【換算表も】英検とTOEIC、どっちを受けるべき?実はこんな違いがあった!

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英語の資格と言えば、TOEICと英検は必ずといっていいほど選択候補に挙がるもの。ところが、せっかく受験して資格を取得したのに、実はあとであまり役に立たなかった……ということがあります。、TOEICと英検の特徴やメリットをよく把握しないで受験を決定すると、このようなことが起こる可能性があるのです。

今回は、受験の検討に役立つ、英検とTOEICのさまざまな違いをスコアの換算表とともにわかりやすく解説します。

なお、TOEICについては、最も一般的なTOEIC Listening & Reading公開テスト(以下TOEIC L & R)を前提としてご紹介します。

TOEICと英検のスコア換算表

TOEICと英検の違いでまず気になるのが、TOEICのスコアと英検の各級の対比。例えば高校で取得を推奨される英検2級は、TOEICではどの程度のスコアに相当するのでしょうか?

TOEICのスコアを英検に換算すると、以下のようになります。

TOEIC 英検
970~990
870~970 1級
820~870
740~820 準1級
600~740
550~600 2級
500~550
450~490 準2級
300~440
291~299 3級
270~290
260~269 4級
100~259 5級

上記の表によると、英検1級と準1級の間には、TOEICスコアに換算して130点(最低ラインでの差)の点数差があるのがわかります。準1級と2級の間は90点、2級と準2級の間は100点、準2級と3級の間は159点、英検3級と4級の間は31点、英検4級と英検5級の差は160点。級ごとのスコアの開きに大きなバラつきがあります。

TOEICのスコア別レベル

TOEICではスコアの違いごとに、英語力でどのような差が出るのでしょうか? 以下に、リスニング・リーディングのスコア別で、英語力の長所・短所の概要をまとめました。

Listening(リスニング)

495 – 375点

<長所>
短い会話や長文で、幅広い語彙が使用されている場合、情報の繰り返しや言い換えがない場合でも、話の主旨や目的、基本的文脈が推測できる。複雑な構文や語彙が使用されていても詳細を理解できる。

<短所>
あまり使用されない文法や語彙には弱い。

370 – 275点

<長所>
短い会話で特に難しい語彙がなければ内容の理解が可能。長文では、情報の繰り返しや言い換えがある場合などで、詳細が理解できる。

<短所>
短い会話で複雑な構文や難解な語彙がある場合、内容の理解が困難。長文では、難解な文法や語彙が使用される情報の繰り返しがないなどの場合、内容の理解が困難。

270 – 5点

<長所>
短い会話や写真描写で語彙が簡単などの場合、内容が理解できる。長文で語彙が簡単、あるいは情報が繰り返されるなどの場合、内容が理解できる。

<短所>
短い会話で表現が直接的でもやや難しい語彙や構文の場合、内容の理解が困難。長文で、広範囲にわたる情報の関連付けが必要な場合や、語彙や文法構造が難しいなどの場合、内容の理解が困難。

Reading(リーディング)

495 – 425点

<長所>
文章の主旨や目的、詳細が推測できる。幅広い語彙、よく使われる単語の例外的な意味や慣用句な使い方が理解できる。類義語の違いを区別できる。複雑で難解な文法構造が理解できる。

<短所>
多くの考えや複雑な考えが少ない単語あるいは複雑な方法で表現されている場合、または難解な語彙が出てくる場合にのみ、弱点が見られる。

420 – 325点

<長所>
文章の主旨や目的、詳細が推測できる。難しい語彙や文法が使用されていても、限られた範囲内で情報の関連付けが可能。中級レベルの語彙が理解できる。

<短所>
広範囲にわたる情報の関連付けができない。難解な語彙やよく使われる単語の例外的な意味、慣用句的な使い方が理解できない。類義語の区別が難しい。

320 – 225点

<長所>
限られた長さの文章なら簡単な推測が可能。簡単な語彙が理解できる。よく使用される規則に基づいた文法構造なら理解可能。

<短所>
言い換えや情報の関連付けができない。難解な語彙や文法構造、日常的な語彙の例外的な意味や慣用表現が理解できない。

220 – 5点

<長所>
簡単な語彙や日常的に使われる句、基礎的な文法構造が理解可能。

<短所>
文章中の情報を推測したり、情報の言い換えを理解できない。難しい言語的要素が含まれる場合、簡単な文法構造であっても理解できない。

英検の級別レベル

英検では、級ごとの英語力はどう違ってくるのでしょうか。以下に級別での目安をまとめたので、参考にしてください。

1級

大学上級程度。英語の知識のみならず、相手に伝わる発信力と対応力があり、海外でのビジネスシーンなど、世界的に活躍できる英語力の証明。

準1級

大学中級程度。留学先などの英語環境にも役立つ、実践的な英語力の証明。

2級

高校卒業程度で、海外留学や大学受験にチャレンジできる英語力の証明。

準2級

高校中級程度。進学や就職での英語資格としてアピールできる。

3級

中学卒業程度。しっかりとした基礎力の証明。

4級

中学中級程度。より実用的な基礎力の証明。

5級

中学初級程度。英語を習い始めた人が最初に目標とするレベル。

TOEICと英検の違い【概要】

TOEICと英検では、受験費用や実施頻度などは、どのような違いがあるのでしょうか?以下に項目別でそれぞれの概要を説明するので、TOEICと英検のどちらを受験するのか迷ったときには参考にしてみてください。

受験費用

TOEICと英検、それぞれの受験費用の違いをご説明します。

TOEICの場合

TOEICの受験料は2021年10月に改定され、以下のとおりとなります。なお、1年後の同月から3か月間に実地されるテストを同じIDを使用して再受験する場合は、リピート割引での受験料が適用されます。例えば、2021年の11月に受験し、2022年の11月に再度受験する場合、リピート割引で受験できます。

受験料(税込) 7,810円
リピート割引受験料(税込) 7,150円
リピート割引金額 600円

英検の場合

英検の場合、級や実施会場、団体受験か個人受験かによって検定料が異なります。

*1級・準1級の場合、本会場のみでの受験となります。

引用:英検「受験案内」

実施頻度

TOEICと英検では、実施頻度にも違いがあります。以下の情報をご参照ください。

TOEICの場合

TOEIC L & Rは年間10回以上実施されています。ただし、開催地ごとに実施回数でバラつきがあります。例えば、同じ2021年度でも、A県は年12回開催されているのに、B県では年4回のみ、などの違いがあります。

お住まいの地域での開催スケジュールは、以下のTOEIC公式サイトの関連ページで予め確認しておくようにしましょう。

受験地別テスト日程

英検の場合

英検はTOEICよりも開催頻度が少なく、年4回程度です。

受験日程は開催会場ごとに異なります。英検の場合、全国47都道府県の約230都市で設置される「本会場」で受験できるほか、団体受験の場合は、申込団体が設置した「準会場」と呼ばれる会場での受験も可能です。詳しくは、英検公式サイトの以下のページをご確認ください。

英検受験案内

有効期限

取得した英語資格の有効期限は、TOEICと英検でどう異なるのでしょうか。

TOEICの場合

TOEICスコアの有効期限は「2年以内」と認識されることが多いようですが、実は有効期限はありません。ただし、認定証やスコアレポートを再発行できるのは、試験日から2年以内のものに限られます。

有効期限は存在しませんが、企業で就職や昇進などの目的で活用する場合、取得期間を指定されるケースもあるので、その場合はご注意を。

英検の場合

英検もTEOICスコアと同じく、一度取得した資格は半永久的に有効です。ただし、海外留学に利用する場合に限り、有効期限は2年間です。また、出願先によっては、有効期限が異なる場合があるので、それぞれの学校に問い合わせが必要です。

TOEICと英検の違い【テスト内容】

気になるテスト内容ですが、TOEICと英検では、使われる単語や文法、リスニングやリーディング、スピーキングの出題内容など、それぞれ特徴が異なります。

項目ごとにまとめて違いをご説明します。

単語

TOEICは英検のように2級、3級とレベルごとに試験内容が分かれているわけではありません。受験者の英語能力の違いに関わらず、日常生活やビジネスシーンなどを想定した内容で、一律同じ設問が出題されます。そのため、使用されている語彙は、初心者には難易度が高い可能性があります。

TOEICで少しでも高いスコアを狙いたいなら、出題が想定される語彙を事前に学習しておくとよいでしょう。

一方、英検は、いろいろなレベルの受験者に対応できるように「5級」から「1級」まで7段階にテストが分かれています。そのため、テストの難易度に合わせた単語を使用して出題されます。受験する級に合わせて勉強する単語を絞れるのは、英検の大きなメリットです。

文法

文法能力の測り方も、TOEICと英検では異なります。

TOEICの場合、Part 5と6で文法に関する知識を問う問題が出題されます。受験者全員に同じ内容が出題されるため、少しでもスコアアップを狙うには、文法にも力を入れて勉強する必要があるでしょう。

一方、英検の場合、例えば穴埋め問題などのような文法の知識が問われ設問は存在しません。だからといって文法対策が必要ないというわけではありませんので、級ごとに必要な文法力を備えておくようにしましょう

リスニング

TOEIC L & Rのリスニングセクションでは、約45分間に100問が出題されます。

写真に関する説明を聞いて正しい選択肢を選ぶ「写真描写問題」のPart 1、流れた音声に対して適切な応答を選ぶ「応答問題」のPart 2、2人もしくは3人の会話の音声を聞き、後続の質問に対して正しい選択肢を選ぶ「会話問題」のPart 3、アナウンスやナレーションの説明文を聴いて、後続の質問に対して正しい選択肢を選ぶ「説明文問題」のPart 4に分かれています。

内容の多くは日常生活をテーマにしています。間を置かず次々と質問が続くため、素早く切り替えながら解答していく必要があります。

英検の場合、リスニングの出題形式は級ごとに異なります。例えば、会話の内容に対して適切な応答を選ぶ問題や、会話の内容に関する質問に答える問題。日常生活に即した事柄からアカデミックな内容まで、幅広いテーマで出題されます。

リーディング

TOEIC L & Rの場合、75分間に100問が出題されます。そのため、いかに短時間で迅速に大量の文章を処理できるかの読解の能力が問われます。1問に1分間かける余裕もないため、まさに時間との勝負です。

一方の英検では、読解問題の文章量はTOEICほどではありませんが、正答にたどり着くには、1つひとつの文章をしっかり丁寧に読み解く必要があります。あまりリーディングに時間をかけすぎると、他のセクションに費やす時間が足りなくなるため、事前に時間配分をどうするか、作戦を立てて臨むのが得策です。

スピーキング

TOEIC L & Rの場合、スピーキングの問題は出題されません。TOEICでスピーキング能力を測定できる試験としては、TOEIC Speaking & Writing TestsやTOEIC Speaking Test、TOEIC Bridge Speaking & Writing Testsの3つがあります。現段階ではTOEIC L & Rほどメジャーではありません。

英検では、上位の級(3級・準2級・2級・準1級・1級)の二次試験でスピーキングが出題されます。出題内容は級ごとに異なり、出題内容に対して的確に答えられる点だけでなく、積極性などの姿勢も問われます。当然ながら級が上がれば上がるほど、提供される情報量が増え、トピックも高度化し、フリートークの度合いも高まります。

TOEICと英検、どっちを受けるべき?

いよいよ本題に入ります。TOEICと英検のどちらを受けるべきか、結論からざっくり言えば、何を目的とするかによって選択肢は異なります。

以下、大学受験・就職活動・転職や昇格の3つのケースごとに、どちらが有利な選択肢かをご紹介します。

大学受験をする場合

大学受験にTOEICや英検などの英語資格を活用する場合、国内の大学に進学するか、海外の大学に進学するかで選択肢が変わります。

国内の大学に進学する場合

国内の大学進学では、TOEICと英検のどちらも活用できます。TOEICや英検の資格があれば、入試の英語科目が免除になるほか、AO試験でも英語力の証明として活用できるなどのメリットがあります。

TOEICと英検どちらが認定されるのか、また認定の目安となるTOEICスコアや英検の級はどのレベルなのかは、大学ごとに異なる設定があるので、確認が必要です。

英検の場合、準2級が大学受験で考慮される最低レベルとして考えてよいでしょう。

海外の大学に留学する場合

海外への大学進学で受け入れられる英語資格は、TOEFLやIELTSが国際的なスタンダードです。残念ながら、TOEICは海外では知名度が低く、進学ではあまり活用できません。例外があるとすれば、交換留学などで相手校がTOEICを英語力判定の目安として用いている場合です。

英検も海外では知名度が低い一方、英検を留学生の英語力判定の基準として受け入れる教育機関も増えています。いわゆる英検留学と呼ばれるこのシステムでは、北米やオーストラリアなど世界で約400の大学やカレッジが、英検を英語力の証明として認定しています。英検留学を通じて機会を得るのも一手です。

就職活動でアピールする場合

今後のビジネスパーソンに重要なスキルとして、企業・団体が特に重視しているのが英語力です。英検はその歴史の長さから企業の間でも高い知名度がありますが、昨今の就職戦線では新卒・中途採用にTOEICを考慮する企業が増えています。そのため、TOEICの方がより英語力をアピールできる傾向にあります。

「英語活用実態調査」(注1)によると、TOEICテストを活用する理由として、企業・団体が第一に「認知度が高い」、第二に「利用しやすい」(社内で実施できる/利用回数が多い)を挙げています。企業が新卒の採用活動で求めるTOEIC L &Rスコアの平均は、545点です。

とはいえ、英検がまったく考慮されないかというと、そうではありまません。履歴書に記載する場合は、2級以上なら英語力のアピールになるでしょう。

注1:
出典:英語活用実態調査 2019

転職や昇格を目指している場合

転職・昇格の場合、現段階で英検とTOEICどちらが有利かは明言できませんが、少なくとも、TOEICのスコアを基準として採用する企業が増えているのは確かです。

先ほど言及した英語活用実態調査によると、TOEICテストを採用している企業・団体が利用用途として挙げている理由のうち、3番目に多いのが「昇進・昇格の基準」、さらに「海外赴任者、海外出張者の選抜の基準」「新卒採用・中途採用の基準」「配属決定・人事異動の基準」と続きます。人事面でTOEICが重視されている傾向の表れと見てよいでしょう。

同調査によると、昇進・昇格で要件・参考とするTOEIC L & Rスコアの平均は、係長・主任クラスでは515点、課長クラスでは530点、部長クラスは565点、役員クラスは600点です。また、英語を使用する部署での中途採用で要件・参考とする TOEIC L & Rスコアの平均は、620点です。さらに、海外出張者を選定する際の要件・参考とする場合は620点、海外赴任者を選定する際の要件・参考とする場合は635点。いずれも新卒採用より高いレベルが求められます。

まとめ

TOEICと英検では、レベル分けや出題形式、開催頻度などさまざまな点で特徴が異なります。使用される語彙や文法などでも、それぞれ出題傾向に違いがあります。そのため、進学や留学、就職などの目的によって、TOEICと英検のどちらが有利かにも違いが生じます。

今回ご紹介した情報を参考に、今後目指したいレベルや達成したい目的に合わせて、TOEICか英検のどちらかにチャレンジしてみてくださいね!

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