:結合させる、団結する
⇒uni(ひとつの)+ite(状態)

「mono」 単一の

・monorail[名]:モノレール
⇒mono(単一の)+rail(レール)
・monopoly[名]:独占、独り占め
⇒mono(単一の)+poly(売る)

「bi」2つの

・bicycle[名]:自転車
⇒bi(2つの)+cycle(車輪)
・bilingual[形・名]:バイリンガルの、2か国語話者
⇒bi(2つの)+lingua(言葉)+al(性質)

おわりに

以上、知っておくと便利な語源を厳選してご紹介しました。英単語を語源から理解すると、丸暗記で覚えるのとは納得感が桁違いです。頭の柔らかいうちに英語を身につけられる子どもたちと違い、大人はどうしても意味や理屈を先に考えがち。そこがつまずきポイントにもなりますが、裏を返せば理屈がわかれば身につくのも早いはず。

大人ならではの知識欲、好奇心を持って、語源から手持ちの語彙を増やしていきましょう。


【関連記事】
大量の暗記は不要?語源学習法で英語の単語量を増やそう!


【関連記事】
効率的に英単語を暗記したいなら「語源」を知るのが近道!


Please SHARE this article.

英語を話せるようになりたいなら
学習のプロにみてもらおう

英語を学んできたのに、いざ話そうとなると全く言葉が出てこない、その原因は圧倒的にアウトプット量が不足していることにあります。
英会話の経験量を増やしたいなら断然オンライン英会話がおすすめ。1日25分だけ英語を話す習慣が鍵を握っています。高いお金を払って海外留学する必要はないのです。

無料登録しておくとお得な情報が届きます

今すぐ無料体験する

最適な学習サイクルが
レアジョブ英会話ひとつで完結

レアジョブ英会話の新しい学習体験 レアジョブ英会話の新しい学習体験

※「ソロトレ」は有料会員様のみご利用いただけます

レアジョブ英会話なら、英会話レッスンはもちろんのこと、「聞いて話す」発話トレーニング「ソロトレ」や一歩一歩英語力を積み上げられるオリジナル教材など、オンライン英会話市場で長年培ってできたコンテンツを豊富に取り揃えています。(追加料金なし/教材無料)苦手を克服したいなら使うべき選りすぐりのコンテンツです。

利用者インタビュー

無料登録~7日以内なら初月半額

今すぐ無料体験する

編集部おすすめ記事

英語に関する最新記事を
メルマガでチェックしよう!

メールマガジンを購読する