TOEFL ITP500点のスコアレベルは?難易度や勉強法についても解説

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学校や職場で主に実施されるTOEFL ITP。成績などの評価や短期留学、海外研修の選考などにも活用されています。

TOEFL ITPの日本の平均点は467点。もう少しスコアアップできれば500点が狙えるところですが、具体的にはどれくらいのレベルが必要なのか気になるところですよね。

この記事では、TOEFL ITPでの500点を取るために必要な英語レベルに加え、効率よく解くためのコツやおすすめの勉強法、参考書などを紹介します。

参考:Test and Score Data Summary for the TOEFL ITP Test

TOEFL ITPとは?iBTとの違いは何?

TOEFL ITPは、世界中で実施されるテストプログラムTOEFLのひとつ。TOEFL iBTが個人も受験できる公式テストであるのに対し、TOEFL ITPは高校・大学や企業などの団体が申し込んで実施します。

TOEFL ITPとTOEFL iBTはどちらも英語力をはかるテストですが、利用されるシーンに違いがあります。ITPは教育機関のクラス分けや成績評価、企業内で行う海外研修の選考などに活用されますが、TOEFL iBTのように海外留学先・海外企業に英語力の証明として提出できることはあまりありません。

2つのテストは、内容にも違いがあります。


TOEFL ITP(約2時間)
・リーディング
・リスニング
・文法

TOEFL iBT(約3時間)
・リーディング
・リスニング
・ライティング
・スピーキング

また、TOEFL ITPにはレベル1とレベル2があります。レベル2はレベル1に比べて難易度が低く、出題数も少ないライトな内容です。

この記事では、主にレベル1の対策について紹介します。

TOEFL ITP500点のレベルは?英検やTOEICとの比較も紹介

TOEIC ITP500点は、ビジネスシーンや英語圏の大学レベルには達しないものの、身近な話題について意味の通る文章を作ったり、自分の経験や考えを説明できたりするレベルです。

英検やTOEICの受験経験がある人にとっては、TOEFL ITPでの500点が他テストにおいてどの程度のレベルかも確認しておきたいところですね。

他テストとのおおよその比較は、以下の通りです。

英検との比較
TOEFL ITP英検
337~459(A2)準2級
460~542(B1)2級
543~627(B2)準1級
627~677(C1)1級

次は、リスニング・リーディングに特化した「TOEIC L&R」とも比較してみましょう。

TOEIC L&Rとの比較
TOEFL ITPTOEIC L&R
337~459(A2)225~549
460~542(B1)550~784
543~627(B2)785~944
627~677(C1)945~990

TOEFL ITPで500点取るには各パートで何点ずつ取ればいい?

TOEFL ITPで500点を取るためには、各パートごとの目標点数を定めることも大切です。

先ほども触れたように、TOEFL ITP(レベル1)の出題構成はリーディング・リスニング・文法の3つ。スコアはリーディング・文法が31~68、リスニングが31~67です。

各問題の採点基準は一律ではなく、難易度や正答数に応じてスコアが変わる独自の採点方式が取られています。ちなみに、正答数をスコアに換算する際に使用される換算表は、公表されていません。

各パートで換算されたスコアを合計し、さらに10倍して3で割り、四捨五入したものがTOEFL ITPの合計得点として通知されます。パート内での正答数が0だった場合は合計得点が計算できないため、スコアレポートに記されません。

この計算方法から逆算すると、合計スコア500点を狙いたい場合、各パートで50点以上を取る必要があります。しかし、得意・不得意に応じてある程度目標点数を調整しても良いでしょう。

TOEFL ITPで500点取るためのコツは?

TOEFL ITPで500点を取るためには、いくつかおさえておきたいコツがあります。ポイント別に詳しく見てみましょう。

文法力と語彙力を高めて文法パートで高得点を狙う

TOEFL ITPで500点を取るコツとしてまず挙げられるのが、文法パートの対策を強化すること。一般的に、TOEFL ITPでは文法パートがいちばん伸ばしやすいと言われています。

大学で使われるような学術的な文章を読み解く力が試されるTOEFL ITPでは、出題文の構造が複雑なものも少なくありません。しかし、問われる文法の知識は、日本の中学校や高校で習う基本的な内容も多く含みます。重点的に勉強し直せば、スコアアップを狙いやすいのが特徴です。

加えて、TOEFL ITPでは語彙力の強化も必須。大学の授業を想定した専門用語や学術用語が出題されるので、日常会話レベルにプラスして勉強する必要があります。

タイムマネジメントを徹底する

あらかじめ問題ごとの時間配分を決めておくタイムマネジメントの徹底も、TOEFL ITPにおけるスコアアップのコツです。

TOEFLは問題数に対して解答時間がタイトなのがネック。ノープランでは時間が足りなくなり、最後まで解ききれない恐れがあります。

たとえば、リーディングパートの出題数は50問、与えられた時間は約55分なので、1問あたり1分強で解かなければいけません。文法問題はさらにタイトで、40問に対し解答時間が25分。1問30~40秒ほどでテンポ良く答える必要があります。

準備期間には、試験本番を想定したリハーサルを何度か行い、おおよその時間配分を掴んでおきましょう。

問題形式や全体の流れに慣れる

TOEFL ITP特有の問題形式や、全体の流れに慣れておくこともコツの一つです。

先ほど触れたタイムマネジメントの訓練にも通じることですが、ただ文法や語彙の知識を増やすだけではなく、試験本番を意識した訓練が重要です。仮に、出題方法について前知識が無いままテストに臨めば、問題の意味や解答方法を理解するために余分な時間を割かなければなりません。

TOEFL ITPは、他の英語テストプログラムと同じく、ある程度出題パターンが決まっています。専用問題集やTOEFL公式サイトのサンプル問題で練習を積み、問題を一目見ただけでどのケースか分かるようにしておきましょう。

それぞれの問題形式については、次からさらに詳しく解説します。

リスニング:3パート構成

リスニングセクションは、パートA~パートCまでの3部構成。英語を聞き取り、内容についての質問に答えます。

パートAは、短い会話が30問。1つの会話につき1題質問が出され、解答時間は約15分です。

パートBは、長い会話が3~4問。それぞれ2題ずつ設問があり、解答時間は約7分です。

パートCは、大学の講義など学術的な話が3~5問あり、3題ずつ設問があります。解答時間は約13分です。

ここでは、パートAのサンプル問題を見てみましょう。

【例題】

(Narrator) Question 1.

(Man) Should I lock up the computer lab now before I go home?

(Woman) Don’t bother. I’m not leaving for a while—I can check it on my way out.

(Narrator) What will the woman probably do?

The answer to question 1 is:
A. Lock the computer lab later
B. Leave with the man
C. Buy a new lock for the computer lab
D. Show the man where the lab is

出典:Listening Comprehension Sample Questions|TOEFL ITP

文法:2パート構成

2パートで構成される文法セクションの正式名称は、Structure and Written Expressionです。

Structureでは、文型や接続詞、品詞などから15問が出題されます。また、Written Expressionでは、数の一致や活用形、時制などに関する知識を問われます。

ここでは、Structureパートの例題を見てみましょう。

【例題】

Geysers have sometimes been compared to volcanoes __ they both emit hot liquids from below Earth’s surface.

A.despite
B.because
C.in regard to
D.as a result of

出典:Structure and Written Expression Sample Questions|TOEFL ITP

リーディング:1パート構成

続いてリーディングパートです。250語~350語からなる5つの文章を読解し、1つの文章につき約10問の問題に解答します。

【例題】

The railroad was not the first institution to impose regularity on society, or to draw attention to the importance of precise timekeeping. For as long as merchants have set out their wares at daybreak and communal festivities have been celebrated, people have been in rough agreement with their neighbors as to the time of day. The value of this tradition is today more apparent than ever. Were it not for public acceptance of a single yardstick of time, social life would be unbearably chaotic: the massive daily transfers of goods, services, and information would proceed in fits and starts; the very fabric of modern society would begin to unravel.

1.What is the main idea of the passage?

A. In modern society we must make more time for our neighbors.
B. The traditions of society are timeless.
C. An accepted way of measuring time is essential for the smooth functioning of society.
D. Society judges people by the times at which they conduct certain activities.

出典:Reading Comprehension Sample Questions|TOEFL ITP

TOEFL ITP500点を取るための具体的な勉強法を解説!

TOEFL ITPで500点を取るためには、出題傾向をふまえた対策が重要です。ここからは、具体的な勉強法について解説します。

TOEFL用の単語帳で意味・発音・使われ方を覚える

TOEFLにはアカデミックな単語が頻出する傾向にあるため、TOEFL用の教材で語彙を増やしておきましょう。「TOEFL ITP対応」の注釈がある単語帳が理想的です。

TOEFLは、大学など高度な教育や研究を行う場所で使える英語力をはかる目的があります。そのため、日常会話レベルの知識では高スコアは狙えません。文法問題だけでなく、リスニング・リーディング対策にも語彙力は重要です。単語の意味だけでなく、発音や実際の使われ方もふまえて覚えましょう。

高校レベルの文法を完璧にしておく

高校レベルまでの文法を再確認し、完璧に使えるようにしておくことも大切です。

先ほども触れたように、TOEFL ITPで最も点数が伸びやすいのは文法パート。ここは必ずおさえておきたいところです。高校で習う範囲だけでもマスターしておけば、かなりのスコアアップが期待できます。

「文法が今一つ把握できていない」「文法問題が不安だ」という人は、自分のレベルに合わせた参考書などでおさらいしておきましょう。

TOEFL用リスニングCDを何度も聞く

TOEFL用のリスニングCDを何度も聞き込むことも、おすすめの勉強法の一つです。

先述のとおり、TOEFL ITPのリスニングでは、短い英会話から学術的な講義まで、3パターンの出題形式があります。シチュエーションやトピックなどに特有の傾向があるので、専用の教材を使って練習するのが早道です。

聞き取れなかったフレーズや単語を逃さず、覚えるまで繰り返し聞き込み、意味と響きをインプットしましょう。先ほども触れた語彙力の強化にもつながります。

精読と多読で長文を正確に素早く読めるようになる

細かい部分までしっかりと意味を把握する「精読」と、とにかく量を読む「多読」で長文読解のトレーニングをすることも大切です。

長文問題は、正確かつ素早く読み進めることが重要なポイント。精読でまずは長文を正確に読み取る力をつけてから、多読で文章量をこなす力を鍛えましょう。

リーディングパートは、TOEFL ITPのなかで最もスコアが上げづらいと言われているパートです。時間をかけて段階的に勉強する必要があるので、早い時期から準備に取り掛かりましょう。

どんどん模擬試験を解く

ここまでの勉強で一通り力をつけたら、市販の問題集などを活用してどんどん模擬試験に挑戦しましょう。

試験本番のリハーサルを繰り返しながら、弱点や勉強が不十分な部分を洗い出し、さらに得点アップを狙っていきます。

また、先ほども触れたように、タイムマネジメントの訓練もここで行います。TOEFL ITP独特の出題傾向や解答のリズムに慣れ、本番でも落ち着いて実力を発揮できるよう準備を整えましょう。

TOEFL ITP500点取るためにおすすめの参考書5選

最後に、TOEFL ITP対策におすすめの参考書を紹介します。

TOEFL ITP対策に欠かせない一冊!

まず紹介するのは『TOEFL ITP(R)テスト 公式テスト問題&学習ガイド』。TOEFLの運営元が公認した公式問題集です。

サンプル問題を交えた各セクションのポイント解説に加え、アンサーシートや本番で流れる指示音声も、TOEFL ITPと同様のものを使用。本番さながらの模擬試験で、実戦に即したトレーニングができます。

おすすめレベル初級~中級
著者金丸敏幸、ETS
出版社研究社
価格(税込み)3,080円

文法問題を制覇したいならこれ!

次に紹介するのは、文法問題対策を強化したい人におすすめの『全問正解するTOEFL ITP TEST文法問題対策』。アカデミックな単語が頻出するTOEFL ITPで、分からない単語が入った文章をどう読み解くかが的確に解説されています。

また、英文を読み解く鍵として27個のPowerful Code(パワフル・コード)を提案。実践で使える読解のノウハウを教えてくれる一冊です。

おすすめレベル中級
著者林功
出版社語研
価格(税込み)2,200円

1日10語でコツコツ語彙力をつけよう!

語彙力アップを狙いたい人におすすめなのが『聞いて覚える英単語キクタンTOEFL(R) Test 頻出編』。TOEFL(R)テストの過去問から頻出単語を厳選し、「基本語彙」「自然科学」「社会・人文科学」からなる重要単語800語がまとめられています。

耳から覚えられるCD付きなので、リスニング対策にもGOOD。1日10語ずつ、80日間のプログラムなので、学習のゴールが設定しやすいのもポイントです。

おすすめレベル中級
監修・解説田中真紀子
出版社アルク
価格(税込み)1,980円

リスニングはこの一冊で鍛えよう!

『TOEFL ITPテストリスニング問題攻略』は、TOEFL ITPのリスニング対策に特化した問題集です。攻略ポイントを交えた練習問題と、3回分の模擬試験に加え、特に重要な語彙である「口語・定型・キャンパス表現」も解説されています。

また、本書は旺文社が提供するアプリ「英語の友」対応書籍。アプリをインストールすれば、いつでもどこでもスマホで手軽に耳慣らしができるのもうれしいポイントです。

おすすめレベル中級~上級
著者—–
出版社旺文社
価格(税込み)2,530円

6回分の模擬試験でリーディング対策を万全に!

最後に紹介するのは『TOEFL ITP(R)テストリーディングスピードマスター』。リーディングセクションのスコアアップを狙いたい人におすすめの一冊です。

リーディングテストにおける10の設問パターンや速読のテクニック、重要単語リストなど、長文読解でおさえておきたいポイントを集約。リーディングの模擬試験が6回分とたっぷり入っているので、学習の仕上げにみっちりリハーサルができます。

おすすめレベル中級~上級
著者神部孝
出版社Jリサーチ出版
価格(税込み)1,650円

まとめ

本記事では、TOEFL ITPテストの特徴や出題形式、おすすめの勉強法や参考書などを解説しました。

TOEFL ITPでは基本的な文法・語彙に加え、特有のアカデミックな単語や表現をおさえておく必要があります。今回紹介した内容をふまえて、効率的に準備を進めてみてくださいね。

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