「~した方がいい」「~すべきだ」といった提案の表現は日常生活の中でよく使われます。親が子供に話しかけている場面や、友人同士で相談事をしているときなど、使える場面はいろいろありますよね。また、この表現は実は英語のテストでひっかけ問題としてよく使われます。TOEICなどで高得点を目指すならその使い方はしっかりマスターしておきたいところです。そこで今回の記事では、「提案型」の動詞について詳しく解説していきます。
suggest, propose, recommend の違い
本題に入る前に、まずは「提案型」の動詞がどれだけあるのかを確認しておきましょう。「提案型」とは、「提案・命令・要求」によって人に何かアクションを起こさせることを意図している動詞です。「提案型」該当する単語で代表的なものをここでは3つ紹介します。
・suggest:提案する、勧める
・propose:提案する、提示する、結婚を申し込む
・recommend:勧める、推薦する
例文:
She suggested that we (should) attend the meeting.(彼女は我々はミーティングに参加するべきだと提案した。)
John proposed that they (should) take turns.(ジョンは彼らに順番にやるべきだと提案した。)
I recommend that you (should) visit that restaurant in the corner.(あの角にあるレストランは絶対行くべきだよ!)
上記の単語はいずれも「~した方がいい」と提案するときに使う単語です。suggestが広く一般的に使われるのに対し、proposeは少し形式ばった響きがあります。より真剣に検討を行い、正式な勧告や提案をするときに使われます。一方、recommendは同じく「提案」の意味ですが、自身の経験や知識に基づいて「した方がいい」というときに使われます。例えば「あのお店良かったから行った方がいいよ!」といった場面です。
クイズ
各文において、下線部の部分を文脈に最も適した英単語を選択肢から選んでください。
① I would like to _______ a new project plan.
会議で新しいプロジェクトのアイディアを正式に提示します。
(1)suggest
(2)recommend
(3)propose
② I highly _______ this product for its quality and durability.
私はこの製品の品質と耐久性を高く評価しています。
(1)suggest
(2)recommend
(3)propose
答えの確認は、記事の文末に掲載しています。
order, command の違い
「命令型」該当する単語で代表的なものをここでは2つ解説します。
●命令する
・order:命令する、注文する
・command:命令する、指示する
どちらもほぼ同じ意味、場面で使われる単語で「~しなさい」という強い命令を表すときに使います。非常に強い意味を持つため、通常は上下関係がはっきりしている場面で「上→下」に指示を出すときに使います。例えば軍隊で上官が下官に対して指示を出すときなどです。
例文:
The boss ordered that everyone except me (should) leave the meeting room.(上司は私以外の全員に会議室の外に出るように命令した。)
The officer commanded that the soldiers (should) remain at their posts until further instructions.(将校は兵士たちに次の指示があるまで持ち場にいるよう命じた。)
クイズ
各文において、下線部の部分を文脈に最も適した英単語を選択肢から選んでください。
③ I need to _______ a new laptop.
新しいノートパソコンを注文したいんだ。
(1)order
(2)command
④ The program will execute the _______ immediately.
プログラムはそのコマンドを直ぐに実行します。
(1)order
(2)command
答えの確認は、記事の文末に掲載しています。
demand, require の説明
「要求型」該当する単語で代表的なものをここでは2つ解説します。
・demand:要求する、請求する
・require:要求する、必要とする
使い方は同じですが、demandの方がより差し迫った状況で使われることが多いです。
例文:
The protesters demanded that the government (should) take immediate action to address climate change.(抗議をする者たちは気候変動に対して政府にすぐに行動を起こすことを要求した。)
The school requires that all students (should) wear uniforms.(学校はすべての生徒に制服を着るよう要求している。)
クイズ
各文において、下線部の部分を文脈に最も適した英単語を選択肢から選んでください。
⑤ The university _______ that all applicants pass the entrance exam.
大学は全ての応募者に入学試験の合格を義務づけています。
(1)demands
(2)requires
⑥ The workers _______ higher wages from the company.
「労働者たちは会社に対して賃上げを要求しています。
(1)demand
(2)require
答えの確認は、記事の文末に掲載しています。
英語のテストではこう問われる!
それでは英語のテストでよくでるパターとはどんなものでしょう。下記の3つの文章のうち、正しいものを選んでください
- I suggested that he called his mother.
- I suggested that he calls his mother.
- I suggested that he call his mother.
(私は彼に母親に電話した方がいいと提案した。)
どれも正解に見えるような、どれも正解ではないような、そんな風に見えるかもしれません。実は正解は3.です。
「suggestedだから時制の一致でcallは過去形になるんじゃ?」
「主語が三人称単数(he)だからcallにsをつけるんでしょ?」
こういった疑問を抱く人もいるでしょう。上記はいずれも基礎的な文法事項として学びますが、この「提案型」動詞を使うときのthat節の中では適用されません。それには「shouldが省略されている?」で理由しています。
shouldは省略される?
参考書などではよく「that節の中のshouldが省略されている」と説明されます。助動詞shouldの後ろは必ず動詞の原形が続きますので、そのためthatの中の動詞は原形になる、という理屈です。
しかし、厳密に言うとこの説明は100%正しいとは言い切れません。正確に言うとthat節の中の動詞は「subjunctive moodだから」原形になるのです。Subjunctive moodとは日本語にすると「接続法」、主に勧告・命令・禁止・願望・後悔などを表すときに使います。
日本の英語の教科書には「仮定法」が出てきますが、実は仮定法は接続法のひとつです。仮定法は主に願望・後悔、「~だったらいいのに」「~すべきだったのに」を表します。これらは「現実には起きないこと、起きていないこと」なので通常の動詞変化では表さず、仮定法過去、仮定法過去完了という独特な時制が使われます。
提案や命令に関しても、その内容は「これからするべきこと(しなければならないこと)」、つまり「現実にはまだ起きていないこと」です。そのため、通常の動詞変化は用いられないのです。接続法の中でもこういった未来のアクションを表すフレーズをThe present subjunctive(仮定法現在)といい、動詞は必ず原形が使われます。
shouldが使われる時とは?
一方で、英語の文献を読んでいると上記のような「提案型」の動詞を使った文章でもshouldが入っているものもあります。
He ordered that the HR department should implement the new recruitment policy immediately.(彼は人事部に新しい採用方針をすぐに実行するように命じた。)
これも文法的に間違いではなく、一般的に使われます。なぜshouldがあったりなかったりするのかというと、shouldを使った表現は主にイギリス英語、shouldがない表現は主に北米英語という違いです。どこで使われている英語か、によってshouldの有無が変わってくるのです。
以上をまとめると、「提案型」の動詞を使った文章は下記のように覚えておくべきといえます。
S+V(提案・命令・要望)+that S’ (+should)+V’原形~
テストはshouldを省いた形で出題されることが多いですが、いずれにせよ動詞は原形です。その点を覚えておけば、迷わず解答を導き出せるはずです。ちなみに、最初にご紹介した動詞はすべてこの形をとることができます。
クイズの答え:①(3)propose ②(2)recommend ③(1)order ④(2)command ⑤(2)requires ⑥(1)demand
まとめ
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