英語のcanは「〜できる」という意味だけだと思っていませんか?
確かに「〜できる」という意味なのですが、canには「水泳ができる」「ピアノが弾ける」といった「何かの方法を知っている、できる」ということ以外にも、色々なニュアンスで使うことができます。
canの使い方をマスターすることで英会話の幅がグッと広がり、より自由に気持ちを伝えられるようになります。この記事ではcanの活用法のルールと大きな4つの意味と使い方について解説します。おさらいも兼ねてcanについて学び、英会話レッスンや日常会話に役立ててくださいね。
canの使い方のルール
まずcanの使い方のルールについて4つの基本事項を確認しましょう。
canの後ろは動詞原型
“I can swim.”(私は泳げる)”She can play tennis.”(彼女はテニスができる)などのように、主語がなんであってもcanに続く動詞は活用せず、原型のままです。
否定形はcannot (can’t)
否定する場合は、canの後に続けてnotが入ります。”I cannot swim.” “I can’t swim.”(泳げない)のように、「cannot」あるいはそれを縮めた「can’t」どちらも可能です。
ただし論文や研究レポート、会社のビジネス文書などフォーマルなものはcannotを使うようにしましょう。
疑問文は先頭にcan
疑問の形を作る時は、mayやshouldなど他の助動詞と同じくcanから始まります。
“Can I watch TV?”(TV見てもいい?)のように「Can +人・代名詞+動作を表す動詞」の形になります。
他の助動詞及び現在完了形は一緒に使えない
他の助動詞(may, must、should, willなど)とは一緒に使えず、”I can may swim.” “I can must swim.”の形は作れません。
また、canのあとは必ず動詞の原型が置かれるため、過去形はcouldを使って表現できますが、現在完了形の文章にすることができません。
現在完了形を使った文章にする場合は、”He hasn’t been able to forgive her.”(彼は彼女を許せずにいる)”I have been able to swim since I was 3.”(私は3歳から泳げている)のように「be able to」を使います。
なお、「現在できる能力がないけれど、将来のできるようになること」についてもcanは使えず、be able toが使われます。
◯ When I finish my training, I will be able to work as a Japanese teacher.
❌ When I finish my training, I can work as a Japanese teacher.
(訓練が終われば、日本語教師として働くことができる)
◯ I will be able to play football again after my knee operation.
❌ I can play football again after my knee operation.
(膝の手術が終われば、またサッカーができる)
canの4つの意味と使い方
canには大きく分けて4つの使い方があります。どれも「できる」という意味であることには変わりありませんが、異なる感情のニュアンスが込められています。
能力的に可能「できる」
現在形を使い、能力としてできることを表します。英語学習者にとって一番一般的な使い方ですね。
I can drive.(運転ができる)
I can speak English.(英語が話せる)
I cannot hear you.(あなたの声が聞こえない)
She can cook.(彼女は料理ができる)
He cannot walk yet.(彼はまだ歩けない)
可能性がある「ありうる」
canは能力としてできるかできないかということだけではなく、「ありうる」可能性としてもよく使われます。
We can go hiking this weekend if it doesn’t rain.(今週末、雨が降らなければハイキングに行けるよ)
We can stay if you’re not too tired.(疲れてなければ、まだいてもいいけど)
We can always leave if the party is boring.(パーティーがつまらなかったら、いつでも帰れるからね)
It can rain.(雨が降るかも)
I don’t know how he can pay back.(彼がどうやったら返済できるのかわからない)
Smoking can cause cancer.(喫煙は癌の原因になりうる)
許可「〜してもいい」
許可を与える英語表現いうと、”You may…” “ You’re allowed to…” “You’re permitted to…”のようなもっと難しい表現を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、canを使ってシンプルに言い表すことができます。日常会話でもよく使われる活用法です。
Can I borrow your car?(車を借りてもいい?)
You can leave it on my desk.(私の机の上に置いておいていいよ)
You can eat ice cream after you’ve done your homework.(宿題をしたら、アイスクリームを食べてもいいよ)
You can’t open the window.(窓を開けてはいけません)
My boss says I can leave now.(上司がもう帰っていいと言っています)
Anyone can come to our party.(誰でも私たちのパーティーに来てもいいよ)
不満・驚き・怒り
canは不満や怒り、驚きなどの感情を表す言葉としても非常によく使われます。特にhowやwhereと一緒に使われることが多いです。友達や恋人と言い争いをしたときや、想定外の報告を受けたときなどに必ずといっていいほど耳にする使い方なので、ぜひ使えるようになりましょう。同じ文でもイントネーションを変えることで、違ったニュアンスで伝えることができます。
You can’t do that!(そんなことしちゃダメだよ!/(冗談ぽく)え、それする?)
How can you do this to me?(信じらんない、どうして私にそんな仕打ちできるの?)
No way! It can’t be possible!(うっそ、ありえない!)
Stop fighting! You can go to bed now!(喧嘩はやめて! もう寝なさい!)
Nobody can talk to me like that!(そんな口きくなんて許せない!)
Where can he be?(彼はいったいどこにいるんだろう?)
まとめ
canを使いこなすことで、自分の思っていることがもっと自由に話せるようになります。使いこなせるようになるには、頭で理解するだけではなく、ネイティブが使っている場面をどんどんインプットして、自分でもたくさん練習していくことが大切です。
ドラマや映画で頭でcanが使われていれば、どのようなニュアンスで使っているのかを考えメモしておくといいかもしれません。また海外のブログでcanが使われている文章だけを抜き出していくのも、canを理解することに役立つでしょう。
一つの単語にフォーカスして文や使われている場面を探していくことで、表現力や語彙力はもちろん、より英語的感覚を養うことができます。お時間があればぜひ試してみてくださいね。
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