英語学習には「日本語字幕」と「英語字幕」のどっちが効果的?

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映画や海外ドラマだけでなく、動画を活用して英語学習する人が増えています。生きた英語がそのまま聞ける上、視覚的な情報もあるので楽しみながら学習できるからでしょう。しかし視聴の際に、「日本語字幕」と「英語字幕」のどっちを選べばいいのか悩む人も少なくありません。はたして、英語学習にはどっちの方が効果的なのでしょうか?

英語字幕の方が学習効果あり【研究調査】

実は、同志社大学の植松茂男教授(論文発表当時は摂南大学教授)の「メディア教育研究」の第1号「DVD映画教材利用時の英語字幕が英語学習に与える影響について」によると、すでに「英語字幕」が英語学習に効果があることが明らかになっています。まず、その論文の内容から見ていきましょう。

参考:DVD映画教材利用時の英語字幕が英語学習に与える影響について 

日本語字幕では英語力に変化なし

大学生を「英語音声 + 日本語字幕」と「英語音声 + 英語字幕」のグループに分けて、映画や海外ドラマを活用して英語学習をする際の効果の違いを調査しています。

調査ではこの2つのグループをさらに「初級」と「中級」に分け、アメリカ映画「Free Willy」から計60分の場面を選び、毎回5分の映像を2回ずつ12週間見せたそうです。1回目の視聴の後に内容理解問題、2回目の視聴の後にスクリプト上の語彙の穴埋め問題も毎回実施。また、全体の調査の前と後にTOEICテストを行い、総合英語力の変化を分析しています。

その結果、「英語音声 + 日本語字幕」のグループは初級・中級のどちらも英語力の向上は見られなかったという結果でした。つまり、英語力に変化は見られなかったということです。

英語字幕では英語力が向上

一方、「英語音声 + 英語字幕」のグループは、初級でリスニング力、中級でリスニング力とリーディング力が向上しました。さらに、授業後のリスニングと読解・文法のテストでも、「英語音声 + 英語字幕」のグループに学習効果が見られたそうです。

研究では英語字幕のグループに効果が見られた理由を、「聴覚情報と視覚情報を使った処理トレーニングにより、処理速度と正確さが向上した」と推測しています。ただし、英語字幕の内容が難しすぎて読めなかった場合は、学習効果は見られなかった可能性もあるそうです。

レベルによって使い分けるのがおすすめ

使われている英語の難易度にもよりますが、映画・海外ドラマ・動画などを活用した英語学習では、ある程度の英語力が必要なのは言うまでもありません。しかし、「英語音声 + 英語字幕」で視聴して理解できなければ何度繰り返しても理解はできず、イヤになるだけで学習にはなりません。

英語字幕が日本語字幕より学習効果があることは研究で明らかになっていますが、英語学習にはどちらも必要です。ですから、日本語字幕と英語字幕を使い分けて効率的に学習することをおすすめします。

「英語音声 + 日本語字幕」で内容を理解しよう

日本語字幕を読みながら英語の音声も聞くのは、実際にはかなり困難な作業です。内容が理解できない初級者あるいは中級者は、まず日本語字幕を活用して内容を理解しましょう。内容が理解できた後は、音声に集中して視聴します。

日本語字幕で内容を理解する理由は、理解できなければつまらないから。また、聞こえた英語と日本語字幕をマッチさせながら視聴すれば、多少は単語やフレーズが記憶に残る可能性があるからです。

音声に慣れたら英語字幕に変えよう

内容も理解できて音声にも集中できるようになったら、「英語音声 + 英語字幕」に変えて視聴します。音声を英語字幕で確認しながら、何度も視聴してみましょう。視聴を重ねるうちに耳が英語に慣れてくるので、どんどんリスニングが楽になっていくはずです。

映画・海外ドラマ・動画を活用した英語学習をしたことがない中・上級者は、日本語字幕に頼らず、簡単な作品を「英語音声 + 英語字幕」で視聴することから始めることをおすすめします。中・上級者に日本語字幕をおすすめしない理由は、ある程度の語彙力・文法力が備わっているから。また、簡単な作品から移行していく理由は、スピードや英語特有のリズムに慣れるためです。

最終的には字幕なしで視聴しよう

学習した後は字幕なしで視聴してみましょう。字幕なしで視聴できるに越したことはありませんが、ここで字幕なしで視聴する目的は、「どの程度聞き取れるようになったか」を自己チェックするためです。

「英語音声 + 日本語字幕」で視聴していたときより、リスニング力が向上したことを実感できるでしょう。自身の成長を確認することは、英語学習においてとても重要です。なぜなら、成長が確認できれば、モチベーションを維持しやすくなるからです。そして、このように小さな成功体験を積み重ねることで、自信が持てるようになります。

映画・海外ドラマ・動画で英語学習するコツ

最後に、映画・海外ドラマ・動画を活用して英語学習するときのコツや注意点を解説します。闇雲に取り組んでも学習効果は上がらないので、しっかり確認してくださいね。

自分のレベルに合ったものを選ぶ

大切なことは、自分のレベルに合ったものを選ぶこと。その理由は、難しすぎると苦痛なだけで楽しくないし、簡単すぎると学びがないからです。

初級者には子供向けの作品がおすすめ。音声もクリアで聞き取りやすく、難しい単語も少ないからです。自分のレベルに合っているかどうかの見極めは難しいかもしれませんが、目安は英語字幕を見て「60~80%程度理解できる」ものがいいでしょう。そうすれば、有意義な学習になるはずです。英語字幕を見てまったく理解できない場合は、レベルが合っていないので選び直しましょう。

シーンごとに分けて学習する

最初に通して視聴するのは構いませんが、一度に長い映像を使って学習すると負担が大きくてイヤになってしまう可能性があります。長くても5分程度にとどめましょう。もちろん、ワンカットずつでも十分学習になります。

学習の際には、「理解できなかった」あるいは「知らなかった」英単語やフレーズを電子メモやノートにまとめると覚えやすい上、後から調べやすいのでおすすめです。大切なことは、「分からないことを分からないままにしない」こと。そして、電子メモやノートにまとめた英単語やフレーズを「使う」ことです。

まねして言ってみる

シーンごとに分けて学習した後は、役になりきって何度もセリフをまねして言ってみましょう。まねするときには、歌を歌うように「音をそのまま」まねするのがポイントです。

英語は「インプット → アウトプット」を繰り返すことで上達するため、学習でインプットしたことは必ず言ったり書いたりすることでアウトプットしましょう。英語を話す相手がいない場合は、オンラインレッスンでアウトプットするのも1つの方法です。

語彙力・文法力・読解力を強化する

英語字幕を見て内容が理解できないのは、語彙力・文法力の不足とリーディング力不足で脳内処理が間に合わないからです。これらが不足していると、リスニング量を増やしてもリスニング力を向上させることはできません。もちろん、英語力自体を底上げすることも難しいでしょう。

つまり、英語字幕を見て内容を理解するには、語彙力・文法力・読解力の強化が必須ということ。これらを強化すればリーディング力はもちろん、脳内処理も楽になるのでリスニング力の向上にもつながり、英語力そのものを向上させることができます。

まとめ

英語学習では「日本語字幕」より「英語字幕」の方が効果的だということは研究で明らかですが、どっちも学習の助けになるのでうまく使い分けるのが効率的です。何度も視聴すると飽きてしまうこともあるので、シーンごとに分けて少しずつ学習しましょう。そして、「分からないことを分からないままにしない」ことも忘れないでください。

映画・海外ドラマ・動画の英語は自然な会話なので、実践ですぐに使えるものばかりです。覚えた単語やフレーズは「必ず」使いましょう。使わなければ英語は上達しないのですから!

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