thatといえば「あの」という指示代名詞で覚えている人は少なくないでしょう。一見シンプルに見える単語ですが、実は指示代名詞の他にも接続詞や関係詞など多彩な役割を持っています。使い方によって文の意味やニュアンスが大きく変わるため、理解を深めることで表現の幅がぐっと広がります。今回の記事では、さまざまな用法の「that」を例文とともに整理して解説します。
接続詞のthat
接続詞のthatは「~ということ」という意味を持ち、文章をつなぐ役割を持ち、ほとんどの場合で動詞のあとに置かれます。
名詞節
Thatが名詞節を導く場合、「~ということ」という意味になります。動詞の目的語や補語、名詞の同格などを形成します。名詞節の中にも、それぞれ以下の3つの場合があります。
動詞の目的語になる場合:
I think that she is very kind.(彼女はとても親切だと思います。)
He said that he was tired.(彼は疲れていると言いました。)
I know that she is studying English.(彼女が英語を勉強していることを私は知っています。)
動詞の補語になる場合:
The problem is that we don’t have enough time. (問題は十分な時間がないということです。)
名詞の同格になる場合:
The news that he passed the exam made everyone happy. (彼が試験に合格したという知らせは、みんなを幸せにしました。)
応用編!so that~(~するために):副詞節を導くthat
接続詞のthatの場合、その前に soやsuch をつけることで「~するために」「~できるように」という文章を作ることもできます。主に「結果」や「理由」を表します。
I left early so that I could catch the last train.(終電に間に合うように早めに出ました。)
He was so tired that he fell asleep immediately. (彼はとても疲れていたので、すぐに眠ってしまいました。)
It was such a difficult question that nobody could answer it. (それは誰も答えられないほど難しい問題でした。)
この他にも「【so that構文】をマスターしよう!基本的な使い方を例文で解説」について詳しく説明していますので、so thatが分からない人は、復習してみましょう。
関係代名詞のthat
関係代名詞のthatは、直前の名詞を説明する文をつなげる働きをします。先行詞(その関係代名詞が修飾する名詞)が人でも物でも使える便利な関係代名詞です。主格(~する/である人・物)と目的格(~を/に…する人・物)の両方で使えます。
接続詞のthatと少し似ていますが、thatの前に必ず名詞が置かれるという点で異なります。
主格の関係代名詞のthat
関係代名詞が、関係代名詞節の中で主語の役割を果たす場合
This is the book that teaches you English grammar. (これはあなたに英文法を教えてくれる本です。
thatが”the book”を修飾し、”teaches”の主語になっています。
He is the person that helped me yesterday. (彼は昨日私を助けてくれた人です。)
thatが”the person”を修飾し、”helped”の主語になっています。
目的格の関係代名詞のthat
関係代名詞が、関係代名詞節の中で動詞や前置詞の目的語の役割を果たす場合です。目的格の関係代名詞は省略されることが多いです。
This is the car that I bought last week. (これは私が先週買った車です。)
thatが”the car”を修飾し、”bought”の目的語になっています。thatは省略可能です。
She is the student that I met at the party. (彼女は私がパーティーで会った生徒です。)
thatが”the student”を修飾し、”met”の目的語になっています。thatは省略可能です。
thatが使われることが多い、またはthatしか使えない場合
以下の場合、thatをセットで覚えておきましょう。
先行詞が「人」と「物」の両方を含む場合:
I saw a dog and a boy that were playing in the park. (私は公園で遊んでいる犬と少年を見ました。)
先行詞が最上級やthe only, all, everything, nothing, anyなどを含む場合:
This is the best movie that I have ever seen. (これは私が今まで見た中で最高の映画です。)
All that glitters is not gold. (光るものすべてが金ではない。)
指示代名詞のthat
指示代名詞のthatは、主に以下の2つの使い方があります。
遠いものを指すthat
話し手から遠くにあるものや、すでに述べられたこと、あるいはこれから述べることを指す場合にthatを使います。「あれ」「それ」を表し、近くにあるものを表す”this”の対比として使われます。
What’s that over there? (あそこにあるのは何ですか?)
That is a good idea. (それは良い考えですね。)
Look at that beautiful sunset. (あの美しい夕日を見てください。)
既出の事柄や人、種類などを指すthat
前に述べられた名詞の繰り返しを避けるために使われたり、特定のカテゴリや種類を示すために使われたりします。
The climate of Tokyo is milder than that of Sapporo. (東京の気候は札幌の気候よりも穏やかです。)
ここで”that”は”the climate”を指しています。
My car is similar to that new model. (私の車はあの新しいモデルに似ています。)
Is that your brother in the photo? (写真に写っているのはあなたの弟さんですか?)
形式主語、形式目的語のthat
英語は長い主語や目的語を避ける傾向にあり、代わりに’it’が置かれることがよくあります。その際に後ろの文章を導き、細かな説明を与えるのがthatです。
It is true that he passed the exam.(彼が試験に合格したのは本当です。)
It is important that you read books regularly.(定期的に本を読むのは重要です。)
I find it surprising that she speaks five languages.(彼女が5か国語を話すのは驚きです。)
I found it strange that he didn’t call me back.(彼が折り返し電話をしなかったことを不思議に思いました。)
最初の文章は
That he passed the exam is true.
と言うこともできますが、前述の通り英語は長い主語を嫌がる言語です。そのため、’that he passed the exam’を’it’で置き換え、主語を短くしているのです。
同格のthat
直前の名詞を「~という内容」と説明する使い方です。
The fact that she speaks three languages is amazing.(彼女が3か国語を話すという事実はすごいです。)
I have a feeling that it will rain tomorrow.(明日は雨が降るという予感がします。)
関係代名詞thatとの違い
名詞のすぐ後ろに置かれ、「その名詞について説明する」という点において同格のthatと関係代名詞のthatは非常に似ています。しかし、that節の中の文の要素を見比べてみると両者の違いがよくわかります。具体的には、同格の場合には文の要素が完全に揃っており、関係代名詞の場合は文の要素が欠けているという特徴があるのです。
下記の例文を試しに分析してみましょう。
The rumor that she quit her job is true.(彼女が仕事を辞めた噂は本当だ。)
thatの後ろを見てみると、
she=S(主語)
quit=V(動詞)
her job=O(目的語)
と、文の要素が完全に揃っていることがわかります。そのため、これは「同格」のthatと判断できます。
一方、下記の例文はどうでしょうか。
The rumor that she was talking about yesterday is true.(彼女が昨日話していた噂は本当だ。)
that節の中を見てみると、
she=S(主語)
was talking about=V(動詞)
と、talk aboutの内容に対する目的語(O)が欠けていることがわかります。そのため、このthatは関係代名詞のthatであると判断できるのです。
この他にもthatについて紹介した記事「強調構文で説得力のある話し方をマスターしよう」で、スピーキングにとても役に立ちますので、参考にしてみてください。
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