英語を学ぶなら絶対に知っておきたい「英語4技能」ってなに?重要性と技能評価について解説

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日本の英語教育は「読み」「書き」に重点を置いていた結果、「英語が読めても話せない・聞けない」という状況を生み出しました。しかし、近年では「読む」「書く」だけでなく、「4技能」をバランスよく向上させる学習に変わりつつあります。当然、社会人も「4技能」を意識した英語学習が重要です。

この記事では、英語の4技能について解説するとともに、英語習得に不可欠な4技能の重要性について解説します。また、4技能の評価基準についても併せて解説しますので、現時点の自分の英語レベルをチェックしてみましょう。

英語の「4技能5領域」とは?

英語の4技能はよく知られているように、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4つですが、「話す」を2つの領域に分けて「4技能5領域」と言われることもあります。多くの人が4技能について理解しているかもしれませんが、ざっくりと概要をまとめておきます。

4技能1:読む(reading)

リーディング力は単に英文が読めるといことではなく、英文をより速く正確に読んで理解する技能です。

リーディング力を向上させるためには、英単語を1つずつ日本語に訳さずに英文を英語のまま読んで理解する「英語脳」を築く必要があります。英語脳とは、母語(日本語)を介さずに英語を理解する「英語回路」を脳内に構築すること。リーディングだけでなく、バランスよく4技能を向上させる上でも重要です。

4技能2:書く(writing)

ライティング力は4技能の1つである「話す」とともに英語をアウトプットすることで、それを文字により示す技能です。

語彙、スペリング、文法、作文の能力の他、パラグラフ構造の決まりなども含まれます。

4技能3:聞く(listening)

リスニング力は英文を聞いて正しく理解する技能です。

次々と聞こえてくる英文を瞬時に正しく日本語とつなげて理解することが求められます。英語中・上級者になれば、日本語を介さずに英文を英語のまま理解できるようになっていくでしょう。

4技能4:話す(speaking)

スピーキング力は相手の英語に対して瞬時に対応する双方向の「やり取りの領域」と、発表などで必要となる「自分の考えなどを述べる領域」に分けられます。

スピーキングが2つの領域に分けられている理由は、やり取りと発表では知識もスキルも異なるからです。

「英語4技能」が重要な理由とは?

英語学習において「4技能」を重視するようになった背景と、4技能が英語習得に重要な理由を見ていきます。

「読む」「書く」から「4技能」重視へ

冒頭でも触れたように、日本の英語教育で「読む」「書く」という2技能を重視した結果、実際のコミュニケーションの場で「話せない」「聞けない」という現象が起こりました。さらに、「読む」「書く」を重視した学習だったため「暗記」を中心とした試験が主流となり、文法も発音もまったく異なる英語に苦手意識を持つ人も増えたと言えるでしょう。

戦後に急成長を果たした日本は世界を代表する先進国となり、国内で多くのことが可能になったため、英語が話せなくても困ることはほとんどありません。けれどもグローバル化が進む今、世界共通の言語である英語を使いこなせる国際的な人材が必要とされる時代に変わりつつあります。また人口減少により、近い将来には今以上に多言語・多民族が共存する多様な社会になることが予想されるため、日本の英語教育も「4技能」重視へシフトしつつあるのです。

その背景には、文科省が3要素「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性」を重視する教育に変革したことがあります。2020年から大学入試試験もマークシートのセンター試験が廃止され、3要素を重視した「大学入学共通テスト」に変わりました。英語も4技能を重視した「外部英語検定試験」が行われたり、推薦・OAテストを重視したりするなど多様化しています。そのため学校の英語教育も、従来の「読む」「書く」から「4技能」を重視した学習が取り入れられるようになりました。

「4技能」が重視される理由

4技能が重視されるようになった理由は、暗記だけに頼る英語学習では双方向のコミュニケーションが成立しないなど、言語運用能力が身につかないからです。

テレビなどで非英語圏の人がペラペラと英語を話していると「すごい!」と感じる人もいるかもしれませんが、なかには文法や時制が間違っていて理解に苦しむこともあります。実際、私が出会った非英語圏の人たちの多くがペラペラと英語を話しますが、「読む」「書く」が苦手で文法学習があまり好きではありません。日本とは反対の英語教育だったのか、訪れるネイティブの英語を聞いて覚えたのか、ただ単に民族性によるものなのかは分かりませんが、日本とは英語教育の環境が違っていたのは確かです。

上記の例からも分かるように、4技能をバランスよく育んで「使える英語(言語運用能力)」を身につけることは、コミュニケーションを成立させる上で非常に重要です。

さらに、その「使える英語」の“知識・技能”を生かして“考えや判断を表現”できるようになり、“主体性”も育めます。英語圏では自分の意見を言わないと「意見がない人」「能力が低い人」と思われることもあるので、英語を使いこなせないとグローバル時代を生き抜けないかもしれません。

もちろん4技能が重要なのは学校教育だけでなく、社会人が英語を学習する上でも重視すべきことです。ある意味では学校教育以上に4技能を重視するべきかもしれません。なぜなら、社会人はコミュニケーションの場で英語を使うのがほとんどだからです。

世界共通の「4技能の評価指標」とは?

文科省は英語の各資格・検定試験と世界共通の4技能の評価指標「CEFR(セファール)」との対比表を提示しています。これにより、英検やTOEIC、IELTSなどの試験結果で英語実用レベルが測れるようになりました。


引用元:大学入試英語成績提供システム参加予定の資格・検定試験とCEFRとの対照表

CEFRとは

CEFRとは「Common European Framework of Reference for Languages」の頭文字をとった略称で、日本語では「ヨーロッパ言語共通参照枠」と訳されます。欧州議会が20年以上の研究・実験を経て開発した外国語の実用レベルを測る国際的な指標です。

CEFRの特徴

・すべての言語(外国語)に共通した判断枠
・知識量ではなく言語を使って「なにができるのか」を表す「Can do descriptor」で判断する
・学習者自身で判断できる
・学習者・教授する人の両方が熟達度を同一の指標で判断できる

CEFRは外国語の熟達度を判断するだけでなく、教員研修、教育課程の変革、あるいは教材開発などにも用いられています。

CEFRの6つのレベル

CEFRでは実用レベルを「A:基礎段階の言語使用者(Basic User)」「B:自立した言語使用者(Independent User)」「C:熟達した言語使用者(Proficient User)」の3つに分け、それぞれをさらに2つのレベルに分けて、計6レベルで表している。

C2:ネイティブレベルの熟達者(Mastery)
C1:効果的な運用能力を有する者・上級者(Effective Operational Proficiency)
B2:通常遭遇する状況へ適切な対応ができる者・中上級者(Vantage = adequate response to situations normally encountered)
B1:日常的に遭遇する身近な事柄について対応できる者・中級者(Threshold)
A2:学習を継続している初級者(Waystage)
A1:初歩の学習者・初学者(Breakthrough = introductory)
引用元:Reference Level Descriptions | CONCIL OF EUROPE

各レベルで「なにができるのか」を表す熟達度は以下のように定められています。
引用元:CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠) | ブリティッシュ・カウンシル

また、日本の英語教育で利用するための指標「CEFR – J」もCEFR をベースに作られました。CEFRより初級(A)と中級(B)が細かくレベル分けされ、4技能5領域別に「なにができるのか」を設定。また、A1レベルの前段階として「Pre-A1レベル」が設けられています。


参考:CEFR – J

CEFRに基づいたレアジョブ英会話を活用しよう

4技能をバランスよく向上させるためには、苦手分野を克服する必要があります。「読む」「書く」を中心に英語学習をした社会人は、ある程度の語彙力や文法力が備わっているので「聞く」「話す」に焦点を当てた英語学習が上達のカギとなるでしょう。もちろん、語彙力や文法力の学習も続ける必要があります。

「聞く」学習はアプリ・ポッドキャスト・動画などさまざまなコンテンツがありますが、「話す」練習は外国人の友人などがいないとなかなかチャンスがありません。もちろん1人でブツブツと英語を話すのも効果はありますが、言葉のキャッチボールの練習にはなりません。

そこでおすすめしたいのが、リーズナブルな価格でスピーキングの経験が積める「オンライン英会話」です。数あるオンライン英会話のなかでも、「CEFR- Jの基準に則って開発された」レアジョブ英会話がおすすめ。レアジョブ英会話では、「CEFR – J」を基に10段階の独自レベルを設定し、到達度を見極めたりレベルに合った教材を設定したりしています。細かくレベル分けされているので、レベルアップを実感しながら学習を進められるでしょう。ぜひ、活用してみてください!

まとめ

文科省の教育変革により、日本の英語教育は新たなステージに入りました。日本ではこれまで「英語」は教科の1つという認識が強かったかもしれませんが、英語は「コミュニケーションのツール」の1つです。CEFRが示すように、英語の知識量ではなく英語を使って「なにができるのか」が求められるようになります。コミュニケーションのツールとして英語を使いこなすためには、バランスよく4技能を身につけることが大切です。「聞く」「話す」に苦手意識を持つ人もいるかもしれませんが、歌を聞いたり歌ったりするように英語を楽しんでください!

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