近年、英語の「リスニング」と「スピーキング」のスキルをより実践的に、かつ客観的に測る手段として注目されているのが「Versant(ヴァーサント)」と呼ばれる新たなテストです。多くの企業が採用や社内評価に導入を進めており、その需要は年々高まっています。本記事では、Versantとは何か、その基本的な特徴や受験形式について、これから受験してみようと思われている方に向けてわかりやすくご紹介していきます。
-
もくじ
- ●Versantとは何か?
- ●Versantスコアの見方
- ●Versantの問題形式
- ●どう対策していく?
- ●まとめ
Versantとは何か?
まずはVersantがどんなテストなのか、その概要を説明していきます。厳密にいうと、Versantには次の4つの種類のテストがあります。
・Speaking Test
・Writing Test
・Speaking Writing Test
・Placement Test
この記事では、最も利用されることの多い「Speaking Test」について解説していきます。
最新のAI技術により客観的な採点が可能に
Versant Speaking Testは世界的に有名な教育関連企業Pearson(ピアソン)社が開発した英語テストで、主にスピーキングとリスニングのスキルを測定するものです。世界160カ国、2,000社以上が活用しており、国内では約500社が導入しています。国外ではすでに英語テストのスタンダードとして認知度は高くなっており、世界基準の英語テストといえます。
テストはパソコンやスマートフォンで24時間365日いつでも受けることができ、試験時間は約20分です。その結果は最新のAI技術によって解析され、テスト終了後数分で結果を受け取ることができます。従来のテストの場合、スピーキングでは試験官の主観によりスコアが左右されてしまうことがありましたが、VersantではAIにより一律に評価されるためそのブレがありません。
より実用的な英語力を試される
問題数は全部で63問、AからFまでの6つのパートがあります。問題形式についてはあとの段落で詳述しますが、音声を聴いてそれに基づいて答えを導いていく形式がほとんどです。英語を聞き、それに対しその場ですぐに対応しなければならないため、単純なリスニングとスピーキングのスキルだけでなく、英語の瞬発力や応用力も必要です。そのため、本当の意味で「使える」、より実用的・実践的な英語力が問われるテストです。
日本人の平均は38点!
テスト結果は20~80点で評価されます。TOEICで高得点を取れても、Versantでそれに換算されるスコアに近い受験者は少なく、より本物の英語力を測ることができるテストとして日本国内でも認知度が徐々に上がってきています。ちなみに、日本人の平均は38点(2018年時点)です。それに対し、いわゆるグローバル企業と呼ばれる会社では採用基準は59点が平均です。このVersantのスコアが示す意味について、次の段落で他の英語テストとの比較を引用しながら深掘りしていきます。
Versantスコアの見方
この段落では、Versantスコアについて詳しく解説していきます。英語テストの結果を見るときに非常に重要な指標となるのがCEFR(セファール)と呼ばれる指標です。これは「ヨーロッパ言語共通参照枠」と呼ばれる指標で、英語をはじめとする外国語の熟練度を同一の基準で評価する国際基準となっています。VersantとCEFR、そしてTOEICのスコアを比べながら、それぞれのスコアが示す意味を確認していきましょう。
Versant:20~35点
TOEIC:10~220点
CEFR:A1
使える、あるいは知っている表現が非常に限られており、ゆっくりとしたペースで話してもらうことで少しは理解できることがある、というレベルです。ボキャブラリーや文法といった英語の基本的な知識が不足しており、英語を使ったコミュニケーションを取るのは難しいと言わざるをえません。
Versant:36~46点
TOEIC:225~545点
CEFR:A2
英語初級から少しずつ中級に移行しているレベルです。日常的な話題、あるいは自分の興味ある話題であれば短い表現を使いながらコミュニケーションが取れます。日本人の平均スコアは38点なので、多くの日本人がこのレベルの英語力を有していることがわかります。
Versant:47~57点
TOEIC:550~780点
CEFR:B1
このレベルの人は日常的な話題について、長い文章を使ってコミュニケーションを取ることができます。基本的な英語力が身についており、流ちょうとは言えなくとも、問題なく意思疎通ができるレベルです。仕事で英語が必要な場合には、最低でもこのレベルが求められることが多いです。
Versant:58~68点
TOEIC:785~940点
CEFR:B2
このスコアが示すのは、抽象的な話題も含む、さまざまなトピックについて詳しく情報や意見を交えながら話ができるレベルです。多少の文法などの間違いはあるものの、ネイティブとそつなく議論を交わすことができます。このレベルであれば、英語を使った業務はほとんどこなすことができます。
Versant:69~78点
TOEIC:945~990点
CEFR:C1
このレベルとなると、「ペラペラ」といって差し支えないでしょう。日常的な会話だけでなく、専門的、学術的な話題であっても、複雑な構文を使いながら自分の意見を述べることができます。このスコアを取得できれば、「英語が話せる人」としてビジネスシーンで重宝されます。
Versant:79~80点
TOEIC:-
CEFR:C2
このスコアに到達できる人は、ほとんどの状況においてネイティブスピーカーと同程度のスピードで複雑なコミュニケーションが取れます。細かいニュアンスまでも表現することができ、英語力の不足によってコミュニケーションの難しさを感じることはほぼないでしょう。ちなみに、TOEICではこのレベルに値するスコアはありません。
Versantの問題形式
上記のように、Versantのスコアはその結果によって期待される英語力が明確に定義づけられています。転職活動や社内の昇進条件などでVersantのスコアが必要な場合には、求められる点数をあらかじめ確認しておきましょう。そして、そのスコアは下記の問題から算出されます。
パートA:Give a short answer to the question
パートAは全部で8問です。流れてくる英語の音声に対し、英語で解答をします。問題の音声、及び自身の解答も短めです。リスニング力と、話す内容の明瞭さ・わかりやすさをチェックされます。
パートB:Repeat the sentence
パートBは全部で16問、流れてくる音声をそのまま復唱します。ここでは音声を正確に聞き取るリスニング力が問われます。
パートC:Answer a question about a conversation
パートCでは、まず短い会話の音声が流れます。そして、それに関連する質問が6問流れるので、それに対し答えていきます。ここでもリスニング力をチェックされます。
パートD:Answer a question about a passage
パートDはパートCに似ていますが、流れてくる音声が会話ではなく文章である点が違います。少し長さのある文章が流れ、6問の質問に答える中でリスニング力が問われます。
パートE:Retell a passage
パートEは2問のみです。短い物語を聞き、それを30秒以内に要点をまとめて要約するという問題です。リスニング力、話をまとめる論理的な説明力、そしてそれを表現するスピーキング力がチェックされます。
パートF:Give your opinion
パートFも2問出題されます。一般的な質問に対し、自分の意見を40秒間で述べていきます。解答の準備時間はなく、問題が流れたらすぐに答えていかなければなりません。流暢さや発音といった基本的な英語のスキルだけでなく、瞬発力も問われます。
どう対策していく?
このように、Versantではさまざまな問題を通して英語を使ったコミュニケーション能力が問われます。それぞれの問題に対応していくためには、基本的なリスニング力とスピーキング力だけでなく自分の考えをまとめる力も必要です。そういった論理的思考能力を鍛えるには日頃から英語で物事を考えるようにする必要があるでしょう。
対策としては、英語のニュースやポッドキャストを聞いて、それを要約するという方法が挙げられます。1分程度の音声を聴き、それを30秒以内で自分の言葉でまとめる訓練をしてみましょう。おすすめは、1つのコンテンツに対して3回ほど要約にトライすることです。1回目、2回目、とそれぞれ自分の音声を録音しておき、あとから聞いて内容を修正したり付け足したりしてブラッシュアップしていきます。3回目に自分のベストが出せるように調整していきましょう。
詳しい方法については、Englishlabの記事を参考にして学習を進めてみましょう。
・無料アプリもあり!使って比べた英語スピーキングアプリ10選
・スピーキングが飛躍的に上達する「独り言」英語学習を徹底解説!
・英語スピーキングに効果的な勉強法とは?基礎から応用まで詳しく解説
まとめ
Versant対策のスピーキング対策をしたいという人は、オンライン英会話のレアジョブ英会話を活用しましょう。
講師は、自分の話すスピードに合わせてくれるので、初心者から上級者まで安心して受講できます。
Please SHARE this article.
英語を話せるようになりたいなら
学習のプロにみてもらおう
英語を学んできたのに、いざ話そうとなると全く言葉が出てこない、その原因は圧倒的にアウトプット量が不足していることにあります。
英会話の経験量を増やしたいなら断然オンライン英会話がおすすめ。1日25分だけ英語を話す習慣が鍵を握っています。高いお金を払って海外留学する必要はないのです。
7日間無料でレッスンを体験できます
無料トライアルを始める最適な学習サイクルが
レアジョブ英会話ひとつで完結
※「ソロトレ」は有料会員様のみご利用いただけます
レアジョブ英会話なら、英会話レッスンはもちろんのこと、「聞いて話す」発話トレーニング「ソロトレ」や一歩一歩英語力を積み上げられるオリジナル教材など、オンライン英会話市場で長年培ってできたコンテンツを豊富に取り揃えています。(追加料金なし/教材無料)苦手を克服したいなら使うべき選りすぐりのコンテンツです。
利用者インタビュー
7日間無料でレッスンを体験できます
無料トライアルを始める
