IELTSの難易度は高い?他テストとの換算表をご紹介

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IELTSはアメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランドなどの英語圏に留学・就労・移住する人の英語力を示す国際通用性が高いテストです。しかし他の英語資格検定よりも「難易度が高い」「難しい」と言われています。

実際に、IELTSの難易度は他のテストと比べて高いのでしょうか。この記事では他の英語系テストとIELTSの比較、実際の難易度、対策まで徹底的に解説します。世界中で1万以上の英語圏の機関が受け入れているというIELTS。「受けたいけれど自分のレベルではまだまだなのかもしれない」「どれくらいの英語力が必要なのか知りたい」という方はぜひ参考にしてみてください。

IELTSとは?

IELTSは英語力を判定するテストの一つで、世界中で毎年350万人以上が受験しています。日本で英語テストといえば英検やTOEICの認知度が高いですが、IELTSは英語圏にある教育機関の入学審査や移住判定にも使われている世界的認知度が高い英語テストといえます。まずはIELTSがどんなテストなのかを知っていきましょう。

IELTSの基本情報

IELTSの基本情報をまとめてみました。名前だけ知っているという方も、まずはどんなテストなのか知るところから始めましょう。

受験料 25,380円
試験時間 165分(4技能合計)
試験方法 筆記もしくはコンピューター
試験日程 筆記:全国16都市でほぼ毎週
コンピューター:東京・大阪のみほぼ毎日
※詳細の日程はIELTS公式ホームページを参照
試験会場 東京テストセンター:札幌・仙台・埼玉・東京・横浜・長野・金沢・静岡
大阪テストセンター:名古屋・京都・大阪・神戸・岡山・広島・福岡・熊本
申し込み方法 IELTS公式ホームページ
公益財団法人 日本英語検定協会 IELTS公式ホームページ
ブリティッシュカウンシル 公式ホームページ
申し込み時に必要なもの 有効期限内のパスポート
※当日も持参が必要
スコア 各技能(ライティング・リーディング・リスニング・スピーキング)がそれぞれ1〜9のスコアで表示される。
4技能の平均点もOverallとして、1.0〜9.0のスコアで表示される。

日本では2010年から公益財団法人 日本英語検定協会とブリティッシュカウンシルが共同でIELTSを運営しています。世界的な英語テストではあるもののまだまだ日本では英検やTOEICほど認知度が高いとはいえませんが、グローバルスタンダードな英語テストです。

IELTSの種類

IELTSには2つの種類があります。どちらを受ければいいか判断するために、それぞれの特徴を知っておきましょう。

アカデミック・モジュール

アカデミック・モジュールは英語圏の大学や大学院など高等教育機関への留学を希望する人のためのテストです。アカデミックモジュールのスコアは各大学に入学するレベルに相応しいかを判定するために用いられます。イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドではアカデミック・モジュールのスコアが基準となります。アメリカではTOEFLが求められるケースがまだ多いですが、一部の機関ではIELTSが採用されるようになりました。

出題される問題は大学の講義や論文、専門家による講演などを想定した学術的な内容のものが多いです。

ジェネラル・トレーニング・モジュール

ジェネラル・トレーニング・モジュールは、英語圏での就職や移住を希望している人のためのテストです。就職や移住にはビザ申請が必要となりますが、その際に英語力を証明する必要があります。その判定に使われるのがジェネラル・トレーニング・モジュールです。特にカナダ・オーストラリア・ニュージーランドへの永住権申請にはジェネラル・トレーニング・モジュールで一定以上のスコアが必要となります。

アカデミック・モジュールとは異なり、日常生活やビジネスシーンでの会話を想定した問題が多いです。

IELTSのスコア

IELTSに合否はなく、スコアで結果が表示されます。技能ごとに1〜9でスコアが示され、4技能の平均がOverallとして0.5刻みで示されます。

各段階が示すレベルは以下の通りです。

1 <非ユーザー>
単語の羅列のみで、基本的に英語を使用する能力を有していない。
2 <散発的ユーザー>
慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、極めて基本的な情報を片言で伝える以外、現実的なコミュニケーションをとることは不可能。英語の会話や文章を理解することは困難である。
3 <非常に限定的なユーザー>
非常に慣れた状況において、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。コミュニケーションの断絶が頻発する。
4 <限定的なユーザー>
慣れた状況においてのみ、基本的能力を発揮できる。理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言葉遣いはできない。
5 <中程度のユーザー>
不完全だが英語を使う能力を有しており、ほとんどの状況でおおまかな意味を把握することができる。ただし、間違いを犯すことも多い。自身の専門分野では、基本的なコミュニケーションを取ることが可能。
6 <有能なユーザー>
不正確さ、不適切さ、誤解もみられるが、概ね効果的に英語を使いこなす能力を有する。特に、慣れた状況下では、かなり複雑な言葉遣いの使用と理解ができる。
7 <優秀なユーザー>
不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を使いこなす能力を有する。複雑な言葉遣いにも概ね対応でき、詳細な論理を理解できる。
8 <非常に優秀なユーザー>
不正確さや不適切さがみられるが、英語を自由自在に使いこなす能力を有している。慣れない状況下では誤解が生ずる可能性もある。込み入った議論にも対応できる。
9 <エキスパート・ユーザー>
英語を自由自在に使いこなす能力を有する。適切、正確、流暢、完全な理解力もある。

引用:IELTS公式 IELTSバンドスコア・採点方法

IELTSの試験内容

IELTSではライティング・リーディング・リスニング・スピーキングの4技能の試験が行われます。リスニングとスピーキングの内容は、アカデミック・モジュールもジェネラル・トレーニング・モジュールも同じです。今回はアカデミック・モジュールの各試験について解説します。

ライティング

タスク1とタスク2の2つのパートで構成されています。

タスク1は示されたグラフ・表・図などの視覚資料をもとに情報を要約し、レポートを想定して英語で説明する試験です。タスク2は一般的な時事内容に対し、意見・論点・問題をまとめてエッセイを書きます。どちらのパートも、アカデミック(学術的)でニュートラル(中立的)な文体で書かなければいけません。

トピックは新聞や科学系雑誌、学術論文など実際に英語圏の大学・大学院に想定した際に触れる資料が元になっています。英語圏の大学・大学院ではレポートやエッセイの提出がかなり頻繁にありますので、それを想定したうえで英語力を判定する試験です。

リーディング

アカデミック・モジュールのリーディングは3つのセクションで構成されています。使用される文章は全て実際の書籍・新聞・雑誌・公的文書・ハンドブックからの抜粋です。ただ内容が専門的というわけではなく、専門知識がなくても高いスコアが狙える内容となっています。

セクション1は事実に沿った2・3つの文章に対する設問があります。2・3つのうち一つは、ホテルやお店の広告や掲示文などを合わせた短い文章です。セクション1のテーマは、英語圏の日常生活を想定した内容となっています。

セクション2は仕事に関連するシチュエーションを想定した短い文章からの出題です。仕事の応募や会社理念、就業条件やトレーニングなど、実際に就職する際に目にするような内容が出題されます。

セクション3は雑誌や新聞などから抜粋された一般的なトピックから出題されます。セクション3は他のセクションと比べると長文で、内容も複雑なものとなっています。

リスニング

リスニングはアカデミック・モジュール、ジェネラル・トレーニング・モジュール共通の内容です。4つのパートで構成されており、各パートで音声が一回だけ流れます。

パート1は日常生活を想定した2人のスピーカーよる会話からの出題です。過去にはスポーツジムでの会員登録やホテル等の予約などに関する会話が出題されました。

パート2は1人のスピーカーによる日常生活の話から出題されます。地域や学校の施設に関する説明や描写のことが多いようです。

パート3は最大4人のスピーカーが登場します。教育現場や企業の研修での会話や議論から問題が出題される形です。

パート4は大学の講義や講演会など学術的な内容をテーマにした内容から出題されます。

スピーキング

スピーキングもアカデミック・モジュール、ジェネラル・トレーニング・モジュール共通の内容です。3つのパートで構成されており、テスト内容は録音されます。

パート1では試験官の自己紹介・パスポートチェック・本人確認からスタートです。その後、試験官から仕事・趣味・興味・家族などの質問があります。このパートは4〜5分が目安です。

パート2はスピーチの試験で、試験官からカードを渡されます。カードにはトピックと伝えるべき内容が書かれていますので、それを元に1分でスピーチを用意して、2分間のスピーチを行う試験です。スピーチが終わったら試験官からの質問に答えます。このパートは3〜4分が目安です。

パート3はディスカッションのパートです。先ほどパート2で使ったトピックで、より深掘りした内容を試験官と議論します。まず試験官から質問があり、受験者はそれに対する問題点や自分の意見を述べます。

IELTSの難易度は高い?

ではここからは実際にIELTSの難易度が高いのかどうかを見ていきましょう。他の英語テストとの比較や、IELTSスコアの分布を解説します。

他テストとの換算表

今回は日本で一般的な英語テストである英検とTOEICをIELTSと比較しました。もちろんそれぞれのテストで出題される内容や形式も異なりますので、一概に比較はできません。あくまで参考程度に見ていきましょう。

IELTS 英検 TOEIC
2.0 4級 260-269
2.5 270-290
3.0 3級 291-299
3.5 300-440
4.0 準2級 450-490
4.5 500-550
5.0 2級 550-600
5.5 600-740
6.0 準1級 740-820
6.5 820-870
7.0 1級 870-970
7.5 970-990
8.0
8.5
9.0

出典:ニュージーランド留学センター IELTS / ケンブリッジ / TOEFL / TOEIC /英検スコア換算表

英検の最上級である1級がIELTSの7.0、TOEICの最高スコアである990がIELTSの7.5というのが目安です。先ほどもお話ししたように同じ英語テストでも内容も趣旨も異なり、テスト対策も全く変わってきますので、難易度を簡単に比較はできません。ただIELTSの8.0以上のスコアは英検・TOEICに該当する級・スコアがありませんので、比べたときに難易度が高いと感じてしまうのでしょう。

IELTSスコアの分布表

では、第一言語を日本語とするIELTS受験者のスコアバンドの分布も見ておきましょう。これを見れば大体どれくらいの人がどのくらいのスコアを取っているのかがわかります。

Overallスコア アカデミック・モジュール ジェネラル・トレーニング・モジュール
4以下 0% 2%
4 2% 3%
4.5 6% 8%
5 17% 15%
5.5 25% 23%
6 23% 23%
6.5 15% 13%
7 8% 7%
7.5 3% 5%
8 1% 2%
8.5 0% 0%
9 0% 0%

出典:IELTS Test Statistics Demograpihic data 2019

この分布を見るとアカデミック・モジュールでもジェネラル・トレーニング・モジュールでも日本語を第一言語とする人に一番多いスコアは5.5です。またどちらの種類でも、5.5〜6.5を取っている人が半数以上を占めています。5.5〜6.5というと英検の準1級、TOEICの600-870に換算されるスコアです。

IELTSが難しい理由

「IELTSは他のテストと比べて難しい」と言われることが多いです。どうしてIELTSは他の英語テストと比べて難しいのでしょうか。その理由を3つ紹介します。

専門用語がたくさん出てくる

IELTSの公式は「専門知識がなくても高スコアが狙える内容」と言っていますが、英検やTOEICと比べると、専門用語はかなりたくさん出てきます。実際の論文や書籍、講演内容などから出題があるのですが、それらは学術的な内容なので、普段使うことがないような専門用語が頻出するのです。

もちろん全ての単語を理解しなければ問題が解けないというわけではないのですが、日常会話やビジネスシーンで使う英単語を中心とした英検やTOEICと比べると専門用語が圧倒的に多いです。

英文が長くて複雑

IELTSのリーディングは学術的な内容が出てくることはあるものの、特別難易度が高いというわけではありません。ただ文章が英検やTOEICに比べると長く、一文で見ても文構造がかなり複雑です。

リーディングパートは3つのセクションがありますが、1セクションごとに800-1000程度の長文が出ます。一つの文章のなかに様々な文構造が組み込まれていることも多く、長文対策を徹底的にしておかなければ全てのセクションの文章を読むことすら難しいでしょう。

問題数に対して時間が短め

リーディングでは800-1000文字程度の長文が3セクション分あるとお話ししましたが、その3つのセクションで40問の出題があります。そもそも一つのセクションごとの文章が長くて複雑なので慣れていないとそこで時間を取られてしまうのですが、それに対してリーディングの合計時間は60分しかありません。そのため1つのセクションを20分で解く計算になります。

長文をかなり読み慣れていて、つまずくことなくスラスラ読めたとしてもなかなか時間が足りません。1つ目・2つ目のセクションに時間がかかってしまうと、最後のセクションまで辿り着かない可能性も十分に考えられるでしょう。

IELTSでスコアを上げるためにはどうすればいい?

難しいと言われるIELTSですが、英語圏への留学・就職・移住を考えているなら、求められているスコアを獲得しなければなりません。IELTSでスコアを上げるための勉強法を紹介します。今回はアカデミック・モジュールに焦点を当てて紹介しますが、リスニングとスピーキングは内容が同じなので、ジェネラル・トレーニング・モジュールを受験する予定の方も参考にしてください。

ライティング

IELTSのなかで一番難しいと言われているのが実はライティングです。アカデミック・モジュールのライティング問題では、アカデミックなレポートやエッセイを書けることが求められます。

アカデミックな言い換え方を覚える

ライティング問題ではアカデミックな単語を使用してライティングをしなければなりません。「良い」という意味でgoodを使うのではなく、positiveやuseful, valuableなどアカデミックな言い換えができるようにしておく必要があるのです。普段日常会話で使うような英語は、どんな単語に置き換えられるのかを知っておく必要があります。

レポート・エッセイの構成を覚える

英語でエッセイを書いたことがないと、どのようにライティング問題に取り組めば良いのかわからないかもしれません。英語のレポート・エッセイは、イントロダクション→ボディ→コンクルージョンの構成で書きます。この構成を覚えて、普段のライティング練習でしっかり意識して書く癖をつけましょう。

社会的な時事問題に目を向けておく

ライティングのタスク2では、社会的な時事問題がテーマになります。それに対する質問があって、自分の意見・一般的な考えなどを書くのですが、そもそもその問題を知らなければ意見を書くこともできません。普段から日本語でもいいので、社会的な時事問題に目を向けておきましょう。

リーディング

リーディングもライティングと並んで難しいと言われています。リーディングのスコアを上げるためには、以下のことを試してみてください。

長文の読解スピードを上げる

リーディングで出題される長文は、内容自体はそこまで難しくありません。しかし3つのセクションがあり、それぞれ800-1000文字の長文が出題されます。まずはこの長文をスラスラ読めるようになりましょう。長文の読解スピードは、長文に触れれば触れるほど上がっていきます。また英語を一旦日本語に直して理解しているのなら、英語を英語で理解できるように練習してください。

設問パターンを覚える

長文問題には正誤判定問題があるのですが、YES / NOだけではなく、TRUE / FLASE / NOT GIVENの三つの選択肢があり、意味は以下の通りです。

TRUE:本文と質問文が一致する
FALSE:本文と質問文が矛盾する
NOT GIVEN:本文と質問文が一致しない

まずはTRUEなのか FALSE もしくはNOT GIVENなのかを判断し、TRUEでなかった場合は残りのどちらなのかを判定します。ただFALSEなのかNOT GIVENなのかは、本文と質問文が一致するかどうかではなく、矛盾するかしないかで選んだ方が間違えにくいです。

どのように回答するかは設問ごとに異なり、文字数制限がある問題もあります。設問をしっかり理解して解くようにしましょう。

リスニング

アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールのリスニング問題は共通です。スコアアップのためにはどのように対策すれば良いかを紹介します。

ディクテーションをする

音声を聞きながら書き取ることをディクテーションと言います。もしリスニング問題を聞いても聞き取れない単語やフレーズが多いなら、ディクテーションをしましょう。聞き取れなかった場合も、前後から内容を予測できますし、実際のテストでもディクテーションをすればそこから答えを探せます。自分がどの単語やフレーズを聞き取れなかったのかわかるので、意味を調べたり耳を慣らしたりするためにも効果的です。

耳を育てる

特別速いスピードでリスニング問題が読み上げられるわけではありませんが、スピードについていけないなら聞き取りやすいように耳を育てましょう。まずは練習問題の音声のスピードを一回で理解できるくらいに遅くします。そこから少しずつ元のスピードに戻して、理解力を上げるトレーニングをしてください。

スピーキング

普段英語を話す機会がないのであれば、スピーキングに苦手意識を持っている方も多いかもしれません。しかしきちんと対策しておけばスコアアップも狙えます。

フレーズをテンプレートで覚える

スピーキングテストでは自分の意見を伝えたり、自分の経験を話したり、ディスカッションしたりとある程度決まったシチュエーションがあります。シチュエーションごとにフレーズをテンプレートで複数覚え、同じ意味でも違った表現ができるようにしておきましょう。

例えば自分の意見を伝えるときは、I thinkだけではなく、I believe, I suppose to, I’m sure that, In my opinionなどの表現ができます。

YES / NOだけで答えない

試験官から質問がありますが、それに対してYES / NOだけで答えていては高得点を狙えません。必ずそれを補足する理由や説明を付け加えるようにしましょう。答えや考えを裏付けする癖をつけておけば、評価も高くなります。

まとめ

難易度が高いと言われるIELTSですが、これから英語圏の大学や大学院への進学を考えている人、英語圏の企業への就職を目指したい人、カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの永住権を取得したい人などはIELTSで一定以上のスコアを獲得することが必要となります。

英検やTOEICとは問題形式や内容が異なるので、IELTSを受験する人はIELTS専門の対策をしましょう。今回紹介したスコアアップ方法も参考にしてみてくださいね!

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