英語の「時制の一致」をわかりやすく解説!5つの文法パターンと例外を紹介

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英語で的確に意図を伝えるために必須の文法ルールである「時制の一致」。基本的なルールに加え、例外もあるため混乱してしまう人が多いのではないでしょうか。日本語の文法では時制を気にする必要がないという点も、日本人英語学習者が時制の一致を苦手に感じてしまう理由の一つです。

今回は英語習得に欠かせない「時制の一致」について、基本ルールや例外をまとめて紹介します。英会話や英作文などの実戦で正しく使えるよう、理解を深めておきましょう。

英語の「時制の一致」とは

まず「時制の一致」とは何なのか、以下2つのポイントで解説します。

・時制の一致=主節と従属節の時制を合わせること
・主節の時制が過去のときに起こる

主節と従属節の時制を合わせること

英語における時制の一致とは「主節と従属節が存在する文章において、主節の時制に従属節の時制を合わせること」です。

文章のメインとなる部分を「主節」、主節の中身にあたる部分を「従属節」と呼びます。英語では主節の時制が過去の場合、例外を除いて従属節も過去時制に合わせなければなりません。

例えば、

I think he is angry.(彼は怒っていると思う。)

という文では、主節の”I think”、従属節の”he is angry”ともに現在形です。

しかし主節の”I think”が過去形になる場合は、以下のとおり従属節も過去形にする必要があります。

I thought he was angry.(彼は怒っていると思った。)

主節が過去形の”I thought”となるので、従属節の動詞”is”も過去形の”was”にしなければなりません。

日本語では過去の話でも「怒っている(と思った)」という現在形で伝えられますが、英語では時制の一致によって主節が過去形なら従属節も過去形に変化させる必要があります。日本人英語学習者が間違えやすいポイントなので、しっかり押さえておきましょう。

主節の時制が過去のときに起こる

時制の一致は主節の時制が現在や未来のときには起こらず、過去のときにだけ起こるという点も覚えておきましょう。そして主節の時制が過去の場合、従属節の動詞は「過去形」か「過去完了形」に変化します。

主節と従属節に時制のズレがなければ、以下のとおり従属節の動詞は過去形になります。

She told me that she wanted to go shopping.(彼女は買い物に行きたいと言った。)

この場合、主節の”She told me”と従属節の”she wanted to go shopping”に時制のズレはありません。

しかし従属節の時制が主節よりもさらに過去の場合は、以下のとおり過去完了形になります。

She told me that she had wanted to go shopping.(彼女は買い物に行きたかったと言った。)

英文法では、過去よりさらに前の時制を大過去といいます。この場合、従属節の内容は主節よりも前の大過去にあたるので、過去完了形の”she had wanted to go shopping”にする必要があるのです。

主節が現在形や現在完了形、未来形の場合には、時制の一致は起こりません。この場合は、伝える内容によって従属節の動詞の時制が変化します。

例えば主節が現在形の場合は、以下のとおり従属節にさまざまな時制が使えます。

She tells me that it is sunny today.(彼女は今日は晴れだと言う。)

She tells me that it was sunny yesterday.(彼女は昨日は晴れだったと言う。)

She tells me that it will be sunny this weekend.(彼女は今週末は晴れだろうと言う。)

She tells me that it has been sunny since last Monday.(彼女は先週の月曜からずっと晴れが続いていると言う。)

上記のとおり、主節が現在形なら従属節がどの時制であっても意味が成り立ちますよね。従属節の動詞”be”は話の内容に合わせて適切な時制に変える必要があるのです。

英語の「時制の一致」を5つの文法パターン別に解説

時制の一致には、大きく分けて以下5つのパターンがあります。

・従属節が「過去形」になる場合
・従属節が「過去進行形」になる場合
・従属節が「過去完了形」になる場合
・従属節が「過去完了進行形」になる場合
・間接話法(that節)を使う場合

それぞれどのように時制を一致させればよいのか見ていきましょう。

従属節が「過去形」になる場合

主節・従属節がともに現在形の文章において主節が過去形になる場合、従属節も過去形になります。

<主節:現在形、従属節:現在形>

I tell you I am not ready.(まだ準備ができていないと私はあなたに言う。)

<主節:過去形、従属節:過去形>

I told you I was not ready.(まだ準備ができていないと私はあなたに言った。)

主節の”I told you”も従属節の”I was not ready”も過去の同じ時点における話なので、どちらの動詞も過去形です。

従属節が「過去進行形」になる場合

主節が現在形、従属節が現在進行形の文章において主節が過去形になる場合、従属節は過去進行形になります。

<主節:現在形、従属節:現在進行形>

I think he is studying English.(彼は英語を勉強していると思う。)

<主節:過去形、従属節:過去進行形>

I thought he was studying English.(彼は英語を勉強していると思った。)

主節の”I think”が過去形の”I thought”になったので、従属節の”he is studying”も過去進行形の”he was studying”にして時制を合わせます。

従属節が「過去完了形」になる場合

主節が現在形、従属節が現在完了形の文章において主節が過去形になる場合、従属節は過去完了形になります。

<主節:現在形、従属節:現在完了形>

Anna tells her boss she has been busy all week.(アンナは1週間ずっと忙しかったと上司に伝える。)

<主節:過去形、従属節:過去完了形>

Anna told her boss she had been busy all week.(アンナは1週間ずっと忙しかったと上司に伝えた。)

主節の”Anna tells”が過去形の”Anna told”になったため、従属節の現在完了形”she has been busy”も過去完了形”she had been busy”に変える必要があります。

従属節が「過去完了進行形」になる場合

主節が現在形、従属節が現在完了進行形の文章において主節が過去形になる場合、従属節は過去完了進行形になります。

<主節:現在形、従属節:現在完了進行形>

I think Tom has been cleaning his room.(私はトムが彼の部屋の掃除をしていると思う。)

<主節:過去形、従属節:過去完了進行形>

I thought Tom had been cleaning his room.(私はトムが彼の部屋の掃除をしていると思った。)

主節の”I think”が過去形の”I thought”になったので、従属節の現在完了進行形”Tom has been cleaning”も過去完了進行形”Tom had been cleaning”にすることで時制が一致します。

間接話法(that節)を使う場合

会話の内容を間接話法(that節)で表現する場合にも、時制の一致が起こります。

まず、直接話法と間接話法の違いを見てみましょう。直接話法の場合はセリフをそのまま挿入すればよいですが、間接話法の場合は主語を置き換えたり、主節の時制に合わせたりする必要があります。

<直接話法>

She tells me, “I want to go home.”(彼女は私に「家に帰りたい」と言う。)

<間接話法>

She tells me that she wants to go home.(彼女は私に「家に帰りたい」と言う。)

間接話法で主節が過去形になる場合は、以下のとおり時制の一致が適用されます。

<主節:現在形、従属節:現在形>

She tells me that she wants to go home.(彼女は私に「家に帰りたい」と言う。)

<主節:過去形、従属節:過去形>

She told me that she wanted to go home.(彼女は私に「家に帰りたい」と言った。)

直接話法の場合は以下のとおり、時制の一致が不要です。

She told me, “I want to go home.”(彼女は私に「家に帰りたい」と言った。)

時制の一致における助動詞の変化は?

従属節に助動詞が使われている文で時制の一致が起こるときは、助動詞の変化にも注意が必要です。よく使われる代表的な助動詞について、時制の一致におけるルールを説明します。

基本ルールとしては、以下の2点を押さえておきましょう。

・過去形が存在する助動詞は過去形にする
・もとから過去形を使用している・過去形が存在しない助動詞は変化させない

will・can・mayは変化する

過去形が存在する代表的な助動詞は、will・can・mayの3つです。主節が過去形になる場合、従属節に含まれるwill・can・mayも過去形に変える必要があります。

<現在形:will>

I think he will come.(私は彼が来ると思う。)

<過去形:would>

I thought he would come.(私は彼が来ると思った。)

<現在形:can>

I believe you can pass the exam.(あなたが試験に合格できると信じている。)

<過去形:could>

I believed you could pass the exam.(あなたが試験に合格できると信じていた。)

<現在形:may>

Jenny’s mom tells us she may not be at home.(ジェニーの母は彼女は家にいないかもしれないと私たちに話す。)

<過去形:might>

Jenny’s mom told us she might not be at home.(ジェニーの母は彼女は家にいないかもしれないと私たちに話した。)

上記のとおり、従属節に助動詞がある文章において時制の一致が起きる場合、動詞の時制はそのままで助動詞のみが変化します。

should・would・mightなどは変化しない

従属節に助動詞が使われている場合でも、もとから過去形が使われている助動詞や、過去形が存在しない助動詞は時制の一致によって変化しません。具体的には、should・would・mightなどが挙げられます。

<should>

He told me I should leave my home in the early morning.(彼は私に早朝に家を出るべきだと言った。)

<would>

I thought it would be rainy.(私は雨が降るだろうと思った。)

<might>

My mom told us she might be late.(母は私たちに遅れるかもしれないと伝えた。)

時制の一致によって変化しない助動詞には、should・would・mightのほかにもmust・ought to・used toなどが挙げられます。これらの助動詞が従属節にある場合は、主節が過去形であってもそのままの形で使いましょう。

時制の一致が当てはまらない例外とは

ここまで時制の一致の基本的なルールを紹介してきましたが、例外も存在するため注意が必要です。以下5つのパターンについて、それぞれ解説します。

・不変の真理
・ことわざ
・歴史的事実
・現在も続いている状況
・仮定法

不変の真理

不変の真理とは、簡単にいうと「何があっても絶対に変わらないこと」です。例えば、地球が丸いこと、人はいつか死ぬことなどは、過去・現在・未来のどの時代であっても変わらないですよね。こういった不変の真理が従属節となっている場合は、時制の一致による影響を受けません。物理現象や天体現象などが例として挙げられます。

I learned the Earth is round when I was in elementary school.(小学校のときに地球は丸いと習った。)

ことわざ

ことわざや著名人が残した格言が従属節で使われる場合も、時制の一致による影響を受けません。ことわざや格言は一言一句変えずに使うのが原則です。

My boss told me that failure teaches success.(上司は失敗は成功のもとだと言った。)

歴史的事実

歴史的事実が従属節に含まれる場合も、時制の一致による影響を受けません。歴史的事実は常に過去形になります。時制的には大過去として扱うべきだと考えてしまいがちですが、誰もが認識している事実であるため、わざわざ過去完了形にしないのです。

The teacher taught us that Japan adopted the national isolation policy in 1639.(先生は私たちに日本が1639年に鎖国制度を採用したと教えた。)

現在も続いている状況

過去の時点の話だったとしても、現時点でも変わらない状況や習慣になっているもの、いつになっても変わらない事実については時制を一致させません。

I knew he wakes up at 6 am to study English every day.(私は彼が毎日英語を勉強するために6時に起きていることを知っていた。)

ただし上記の例において、もし彼が6時に起きる習慣をすでにやめているという場合は、従属節の時制も過去形にする必要があります。

仮定法

主節が過去形であっても、従属節に仮定法が来るのであれば時制の一致は起きません。

仮定法は、現実ではないことを仮定として話すときに使う表現方法です。そして仮定法には、現在を表すときは過去形、過去を表すときは過去完了形といったように「時制を一つ前にずらす」というルールがあります。

仮定法には独自の時制が適用されるため、通常の時制の一致による影響を受けません。

<主節が現在時制>

My dad tells me that if he could have his youth back, he would study abroad.(父は「もし若い頃に戻れたら、留学に行くのになあ」と言う。)

<主節が過去時制>

My dad told me that if he could have his youth back, he would study abroad.(父は「もし若い頃に戻れたら、留学に行くのになあ」と言った。)

時制の一致と混同しがちなケース

日本人英語学習者が時制の一致と混同しがちなケースを2つ紹介します。適切に使い分けられるよう、それぞれのルールを理解しておきましょう。

・時と条件を表す副詞節(if、whenなど)は未来時制でも現在形
・関係代名詞や接続詞のあとは伝える内容によって時制が変わる

時と条件を表す副詞節(if、whenなど)は未来時制でも現在形

主節が未来時制だったとしても、「もし~したら」を意味するifや「~するとき」を意味するwhenなど「時と条件を表す副詞節」においては現在形を使います。

I will take a day off when I finish this project.(このプロジェクトが終わったら、一日休みを取ります。)

プロジェクトが終わるのは未来の話ですが、副詞節では現在形を使用します。

We will go to the beach if it’s sunny next weekend.(もし来週末晴れたら、海に行きます。)

主節が未来形であり、従属節も未来の話をしていますが、副詞節のため現在形を使用します。

ただしifやwhenを使う場合でも、「いつ~するか」や「~するかどうか」などと訳す名詞節の場合は、内容に合わせて未来形にすることもあるので注意しましょう。

関係代名詞や接続詞のあとは伝える内容によって時制が変わる

who・which・thatなどの関係代名詞によって主節を修飾する場合や、because・andなどの接続詞で文章を続ける場合は、伝える内容によって時制が変わります。関係代名詞や接続詞のあとに続く文章が現在の状況なら現在形、過去の出来事なら過去形や過去完了形というイメージです。

I saw a girl who was wearing a blue shirt.(青いシャツを着ている女の子を見た。)

I didn’t go to work because I felt sick.(体調が悪かったので、仕事に行かなかった。)

英語の「時制の一致」がわかったら

主節が過去形の場合に、従属節を過去形・過去完了形にするのが「時制の一致」の基本です。今回紹介したように例外もありますが、まずは基本ルールをマスターするところから始めてみてください。

時制の一致を覚えるためには、自分で文章を作ったり話したりしながら、何度も繰り返して使うことが重要です。基本をマスターしたら、例外や間違えやすい時制についても理解を深めていきましょう。

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