国をまたいで英語学習事業に携わった経験から見る日本の英語教育とは【英語力が支える子どもの可能性#1前編】

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当社執行役員であり、レアジョブ英会話「中学・高校生コース」の開発責任者である下又健(しもまたたけし)。日本のみならず、マレーシア、シンガポール、韓国、中国などのさまざまな国で、長く子どもたちの英語学習事業に関わって来ました。そのルーツは、教員だった両親の背中。

同じアジアの中国、韓国、フィリピンなどに大きく後れをとっている日本の英語力に危機感を抱きながら、自らの知見と経験、小学校教員、中・高の英語科教員の資格を基に、日本の子どもたちが英語力を獲得、世界で活躍する日をめざし、レアジョブのサービスの充実を図っています。

※2024.6月をもちまして、「中学・高校生コース」は「日常英会話コース」に統合しました。

外国人と机を並べて仕事する時代はすぐそこに

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長くマレーシアで生活してきたなかで、マレーシア人の英語に対する考え方をどのように感じましたか?

マレーシアにおいては、私がいた当時はマレー語と英語の両方を話せる人は、マレー語だけしか話せない人に比べると、給料が2倍とも3倍ともいわれています。生涯賃金にしたらかなり違ってくるでしょうね。マレーシアに限らず、アジアの国々では、学校や就職、結婚など、選択の分岐点に英語があります。保護者はそれを認識していますから、当然、子どもの英語教育に力を入れるわけです。

韓国政府は、1997年のアジア通貨危機の勃発をきっかけに、世界に積極的に進出していこうというグローバル政策に転換、英語教育にも力を入れるようになりました。中国や台湾の状況もそれに近いと思います。これらの国がいわゆる先進諸国に追いつこうとするなら、英語力を高めるのが一番の近道です。産業や文化で追いつこうとすると、長い時間がかかりますからね。

それに対して日本は、今、どういう状況なのでしょう。

どこの国でも、英語の必要性に気付くのは、アジア通貨危機のような危機を経験したときです。韓国に遅れること10年、2008年のリーマンショックを契機に、日本はようやく、世界に取り残されるのではという不安を感じるようになったのです。それをきっかけに、世の中は一斉にグローバルを叫ぶようになりました。

最近は、英語の重要性に気付き始めたことで、英語力により賃金に差を付ける企業も現れています。日本でも、企業や学校で、外国人と机を並べて仕事したり、勉強したりする時代は、すぐそこまで来ているのです。

これらが文部科学省の英語教育改革に繋がっていくのですね。

リーマンショックは、国や企業にある意味の危機感をもたらしました。そこに東京オリンピックの開催が決まり、文科省は、それまでに英語力を上げようと、今、猛スピードで改革を進めています。今までは、英語教育改革の必要性は理解していたはずですが、現場の強い抵抗もあり、なかなか実現に至らなかったのだと思います。

しかし、国の施策はあくまでもミニマムスタンダードです。それだけでは英語が話せるようにはなりません。すでに、韓国は小学校3年生から、フィリピンでは、1年生から英語の授業は始まっていますが、授業だけでは十分ではないことを理解している賢い保護者たちは、子どもたちに学校外でも英語を学ばせています。

使わなければ英語は話せるようにはならない

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日本における英語教育の問題はどこにあるとお考えですか?

今までの日本の英語教育は、試験・受験対策の一環として扱われてきました。しかし、英語は、本来、言語であり言葉なのです。言葉は生活の一部であるべきなのに、実際に英語を使う場面はほとんどありませんでしたから、話せるようになるはずはありません。

実は、英語学習には二つの山があって、一つは受験が頂上、もう一つは話せるようなることが頂上です。多くのかたは受験の頂上の先に、英語が話せるようになった自分をイメージします。しかしそれは必ずしも正しくなく、英語が話せるようになりたいなら、そのための山を登らなくてはなりません。

「可能性」「能力」を意味する英語には、“ability”と“competency”という二つの表現があります。“ability”は、テストや暗記など身に付く点数化がしやすい「個人的能力」とも言われます。一方の“competency”は、コミュニケーション能力や異文化対応力など、経験を積むことにより身に付く「社会的能力」とも言われています。本来なら、この二つの能力がまんべんなく身に付くように学習すべきなのです。

しかし、日本における英語教育は、受験産業に偏ってしまっていたために、点数化しやすく、詰め込むことで点数が取れる“ability”ばかりがフォーカスされてきました。その結果、コミュニケーション能力も、異文化対応力が足りなくなったというわけです。しかし最近では“competency”を意識して、点数ではなく、パフォーマンスで英語を評価しようという動きが出てきていますが、とてもいい動きだと思います。

後編:今、どうして『4技能』なのか-英語教育の改革【英語力が支える子どもの可能性 #1後編】


連載「英語力が支える子どもの可能性」
中学・高校生の英語教育事情


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