在宅勤務が定着しつつある中、メールでもSNSでもないコミュニケーションツール「Slack」(https://slack.com/intl/ja-jp/)を活用する企業が増えているようです。離れた場所にいる複数の人同士でのグループチャットが可能で、Hi, team.(みなさん、こんにちは)、Can anyone help me out?(誰か手伝ってもらえますか)など、メールやこれまでのチャットとは異なる英語表現でコミュニケーションを取るようになります。ここでは、英語のビジネスでSlackを使いこなせるよう、基本的なエチケットやお役立ちフレーズをご紹介しましょう。
そもそもSlackとは
Slackとはアプリの名称ですが、どんな機能を持っているのか、ビジネス上でどのようなメリットがあるのかといった、基本的な知識を押さえておきましょう
Slackってどういう意味?
SlackはSearchable Log of All Conversation and Knowledge(すべての会話と知識の、検索可能なログ)の頭文字を取ったもの。slackという単語の意味は「ゆるい、たるんだ、いい加減な」ですが、「ゆるゆると気軽に使える」というイメージを持たせたかったのかもしれません。
Slackはグループチャットツール
「チャット」と言えばLINEのように1対1で話をするアプリを思い浮かべるかもしれませんが、Slackは大勢のメンバーと同時にチャットをすることができます。パソコンでもスマートフォンでも、タブレットでも使用可。特定の参加者によるグループを作ることができるので、例えば企業全体でSlackを使用し、プロジェクトごとにグループ分けし、さらにチームごとにグループを作るといったこともできます。
基本的には無料で使用することが可能で、有料版にはメッセージ数が無制限といったメリットがあります。
ZoomやTeamsよりもSlackのほうがいい理由
Zoomは会議をするためのツールですが、Slackでは思い立ったときにメッセージを送り、日常の仕事のやりとりを文字として記録に残すことができます。Microsoft Teamsも利用者別にグループを作ってチャットやビデオ会議をすることができますが、「会議ではなく、日常のやりとりに使いたい」という人が、直感的に使えるSlackを愛用しているようです
なお、SlackとZoomを連携させ、Slackで会議のお知らせをして、Slack上でZoomを起動させてビデオ会議をするといったことも可能です。
知っておきたいSlackのエチケット
誰でも気軽に利用することができるチャットツールですが、スムーズなコミュニケーションを取るために、最低限守っておきたいエチケットやルールがあります。特に英語でやりとりするときに注意しておきたいことをお教えします。
くだけすぎないインフォーマルな表現を使う
顔を合わせているときと同じような話し方が前提になっているので、フォーマルすぎるとぎこちない感じ。ただしビジネスなのでくだけすぎるのも考えもの。さらに、できるだけ簡潔な表現が好まれます。例えば、以下のような言い方を心がけてください。
× It’d be appreciated if you could ~ ⇒ 〇Can you ~?(~してもらえませんか?)
× Shoulda been OK. ⇒ It should’ve been OK.(OKだったはずです)*shouldaはshould’veの口語表現。
× As a matter of fact, ⇒ Actually,(実際は)
すぐに本題に入る
会話のようなやりとりだと思うとHi, how are you? Hope you had a good weekend. I was wondering if you could send me ~(こんにちは。元気ですか?いい週末だったといいのですが。~を送ってもらえないかと思って)のように始めたくなってしまうかもしれませんが、相手は短時間に大量のメッセ―ジを読まないといけないかもしれないので、Hi, can you send me ~?(こんにちは。~を送ってもらえますか)と、いきなり本題に入ってかまいません。
リスト化する
Slackの入力画面には、自動的にリストを作る機能があります。文を長くせず、短いリストにして伝えましょう。
例:
× When you are done with the document, please upload it and mark “checked”, then change the status of the task.(書類ができたらアップロードして「確認済み」に印を付け、タスクのステータスを変更してください)
〇 When you are done with the document,
1. Upload it
2. Mark “checked”
3. Change the status of the task
絵文字(emoji)を使う
簡単な内容の場合、いちいち返信せずに絵文字でリアクションするのが一般的。「絵文字」は英語でもemojiと言います。例えばSlackには以下のような意味を表す絵文字が入っていて、自分で絵文字を作ることもできます。
taking a look(確認中)
completed(完了)
nicely done(お疲れさま)
approved / done(承認済み/完了)
Slackで使えるお役立ち英語フレーズ
Slackでは参加者全員に同時に話しかけることもできれば、特定の相手にだけメッセージを送ることもできます。Slack独特のルールに親しみながら、次のようなフレーズを使えるようになっておきましょう。
話しかける
Hi, team!(みなさん、こんにちは)
グループの全員に話しかけるときに使います。
Hi, @Mark!(こんにちは、マーク!)
Slackでは@マークの後に相手の名前を入れると、相手に自分あてのメッセージが来たということが伝わります。これをmention(メンションする、言及する)と言います。
手伝いを頼む
Do you have a sec?(ちょっといいですか?)
secはsecondの略で、have a secは「少々時間がある」
Can anyone help me out?(誰か手伝ってもらえますか?)
このように、参加者全員に話しかけることができます。
質問する
Quick question.(ちょっと質問です)
*略して「qq」と書くこともあります。
@Mark @Reiko @Alison Does anyone have the data?(誰かデータを持っていますか?)
この場合、Mark(マーク)、Reiko(レイコ)、Alison(アリソン)の3人のうち誰かがデータを持っていないかどうか聞いていることになります。
連絡の仕方を伝える
If you need anything, please ping me.(何か必要であれば、メッセージを送ってください)
pingとは「notification(通知)が出るようなメッセージを送る」ことで、Slackでは特に、@マークで相手を特定してメッセージを送ることを指します。
Let’s have a call.(通話で話しましょう)
Slackには通話機能があります。have a callは「電話する、通話する」。
ステータスや業務終了を伝える
I’m out of here.(もう退出します)
out of hereを「OOH」と略すこともあります。Slackではactive(アクティブ)、away(離席中)のように自分のステータスを変更することができ、終業後はnotification(通知)が来ないよう設定することもできます。
That’s it for today.(今日はここまでです)
That’s it.は「終わりです」ということ。「以上です」と言いたいときにも使います。
Talk to you tomorrow!(また明日!)
チャットなので、seeではなくtalkを使います。
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