TOEICでよく出題される単語に、「as」があります。たった2文字のこの単語ですが、辞書を調べてみるとものすごくたくさんの意味があります。似た意味の、「when」や「since」などとの使い分けもむずかしいですよね。
今回はそんなasの使い方を、5分でマスターしましょう。
asの意味:2つのものを天秤にかける
「as」の使い方はとてもたくさんあり、1つ1つ覚えるのはなかなか大変です。こういう場合、まずはイメージをつかむのが有効です。では、asの共通のイメージはなんでしょうか?
「as」は対象物の性質に注目するために天秤に乗せるイメージです。ただそれは、2つの物を比較するためではなく、どちらかというと対等さを感じるためです。そして、2つの物の関係性は様々で、接続詞の場合は文脈により「同時に起こったこと」「似ているもの」「逆のこと」「原因/理由と結果」などが挙げられます。
清水健二『イメージで比べてわかる前置詞使い分けBOOK』ペレ出版, P.127.
asが持っているのは
①2つのものを比べる
②どちらかといえばその対等さに注目する
というイメージです。かんたんにいえば、=で結ばれるニュアンスですね。
as ○○=○○として
asの使い方の中でいちばん典型的なのは、「○○として」のasでしょう。
I’m working as a teacher.
(私は教師として働いています。)
as+名詞で、「○○として」という意味になるのです。これは、「私」と「教師」という仕事を天秤に乗せてみているイメージです。さらに、この2つを=で結んでいます。2つのものを比べて=で結ぶ、最もわかりやすい例です。
受身の文でのas
また、be known as のように、受身の文でも使うことができます。
Staplers are known as hochilisu in Japan.
(ステープラーは、日本ではホッチキスとして知られている。)
○○として知られているという、受身の意味を出すことができますね。
○○ように もas
asのもう1つの意味として、○○ように、もasを使います。
As usual, I ate a bread in the morning.
(いつものように、私は朝パンを食べました。)
As always, I read a book this week.
(いつものように、私は今週本を一冊読んだ。)
「いつもの習慣」=「パンを食べる」「本を読む」になっているのがポイントです。左右が=で結べるので、asが使われています。大事なのはイコールで結べるような意味になっているかなのです。
as =○○の間に
asのよく見る使い方として、時間を表わす使い方があります。
As a child, I wanted to be a doctor.
(子供の頃、私は医者になりたかった。)
ある時間と、そのときの状態を天秤に乗せています。「子供の時」という時間と、「医者になりたい」という気もちが=で結べることを表わしているのです。以下の文と同じ意味ですね。
When I was a child, I wanted to be a doctor.
(子どもの時、私は医者になりたかった。)
意味はだいたい同じですが、asを使った方が、文全体が引き締まって見え、よりネイティブらしいものになります。日常会話ではwhen~の方がよく使われますが、書き言葉ではasもよく使われます。
理由や原因を表わすas
非常にネイティブらしい表現として、理由や原因を表わすasがあります。
As it was getting dark, I decided to turn the light on.
(暗くなってきたから、電気をつけることに決めた。)『イメージで比べてわかる前置詞使い分けBOOK』p.128.
こちらは後ろに主語+動詞が来ていますから、接続詞です。ですが、今まで見てきた前置詞のasと同じ意味とニュアンスを持っています。2つのものをならべて、同じところをさがすようなニュアンスですね。
この文では、暗くなったことと電気を消すことが、同時に発生したことがわかります。その時間的な近さを強調するためにasが使われているのです。
sinceやbecauseの代わりにasが使える? 意味は同じでもニュアンスに違いあり
一般的に「○○だから」「○○なので」というような場合には「because」や「since」が使われることが多いです。学校英語でも、どちらかといえばこちらを教えています。
☆becauseを使うと
I decided to turn the light on, because it was getting dark.
☆sinceを使うと
Since it was getting dark, I decided to turn the light on.
この2種類の文も、asを使った文と意味は変わりません。becauseを使うと理由が後に来やすくなりますが、それでも意味自体は同じです。では、asを使ったものとの違いはどこにあるのでしょうか? やっぱりニュアンスに違いがあります。
asを使った方が、フォーマルで洗練されたニュアンスになります。実際に、日常会話ではasが出てきにくい一方で、硬めの文章ではとてもよく見かけるのです。asを使いこなすことで、洗練された英語を使えるようになります。
as〇〇as××の意味は「前後がイコール」
asには、「前後が=で結べる」という共通の意味がありました。時には同じタイミングで起こることを表わせますし、時には因果関係があるということも表わせます。as○○as××も、=の関係を表わすためによく使われます。
I will finish my homework as soon as possible.
(宿題を可能な限り早く終わらせる。)
asとasの間に形容詞を挟み、後ろにpossibleという別の形容詞を置いています。この形で、「××くらい○○に」という意味を表わすのがこの文法です。今回なら、「possibleなくらいsoonに」=「できるだけ速く」という意味になるでしょう。
as, as構文の意味:「どれくらい?」→「これくらい」
上の質問はすこしごちゃごちゃしていてわかりにくいですね。ですが、asの本質は=で結べることだとわかれば、もっとシンプルに理解できます。
「どれくらい?」→「これくらい」
これが本質です。前の形容詞について、「どれくらいなの?」と疑問に思います。そうすると、「これくらいだよ」と次のフレーズが登場して説明してくれるのです。
as soon →どれくらいsoon?
=
as possible → possible(できる)くらい
このように、前の形容詞を後ろのフレーズが説明しています。もっと言えば、「宿題をやる速さの程度」と「自分のできるレベル」が=で結ばれているようなニュアンスになっているのです。
もっと使える実践as, as 構文
この構文は、実際の英会話でもよく使います。なにかとなにかの程度が=であれば使えるので、使い勝手がいいのです。
as far as I know…
(知っている限りでは)
範囲(far)と、自分の知っていること(I know)が=で結ばれています。
as well as I can…
(できるだけよく)
質(well)と、自分のできるレベル(I can)が=で結ばれています。
このように、asが形容詞を挟む文は、前後を=で結んで理解しましょう。
まとめ
asは色々な意味を持っていて、幅広く使えます。便利な反面、勉強するのは大変ですね。こういう時には、コアになっているイメージをつかむことで、マスターまでの負担が速くなるのです。
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