nailの意味は普通「爪、釘」なのに、会話では動詞として使ってYou nailed it.と言ったり、beatは「打つ」なのにIt beats me.の意味が「わからない」だったり、普段の会話には、どうも意味がつかみにくい動詞がよく登場します。どのような場面でどういう意味で使われているのかを確認して、ネイティブの会話についていけるようになりましょう。
nailの会話での意味は?
普段「爪、釘」という名詞として使われる単語nailには、「釘を打つ」という動詞としての意味があります。ところが普段の会話では、動詞がそれ以外の意味を持つことも。動詞nailのさまざまな使い方を押さえておきましょう。
nailの基本の使い方
Can you nail it to the board?(それを掲示板に張り付けておいてくれますか?)
board(板、掲示板)に「釘で打ち付ける、ピンなどで固定する」ことを意味します。
His eyes were nailed on the screen.(彼の目はスクリーンに釘付けになりました)
「釘で打ち付ける」を比喩的に使い、受け身で「~が…に釘付けになる」と言うこともあります。
会話の中でのnailの使い方
You nailed it!(やったね!)
nailを「うまくやる、成功する」という意味で使い、何かをうまく成し遂げた人に対するほめ言葉として使います。
I nailed my dream job.(夢だった仕事を手に入れました)
「うまく仕留める、ものにする」というイメージで、「~を手に入れる」というときにも使うことができます。
beatってどう使う?
beatは通常「打つ」ですが、マイケル・ジャクソンのBeat It(「今夜はビート・イット」)という歌にあるように、口語では「打つ」という以外の意味でよく使われています。会話の中でbeatが出てきたときに迷ってしまわないよう、典型的な例を押さえておきましょう。
beatの基本の使い方
My heart beats rapidly.(心臓<の鼓動>が速く打っている)
「~を打つ」または「~が打つ、鳴る」という意味で使われ、心臓がドクンドクン言っているのを表すのにピッタリの語です。
The Dodgers completely beat the Yankees.(ドジャースはヤンキースを完全に打ち負かしました)
「~に勝つ、~を打ち負かす」という意味にもなります。beatの活用はbeat – beat – beatenで、現在形と過去形が同形であることに注意してください。
会話の中でのbeatの使い方
It beats me.(さっぱりわからない)
「それは私を打ち負かす」ということから、「さっぱりわからない、お手上げだ」という意味で使われます。会話では主語を省略してBeats me.とも言います。
Relaxing on the sofa with a beer. Nothing beats that.(ビールを飲みながらソファでリラックス。最高だね)
nothing beats ~(何も~を打ち負かすことがない)から、「~は最高だ、~に勝るものはない」という意味で使われます。
This is a private property. Beat it.(ここは私有地です。出て行って)
マイケル・ジャクソンの歌にあるようなbeat itは「逃げる、立ち去る」というスラングで、通常「逃げろ!」「出て行け!」という、少々キツイ表現になります。
shootの「撃つ」以外の意味は?
shootは「(銃を)撃つ」、「(ボールを)シュートする」などわかりやすい語のように思えますが、会話の中で突然Shoot!と言われ、面食らったりすることがあるかもしれません。普段の会話の中でどのように使われるのかを確認しておきましょう。
shootの基本の使い方
Don’t shoot. We’re unarmed.(撃たないで。武器は持っていません)
「(銃を)撃つ」という意味で、映画やドラマのセリフとして聞くことがあるかもしれません。unarmedは「武器を持っていない、非武装の」。
The movie was shot in Canada.(その映画はカナダで撮影されました)
shootには「(映画や写真を)撮影する」という意味があり、was shot in ~で「~で撮影された」となります。
会話の中でのshootの使い方
Shoot! I forgot my wallet.(しまった!お財布忘れた)
「しまった、チクショウ」というのにshootを使うことがあります。「糞」という意味のshitと音が似ていて、shitをやや婉曲的にするための言い方とされます。
Shoot! We’re listening.(言って!聞いてますよ)
「どうぞ話して、言ってください」と促すのにShoot!と言うことがあります。質問したいことがある人、何かを言いかけてやめてしまった人などに使うといいでしょう。
hit / crash / goも押さえておこう
こういった動詞の会話ならではの使い方は、辞書をよく見ると「口語表現」「スラング」などとして紹介されていますが、普段の会話の中で急に出てくると、とっさに意味を理解するのが難しいかもしれません。hitやgo、crashのような動詞の会話の中での使い方も覚えて、スムーズに会話についていけるようになりましょう。
hitの意外な使い方とは
hitは「打つ、襲う」といった意味で広く使われる語です。hit – hit – hitと、過去形・過去分詞が現在形と同じ形であることに注意してください。
The tornado hit the southern states.(竜巻が南部の州を襲いました)
例えば、会話の中で次のように出てきたら、どんな意味だと思うでしょうか?
Let’s hit the shops!
文字通りには「店を打つ」ですが、もちろん、店を壊したりするわけではなく、これは「買い物に行こう!」ということ。「打つ」が「行く、達する」というイメージになり、hit the road(出発する)と使われることもあります。
goは「行く」だけではない?
goはもちろん「行く」という意味の動詞で、会話の中ではよくgoのあとに直接動詞の原形をつけて、こんなふうに使われたりします。
Why don’t we go see a movie?(映画を見に行こうか?)
それでは、こう言われたらなんのことだと思いますか?
I asked him, “Why don’t we go see a movie” and he went, “No.”
彼は行ったのか行かなかったのか悩んでしまうかもしれませんが、このwent(go)は「言う」という意味を表し、saidと同じ。「彼に『映画を見に行こうか?』と聞いたら、『行かない』と言った」ということになります。このように、第三者の言ったことをそのまま伝える際によく使われます。
crashだけどぶつからない?
crashは車などが「ぶつかる、衝突する」ということ。典型的には、こんな風に使われます。
Two cars crashed on the expressway.(高速道路で2台の車が衝突しました)
それでは、こんなふうに言われたらどう答えればいいでしょうか。
Can I crash at your place?
「ぶつかる」という意味であるはずはなく、このcrashは「寝る、泊まる」という意味で、「あなたのところに泊まってもいいですか?」と尋ねていることになります。Sure.(いいですよ)またはSorry, no.(ごめん、ダメです)のように答えてあげましょう。
crashを「寝る」という意味で使うのは特にそれを予定していなかった場合で、
I crashed on the sofa.(ソファで寝ちゃった)
のように言うこともあります。
意味がわかりにくい動詞を使って会話をしてみよう
ここでご紹介した動詞を使うと、例えばこんな会話をすることができます。
A: And the manager went, “Congratulations! You got the promotion.”(それでマネジャーが言ったんだ。「おめでとう、君が昇進だよ」)
B: Wow, you nailed it! Let’s hit the bar and celebrate.(わあ、やったね! バーに行ってお祝いしよう)
A: Sounds great. Oh, shoot! The train will be stopped tonight. Can I crash at your place?(いいね。あ、しまった! 今晩電車が止まるんだ。君のところに泊まらせてくれないかな)
B: Sure. No problem.(いいよ。もちろん)
ネイティブの間では当たり前のように使われている言い方ですが、急に会話の中に出てくると戸惑うことがあるかもしれません。外国人との会話の中で使って慣れておきたいと思ったら、ぜひ、レアジョブ英会話のレッスンを活用してください。
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