「学校英語は使えない」「受験英語では話せない」について。

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Cute girl looking worried while taking a test in a classroom

「学校英語は使えない」「受験英語では話せない」。このような形で日本の英語教育は何かと批判の対象になります。私自身も「日本の英語教育は素晴らしい!(素晴らしかった!)」という人には出会うことは非常にレアです。日本の英語教育はそれほどまでに使えないのでしょうか?今回は「学校英語は使えない」「受験英語では話せない」についてです。

学校英語は使えない?

現在の中学高校では合計でおよそ1,000時間の英語授業が行われています。もちろんこの時間に塾での授業や家庭学習がプラスされるわけですから、中学高校の6年間で相当な時間が英語学習に充てられているわけです。

かつて、元大阪市長の橋下徹さんがこのようなことを言われていました。「僕なんか10年やって(英語の授業を受けて)しゃべれるのはグッドモーニングだけ・・・」。橋下さんがGood Morningしか話せないかどうかはわかりませんが、この言葉の中には今の日本の英語教育の抱える問題が凝縮されています。

まず大切なことですが、橋下さんは早稲田大学政治経済学部の出身です。つまり、Good Morningしか話せなくても、早稲田大学政経学部の入試問題を解くだけの英語力(TOEIC750~850相当)は身につけられたということです。参考までに昨年度の早稲田大学政経学部入試問題の長文からの一部抜粋です。

Mr.—–‘s conclusion is that the underlying rate of social mobility is both low and surprisingly constant…

必要とされる語彙レベルや読解レベルがお分かりいただけると思います。
つまり、10年間英語を勉強してもGood Morningしか話せない事実の一方で、10年の英語学習でこれほど難解な英文を読み取る力をつけ、細かな文法知識を習得したということなのです。ここで次の2点がはっきりしました。「英語読解力・文法力には受験英語は使える!」しかし、「日常生活レベルのコミュニケーションにさえ受験英語は使えない!」
この問題の解決策は誰の目にも明らかです。「英語読解力・文法力」の学習時間を「英語コミュニケーション」の学習に充てればよいのです。

学校英語で「英語読解力・文法力」が重視される理由

学校英語では「英語読解力・文法力」に比重が置かれすぎているのは前述した通りです。そして、何十年間も話題になり、問題視されているにもかかわらず、この問題は解決されないままです。なぜなのでしょうか?「英語読解力・文法力」重視に不満を言う人は多いようですが、この問題の本当の理由がわかっている人は少ないようです。「日本の英語の先生は喋れないから・・・」「文法の説明のほうがらくだから・・・」などといった生産性のないコメントも目立ちます。

「英語読解力・文法力」偏重の本当の理由はその平等性にあります。日本では入試を含めたあらゆるテストにおいて平等性は最優先されます。たとえば、大学入試センター試験では○○会場では□□の試験時間の開始が1分遅れた・・・などがNHKニュースで放送なれるなど、日本人は試験の平等性に関してとてもシビアです。また、採点においても「英語読解力・文法力」のテストなら、〇×の基準を統一することができます。また、大半の問題を択一にすることも可能です。そして、点数も一点刻みで設定することができます。

一方、「英語コミュニケーション」のテストはどうなるでしょうか?まず、模範解答を用意していても、受験者の答えが予想したものと大きく異なる可能性があります。よって、事前に得点の設定等をすることは不可能です。つまり、「英語コミュニケーション」においては、試験時間の統一や全ての受験者を同じ試験官が採点することも不可能なのです。これが学校英語において「英語読解力・文法力」が重視され続ける最大の理由なのです。

日本の英語教育の今後は?

数十年間にわたり「英文読解力・文法力」に重きが置かれた学校英語ですが、今まさに変化の時を迎えつつあります。日本の英語教育全体が外部試験受け入れの方向に向かっています。つまり、それぞれの高校・大学では「英語コミュニケーション」の評価は難しい。ならば、外部試験にその部分は担当してもらおうという流れです。外部試験を入試に利用する大学数は加速度的に増加しています。

受験英語は「英文読解力・文法力」の面では弱くなりますが、「英語コミュニケーション」にはますます役立つことになることは明らかです。

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