good(よい)< better(よりよい)<best(最高)と、英語の比較級・最上級を、誰もが学校で習いました。でも、もしbetterではなくgoodのほうが「よりよい」で、bestが「最高」ではないとしたら!?会話の中で意外によく使われている、比較級・最上級のビミョ~な使い方をご紹介します。
betterなのに「よりよい」ではない比較級の例
形容詞や副詞を比較級にすれば、「より~」「もっと~」という意味になると思いますよね。でも実際は、not betterが「最高」になったり、「betterだけどgoodまでいかない」という言い方が使われていたりします。会話の中でよく聞く表現を見ていきましょう。
Couldn’t be better.=最高
Couldn’t be better.は、「よりよくなり得ない」で、一瞬、「もうよくはならない」のかと思ってしまいますが、実際は「これ以上よくなりようがない=最高です」という意味で、あいさつの表現としてよく使われます。
会話例:
A: How are you?
(元気?)
B: Couldn’t be better.
(最高です)
It couldn’t be worse.=最悪
It couldn’t be worse.は「より悪くなり得ない」で、「もう悪くならない」だと思えてしまいますが、実際は「これ以上悪くなりようがない=最悪だ」という意味になります。Couldn’t be better.の逆のケースですね。
会話例:
A: How was your job interview?
(仕事の面接はどうでしたか?)
B: It couldn’t be worse.
(最悪です)
It’s better, but not good.=前よりいいけれど、よくはない
例えば病院でお医者さんにIt’s better, but not good.と言われたら、「治ってきているけれど、回復したわけではない」といった意味合いになります。betterが常に「goodよりいい」状況を指すとは限らないのですね。
会話例:
A: Have you checked my report? How was it?
(私のレポート確認してくれましたか?いかがでした?)
B: It’s better but not good yet.
(よくなっていますが、まだいいとは言えません)
Try harder.=まだダメ
Try harder.と言うと、「もっとがんばれ」と言っているように聞こえるかもしれませんが、harderと比較級にすることで、「あなたの今のがんばりは十分ではない、まだダメだ。もっとがんばらないと」といったニュアンスになります。
会話例:
A: This is the best I can do.
(これが私にできるベストのことです)
B: Try harder. We haven’t reached our goal yet.
(まだダメです。目標に達していません)
最上級なのに「一番」ではない例
I’ll do my best.と言えば、「最善を尽くします」だと思いますよね。でも、もしこう言われて不機嫌になってしまう人がいるとしたら?bestが「最高」ではなく、worstが「最悪」ではない最上級の例には、次のようなものがあります。
I’ll do my best.=やってみます
I’ll do my best.は「私にとってできる限り最大のことをやります」ということ。「最善を尽くします、精一杯がんばります」という意味がある一方で、「できる限りのことをやってみます(でも、できるかどうかはわかりません)」という意味合いになってしまうことがあります。
会話例:
A: Can you fix it by tomorrow?
(明日までに直してもらえますか?)
B: I’ll do my best, but it’s not guaranteed.
(できるだけやってみますが、保証はしません)
It’s not the best idea.=やめたほうがいい
It’s not the best idea.は「それは最高のアイデアではない」で、「いいアイデアだけれど、最高ではない」という意味だと思いますよね。でもこれは、「やめたほうがいい」というのを遠回しに伝える言い方だったりします。
会話例
A: How about bringing Japanese sake for Mike?
(マイクに日本酒を持っていくのはどうでしょう?)
B: It’s not the best idea. He doesn’t drink.
(やめたほうがいい。彼は飲まないんです)
in the worst way=どうしても
in the worst wayは直訳すると「最悪の方法で」ですが、「どんな方法を使っても」と言ったニュアンスで、「どうしても、何が何でも」という意味で使うことができます。
会話例:
A: The ticket is hard to get.
(そのチケットは手に入れるのが難しいですよ)
B: But I want it in the worst way.
(でも、どうしてもほしいんです)
オンライン英会話レアジョブのレッスンで、「英語の勉強をがんばる」という気持ちを先生に伝えるには、なんと言えばいいでしょうか? I’ll do my best.でも「がんばる」という気持ちは出るのですが、「できるかどうかはわからない」という印象になることも。ここはシンプルにI’ll do it!(やります!)というほうが、決意の強さが伝わります。
また、先生からYou can do better.という言葉を聞くことがあるかもしれません。これは「あなたはもっと上手にできる」ですから、「もうちょっとがんばれ」という意味であると同時に、「あなたにはそれ以上の力があるはずです」という励ましの言葉にもなります。英語の比較級や最上級が会話の中でどのように使われるのか、レッスンの中で実感としてとらえるようにしましょう。
まとめ
betterは「よりよい」、bestは「最高」だから、goodよりbetterやbestを使ったほうが、よい意味になるはず、と思っているかもしれません。でも、実際のところ、goodは「他と比較するまでもなく、まさに『よい』」ということなので、That’s good!(それ、いい!)と言われたら、すごくいいほめ言葉なのだと思ってください。
逆にworseでもworstでもなくThat’s bad!と言われたら、「比べるまでもなく、全然ダメ!」ということです。英語の映画やドラマのセリフなどを参考にしながら、good/better/bestやbad/worse/worstが会話の中でどのように使われるか、確認してみてください。
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