TOEIC L&Rのオンライン受験は通常テストとこんなに違う!気をつけておきたい試験のポイントとは?

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TOEIC L&R のIPテストはオンラインでの受験が可能です。所属している学校や企業から「オンラインでTOEICが受けられる」と聞き、興味を持った人もいるのではないでしょうか。

オンラインテストとペーパーテストにはそれぞれ長所と短所があります。また問題内容はほぼ変わりませんが、解く順番や出題形式に違いがあるため、ペーパーテストと同じ気持ちで受けると実力をうまく発揮できないかもしれません。ぜひこの記事でオンラインテストについて理解を深めてみてください。

TOEICはオンライン受験が可能

TOEICは2020年からオンラインで受験できるようになりました。受験できるようになった1つの理由は、テレワークやオンライン授業が浸透したためです。

また新型コロナウイルスの流行により、公開テストの会場数は以前より減少しました。公開テストは同じ会場に不特定多数の人が集まるので、感染リスクを下げるためには環境を変える必要がありました。

こうしたインターネット環境の浸透と社会情勢という2つの観点と、いつでも・どこでもTOEICを受けたいという受験者の要望に応えてオンライン受験が生まれました。以下でオンライン受験ができる科目や、特徴について解説していきます。

オンライン受験はTOEIC IPテストのみ

オンライン受験は、2021年8月の時点ではTOEIC IPテストのみに限られています。IP とはInstitutional Program(機関向けプログラム)の略称で、学校や企業といった団体向けのテストを指します。個人のオンライン受験はできないため注意してください。

IPテストでは過去に公開テストで出題された問題が使われますが、公開テストでは新しい問題が出題されます。なお、過去問が出るとはいえTOEICの出題範囲は非常に広いため、難易度にはあまり違いはありません。またIPテストでは、結果はスコアレポートのみで公式認定証が発行されないので注意しましょう。

全てのプログラムでオンライン受験が可能

TOEICには知名度が高いTOEIC Listening & Reading(L&R)の他にTOEIC Speaking & Writing(S&W)、初心者向けのTOEIC Bridge Listening & Reading、TOEIC Bridge Speaking & Writingがありますが、どれも同様にオンラインで受けることが可能です。

TOEIC IPテスト(オンライン)ではCATが採用されている

TOEIC IPテスト(オンライン)で用いられているCATとは、Computer Adaptive Testの略称で、受験者の能力に合わせてリアルタイムで出題問題が変化するテストシステムのことです。

リーディング・リスニングどちらもUnit1、Unit2と分かれており、前半の25分はUnit1で全ての受験者が同じ問題を解きます。問題数は25問です。次のUnit2ではUnit1の正答率を踏まえて、受験者個々のレベルに合わせた問題が20問出題されます。受験生は合計で90問(45問×2パート)を約1時間で解きます。CATを採用することで、通常試験よりも問題数が減り短時間で試験を行えるようになっています。

TOEIC L&R IPテストのオンライン受験と通常テストで異なるポイント

TOEIC L&R IPテスト(オンライン)は公開テスト(ペーパーテスト)と違う点がいくつかあります。以前受けたペーパーテストと同じように受験すると、思わぬところで足を引っ張られるかもしれません。得点を確実に押さえるためにも、以下でペーパーテストと異なる点について確認していきましょう。

TOEIC L&R IPテスト(オンライン)の受験料

TOEIC L&R IPテスト(オンライン)の受験料は4,230円(税込)です。ペーパーテストは通常で7,810円(税込)、リピート割引を適用しても7,150円(税込)のため、オンラインテストの方が安く受験できます。なお、支払方法は所属している団体によって異なるので、主催団体が指定した振込先に納入しましょう。

TOEIC L&R IPテスト(オンライン)の受験場所

受験場所は、団体が指定した会場か受験者の自宅となります。所属する団体の指示に従いましょう。団体が許可すれば漫画喫茶やインターネットカフェといった、オンライン設備のある場所で受けることもできます。しかし、回線や受験環境が不安定なことからあまりおすすめはできません。

なお、自宅であってもカンニングは厳禁です。主催する団体によってはAI監視サービスを導入し、カンニングに目を光らせていることもあります。当たり前のことですが、実力で挑みましょう。

TOEIC L&R IPテスト(オンライン)の試験時間

TOEIC L&R IPテスト(オンライン)の試験時間はリスニングとリーディングを合わせて約60分です。ペーパーテストは合計120分かかります。オンラインならおよそ半分の時間で受験が可能です。

TOEIC L&R IPテスト(オンライン)の開始時間

TOEICのオンラインテストは指定日中の24時間いつでも受けられます。一方で、ペーパーテストは開始時間と場所が指定されています。

ペーパーテストでは自分が受験する回に間に合わなければ受験できなくなる、また移動時間がかかることから、拘束時間はオンラインテストより長くなります。またペーパーテストは日曜日に開催されることが多いため、土日に仕事がある人ではどうしても受けにくいでしょう。

時間を自由に調整できるという点では、好きなタイミングで受験できるオンラインテストが有利です。逆に受験する気持ちになれず、ずるずるとテスト開始を引き延ばしがちな人は、日時が決まっている公開テストの利用をおすすめします。

TOEIC L&R IPテスト(オンライン)の結果通知

オンラインテストの試験結果は受験を終えた直後に確認できます。ペーパーテストでは最短でも試験日から17日ほどかかるため、すぐに結果がわかる点はオンラインの大きなメリットです。

オンラインテストの結果は、画面を閉じた後でも後日送られてくるアドレスから改めてチェックすることも可能です。ただしこの結果は1ヶ月間で開けなくなるため、必要な場合は別途ダウンロードしたり印刷したりして手元に残しましょう。

IPテストではオンラインテストでは正式な証明書を発行することはできません。これは、IPテストでは運営や実施の権限が各団体に預けられているためです。よって、証明書が必要な場合は時間がかかるとしてもペーパーテストを選びましょう。

TOEIC L&R IPテスト(オンライン)スコアは履歴書に書ける

ペーパーテストでは発行される公式認定証は、オンラインテストでは発行されません。しかしスコアはペーパーテストと同じ意味を持つため、履歴書にも同じように記載できます。

なお、TOEICのスコアで試験を免除する一部の業種では、スコアだけでなく公式認定書も求められます。英語教員や全国通訳案内士などが代表的ですが、これ以外にも独自に公式認定証を要求する企業もあるので注意しましょう。

TOEIC L&R IPテストのオンライン受験での注意点

IPテストをオンラインで受ける際、ペーパーテストにはない注意点に気を配りましょう。オンラインテストは出題形式が異なるため、ペーパーテストのテクニックを使えず苦戦する人もいるようです。こうした違いやその対処法について以下で詳しく解説します。

オンラインはリスニングでの設問の先読みができない

リスニング問題のPart3、Par4では解法のコツとして問題の先読みがよく推奨されていますが、仕組み上オンラインテストではそれができません。オンラインテストは問題ごとにページが区切られており、現ページの問題を解かない限り次に進むことはできないからです。

先読みができないことでペーパーテストよりも難しく感じたり、点数が下がったりする受験生は少なくありません。先読みをせずに問題に挑む練習を重ねましょう。

オンラインではUnit順にそれぞれ決まった制限時間でしか進めない

オンラインテストは2つのUnitに分かれていますが、Unit1の制限時間が終わらない限りUnit2に進めない点に注意しましょう。Unit1が早く終わったからといって、余った時間をUnit2にまわすということはできません。

また、一度Unit2に移るとUnit1に戻ることもできません。なので見直しは必ずUnitごとに行い、オンラインテスト特有の時間配分に留意しましょう。

画面スクロールが解き忘れなどのネックになることも

オンラインテストでは、問題はディスプレイに表示されます。この際、画面からはみ出した問題を解き忘れる危険性があります。特に長文読解で起こりやすいミスです。というのも、1つの長文に対して4~5個の設問があり、複数のページにまたがることがあるからです。

対処法の1つとしては、必ず問題ごとに最後までスクロールして確認することです。文章が3パッセージに分かれている場合は、最後の問題だけ次のページに表示されているかも知れないのでとくに念入りに確認しましょう。

2つ目の対処法としてはレビュー機能を活用することです。レビュー機能では未回答の問題を一覧で確認できます。この便利な機能も活用して、解き忘れのないようにしていきましょう。

オンライン受験に最適なインターネット環境を用意する

オンライン受験では、最後まで解ききれるように指示通りの最適なインターネット環境を整えましょう。場合によっては受験中に画面が固まって試験が続行できなくなります。ブラウザは最新版にアップデートし、LANやWi-fiといったネットワーク環境も適正か受験前に確認しましょう。

タブレットで受ける場合は専用アプリのインストールが必要です。またスマートフォンでは受験できないため規定デバイスを必ず用意しましょう。

TOEIC L&R IPテストのオンライン受験での気をつけるポイント

次に、オンラインテストを受ける前に気をつけたいポイントについて紹介します。普段のペーパーテストでも使い慣れた筆記用具やストレスのない服装を用意するように、オンラインテストでも事前の準備が有効です。本番であわてることがないように、勉強と並行して以下の点も対策しましょう。

試験を受ける環境を整える

自宅でオンラインテストを受ける場合、試験環境を自力で整える必要があります。ペーパーテストや会場に行って受験する方のオンラインテストでは、試験監督やスタッフが机や時計などの設備を調整しています。受験生は行ってテストを受けるだけで、他に求められることはありません。

一方自室で受ける場合は、家族や来客が邪魔をしないよう事前にテストの予定を伝えたり、集中を散らすようなものが机にないか確かめたりする必要があります。リスニングで使うイヤホンなどの機材も正しくつながるかテストすることも重要です。本番で実力を十全に発揮できるよう、テスト中に気になりそうなことは事前に取り除きましょう。

オンライン式とペーパー式の形式の違いを知っておく

オンライン式とペーパー式の違いを事前に把握しておきましょう。どちらの試験でも問題のレベルや内容はほぼ変わりませんが、ちょっとした形式の違いで戸惑いや混乱を感じて実力を発揮できない可能性があります。オンラインテストでの状況を想定して、事前対策をとることが大切です。

TOEIC L&R IPテスト(オンライン)リスニングセクションの対策

TOEIC L&R IPテスト(オンライン)のリスニングセクションの具体的な対策法について以下で解説していきます。問題の内容や重視するポイントはペーパーテストと変わりません。しかし、後半の問題になるほど「先読みができない」といったオンライン特有の悩みが出てきます。共通する部分と違う部分を区別し、早いうちから対策することをおすすめします。

写真描写問題の対策

1枚の写真について4つの短い選択肢が読み上げられるので、受験者は対応する文章を選びます。ペーパーテストであればPart1に相当する部分です。

写真描写問題では、読み上げられる選択肢で「誰が(何が)」「どうした(どうしている)」をしっかり聞き取ることが重要になります。以降のリスニング問題よりは難しくないので、ここでしっかりと点を押さえましょう。

応答問題の対策

短い英文を聞いた後、それに応答する内容の選択肢を選びます。基本的には「What time does the restaurant close?」(レストランはいつ閉まりますか?)などの疑問文が多いですが、平叙文が出ることもあります。ペーパーテストではPart2と同じ系統の問題です。

疑問から始まる応答問題は、最初のWh-やHow-節に注目して何が聞かれているのかを見極めましょう。以降の問題に比べれば単語も比較的簡単な傾向にあります。たまに引っ掛けがあるため、問題の最初だけ聞いて反射で答えることなく、最後まで耳を傾けることを意識しましょう。

会話問題の対策

2人以上の会話を聞き取り、内容に関する問いに答える問題です。1つの会話につき問いは3つです。後半では3人以上の会話や図説・イラストを踏まえた問いも出題されます。なお、ペーパーテストではPart3に相当します。

ペーパーテストでは問題用紙に記載されている設問と選択肢を先読みできるのでそれが解法のコツとして有効でしたがオンラインではできないため、苦戦する人が多いセクションです。対策としては、音声に集中して1つでも多く理解できる単語や内容を集めることです。音声の段階でどれほど内容や状況を想像できるかがポイントとなります。

問いと選択肢は可能であれば、会話の聞き取りの後ではなく音声が流れている最中に目を通しましょう。オンラインテストの場合はペーパーテストよりも並行処理能力(マルチタスク力)が必要になります。普段の演習でも「聞きながら読む、解く」ことを心がけるとよいでしょう。

説明文問題の対策

一人の話者による長文を聞き取り、設問に答える問題です。内容は留守番電話やラジオ放送、会議の一部、広告など多岐にわたります。ペーパーテストではPart4に当たり、苦手とする人も多いセクションです。

対策としては問題が表示されてから音声が流れ始めるまでの間に、1問目に目を通しましょう。2問目以降は聞きながら読んでいきます。また、読み上げられる問題文は幅広いトピックを扱いますが、基本的には導入→本文1→本文2→まとめ(提案)の形式でできています。導入を聞き取った時点で1問目の答えに見当をつけられるようになれば、安定してスコアを稼げるでしょう。

TOEIC L&R IPテスト(オンライン)リーディングセクションの対策

次はTOEIC L&R IPテスト(オンライン)のリーディングセクションの、具体的な対策法について見ていきましょう。リーディング問題は、各Unit内であれば好きな順番から解くことができます。しかし問題を行き来する際にどうしてもタイムロスが発生するので、最初から順番に問題を解き進めることが望ましいでしょう。

最後の読解問題はペーパーテストでも苦手な人が多い範囲です。問題の難しさだけでなく、長時間ディスプレイを見つめることから、目が疲れてしまうといったオンラインテスト特有の悩みも生まれます。最後まで集中を切らさず解ききることを目指しましょう。

短文穴埋め問題

1~2行の短い文章を読み、空欄に当てはまる単語やショートフレーズを選びます。単語・文法の知識力と同時に回答速度も求められるパートですが、練習を重ねれば得点源にすることができる部分です。ペーパーテストではPart5に当たります。

短文穴埋め問題の対策は基本的にペーパーテストと同じで、問題を繰り返し解きましょう。他の分野と比べると、1問の英文が短い分解き方のブレも比較的小さいです。ただし、オンラインテストではディスプレイの文章を読む必要があります。普段紙で勉強をしている人だと目が滑る可能性もあるため、ディスプレイ上の文章を読む練習を追加でしておくとさらに安心です。

長文穴埋め問題

10行前後の長文を読み、空欄に適した単語や文章を挿入します。ペーパーテストではPart6と似た問題です。短文穴埋め問題のような単語・語彙の知識力を問う問題と、文脈を踏まえて答えを推測する読解力が必要な問題があります。

ここでは、まず知識力と読解力のどちらが求められている問題か判断しましょう。知識力であれば短文穴埋め問題と同様にすみやかに回答します。読解力の場合はすぐに回答できないことも多いので、一旦回答を保留して先に知識問題に当たることもおすすめです。飛ばした問題を後で解く場合、解き忘れをしやすいのでレビュー機能を活用して必ず設問に戻るよう気をつけましょう。

読解問題

複数の文章を読み、内容に関した問題を解きます。文章の数は問題によって異なり、最小で1個・最大で3個のパッセージを扱います。内容はメールやチャット、新聞記事、広告などさまざまです。ペーパーテストのPart7に相当し、問題量の多さと高い読解力が要求されることから、難易度が高いパートとされます。

読解問題は最初に問題文に目を通しましょう。何が問われているかを初めに理解することで、文章を読みながら効率的にヒントが探せます。また、問題の答えやヒントは問われる順番通りに並んでいます。Q2の答えがQ1より前にあることはないため、おおまかな位置関係も答えを探す手掛かりにしましょう。

まとめ

TOEICのオンラインテストの問題は、内容もレベルもペーパーテスト(公開テスト)と同じですが、受験環境や試験形式などに違いがあります。なので問題演習だけでなくオンラインテスト独自の状況にも慣れるよう対策することが望ましいです。

ディスプレイに向かって勉強することに慣れない人は、ウェブを活用した新しい学習のきっかけとしてオンライン英会話を利用し、「パソコンに向かう=英語の時間!」と紐づけてはいかがでしょうか。状況に慣れれば、オンラインテストへの気後れも薄くなるでしょう。

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