「伝える英語」の教材!スピーチで英語の表現力を身に付けよう!

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日本語でも英語でも、人前で話す「スピーチ」は語学力以上に、どのようにメッセージを伝えるかという技術が求められます。

何かの賞の授賞式や、お祝いごとなどの式典など、聴衆の心を掴むスピーチは、「メッセージを伝える」テクニックを身に付けることで、誰にでもできるようになります。

そこで今回は、実際の有名人の英語スピーチを題材に、聴衆の心に残るインパクトのあるスピーチから「伝える」コツを学んでいきましょう。

英語スピーチの基本をおさえよう!

日本語でのスピーチは、どこか「原稿を読む」ようなイメージがありますが、これでは「伝える」力が弱くなってしまいます。

ここでは、英語スピーチの基本となるポイントと構成について確認しておきましょう。

スピーチ=ストーリーテリングと意識

まずスピーチの基本としてしっかり意識すべきポイントが、「スピーチ」は「ストーリーテリング」だということ。「ストーリーテリング」とは、「物語を語る」ということです。

原稿に書かれた文字を音読するのではなく、スピーチという「物語」の起承転結がわかるように、テンポや声の強弱・抑揚を使い分けていくことで、聴衆の心を掴むものになります。

そして、もうひとつスピーチに欠かせないのが、ボディランゲージです。日本の政治家が海外でスピーチする前に、効果的なボディランゲージのトレーニングを受けたとも言われています。身振り手振りだけではなく、視線の置き方によって、聴衆の傾聴の度合いが高まります。

スピーチは、何を語るかと同時に、どのように語るかが大きな意味をもつということです。

自分がどのように見えているかチェック

ストーリーテリングでもあるスピーチは、聴衆にメッセージを届けることが目的です。つまり、自分が聴衆にどのように見えているか、という視点をもつことで、スピーチの精度を上げることができます。

実際に、鏡の前で練習したり、自分のスピーチを録画して確認したりして、「聞く側」の立場でチェックすることで、気付かなかった癖を知ることもできるので、自分の話し方を客観視することはおすすめです。

つなぎ言葉はNG

英語でのコミュニケーションでは、「well」や「I mean」といったつなぎ言葉と呼ばれるフレーズを使うことで、話の流れが途切れたり、沈黙が生じたりしないようにします。

ところが、スピーチでは、このつなぎ言葉はマイナスの印象を与えてしまうのでNGです。つなぎ言葉は「言いよどんでいる」ということであり、スピーチのように原稿をもとに準備しているもの、という前提がある場合、どこか準備不足のような印象につながってしまいます。

徹底的に「明確に伝わる」ことにこだわることが、スピーチのポイントだということです。

基本構成をフレーズでインプット

スピーチには基本となる構成があります。

とてもシンプルな構成で、「オープニング(Opening)」「本論(Body)」「締め(クロージング)」の3つのパートです。プレゼンの構成とほぼ同じで、聴衆に対して「オープニング」で自己紹介とスピーチのテーマを話し、「本論」で伝えたいメッセージを語り、「クロージング」で聴衆の心にメッセージがしっかり刻まれるようにまとめます。

それぞれのパートの導入で使えるフレーズとセットで、スピーチの基本構成を覚えてしまいましょう。

オープニング

Thank you for having me today.
(今日はお招きいただきありがとうございます)

本論

Today, I would like to talk about…
(今日は…についてお話ししたいと思います)

締め

To finish, let me say…
(最後に、…と言わせてください)

基本構成のフラグとなるフレーズを知っておけば、スピーチを聞くときも流れを追いやすくなりますね。

世界的に有名な名スピーチから学ぶ「コツ」

世界には各国の言語に翻訳され、多くの人の心を掴む名スピーチがあります。そのようなスピーチには、「伝える」コツが共通して散りばめられています。

ここでは、著名人の名スピーチを例にしながら、スピーチの「コツ」を学んでいきましょう。

言葉遣いはシンプル

数多くの有名なスピーチを残したスティーヴ・ジョブズは、シンプルな言葉遣いが特徴と言われています。

決して難解な専門用語は使わず、誰でも理解できるような簡単でわかりやすい言葉を選び、一文一文が短めで聞きやすく作られています。

例えば、有名な一節「Stay hungry. Stay foolish.(貪欲であれ、愚か者であれ)」からもわかるように、シンプルな言葉使いを効果的に使うことで、ジョブズの信条が伝わってきます。

ユーモアはマスト

聴衆の心をわしづかみするような魅力的なスピーチには、必ずといっていいほど「笑い」が起きる瞬間があります。どんなシリアスな場面であっても、聞き手の共感は絶対不可欠であり、共感を生み出すために、話し手のユーモアは欠かせません。

子役時代から活躍を続けるナタリー・ポートマンは、母校ハーバード大学の卒業式での卒業生へ向けたスピーチのオープニング部分で、「このスピーチの依頼を受けたときに、”いいわね、おもしろいゴーストライターが必要ね、誰かいないかしら?”と返信したメールが流出してしまいました」というエピソードで笑いを誘っています。

大女優の飾らないユーモアのある言葉で、その場の空気は明らかに和んでいます。これこそが、スピーチに求められるスキルなのです。

スピーチを演じる

スピーチはストーリーテリングであり、一つの作品のようなものです。
実際、スティーヴ・ジョブズは数多くのスピーチを経験していますが、その都度たった5分のスピーチであっても、何百時間もかけて準備し、リハーサルに丸2日かけたと言われています。

スピーチを「演じる」という姿勢で準備することが、聴衆に届くスピーチの最大の「コツ」といえるでしょう。

スピーチでよく使われるパワーフレーズをマスターしよう!

前項でご紹介した通り、スピーチには基本の構成があります。スピーチ全体の緩急をつけて、聴衆が最初から最後まで聞き入るようにするためには、要所要所に聴衆の心に響くパワーフレーズを使うことが効果的です。

ここでは、基本の3部構成のそれぞれでよく使われるパワーフレーズを確認していきましょう。

インパクトのあるオープニングのフレーズ

「Here I am!(来ました!)」

よく「Hello 地名!」というフレーズも耳にしますが、「Here I am!」と強烈な登場を演出するスピーチもあります。

招かれたことへのお礼から自己紹介、という基本の流れを崩して、存在感をしっかりアピールするシンプルフレーズも、ひとつの武器としてもっておきましょう。

中だるみを解消するフレーズ

「Now, let me be honest with you.(さて、素直に話しましょうか)」

思わず「え?」と興味がわくフレーズです。場合によっては、スピーチが単調に聞こえてしまう可能性があるパートもあります。そういうときを想定して、意表を突くような話題転換にもなるこういったフレーズが、流れを変える役割を担ってくれます。

記憶に残すエンディングのフレーズ

「It is up to you. (あなた次第です)」

エンディングでは、決め台詞にもなるような印象的なフレーズがよく使われます。聴衆に行動や思考を促すようなこのフレーズは、効果的です。

先述のスティーヴ・ジョブズの「Stay hungry. Stay foolish.」や元アメリカ大統領バラク・オバマの「Yes, we can.」も好例ですね。

心を掴むスピーチとは?アカデミー賞主演男優賞受賞スピーチから学ぼう!

より深くスピーチを知るために、数えきれない名スピーチが誕生しているアカデミー賞の受賞スピーチから印象的な表現を学んでみましょう。

ここでは、2020年アカデミー賞主演男優賞を受賞したホワキン・フェニックスのスピーチをご紹介します。

インパクトのある批判から伝わる愛のスピーチ

アカデミー賞のスピーチでは、多くの名優が受賞の喜びだけではなく、その時代の社会問題に真正面から向き合う強いメッセージが盛り込まれることが多くあります。

今回ご紹介するホワキン・フェニックスの受賞スピーチも、環境問題に真摯に向き合う彼の姿勢や信条と深い愛が痛烈な批判の奥から伝わってくる内容です。

ここからは、具体的な一節を取り上げてみましょう。

I’m full of so much gratitude right now.
(今感謝の気持ちでいっぱいです)

感謝の気持ちで満たされている様子を、「full of」と「so much gratitude(とても深い感謝)」という言葉遣いで表現しています。

「Thank you」を使わない「感謝」の表現のひとつとして、インプットしたいフレーズです。

I think the greatest gift that it’s given me and many of us in this room is the opportunity to use our voice for the voiceless.
(ここにいる僕たちの多くに与えられた最大の贈り物は、自分たちの声を声なきものたちのために使う機会だと思う。)

オープニングで語りかけた一節。表現者としての使命を、「gift(贈り物)」という言葉で表現することで、その場にいる同業者である俳優陣だけでなく聞くもの全てに強く響きますね。

We’ve become very disconnected from the natural world.
(僕たちは自然界とのつながりがかなり絶たれてしまった)

環境問題への話題転換で、かなり強い表現を使っています。「become very disconnected」と「つながりがかなり絶たれてしまった」と強調の「very」を使うことで、深刻な状況であることが伝わってきます。

Human beings at our best are so inventive and creative and ingenious.
(最高の状態の人類は、とても発明的で創造的で独創的だ)

今の人類を痛烈に批判するだけではなく、人類のあるべき姿として、パワフルな単語を並べています。あえて「and」で3つの単語を並べることで、それぞれが重要な要素であることが伝わります。「Human beings at our best」で「our best(僕たちの最高の状態)」としているのは、ホワキン自身も人類の1人であり当事者である、という意識を感じます。

決して責任転嫁することなく、「僕たち人類」という目線で語りかけるスピーチは、聴衆に共感を呼び、心を掴みました。

まとめ

今回ご紹介したスピーチのポイントや実際のスピーチから、「伝え方」の大切さを理解できたのではないでしょうか。

どのような内容が語られているか、そしてどのように語られているか、この2つのポイントを意識することで、スピーチは最高の英語教材として活用することができます。

スピーチの「コツ」を身に付けて、英語での表現力アップを目指していきましょう!

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