「ヘア」と言われてhair(髪の毛)のことかと思ったら、実はhare(ノウサギ)のことだった!なんていう経験はありませんか?また、「牛」はcowだけでなくoxとも言いますが、これは労働用の「牡牛」のことで、「牛乳」はox’s milkとは言えません。意外に難しい、動物の英語での呼び方。ここでいったん整理して、海外旅行で食事をするときや、外国人観光客へのレストランでの説明に役立てましょう。
「牛」を表すoxとcow、bullの違いは?
「牛」はcowと呼べばいいのかと思ったら、実はox、bull、calfなどさまざまな異なる呼び名があります。どのような違いがあるのか、スッキリ整理しておきましょう。
「牛」の呼び方を整理しよう
ox(労働用の牡牛)
主に労働用に使われる「牡牛」で、castrated(去勢されて)いることが多いそうです。複数形はoxen(ɔksn)ですが、牧草地でのどかに草を食べている牛たちを指してoxenと言うことはできません。
cow(牝牛)
牛乳を搾ったり食肉に使ったりするための「牝牛」。「牛乳」はcow’s milkで、「乳牛」はdairy cowと呼ぶことがあります。dairyは「乳製品」のこと。
bull(雄牛)
去勢されていないオスの牛。スペインの「闘牛」はbullfightingと言います。アメリカのプロバスケットボールNBAにChicago Bulls(シカゴブルズ)というチームがあり、勇猛果敢な人を指す言葉としてもよく使われます。
steer(食肉用の去勢した牛)
食肉用に育て、若い頃に去勢するオスの牛のことをこう呼びます。ちなみに、cowやbullも食肉になります。
calf(子牛)
cow(牝牛)やbull(雄牛)の小さい頃をこう呼びます。複数形はcalvesで、ranch(牧場)などにいる子どもの牛をこう呼ぶことができます。
cattle(畜牛)
livestock(家畜)の中のcow、bull、steerといった牛類を指します。
例:
A: Look at those cows!(あのcowsを見て!)
B: I think they’re bulls. Cows are female, bulls are male.(あれはbullsだと思います。cowはメスで、bullはオスです)
A: Oh, I can’t tell the difference.(ああ、違いがわかりません)
「牛肉」の呼び方を知っておこう
beef(牛肉)
cow、bull、steer、calfなどの牛の肉全般。
veal(子牛肉)
calfの肉を特にこう呼ぶことがあります。
例:
A: What is the veal cutlet?(ヴィ―ルのカツってなんですか?)
B: Veal is the meat of the calf. It’s very tender.(ヴィ―ルは子牛の肉です。とても柔らかいんですよ)
「ニワトリ」はchickenでいい?
chickenと言えばまず「鶏肉」を思い浮かべるかもしれませんが、生きた大人のニワトリもchickenでOK。それでは、「ヒヨコ」は何と呼べばいいでしょうか?ニワトリにまつわる単語をここで整理しておきましょう。
ニワトリの呼び名を区別しよう
chicken(ニワトリ、鶏肉、弱虫)
生きたニワトリも肉になったものも、chickenと呼ぶことができます。また、「弱虫」を指すこともあり、You’re a chicken.は「おまえは弱虫、臆病者だ」ということ。
chick(ヒヨコ)
chickenの中でも特に子どもの「ヒヨコ」をchickと言います。「ヒヨコが卵からかえった」はA chick hatched from an egg.と、hatch(孵化する)という語を使って表現します。
hen(雌鶏)
メスのニワトリ。farm(農場)で卵を産むために飼われているのはhenです。
rooster(雄鶏)
オスのニワトリ。Cock a doodle doo.(コケコッコー)と朝鳴くのは、roosterです。
「鶏肉」を表す英語
chicken(鶏肉)
「ニワトリの肉」のこと。アヒルやカモの肉は、duckと呼びます。
poultry(鳥の肉)
chicken、duck、turkey(ターキー)などの総称で、鳥の肉全般を指します。
例:
A: This is a poultry dish.(こちらは鳥肉のお料理です)
B: What is it specifically?(具体的には何ですか?)
A: Today, it’s roast duck.(本日はアヒルのローストです)
rabbit以外にもある「ウサギ」の呼び方
人気のPeter Rabbit(ピーター・ラビット)のように、「ウサギ」と言えばまずはrabbit。でも、実はhareという呼び方もあります。海外ではレストランで肉が出てくることもある、「ウサギ」の呼び名を知っておきましょう。
ウサギの呼び名を覚えよう
rabbit(ウサギ)
ウサギは一般にrabbitと呼ばれます。物語の世界では、Peter Rabbit(ピーター・ラビット)、『不思議の国のアリス』のWhite Rabbit(白ウサギ)などがよく知られています。
hare(ノウサギ)
rabbitよりも大きい、異なる種類のウサギです。発音はhair(髪の毛)と同じ。イソップ物語の「ウサギとカメ」はThe Hare and the Tortoiseで、rabbitよりも少し大きいものをイメージしたほうがよさそうです。
bunny(ウサギちゃん)
子どものウサギというわけではなく、rabbitに「ウサギちゃん」と呼びかけるときに使われます。Bugs Bunny(バッグス・バニー)は、有名なアメリカのウサギのキャラクター。
ウサギの肉を食べるとしたら?
rabbit(ウサギ肉)
肉もそのままrabbitと呼ばれます。hare(ノウサギ)の肉もそのままhareです。
white meat(白身肉)
chickenやvealなど見た目が白っぽい肉はwhite meatと呼ばれ、rabbitもこれに含まれます。一方、hareはbeefなどと同じred meat(赤身肉)です。
例:
A: I’d prefer white meat.(白身肉がいいですね)
B: How about the rabbit stew?(ウサギ肉のシチューはいかがでしょうか?)
A: Sounds good.(いいですね)
「羊肉」はlambそれともmutton?
「ヒツジの肉は苦手」という人もいるかもしれませんが、その場合にlambを使えばいいのでしょうか、それともmutton?「ヒツジ」と「羊肉」の基本的な呼び名を整理しておきましょう。
「ヒツジ」はどう呼べばいい?
sheep(ヒツジ)
一般的な「ヒツジ」の呼び名。単複同形で、×sheepsとは言いません。
lamb(子ヒツジ)
子どものsheepのこと。映画『羊たちの沈黙』の原題はThe Silence of the Lambsと言います。
goat(ヤギ)
ヒツジに近い生き物で、horn(ツノ)やbeard(あごひげ)が生えていることがあります。goatの乳や肉も料理に使われます。
「羊肉」の違いを知っておこう
lamp(ラム、子ヒツジの肉)
lamb chop(ラムチョップ)のように、子ヒツジの肉は、そのままlambと呼びます。chopとは、「たたき切ったもの、骨付き肉片」ということ。
mutton(マトン、羊肉)
大人のヒツジの肉をmuttonと呼びます。料理ではlambと区別されます。
例:
A: I don’t like the smell of sheep meat.(ヒツジの肉のにおいが好きではないんです)
B: Lamb has a milder smell than mutton and is more tender.(ラムはマトンよりにおいが穏やかで、より柔らかいですよ)
A: OK, maybe I can try.(わかりました。食べてみようかな)
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