宮嶋みぎわさん。ニューヨークで活躍する音楽家です。名門The Vanguard Jazz Orchestra(以下VJO)の副プロデューサーとして、なんと音楽の最高峰グラミー賞に過去2度ノミネートされています。しかし、彼女の最初の仕事は、企業に勤める会社員でした。その後会社を辞め、ニューヨークで音楽家として生きる道を選択します。英語、文化、収入……、目の前に立ちはだかるさまざまな壁を乗り越え、今、みぎわさんはニューヨークでたくさんの人に支えられながら、音楽家としての道を歩んでいます。
実は、宮嶋みぎわさんは、ニューヨークへ渡る前の2年間、ほとんど休むことなくレアジョブ英会話のレッスンを受けていたそうです。前編では、宮嶋みぎわさんがジャズと出合い、ニューヨークに渡り、その情熱で周りの人の信頼を得て、音楽家としてスタートを切ったというお話を伺いました。後編では、英語が話せることによって広がったみぎわさんの可能性を、レアジョブ会長の加藤智久が聞きました。
商品としての自分の価値を知る
Q. 大学卒業後はリクルートに就職して、編集のお仕事をされていたと聞きましたが、そのときの経験は、今のみぎわさんの役に立っていますか?
はい、とっても。リクルートでの経験から、世の中の人がどんな商品が欲しいと思っているかということがだいたい想像できます。例えば、いくつかの商品を棚に並べたときに、どれが最初に売れて、どれが売れ残るのかということが、ある程度、想像できるわけです。だから、「ピアニスト宮嶋みぎわ」「プロデューサー宮嶋みぎわ」「作曲家宮嶋みぎわ」という商品を、日本の棚、アメリカの棚に並べて、どういうふうに売るかということを考えます。今のところ、ニューヨークでは作曲家とプロデューサーとしての価値を売っています。
2015年にプロデュースした洗足音楽学園ジャズコースのNY研修旅行にて。ジム・マクニーリー先生の授業を通訳中。
Q. 売るということは、そこにお金もついてきますよね。
音楽家として生きていくときに一番苦労するのは、たいていの場合、お金のコントロールです。お金が立ち行かなくなって音楽を辞める人、アルバイトで食いつなぐ人も、たくさん見てきました。でも、大切なのは、きちんとお金をコントロールして、アーティストとしてやっていくための土台を作ることだと思うんです。
そう考えたとき、一番資金の回収がしやすい「プロデューサー宮嶋みぎわ」という商品から売り出すのがいいと考えました。今も、プロデューサー、作曲家、ピアニストとしてそれぞれの才能、価値を、常に冷静に判断することを心がけています。
スキマ時間で英語の勉強はできる
Q. 前編で、パッションを持つことの大切さをお話されていましたが、今では音楽家としての活動に不自由しないだけの英語力を身に付けられています。実際にどのように学習してきたのか、教えていただけますか。
ニューヨークに来る前は、インプットとアウトプットに分けて学習していました。
インプットは当時NHKラジオ英会話のコースにあった(現在は終了)岩村圭南先生の『英語5分間トレーニング』。登場するフレーズを、完璧に言えるように丸暗記するんです。時間もかかるし、覚えられないフレーズもありましたが、一生懸命やっていれば必ずどれかは頭に入ります。駅のホームや電車の中、スキマ時間を使って1日に2、3時間はこれに費やしていましたね。
加えて、レアジョブ英会話の25分のレッスンを、お正月とクリスマス、フィリピンの祝日以外は、毎日、受けていました。2年くらい続けたかなぁ。レッスンを始めたときは、相手がゆっくりしゃべってくれれば、言っていることが理解できるけれど、自分の言いたいことはうまくしゃべれないレベルでした。それが、1年半後には、ビジネスでメールしたり、電話を受けたり、ミーティングができるまでになりました。
Q. ニューヨークに来てからは、どんな勉強をしているのですか?
ニューヨークでは、日本にいたときと同じようには英語の勉強に時間を割くことはできていません。音楽の練習や勉強を少しでも怠るとライバルに負けてしまうから、1秒たりともサボれないという気持ちがいつもあってつい音楽ばかりやってしまって。でも、日頃の会話のなかで後から使えそうだと思った単語は必ずメモしておいて、その日のうちにパソコンにある一覧に書き入れたり、スキマ時間に携帯アプリを使って単語数を増やすようにしています。今は大統領選挙まっただ中ですから、コツコツ勉強してきた難しい政治の単語が、新聞や町中のポスターに登場してきて、「あのときの単語だ」などと思いながら、覚えた単語を確認する毎日です。
普段の会話に出てくる英語の単語や文法は、それほど難しくはありませんから、1度覚えてしまえば困ることはありません。でも、ここで仕事と生活を続けていくと、応用編の単語にもたくさん出会うことになります。例えば、「もっと発酵食品をたくさん食べたほうがいいよ」という会話。発酵食品なんていう単語は、英会話集には出てきませんが、ここで生活していると出てくることがある。自分の英語をレベルアップするには、ここから更に単語数を増やしていかないとと感じています。
文化を知ること、リズムやフローも大事
Q. 英会話では「文化を知り、文化に合わせることも大事」とお考えだそうですね。日頃から大切にしていることはありますか?
「シャイにならないこと」です。ニューヨークに来てびっくりしたのですが、さまざまな場面で、いろいろな人が話しかけてくるんです。例えば、電車で隣に座った人にいきなり「今日は本当に寒いね」と話しかけられたり。その時「昨日は暖かかったのにね。明日はどうなのかしら?」などと、少し会話を膨らますようにしています。これって「スモール・トーク」といって、ただの挨拶なのにちょっと膨らます文化がアメリカにはあるんですね。「日本と違うから無理」と拒絶してしまう日本人も見かけますが、それでは体験が深まりません。もちろん日本人としての良さは大切ですが、それも保ちつつ、アメリカの文化も理解しなくてはいけないと思うんです。
もうひとつ大切なこと。アメリカ人は空気を読まないと日本でよく言われますが、実はとても空気を読む人たちなんですよ。話す相手の立場や関係によって、ボキャブラリーや話し方、トーンなどを変えないといけません。上手に出来る人を観察して、技術を盗んで、自分でも挑戦するようにしています。
アメリカでは笑いが重要なコミュニケーションツール。
世界的に活躍するサックス奏者スティーブ・ウィルソンさんとのステージで彼を笑わせるみぎわさん。
Q. 発音の勉強にも力を入れられているそうですね。
発音って、日本にいると気づけないのですが、本当に大事なんですよ。会話って結局音ですからね、聞き取ってもらえないと、話が進まない。話が進まないのは楽しくないから、話し相手にしてもらえなくなり、コミュニティで孤立します。
私は発音をジョシュア・ポペノ氏のメソッドで勉強しています。ジョシュアは、長く日本にいて、音楽家や俳優、タレントとして活躍していた人です。日本語の発音特性を踏まえて、アメリカ英語ならではの発音とリズムを教えてくれます。アメリカ英語らしくない発音で話すのは「私の耳の聞き取り力は低いですよ」と言って回っているようで、私は嫌で…ミュージシャンのプライドにかけて、「耳がいいから発音もいいんだね」と言われるようにしようと決めました。
日本人は、アメリカ英語発音のために必要な筋肉を鍛えたことがありませんから、うまく発音できなくてあたりまえ。ピアノの演奏でも全く同じで、日常生活では使わない筋肉をその目的のために鍛える必要があるんです。
ジョシュアのメソッドでは、アメリカ英語独特のリズムとフローも説明してくれます。これは実はジャズのリズムやフローとそっくりで、彼のお陰でジャズについても理解が深まりました。心から感謝しています。
英語が広げてくれた世界に感謝
Q. みぎわさんの努力と周りのサポートが英語の上達の秘訣ですね。それで人生にも変化が出た…。
英語が話せるようになってから、私の人生には、信じられないような奇跡がたくさん起きました。音大にも行っていないし、会社員から、いきなりミュージシャンになって、あこがれのジャズオーケストラのプロデュースをするようになって、10年の間に彼らと一緒に2度もグラミー賞にノミネートされるなんて、普通ありえませんよ。これらは、真剣に英語を勉強して、しゃべれるようになったからこそ得られたことで、しゃべれないままだったら、私の人生今ごろどうだったんでしょうね?
「英語がしゃべれない」というだけで、日本のなかに埋もれてしまっている才能、きっとたくさんあると思うんです。英語ができるようになることで、周りの人たちが私を様々なチャンスで登用してくれるようになり、信じられないような機会に放り込まれるようになりました。それらの機会のお陰で私は更に成長し、更に良い機会に出会えるようになる…話せる言語が1つ増えるだけでこんなに世界が変わるのかと、今もまだ驚いています。
私は世の中に恩返ししないといけないんですね。私の人生はとても恵まれていて、いろいろな有名・著名人、Successfulな人たちが愛情いっぱいに育ててくれました。その恩返しの意味を込めて、私は社会の、若い人たちの役にたつことをすべきで。だから、自分の能力の生かし方がわからなかったり、迷ったりしている若い方たちに、私の生き方をひとつのサンプルとして、勇気をもってさらけ出そうと思っています。
VJO日本ツアーに飛び入り演奏するみぎわさん。大ファンだった音楽家と共演できる喜びが表情にも出ていますね!
Q. 最後に、これから世界に羽ばたこうと思っている日本の若者たちにアドバイスはありますか?
とても現実的な話になりますけれど、世の中はお金がなかったら、生きていけません。誰かのドリームストーリーを聞くと、お金がなくても清水の舞台から飛び降りちゃう人がいるんです。私の周りにも、飛び降りてお金がなくなっちゃって、人にお金を借りたり、病気になったけど保険に入れなかったりとか、そんな人はたくさんいます。
私もいきなり飛び降りたように見えますが、私は世の中のお金がどう回っているかをリクルート時代に勉強して知っていました。だから自分が持っているものを商品として一つひとつ売って生きてこられたんだと思います。それに努力しましたからね。英語、毎日やりましたから。
私のところには、仕事をやめたい、世界に出たいと相談に来てくださる方がたくさんありますが、私が言えることは3つ。きちんと努力をすること。無茶はしないこと。でも人生は1回しかないから、チャレンジはちゃんとすること。もし飛び降りるのにふさわしいだけの才能も、蓄えもあるのに怖くて飛び降りられない人がいたら、ぜひ勇気をもって踏み出してほしいと思います!
ありがとうございました! ますますのご活躍をお祈りしています。どうぞがんばってください。
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