欧米で活用されているTOEFLは、海外留学や移住の際にも役立つ資格です。本記事ではTOEFL ITPについて、テストの構成から日本人の平均点までを解説します。
また、TOEFL iBTとの違いやスコア別の英語力の目安についての情報もまとめました。TOEFL ITPの受験を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
TOEFL ITPとは?TOEFL iBTとの違いもチェック!
TOEFLは、非英語ネイティブの英語力を測定するためのテストで、基本的に「TOEFL ITP」と「TOEFL iBT」の2種類があります。本章では、それぞれのテスト内容や特長について解説していきます。
TOEFL ITPってどんな試験?
TOEFL ITPは、大学や企業などの団体向けの試験で、個人で申し込むことはできません。個人受験の場合は、TOEFL iBTテストを受験することになります。
TOEFLはアメリカにあるETS(Educational Testing Service)によって開発された英語試験です。ちなみに、TOEICの試験問題の試験結果の評価やスコア認定もETSによって行われています。
アジアをはじめ、欧米でも採用している団体が多く、日本では教育機関や一般企業を中心に500以上の団体が、TOEFL ITPを活用しています。具体的な活用事例としては、入試における評価・クラス分け・留学の選考などが挙げられます。
TOEFL ITPの構成
TOEFL ITPテストは、Level 1・Level 2の2つがあります。Level 1とLevel 2は、ともに多肢選択式のテストで、3つのセクションに分かれています。
<LEVEL 1>
セクション(問題数) | 解答時間(スコアの範囲) |
Listening comprehension(50問) | 約35分(31~68) |
Structure and Written Expression(40問) | 25分(31~68) |
Reading comprehension(50問) | 55分(31~67) |
(合計 140問) | 約115分(310~677) |
<LEVEL 2>
セクション(問題数) | 解答時間(スコアの範囲) |
Listening comprehension(30問) | 約22分(20~50) |
Structure and Written Expression(25問) | 17分(20~50) |
Reading comprehension(40問) | 31分(20~50) |
(合計 95問) | 約70分(200~500) |
一般的には、Level 1が使われています。Level 2は時間を短縮し、問題の難易度は低い傾向です。問題の内容は、学校教育で取り上げられる内容・トピックといったアカデミックコンテンツで構成されています。
TOEFL ITPの試験内容
Level 1は個人で申し込みができるTOEFL iBTと問題数、スコア範囲が同じです。日本国内の英語力の証明としては有効ですが、基本的に海外の大学や大学院の出願時に使用することはできません。
よく使われるLevel 1の各セクションの問題構成について、以下の表にまとめました。
<TOEFL ITP Level 1>
セクション | 問題構成 | ||
Listening comprehension | 出題は3つのパートに分かれています。
Part A:二人の話し手の会話 Part B:Part Aより少し長めの会話 Part C:短めの話 |
||
Structure and Written Expression | 出題は2つのパートに分かれています。
Structure:正しい語句を補い文章を完成させる問題Written Expression:文中の誤った表現を選択する問題 |
||
Reading comprehension | 出題は5つのパッセージから成り立っています。
1パッセージ:10問程度 |
会話には北米の一般的な英語が用いられます。Reading comprehensionの話題は、主に大学の授業で採用されるようなトピックです。
TOEFL ITPとTOEFL iBTの違い
団体向けのTOEFL ITPとは異なり、TOEFL iBTは個人単位で申し込みを行います。スコアは英語力の証明として、海外の大学でも公的に利用可能です。認定している学校や機関は、10,000以上あります。
TOEFL には、TOEFL ITPにあるStructure and Written Expressionはなく、SpeakingとWritingが追加されています。
<問題数>
セクション | ITP/iBT |
Listening comprehension | 50問/34~51問 |
Reading comprehension | 50問/36~56問 |
Structure and Written Expression | 40問/- |
Speaking | -/6課題 |
Writing | -/2課題 |
<試験時間>
セクション | ITP/iBT |
Listening comprehension | 約35分/60分or90分 |
Reading comprehension | 25分/- |
Structure and Written Expression | 約55分/60分or80分 |
Speaking | 約20分 |
Writing | 約2時間/約4~4.5時間 |
TOEFL ITPスコア別の英語レベルの目安
TOEFL ITPを受験する人・受験した人にとって、自分のスコアがどの程度の英語力か気になるところでしょう。本章では、最低点・満点・平均点に加え、スコア別の英語レベルの目安について解説します。
TOEFL ITPスコアの最低点・満点
TOEFL ITPスコアの最低点は310点、最高点は667点です。各セクション別の配点は以下のとおりです。
セクション | スコアの範囲 |
Listening comprehension | 31~68 |
Structure and Written Expression | 31~68 |
Reading comprehension | 31~67 |
合計 | 310~677 |
スコアは、(Listening Comprehensionのスコア+Structure and Written Expressionのスコア+Reading Comprehensionのスコア)÷3で平均点を出した後、10を乗じることで算出できます。
TOEFL ITPスコアの平均点
TOEFLの評価を行うETSが発表した「Test and Score Data Summary for the TOEFL ITP Test January-December 2019 Test Data」によると、日本人の平均点は467点となっています。内訳は、Listening comprehensionが47点、Structure and Written Expressionが46点、Reading comprehensionが47点です。
各国の平均点と比較してみると、ドイツは574点、フランスは543点、スペイン485点、トルコ494点となっています。非英語圏の国と比べると、日本人の平均点467点は少し低いことがわかります。
参考:Test and Score Data Summary for the TOEFL ITP Test January-December 2019 Test Data
TOEFL ITP各スコアはCEFRレベルでどのくらい?
続いては、TOEFL ITPの各スコアが、ヨーロッパ共通参照枠のCEFRレベルでどのくらいになるか、具体的に見ていきましょう。CEFRは、世界共通の英語レベルの共通認識なので、CEFRレベルを知っておくことで他の英語試験との比較もしやすくなります。
TOEFL ITPスコア:337~459
TOEFL ITPスコア337~459は、CEFRレベル「A2」に該当します。
Basic Userと位置づけされるA2は、基礎段階の言語使用者。個人的情報・家族情報・買い物・近所・仕事などについて、ごく基本的な表現を用いた簡単な日常会話ができるレベルです。自分自身についてや、身の回りの状況について説明できる程度であればA2に分類されます。
TOEFL ITPスコア:460~542
TOEFL ITPスコア:460~542は、CEFRレベル「B1」に該当します。
Independ User-Threholdと位置づけされるB1は、自立した言語使用者となり、仕事・学校・娯楽など身近な話題に対して筋の通った文章を作ることができるレベルです。短い文章であれば経験や事象、夢、自分の意見、計画の理由などについて説明できると、B1に分類されます。ただし、ビジネスシーンで英語を使ったり、英語圏の大学・大学院で学ぶには不足があるレベルとされます。
TOEFL ITPスコア:543~626
TOEFL ITPスコア:543~626は、CEFRレベル「B2」に該当します。
Independ User-Vantageと位置づけされるB2は、自立した言語使用者です。幅広い話題に対してネイティブとも自然に意思疎通ができるレベル。自分の専門分野であれば、抽象的・具体的な話題の両方について、複雑な文章の内容を理解できるレベルです。大学・大学院などのアカデミックなトピックを学ぶことができ、ビジネスシーンでは完璧ではないもののコミュニケーションをとることができるとされています。
TOEFL ITPスコア:627~677
TOEFL ITPスコア:627~677は、CEFRレベル「C1」に該当します。
Proficient Userと位置づけされるC1は、熟練の言語使用者です。高度で専門的な話題についても、明確かつ構成のしっかりとした文章を作ることができるレベルとなっています。上級者と呼べる英語力で、分野を問わず正確に英語で学ぶことができるレベル。直接的・間接的、フォーマル・インフォーマルと、多彩な会話のスタイルを理解することができるため、ビジネスシーンでも活躍できます。
TOEFL ITPスコアを英検・TOEIC・IELTSに換算すると?
今度は、TOEFL ITPのスコアが、英検・TOEIC・IELTSに換算するとどの程度のレベルになるかみていきましょう。
ただし、換算値はあくまでも目安です。テストの目的や測定技能が異なるため、完全にイコールとはいえない点には注意してください。
TOEFL ITPとiBT
ETSが運用する公式サイトによるとのTOEFL ITPとiBTはテスト形式が異なるため、スコアを一概に比較できないとされています。よって、公表されているCEFRとの換算が参考値となります。
TOEFL ITPスコア(CEFRレベル) | TOEFL iBTスコア |
337~459(A2) | 17~ |
460~542(B1) | 48~ |
543~627(B2) | 76~ |
627~677(C1) | 108~120 |
TOEFL ITPと英検
英検はおおむね準2級以上がTOEFL ITPに換算可能です。英検の場合、4・5級は通常Writing・Speakingのテストを受けません。3級はA1という初心者のレベルの英語力となるため、移住や海外留学で使用されるTOEFLでは相当するスコアがないといわれています。
TOEFL ITPスコア(CEFRレベル) | 英検 |
337~459(A2) | 準2級 |
460~542(B1) | 2級 |
543~627(B2) | 準1級 |
627~677(C1) | 1級 |
TOEFL ITPとTOEIC
TOEIC L&Rは最低点が10点、最高点が990点で、ListeningとReadingの総得点がスコアです。日本国内で大学入試や就職・転職・昇進昇給のために、英語力を証明したい場合は、TOEFL iBTではなくTOEIC L&Rの取得がおすすめです。
一方で、TOEIC L&Rは、SpeakingやWritingがないため、下記表のTOEICスコアを持っているからといって同レベルのTOEFLスコアを取得できるとはいえません。
TOEFL ITPスコア(CEFRレベル) | TOEIC L&Rスコア |
337~459(A2) | 225~549 |
460~542(B1) | 550~784 |
543~627(B2) | 785~944 |
627~677(C1) | 945~990 |
TOEFL ITPとIELTS
IELTSとは、カナダ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド・アイルランドといった英語圏の国々に留学・移住を希望する人の英語力を測定するテストです。TOEFL ITPもIELTSも基本的にはアメリカでもイギリスでも使えますが、どちらかというとTOEFLはアメリカの大学教育を、IELTSはイギリスの大学教育を反映した試験といわれています。IELTSは、数ある英語試験のなかでも、とくに難易度の高い内容となっています。
CEFRレベル | TOEFL ITP | IELTS |
A2 | 337~459 | – |
B1 | 460~542 | 4.0~5.0 |
B2 | 543~627 | 5.5~6.5 |
C1 | 627~677 | 7.0-8.0 |
TOEFL ITPで目指すべきスコア
TOEFL ITPであれば450~530のスコアを取得できれば日本企業において一定の評価が得られます。550点あれば、どの企業に出しても評価される英語力があるといえるでしょう。
日本のビジネスシーンではTOEIC L&Rのスコアを求めるところが多いものの、提示を求める目的は高い英語力を持っているか判断するためです。そのため、TOEFL ITPスコアしか持っていないという場合でも、ビジネスシーンにおける一定の英語力は認められるでしょう。
しかし、もし海外の大学や大学院を受けたいのであれば、個人向けのiBTのスコアが必要です。TOEFLスコアが必要という場合は、TOEFL iBTを早めに受験してください。
まとめ
TOEFLには、団体向けのITPテストと個人向けのiBTテストがあります。TOEFL ITPはLevel 1・Level 2のレベルに分かれています。最低点は310点、最高点は667点、日本人の平均点は467点です。まずは、受験する場合は平均点を1つの目標に取り組んでみましょう。
TOEFLは海外留学・移住のために取得が求められる試験なので、難易度は高いといえます。対策としておすすめなのが、オンライン英会話の「レアジョブ英会話」の活用です。レアジョブ英会話では、毎日受講が可能で、TOEFL受験に特化した学習も希望できます。無料のオンラインレッスンも体験できるので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
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