【海外で就職・転職】英語力を測る国際基準「CEFR(セファー)」を知ろう!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

最近、英語のテキストや語学検定でCEFRという言葉を目にする機会が増えています。語学のコミュニケーション能力を広く測るこの国際標準規格は、TOEICやTOEFL、英検といった個々の試験の結果を一元的に整理し、世界中で通用する語学力の“ものさし”として期待されています。

とはいえ、CEFRがどういう仕組みで日本ではどう用いられているのか、十分な周知がされているとはまだいえない状態です。

ここではCEFRの歴史、概要、目的などを整理すると共に、日本への導入の動きをまとめました。留学や海外での就職を希望する場合に参考となるよう、CEFRと関連の深い試験のスコア換算、動向についても解説します。

CEFRの概要、特徴

cefr_1

CEFRとは?

CEFR(Common European Framework of Reference for Languages:Learning, Teaching, Assessment,「外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠」)は、複数の言語を対象とした学習、教授、評価のため、ヨーロッパをはじめ世界で広く用いられているガイドラインです。語学のコミュニケーション能力別のレベルを示す国際標準規格とも言い換えられます。

2001年、欧州評議会が発表したことを受け、多くの国で外国語教育の共通の枠組みとして取り入れられるようになりました。EU加盟国内ならどの国でも通用する他にも、最近では各国の政府や学校が積極的に採用しており、翻訳された言語数は30以上にのぼります。

CEFRの難易度区分

CEFRでは、理想的な話し方を目指すのではなく、その言語をコミュニケーションに活用していけること、つまり「その言葉を使って何ができるか(can do)」に焦点を置いています。そのため、言語の技能を、理解すること(聞く、読む)、話すこと、書くことに分け、A1,2、B1,2、C1,2と6レベルにわけた評価表を示し、それぞれ具体的に何ができるレベルなのかを示しています。

CEFRの6つのレベルは、大きく次の3段階に分けられます。

Aレベル……基礎段階
Bレベル……自立した言語使用ができる段階
Cレベル……熟達段階

さらに具体的には、概ね下記の基準を設けています。(※)

A1レベル

日常的な表現や基本的な言い回しを理解し、簡単な会話のやりとりができるレベル。相手がはっきりと話して協力してくれるならば、簡単なやりとりが可能。

A2レベル

日常の基本的な表現を理解して、簡単な会話のやりとりができるレベル。基本的な個人情報や買い物、地元の地理、仕事など、身近な話題については情報交換が可能。

B1レベル

身近な話題を理解して、意思や理由を簡単に表現できるレベル。その言葉が話されている地域で起こりそうなたいていの事態に対応可能。

B2レベル

専門分野の議論、複雑な文の主要な内容を理解し、自分の視点を説明できるレベル。母語話者とでも互いに緊張しないで自然なやりとりが可能。

C1レベル

高度で複雑な長文を理解し、流ちょうに自己表現できるレベル。社会生活のみならず、学問上や職業上も言葉を自由かつ効果的に操ることが可能。

C2レベル

ほぼネイティブレベル、あらゆる話題を理解して、細かい意味の違いも表現可能。

このように、CEFRは、さまざまな言語を横断的に、能力レベル別で「何ができるか」示す目安であり、それ自体で語学レベルを格付けする仕組みや組織ではありません
日本でもこの利用が進みつつあり、2012年以降、NHKのテレビ・ラジオ英語講座は、このCEFRに対応したレベル分けをしています。またエースクラウン英和辞典(第2版)は、各単語にCEFRのレベルを付した日本初の辞書として知られます。
(※)参考リンク
http://eigoryoku.nhk-book.co.jp/cefr.html
http://4skills.eiken.or.jp/qualification/cefr.html

日本におけるCEFR導入の動き

cefr_2

CEFR-Jの歴史

CEFR-Jは、CEFRをベースに、日本の英語教育での利用を目的として2012年に構築された、新しい英語能力の到達度指標です。つまり「CEFR-J」はいわば日本版CEFRといえます。日本の英語教育の枠組みにCEFRを導入しようと、英語教育に携わる言語学者らが連携し、2011年度まで2期8年かけた科研プロジェクトで開発しました。

CEFR-Jとは

CEFR-Jは、英語の理解する技能として「聞く」技能と「読む」技能、さらに英語を「話す」技能、英語を「書く」技能の計4つを掲げ、それぞれの技能について、程度としてpreA1をAの手前に設け、A1を3つのレベルに細分化。同様にA2を2つのレベルに、B1を2つのレベルに、B2を2つのレベルにそれぞれ細分化し、全体としてCEFRを細かく段階づけしています。CEFRの6段階のうち日本人に多いA1~B2を細かくレベル分けしているのが特徴です。

ちなみに文部科学省調査「CEFR-Jの取組について」によれば、日本人の約80%はAレベルに属するとされています。

英検、TOEICなどメジャー試験とCEFRとのスコア換算、レベル比較

cefr_3

スコア換算

CEFRの参照枠に、従来から日本でおこなわれてきた各英語試験団体の点数を対応させる試みがなされています。特に英検に関しては、2016年度からユニバーサルなスコア尺度(CSE)の提供が本格実施されたことで、英語の4技能テストを一目で比較できるようになり、注目を集めています。下記にスコアの対応状況を示します。

TOEIC(L&R)との換算
A1 120点以上
A2 225点以上
B1 550点以上
B2 785点以上
C1 945点以上
TOEFLとの換算
B1 42-71
B2 72-94
C1 95-120

(※A1,A2については該当基準なし)

IELTSとの換算
A1 2.0
A2 3.0
B1 4.0-5.0
B2 5.5-6.5
C1 7.0-8.0
C2 8.5-9.0
英検との換算
A1 3・4級
A2 準2級
B1 2級
B2 準1級
C1 1級

参考:英語4技能試験情報サイト

海外での就職・留学など

CEFRの参照枠に基づくと、「海外の大学の授業についていったり海外で仕事をするにはCEFRのB2レベルが必要。大学院などより高度な理解が必要な環境ではC1レベルが必要」と言われます。

ここでB2の内容をもう一度詳しく見てみましょう。

自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやりとりができるくらい流暢でかつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。
(出典) ブリティッシュ・カウンシル、ケンブリッジ大学英語検定機構

身近な話題に関するおしゃべり程度のB1に比べ、かなり高い水準が要求されることがわかります。ブリティシュカウンシルのオンライン教材は、その難易度を、B1が高校生、B2が高校生から大学生、Cが大学生以上としています。また、前述したようにNHKでは各英語講座のCEFRレベルを公表しています。勉強を進める上で、これらが各レベルの具体的な感触を知る手がかりになるでしょう。

日本での就職

日本の就職活動で何と言っても重視されるのはTOEICの成績。新入社員の受験者数も2015年は34,085人と過去最高を記録しました(企業数766社)。この年、受験者の平均スコアは494点でした。ちなみに企業の期待値は新入社員で450-650点、国際部門では655-865点位と言われています。

上述したCEFRとのスコア換算に基づくと、受験者である大学卒業時の学生の英語力はB1に届くか届かないかという水準であることがうかがわれます。

ただし注意しなくてはいけないのが、日本では年間270万人もが受験するTOEICの、国際的な認知度の低さです。国際社会で重要視されるのはむしろTOEFLやIELTSの数値です。
以下、各試験の特徴と最近の動向を示します。

TOEFL

英語を母国語としない人のコミュニケーション能力測定のため、アメリカの教育団体が開発。留学・奨学金・卒業の基準などに関しても、他国の人の英語力を把握しやすいといわれます。
政府は成長戦略のためのグローバル人材育成を目的として、2015年度の国家公務員試験・総合職試験からTOEFLを導入するようになりました。

英検

1963年から文科省後援で日本英語検定協会が実施する検定で、内申点加点などの魅力から中高生が受験者の多くを占める点が特徴的です。2015年、オーストラリア4州の533校(同国全州の留学生受け入れ公立高校の約9割)で英検の成績が採用されるようになりました。公立高校に留学する際の基準も明確化され、準2級取得で豪州の中学3年~高校1年相当、2級取得で高校2年相当の学年に留学できます。

既に2004年から英検の資格は、アメリカやカナダ、オーストラリアなど約400の教育機関で正式に認定されていたものの、高校生の留学先としては数団体に留まっていたのが実情。今回の決定で豪州への留学希望に弾みがつくことが予想されます。

IELTS

ブリティッシュ・カウンシルなどが共同運営する試験で、イギリスやその旧植民地だった国、アメリカなどの教育機関あるいは移民資格などで受け容れられやすいといわれます。

まとめ

cefr_summary
CEFR-Jのダウンロード数は1800を超え(2014年)、日本でもCEFRへの関心が高まりを示していることがうかがわれます。

CEFRがめざすのは、1人の人間が目的や用途で複数言語を使い分ける「複言語主義」の実現。根底には、文化や価値を認め合う民主主義社会を実現するためには、言語によるコミュニケーションが欠かせないとの考えがあります。TOEICやTOFELも、その理念に向けた一歩と考えると、単なる試験以上の価値が生まれ、日頃の勉強にも一層意義を感じられることでしょう。
 
<参照サイトURL>
https://www.toeic.or.jp/toeic/about/result.html
https://www.cieej.or.jp/toefl/toefl/
https://www.eiken.or.jp
http://www.toeic.or.jp/press/2015/p_044.html

メールマガジンで新着記事や、あなたの英語学習をサポートする情報をお届けします。

購読する

レアジョブ英会話はこちら レアジョブ英会話はこちら