英語をある程度話せるようになってくると、「伝わるけど、なんだか不自然」と感じる場面が増えてきませんか?その原因の多くは、日本語と英語の発想のズレにあるのです。日本語では一言で済む表現も、英語では文脈や感情、場面によって表現が異なります。
本記事では、英語中級者がつまずきやすい代表的なズレをご紹介し、自然な英語を使い分けるコツを具体的に解説します。
【頻度・感情・依頼】日本語と英語の「発想のズレ」代表例とニュアンス解説
一見簡単な日本語でも、英語では状況によって言葉を選ぶ必要があります。
時間・頻度の表現 ― 「よく」「たまに」の幅
日本語の「よく」「たまに」は曖昧で便利な言葉で、文中のどこに来ても意味が変わりません。しかし、英語では副詞を置く位置によって、文のニュアンスが微妙に変わります。
たとえば「私はよく東京に行く」は、以下のように表現するのが自然です。
I often go to Tokyo.
「often」は動詞の前が基本の位置ですが、強調したいときは文頭に置くこともできます。
Often, I go to Tokyo on weekends. (よく週末に東京へ行きます)
「often」は日常会話では自然ですが、ビジネス文書では「frequently」のほうがより丁寧で客観的です。
I frequently go to Tokyo. (頻繁に東京に行きます)
「たまに行く」は以下のように表現します。頻度をさらっと伝えたいときは、後ろに置くほうが自然です。
I sometimes go there.
または
I go there sometimes.
また、「sometimes」の代わりに「occasionally(たまに)」を使ってもいいでしょう。
I occasionally go there.
さらに、以下のような言い回しもよく使われます。
I go there once in a while. (時々行きます)
前述した通り、副詞の位置にも注意が必要です。英語では「主語+副詞+動詞」(例:I often go)が自然であり、日本語の語順とは異なります。
ポイント:副詞の位置で印象が変わる
英語の副詞は「どれくらいの頻度なのか」をはっきり伝えるためのツール。日本語のように「なんとなく」使うと、意味が弱くなりがちです。
ネイティブは「文中のリズム」に合わせて副詞を配置します。たとえば、“I always eat breakfast.”は自然ですが、“I eat always breakfast.”は不自然。
同じ意味でも、言葉の「流れ」が英語では非常に大切なのです。
<よくある誤用例>
✕ I go to Tokyo oftenly. (“oftenly”は誤り)
○ I often go to Tokyo.
「ちょっと」「少し」のニュアンスの幅
日本語の「ちょっと」は万能ですが、英語では意図を明確にする必要があります。そのまま“a little”と訳してしまうと、ときに違和感を生むこともあるので注意しましょう。英語では文脈に応じて明確に言い分ける必要があります。
たとえば、「ちょっと寒い」は以下のように表現します。
It’s a little cold.
しかし「ちょっと待って」は、以下のような表現が自然です。
Wait a second. / Hold on a moment.
カジュアルな場面では、以下のように短く言ってもいいでしょう。
Hang on a sec.
「ちょっと難しい」は、イギリス英語とアメリカ英語で少し表現が異なります。
It’s a bit difficult.
It’s kind of hard.
イギリス英語では“a bit”が日常的に使われ、アメリカ英語では“kind of”がより自然です。
また、日本語では「少し」という意味だけでなく、やんわりと断る時にも「ちょっと」を使います。日本語の「ちょっと無理かも…」は柔らかい拒否ですが、これをそのまま英語に訳しても伝わりにくいものです。
おすすめは以下のような婉曲表現:
I’m not sure I can. (できるか分かりません)
It might be difficult. (難しいかもしれません)
I wish I could, but… (できたらいいんですが…)
このように、「曖昧さを残しつつやんわり伝える」には「助動詞+トーンの柔らかさ」がカギになります。もちろん、英語圏では以下のように明確に断るのが自然です。「ちょっと」は、日本語では「曖昧にする」役割がありますが、英語では遠回しすぎて誤解されることもあるので注意が必要です。
I don’t think that’s possible. (それは不可能だと思います)
感情・反応表現:「すごい」「なるほど」「やった!」
日本語の感情表現は便利で万能ですが、英語では感情の強さやトーンによって表現が細かく異なります。
たとえば、「すごい!」という表現は、トーンや場面によって以下のように使い分けます。
That’s amazing! / Awesome! / Incredible!(くだけた会話では”Cool!”)
ビジネスの場では“That’s impressive.”がより上品です。
「なるほど」は以下の表現が定番です。
I see. / That makes sense.(理解・納得を表す)
「なるほど」は単に「理解した」ではなく、「理屈として納得した」というニュアンス。英語では”I see”よりも “That makes sense”のほうが、より論理的な理解を示します。
納得よりも驚きが強い場合は、以下の表現もよく使われます。
Oh, I get it now! (あ、そういうことか!)
また、「やった!」は場面によって以下のようになります。
I did it!(自分の成果)
Yes!(喜びや勝利)
Awesome!(共感や賞賛)
ポイント:感情を直接表現することが礼儀
英語では「感情をそのまま言葉にする」のが自然。日本語のように相手の文脈や空気で判断させる文化とは違い、感情を直接表現することが礼儀でもあります。
コラム:リアクションの文化差
日本語では「控えめ」が美徳とされていますが、英語圏ではリアクションが豊かな人ほど好印象です。例えば、プレゼンで「That’s a great question!」と返答するのは、相手を尊重するサインとされています。英語では「感情を出すこと=コミュニケーション上手」と考えられているのです。
人間関係・依頼表現:丁寧さの段階を意識する
日本語の「~してくれる?」や「お願いできますか?」は、英語では助動詞や語調で丁寧さをコントロールします。
親しい相手なら:
Can you help me? (手伝ってもらえる?)
少し丁寧にしたいとき:
Could you help me? (お手伝いいただけますか?)
さらに丁寧に:
Would you mind helping me? (手伝っていただけるとありがたいのですが)
フォーマルな文書では:
I was wondering if you could help me. (もしよろしければ手伝っていただけないでしょうか)
ポイント:“お願いの方向”が逆
日本語では「お願い」の形を取りますが、英語では「相手の意志や許可」を尊重するのが基本。つまり、文化的に“お願いの方向”が逆なのです。
コラム:Pleaseの使い方に要注意
“Please”は便利な言葉ですが、英語では使い方を誤ると命令口調に聞こえることがあります。
たとえば:
✕ Please send me the file.(少し強い印象)
○ Could you send me the file, please?(丁寧で自然)
このようにワンクッション入れるとより上級者らしい響きになります。
If it’s not too much trouble, could you check this for me? (ご面倒でなければ、これを確認していただけますか?)
状態・感覚の表現:「寒い」「疲れた」「嬉しい」
日本語では「寒い」「疲れた」「嬉しい」と主語を省略しても自然ですが、英語では「主語+状態」の形が必須。つまり「誰が」「どう感じているか」を明確に示す必要があります。
It’s cold. (外が寒い)
I’m cold. (自分が寒い)
I’m tired. (疲れた)
I feel exhausted. (ヘトヘトだ)
I’m happy. / I’m glad. / I’m delighted. (嬉しい・安心・喜び)
たとえば、「寒い」は“It’s cold”でも“I’m cold”でもOKですが、前者は気温、後者は自分の感覚です。日本語では曖昧に済ませられる部分を、英語では明確に分けるのが自然です。
ポイント:自分の感じ方をはっきり伝える
英語は「感情」も「状態」も形容詞で直接表す言語。「主語+be動詞+形容詞」で自分の感じ方をはっきり伝えることが、自然な会話の第一歩です。
コラム:似て非なる英語
“I’m cold.”は「寒い」ですが、“I have a cold.”は「風邪をひいている」。また“I’m hot.”は「暑い」ですが、文脈によっては「セクシー」という意味にもなるため注意が必要です。
感覚表現は、「主語+形容詞」または「have+名詞」の違いで意味が大きく変わるので注意しましょう。
【実践】日常会話・ビジネス・試験別!使い分けるコツ
同じ英語でも、会話・ビジネス・試験では「自然さの基準」が異なります。学習目的によって「自然さ」と「正確さ」のバランスを変えるのがコツです。
日常会話:カジュアルで自然に
日常会話では、文法よりも会話の流れが重視されます。つまり、正確さよりも会話のテンポと自然さが大切だということです。
Kinda tired today. (ちょっと疲れた)
Wanna grab lunch? (ランチ行かない?)
That’s cool! (いいね!)
カジュアルな場面では、ネイティブが実際に使う短い表現を意識しましょう。特に「That’s awesome!」 や「That’s cool!」のような反応語は、自然な会話の潤滑油になります。
コラム:口語の省略表現
ネイティブの日常会話では“going to → gonna”、“want to → wanna”のような省略が頻出。試験では避けますが、会話では「自然な響き」を作る要素になります。
ビジネス英語:丁寧さと明確さの両立
ビジネスでは、簡潔かつ丁寧な表現が信頼感につながります。
Could you please confirm the details? (詳細をご確認いただけますか)
That sounds reasonable. (それは妥当ですね)
I’d appreciate it if you could…(~していただけると助かります)
I’ll take care of it. (対応します)
ビジネス英語では、曖昧な表現を避けて、相手に意図が伝わる表現が重要です。「ズレ」を意識して、直訳ではなく「ビジネス文化に即した表現」を選びましょう。
コラム:曖昧さより明確さ
英語では「遠回しな表現=不安定」と受け取られることもあります。「正確で率直」な表現がビジネスの礼儀と覚えておきましょう。
試験英語:正確さと文法を重視
TOEICや英検などの試験英語では、「自然さ」よりも「文法・語法の正確さ」が重視されます。そのため、実際の会話よりフォーマルな表現が正答になることもあります。
I’m a little busy. (口語的:I’m kinda busy. は避ける)
○ Can you tell me where the station is? (正)
✕ Can you tell me where’s the station? (誤)
ポイント:英語としての正しさで判断
試験では「日本語をどう訳すか」より、「英語として正しいか」で判断する意識を持ちましょう。
中級者が意識したい「ズレ」の攻略法
英語を自然に使えるようになるためには、単語の置き換えではなく発想の切り替えが必要です。なぜなら日本語のような曖昧さを持ち込むと誤解を生むこともあるからです。
日本語の「濁す」文化 → 英語では「明確に言う」文化
英語は「主語」「感情」「意図」をはっきり伝える言語
中級者が意識したい「ズレ」の攻略法として、以下の3つを意識してみてください。
1.直訳ではなく、意図で考える
単語を置き換えるのではなく「何を伝えたいか」を重視する。
2.助動詞と副詞でトーンを作る
Could, might, a bit, kind of などが「柔らかい英語」を作る。
3.リアクションを言葉で返す
I see. / That’s great! / Really? など、自然な相づちを習得する。
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