「TOEICで高得点を取っても結局英語は話せない」「TOEICなんてあまり意味がないんでは？」なんていう意見、よく耳にしますよね。
その一方で、TOEIC学習と英会話学習を同時に実施することで、いわゆる「TOEIC高得点なのに話せない」を回避できたという声も耳にします。
今回は、TOEIC学習と英会話学習を同時に行うメリット・デメリット、その具体的な学習法についてくわしく解説します。
TOEICスコアと英会話力は必ずしも比例しない
まず、この記事でお話するTOEICテストとは、TOEICのリスニング＆リーディングテストをさしています。近年はスピーキング＆ライティングテストも選択可能となっていますが、日本では現在も、リスニング＆リーディングテストのスコアを活用する場面がまだまだ圧倒的に多いというのが現状です。
それでは、最初に「TOEICで高得点を取っても英語が話せるとは限らない」といわれる所以からお話ししていきますね。
TOEICスコアと英会話力との相関性
実際に、TOEICで高得点を獲得したからといって、それに比例して英会話力もアップするということはありません。
その理由はシンプルです。
TOEICテストに必要なのはインプット学習のみであるのに対し、英会話にはインプット学習とアウトプット学習の両方が必要だからです。TOEICと英会話では、必要となるスキルが異なるということですね。
TOEICに特化したインプット学習をしているだけでは、たとえ高得点を獲得しても自然と英会話力が向上するなんていうことは、ありえないのです。
英会話力があればTOEICの高得点獲得は可能
「TOEICスコアアップ⇨英会話力アップ」という相関性はありませんが、逆に、英会話力がアップすると、TOEICスコアはアップします。
理由は先ほどお話したように、英会話の学習にはインプットとアウトプットのどちらの要素も含まれるからです。
TOEICのテストの勉強だけをしていると、どれもこれも難しく感じてしまいますが、英会話がある程度身についてくると、TOEICの問題は簡単に感じるようになります。
英会話ができるということは、TOEICで求められるボキャブラリー・文法・文脈理解・情報処理能力といったスキルは身についているはずですし、その上、英会話では自分で文章を組み立てる力がとことん鍛えられます。
また、TOEICはコミュニケーション能力をはかるテストですが、そうはいってもビジネスシーンに範囲がしぼられているため、範囲の指定がない一般的な英会話力の方が難しいと考えることもできます。
ただし、TOEICは問題量に対してテスト時間が圧倒的に短いテストであるため、短時間で膨大な量の情報を処理できる能力が必要不可欠となります。時間配分や出題形式に慣れておくといった「対策力」も、TOEICのスコアアップの必要要素であるといわれています。
TOEICと英会話を同時に学習するメリット＆デメリット
英会話力があればTOEICの高得点獲得も可能というお話をしてきました。ここからは、TOEICと英会話を同時に学習するメリット・デメリットについてお話します。
TOEICと英会話を同時に学習するメリット
TOEIC学習に英会話学習を並行して行うメリットは、先ほどお話したとおり、なんといってもアウトプットの学習ができるということです。
コミュニケーションツールとして英語を習得するには、インプットとアウトプットの両方が必要不可欠で、インプットとアウトプットの作業を繰り返すことが重要ポイントとなります。
インプットの際にはわかったような気になっていても、アウトプットの際には、伝えたいことと実際に伝えられることの差、つまり自分の足りない能力が明確になります。
そしてその足りない部分・弱点を補うようにインプット学習を行い、そしてそれを確認するためのアウトプットをもう一度行う。こうしたサイクルの繰り返しによって、本当の英語力が身につき、わざわざTOEICの勉強をしなくとも、スコアアップはおのずとついてきます。
TOEICと英会話を同時に学習するデメリット
TOEICと英会話の同時学習には、もちろんデメリットもあります。
両方を並行して学習していると、自分が目標にしているTOEICスコアに到達するまでに、より長い時間がかかってしまうこともありえます。
ですので、大学入試や就職・転職の条件として一定のTOEICスコアが必要で、「短期間でTOEICスコアをアップすること」を目標としているのであれば、まずはTOEICの学習に集中してとりくみましょう。
TOEIC＆英会話の効果的な学習法
では実際には、どのような手順でTOEICと英会話の学習を始めるとよいのでしょうか。ここからは、TOEICと英会話の効果的な学習方法についてご紹介します。
英語学習の目標を明確にする
たとえば「TOEICで800点を目指してみよう」といった目標ももちろんよいのですが、もう一歩踏み込んで、「その目標が達成できた先のさらなる目標」について考えてみましょう。
目標が明確になると、その目標に応じて学習方法も変わってきます。的確な学習ができるので目標達成への近道にもなります。
800点に到達できたら、その後はどうしたいのか？「転職に必要な800点が取れればそれでいい」というのであれば、TOEICの学習だけに集中すればOK。
「800点とれれば海外赴任もねらってみたいな」というのであれば、英会話の学習も必要になってきますよね。
目先の目標だけにとらわれず、最終的にこうなりたい！という自分の姿をしっかり頭に思い描いてみましょう。学習継続のモチベーションにもつながりますよ。
今現在の自分のレベルを把握する
効率よく学習したいなら、まずは今現在の自分の英語レベルを把握することが大切です。
TOEIC800点を目指しているからといって、いきなり800点レベルの教材を買えばいいというわけではありません。
逆に、自分では初心者だと思っていても、実はそれよりもはるかに高い英語レベルだったなんていう場合もあります。
何を始めるにも、スタート地点の自分のレベルを知ることはとても重要です。
TOEICのテストを受けたことがなければ、実際にテストを受けてみましょう。
自分の弱点が把握でき、また、点数化することによってモチベーションを維持できるというメリットもあります。
まずは、市販のTOEIC公式問題集を使ってみるとよいでしょう。テストに使った後も、練習問題として活用できるのでおすすめです。
基礎学習となるTOEICのインプット学習
初心者レベルであれば、まずは基礎学習から始めましょう。英語の基礎となる基本的な英文法は、TOEIC学習にも英会話学習にも必要不可欠な知識です。
基本的な英文法が理解できたところで、自分のレベルに合ったTOEIC学習を始めましょう。TOEIC学習はインプット学習なので、一人で学習を始めることができます。
また、半年に１回、１年に1回など自分のルールを決めて、定期的にTOEICを受けてみましょう。
定期的にテストを受けることによって、自分の実力とその推移を客観的に知ることができ、英語学習のモチベーションにもつながります。
アウトプット学習を組み合わせた英会話学習
TOEICの学習に集中していると、ついつい点数だけにフォーカスしすぎて、自分の弱点を考えること自体難しくなることがあります。
ですが、そこにアウトプット学習を組み込むと、アウトプットする際に自分の能力が足りない部分を強烈に自覚することができます。
アウトプット学習によって、自分の弱点や強化すべきポイントを把握し、その部分を補うようにさらにインプットを重ねる。この繰り返しをぜひ心がけてください。
英語で独り言をいうといった一人アウトプット学習もありますが、実践的な英会話力の訓練にはやはり会話の相手が必要です。
現代はラッキーなことに、ネットやSNSで探せば、国をまたいださまざまな交流の場があります。また、場所や時間を自由に選ぶことができるオンライン英会話を活用するのもおすすめです。
TOEICと英会話力を伸ばしたい人は
TOEICには基本的な英語力・情報処理能力の他に、「対策力」が必要だといわれています。攻略本などもたくさん出回っており、TOEICに特化した対策を講じれば、スコアアップが可能でしょう。
ですが、その場限りの対策・コツを身につけてスコアをアップさせることよりも、きちんと英語力を磨きながらスコアアップを目指すのが本来の姿であるはずです。英語力をつければ、TOEICのスコアは必ずアップします！
コミュニケーションツールとして使える英語力を身に付ける！どうせTOEICの勉強をするのであれば、そこを目指した方がずっと楽しいと思いませんか？
今回ご紹介した勉強法を参考に、ぜひ『TOEIC高得点で英語も話せる人』を目指してくださいね！
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