英語発音矯正のポイント総まとめ!ミニマルペアとイントネーションで伝わる英語へ

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英語発音矯正のポイント総まとめ!ミニマルペアとイントネーションで伝わる英語へ
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英語学習において、正しい発音は伝わりやすさを非常に大きく左右します。特に日本人学習者は母国語の影響から、音の区別や英語特有のリズム・イントネーションに課題を抱えやすいと言われています。本記事では、学術的な知見を踏まえて、日本人が苦手とする代表的なミニマルペアの練習法や、英語らしい抑揚を身につけるリズム・イントネーション練習をご紹介していきます。

似た音を使い分ける!ミニマルペアとは?

「ミニマルペア」とは、単語の中でひとつしか音素が変わらない2つの単語のペアを指します。例えば’right’と’light’、’rice’と’lice’、といった組み合わせです。スペルは似ているのに、音が違うだけで意味がまったく変わってしまうため発音は非常に気を付ける必要があります。

このミニマルペアはたくさん種類がありますが、実は「日本人が特に苦手なペア」というのが学術的研究により明らかになっています。発音の練習をするときには、それらに集中的に取り組むことで効率的に学習ができますよ。

以下、特に日本人が苦手なミニマルペアとその理由です。

/r/ と /l/

例:right / light、rice / lice

日本語には英語の/r/や/l/に対応する明確な区別がなく、どちらも「ら行音」に近い音で代用されがちです。そのため、リスニングとスピーキングの両方で混同が起こりやすいとされています。

教材:The L Sound and the R Sound
参考記事:五分で絶対に矯正できる「L」と「R」の英語発音法

/θ/ と /s/

例:think / sink, thin / sin

日本語には摩擦音/θ/(舌先を歯の間に置いて発音する音)が存在しません。そのため、既存の音/s/に知覚的に「置き換え」て発音される傾向があります。

/ð/ と /z/

例: this / zis

/ð/もまた摩擦音であり、日本語には存在しない音です。そのため、/z/の音で代用されることがよくあります。

参考記事:英語発音をよくするコツ!【子音 サシスセソ編】

/s/ と /ʃ/

例: sip / ship

日本語では「シの」音は [ɕi]しかありません。そのため、英語の種々の「シ」の音の違いを再現することが難しいと言われています。

参考記事:英語の発音記号を30分で全マスター!リスニングとスピーキングを強化する発音術とは?

/b/ と /v/

例:ban / van、berry / very

日本語の「バ行音」は[b]と[β](両唇摩擦音)の中間的な音で発音されることが多く、英語の有声摩擦音/v/を正確に再現するのが難しいとされています。

参考記事:英語の発音のポイントはコレ!通じる英語を話せるようになるには?

/f/ と /h/

例:fan / han、fat / hat

日本語の「フ」の音は、英語の/f/とは異なり、両唇摩擦音である[ɸ]として発音される特徴があります。英語の/f/は「下唇と上の歯で作る摩擦音」であり、日本語の「フ」とは異なります。そのため、誤って/h/に近づけて発音してしまうことがあります。

また、日本語の「ハ行音」が[h]系に統一されているため、英語の/f/と/h/の区別が不十分になりやすいと言われています。

参考記事:英語の発音は身に付けておくと後々いいって知ってる?発音矯正の重要性と学習ポイントを解説

ミニマルペアの練習方法とは?

苦手な音がわかったところで、次はその学習法をご紹介していきます。ここでご紹介する学習法も、学術的に効果が高いと証明されているものです。ぜひ参考にしてみてください。

Imitation/Repetition(反復模倣練習)

これは聞いた音をすぐに真似して発音していく学習法です。学習教材としてはYouTubeの動画が活用できます。’minimal pairs pronunciation practice’とYouTubeで検索するといろいろと動画が出てきますよ。例えば下記のようなものがおすすめです。

発音練習をする際にはまずお手本の音源をよく聞き、どんな違いがあるのかを考えながら聞いていきます。そしていざ発音をするときには、意識的に口の形や舌の位置を変えて発音を練習していきましょう。

Contrastive Practice(比較練習)

ミニマルペアの2つの単語を続けて発音し、その音の違いを意識的に強調しながら発声する練習方法です。例えば、「right」と「light」のようなペアであれば、「right-light, right-light, right-light」と繰り返し発音します。

本語には存在しない、または区別が曖昧な英語の音や、似たような音であっても、口の形や舌の位置、息の出し方などを意識的に変えることで、より正確な発音ができるようになります。

練習方法

① まず、練習したいミニマルペアを選びます。記事中で挙げられている「/r/と/l/」のペア(right / light, rice / lice)や、「/s/と/ʃ/」(sip / ship)などが良いでしょう。YouTubeなどの動画教材で「minimal pairs pronunciation practice」と検索すると、多くの練習用動画が見つかります。

② 選んだミニマルペアのネイティブスピーカーによる音源をよく聞きます。それぞれの単語の音がどのように違うのか、違いに意識を集中して聞き分けます。

③ 音源に合わせて、あるいは音源を聞いた後に、ミニマルペアの2つの単語を続けて発音します。この時、それぞれの単語の音の違いを誇張するくらいの意識で発音します。

例:「right – light」「sip – ship」のように、間に少し間を置いたり、声のトーンを変えたりして、違いを強調します。

④ 分の発音をスマートフォンなどで録音し、聞き直します。

・2つの単語の音の違いがしっかり再現できているか?
・ネイティブの音源と比べて、どこが違うのか?
・自分は区別して発音できていると思っても、実際には区別できていない部分はないか?

といった点に集中して聞きます。

⑤ 録音を聞いて改善点が見つかったら、もう一度発音する

地道な練習ですが、英語の発音の苦手克服に向けて挑戦してみましょう。

英語らしい発音はイントネーションから!

発音について、もうひとつ日本人が非常に苦手とするエリアがあります。それがリズム、イントネーションです。

日本語は抑揚の少ない言語

なぜ日本人が英語のリズムやイントネーションに苦労するのかというと、日本語という言語がそもそも抑揚の変化が少ない言語だからです。日本語は’mora-timed language’に分類される言語であり、すべての音節を同じ長さで発音するという特徴があります。

例えば「おはようございます」と発音してみてください。どの音も同じ強さに発音され、

→→→→→→→→→
おはようございます

上記の矢印のような流れを感じたのではないでしょうか。

それに対し、英語は’Stress-timed language’と呼ばれる言語であり、強調される音節と強調されない音節があり、それによって音節の長さが異なります。

例えばGood morningというフレーズであれば、

Good morning

太字のGの音節とMの音節に強調が置かれ、それぞれに続く音節は短く・弱く発話されます。

「日本人英語」の原因は抑揚の少なさ

この日本語の音のリズムに慣れている人が、そのまま英語を発話しようとするとどうしても不自然に聞こえます。例えば先ほどの’Good morning’、カタカナ表記をすれば「グッモーニン」のように発音されるところを、ひとつひとつの音節を丁寧に発音してしまうため、「グッドモーニング」になってしまうわけです。これが、いわゆる「日本人英語」と呼ばれるカタコト英語です。これを解消するには、英語にはリズムとイントネーションをつける必要があることを理解し、それを真似して再現していく練習が必要です。

イントネーション練習法

英語らしいリズムやイントネーションを身に着けるには、まず「どこにアクセントが置かれるのか?」を見極めるところから練習を始めます。以下、具体的な学習方法です。

イントネーションのルールを知る

英単語には「意味語」と「機能語」という分け方があります。前者は名詞や動詞、形容詞など、文章が意味をなすのに必要な単語です。一方、後者は前置詞や冠詞など、強い意味は持たないものの、文法的に正しい英文を作るために必要な単語を指します。そして、この2つのうち「機能語」は弱く読まれるというルールがあります。

例えば下記の文章を見てください。

I go to school in Tokyo.(東京の学校へ通っている。)

太字で示されている単語は「意味語」であり、ここは強調されます。それに対し、’to’、’in’は機能語であり、非常に弱く読まれます。このルールを知っていれば、どこを強調して読めばいいのかというのがだんだんわかってくるでしょう。

書き出し練習

これはリスニングをしながら、どこに強勢が置かれるのかを書き出していく学習法です。英語の音源とスクリプトを準備し、まずはリスニングをしていきます。音源を聞きながら、強く読まれているところにマーカーをしたり、あるいは印をつけたりして、視覚的にわかりやすくしていきます。最後まで聞き終えたら、それを見ながら今度は音読をしていきます。その際には、強く読まれるところとそうでないところをしっかりと意識しながら読み上げていきます。

Tapping/Clapping(手拍子練習)

これは、英語の文章を音読しながら、強く読まれる単語や音節で手を叩いたり机を叩いたりする学習方法です

音源とスクリプトの準備

練習したい英語の文章(会話、ニュース、歌の歌詞など)と、そのスクリプト(台本)を用意します。選ぶポイントとしては、ネイティブスピーカーによる自然な音源があるものが理想的です。

リスニングと強勢の確認

まず、音源を繰り返し聞き、どの単語や音節が強く発音されているかを注意深く聞き取ります。スクリプトに、強く発音される箇所に印をつけたり、マーカーでハイライトしたりして、視覚的にわかりやすくしておくと良いでしょう。記事にあるように「意味語」(名詞、動詞、形容詞、副詞など)が強く読まれる傾向があることを意識すると、見極めやすくなります。

手拍子をしながら音読

スクリプトを見ながら、音源に合わせて(または音源を聞いた後に)、英語の文章を音読します。この時、強く発音される単語や音節のところで、手を叩いたり、指で机をトントンと叩いたりします。例えば、「I go to school in Tokyo.” の例であれば、「I」「go」「school」「Tokyo」の部分で手拍子を入れます。弱い音節(機能語など)は、手拍子をせずに、短く、弱く発音することを意識します。

録音して確認

自分の手拍子付きの音読を録音し、ネイティブの音源と聞き比べます。

・手拍子を入れた場所と、ネイティブが強く発音している場所が一致しているか?
・強弱のリズムが自然に再現できているか?
・弱い音節が十分に弱く発音できているか?

といった点を意識して確認し、必要に応じて修正します。

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今回の記事では、特に日本人が苦手とする英語の発音について細かく取り上げてきました。苦手な部分に重点的に取り組むことで、少しずつ英語らしい発音が目指せるでしょう。

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