わかってなかったことに気づく!英語「復文」勉強法とは?

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「復文」という勉強法をご存じでしょうか。江戸時代に漢文の学習法として使われていたやり方で、「元の文を訳す」「訳した文を見て、元の文を『復元』する」という作業を繰り返すものです。この方法を英語に応用することで、画期的な成果が挙がっているとのこと。具体的にどのような勉強法なのか、どんな効果があるかを見ていきましょう。

英語の「復文」って、どんな勉強法?

駿台予備校の田中健一先生が書いた英語学習書『はじめてでも「使える英語」が身につく! 英語復文勉強法』が評判を呼んでいます。駿台の授業にも取り入れられている勉強法「復文」を大人の学習者が実践するための本で、文法と多くの語彙が身につくとのこと。実際にどんな勉強の仕方をすればいいかご紹介しましょう。

1.紙とペンを用意し、英文を書く

紙とペン(または鉛筆)を使い、覚えたい英文、気になる英文を書き出します。復文勉強法の書籍を使ってもいいし、ネットのニュースの英文を使うのもいいでしょう。

2.英文を訳して書く

自分なりに考えて訳してみます。わからない単語は辞書を調べ、正確な訳ができるようにします。自信がない場合は、Google Translateなどで確認してみるのもいいでしょう。

3.訳を英文に「復元」する

最初に書いた英文を紙で隠すなどして、訳だけ見ながら英語を書いてみます。わからなかったところは「XXXX」としておいてもいいでしょう。ひとまず自分の力だけで英語が書けるようにします。

4.元の英文を見て答え合わせをする

最初に書き出した英文と自分の英文を見ながら、答え合わせをします。間違ったところや、わからなくて「XXXX」としておいたところには、赤字で正しい語を書き入れます。こうすると、自分が間違いやすいところ、使えるようになっていない単語などが把握できるようになります。

英語の復文にはどんなメリットがある?

同じ文を赤字がなくなるまで繰り返し復文してもいいし、どんどん新しい文にチャレンジしていって、あとから見直して自分の弱点を確認するのもいいでしょう。シンプルで気軽に取り組めるこの勉強法には、こんなメリットがあります。

・紙とペン(または鉛筆)だけあればできる。
・いつでもどこでもできる。
・一人で勉強できる。
・知っているつもりなのに実際は英語で正しく書けないところがわかる。
・覚えたつもりで実際には出てこない英単語がわかる。

それでは、この復文の勉強を続けることでどのような力が伸びるのか、実際に復文にチャレンジしながら確認していきたいと思います。

実際に復文にチャレンジしてみよう

ネット上のニュースを使って、この「復文」を実践してみます。ここでは日々短いニュースを配信する「Daily News Articles」の記事「Meghan’s 1st Spotify podcast to focus on female stereotypes」(メーガンの最初のSpotifyポッドキャスト、女性のステレオタイプに焦点を当てる)を使用します。Spotifyとは、音楽やポッドキャスト番組が利用できる世界的なデジタル配信サービスのことです。

1.短い英文を選んで書く

記事全体にざっと目を通し、自分で書けそうな短い文を選び出します。長い文を2つ、3つと区切ってもいいでしょう。ここでは試しに以下の文を選びました。

No lineup of guests has been announced.

【書くときに注目!】

guestsと複数にします。その後のhasが三人称単数なので、主語はguestsではなくlineup of guestsというかたまりであることに気づきます。

2.訳を書く

Noで始まっているので意味としては否定の文、現在完了の文になっているあたりに注意しながら訳します。

ゲストのラインナップは発表されていません。

【訳すときに注目!】

まずlineup of guests(ゲストのラインナップ)という主語を訳します。「現在完了の受け身」で冒頭にNoがあるので、「~されていない」という否定の文にします。announceは「アナウンスする」でもいいのですが、辞書を引くと「発表する」がピッタリくるとわかります。

3.英文に「復文」する

最初の文を紙で隠し、訳だけ見ながらそれを英語で書きます。普通に英訳すると、こうなるかもしれません。

Guest lineup is not announced.

【復文するときに注目!】

まず「主語+動詞」を何にするか決めることが肝心。ここでは「ゲストのラインナップ」をそのままGuest lineup、「発表されていません」をis not announcedとしてみました。

4.答え合わせをする

元の英文を見て、違っているところを赤字で書き込んでみましょう。

Guest lineup⇒lineup of guests
is not announced⇒No ~ has been announced

【答え合わせをするときに注目!】

「ゲストのラインナップ」はGuest lineupでもいいはず?

でも、ここではNo lineup(ラインナップがない)ことをまず言いたいので、主語がNo lineup of guestsとなっています。「発表されていません」はもちろんis not announcedでもいいのですが、記事としては「そのうちあるだろうが、今のところまだだ」と強調したいので、has been announcedと現在完了を使っています。announcedのつづりにも注意してください。

Guest lineup is not announced.だと「ゲストが発表されていない」という状況を伝えているだけですが、No lineup of guests has been announced.とすると、「ラインナップがない!もう発表されていてもよさそうなのに、まだないですね」というニュアンスが出ます。1回復文をするだけで、これだけのことがわかるのです。

ほかにも、復文をしている間に、こんなことができるようになるはずです。

・名詞が単数か複数か意識する。
・動詞の時制をしっかり意識する。
・重なる文字など、正確なつづりを把握する。
・単語の意味が確実にわかる。
・英文の構造を丁寧に把握する。
・理解した英文の構造をもとに、英文を組み立てることができる。
・書き手の意図を意識するようになる。

復文のデメリットとは?それを克服するには?

これだけの効用がある「復文」ですが、どんな勉強法もそうであるように、もちろんデメリットもあります。何が足らないのか、それを克服するにはどうすればいいかを考えてみましょう。

音声の要素がない

⇒英文を書くときと復文するときに、声に出して読むようにしましょう。「Daily News Articles」には音声もあるので、リスニングしながらお手本として役立ててください。

文字に頼りすぎてしまう

⇒書かなくても「復文」できます。一度復文した英文について、「声に出して読む」→「頭の中で訳して声に出して言ってみる」→「今、口にした日本語を、英語にして言う」を繰り返してください。

会話に直結しない

⇒復文の素材はどんなものでもよいので、会話のフレーズで復文をしてみましょう。

英会話フレーズを定着させるには

復文で言えるようになった会話フレーズを実際の英会話の中で使ってみると、そのフレーズがさらに定着します。外国人を相手に練習するには、レアジョブ英会話の無料体験レッスンを活用してください。

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