私たちは日頃からアメリカ企業の商品に囲まれて生活していますが、それだけでアメリカの文化を深く知っているとは到底いえません。実際にアメリカに行ったことのある人であれば、そこで見たものや出会った人などに驚かされたことがあるのではないでしょうか。
日本にいるとなかなか気づくことはありませんが、私たちが普段見ているもの、体験していることは、実は日本だけの常識であることが少なくないのです。
今回は、アメリカやカナダで実際に生活した経験のある人たちの体験談をもとに、日本人がカルチャーショックを受けるであろう3つのポイントについて、エピソードを交えながら紹介します。
1. あらゆるものがとにかくデカい
アメリカに行くと、日本人との体格差をはじめ、その他どんなものでもとにかく大きく、衝撃を受けることが少なくありません。車や建物などの大きさはもちろん、特に多くの日本人が驚くのが食べ物事情ではないでしょうか。
現地では日本のような比較的小さなスーパーマーケットではなく、コストコのような大型スーパーが主流です。そこには日本では見かけない巨大な肉や魚の固まり、飲み物、スナック菓子などがずらっと陳列されています。
例えばポテトチップス。日本のポテトチップスは一袋60g~80gほどの容量のものがほとんどですが、アメリカのポテトチップスは一袋約300g、さらにはBigサイズだと900g超というものまであります。そして、それに比例してカロリーも恐ろしいことになっています。標準サイズでゆうに1500カロリーを超え、Bigサイズにもなるとそれのさらに3倍…。
当然一回で全てを食べきることはないと思いますが、日本のものに比べて味付けも濃くヘルシーとは言えないので、食べ過ぎには注意して下さい。また日本のレストランやファーストフード店の一人前の量を想像してオーダーをすると、かなりの確率で唖然とします。
例えばハンバーガーコンボ(欧米ではセットではなくコンボと呼びます)を頼むと、大きなハンバーガーに加えて、セットのポテトやドリンクまでもがもれなく大容量です。スナック感覚で頼むと後悔することになるかもしれません。
2. お客様は神様ではない
日本では、スーパーやコンビニ、レストランなど、お客様がサービスを受ける際はどんなときでも、それをもてなす側の人間には誠実で丁寧な対応が求められます。いわゆる「お客様は神様」のような扱いを受けるのが、一種の日本の文化のようになってしまっていますが、当然海外ではそうではありません。
ある日、カナダの街中を走る路線バスに乗っているときのことでした。なにやら運転手と乗客が言い争う声が聞こえます。どうやらその乗客は、自分が乗ろうとしていたのに運転手が一度ドアを閉めてしまったことに怒っている模様。
そこだけ聞くと運転手が悪いのではと思いましたが、運転手も「見えなかったんだ」などと真っ向から反論。そして3分ほど言い争いが続いた後、運転手が突然「Get off !!!(降りろ)」と大声を出して、ドアを開けその乗客を降ろしてしまったのです。しかも、バス停ではないところに…。日本ではどんな理由があろうと、運転手が乗客に対して声を荒げるというようなことはないでしょう。
また日本のスーパーでは、レジ係の人たちがいつも忙しく、黙々とレジを打って接客をしている姿が、日常の風景だと思います。店員さんは一秒でも早く、一人でも多くのお客さんに対応するのに必死です。しかしアメリカのスーパーでは、レジの前に長蛇の列が出来ているにも関わらず、店員同士が楽しくおしゃべりをしていて、そこから急ごうという意思は感じられないといった光景をよく目にします。
日本でもし同じようなことが起こったら、お客さんはイライラしたりクレームを言うかもしれません。でも現地の人たちはそれに慣れてしまっているので気長に待ちます。レジで10分待つなんてことも珍しくありません。
日本でのハイレベルなおもてなしに慣れてしまっている私たちにとっては、こうしたことも大きなカルチャーショックとなることでしょう。お客様はもちろん神様ではなく一人の人間ですから、特別に扱うということはしません。お客様とサービスを提供する側(人)という関係であろうと、そこに上下の差が生まれることはなく、同じ人間同士として対等なコミュニケーションをするのが彼らの文化であり価値観なのです。
3. ワークスタイルが自由過ぎる
日本ではスーツや作業着、ユニフォームなど職業ごとに服装が決まっている場合が多いです。そして、コンビニやレストランなどでは上だけ指定のユニフォームを着て、下は黒色のスラックスなどの長ズボンを履くのが一般的なのではないでしょうか。なかなか半ズボンで接客や仕事をしている人を見かけることはないと思います。
しかし、アメリカやカナダの文化では、職場での身なりにそこまできっちりとしていない場合が多いのです。例えばカナダの公共交通機関で働く人たちはみな、上は指定ユニフォームを着ていますが、下は半ズボンだったり、派手なパンツだったりとさまざまです。
日本のバス運転手と言うと、帽子まで含め全身きっちりとした服装をしているイメージがあるので、半ズボンでしかも日中ならサングラスをかけている場合が多いので、その姿を見るとビックリするかもしれません。
また彼らの中にはバスの運転中に日本ではあり得ないことをする人たちもいます。運転中に何かごそごそしているなと思ったら、その片手にはパンやコーヒーなどの飲食物が握られているのです。自由すぎる運転手だと、停車している時に、乗客が中にいるにも関わらず平気でコーヒーを買いにいくなど、とにかくマイペース。
その他にも、スケボーで通勤したり、何の連絡もなしに30分や1時間の遅刻をしたり。こういった光景もまず日本では見られないことでしょう。
多様性を受け入れる
これらのエピソードは、アメリカやカナダで感じる文化ギャップのほんの一例にすぎません。
日本から一歩飛び出してみるとそこには、日本では見ることができない文化や価値観が広がっています。現地での日常風景や、人との出会いの中でたくさんのそうした「多様性」を感じることが出来るのも、留学や海外旅行の魅力の一つです。
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