IELTSの対策&勉強法まとめ!使いたい教材

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英語を学習している人のなかには、IELTSに興味を抱いたり受験を予定していたりする人も多いでしょう。事前に試験の基礎情報や特徴、傾向がわかっていると、学習が効果的に進めやすくなります。限られた時間のなかで準備してハイスコアを狙うためには、IELTS向けの対策方法や具体的な教材などを知っておくことで、効率よく実力アップできるでしょう。

そこで今回は、IELTS受験のために押さえておきたい基本情報や、おすすめの勉強法などを紹介します。

IELTSを受験するときに知っておきたい基礎情報

IELTSとは、英語4技能を測る試験です。日本ではTOEICや英検に比べるとやや知名度が低いものの、最近は国内でも入試などに活用する教育機関が増えてきました。TOEICや英検の受験経験はあっても、IELTSは初めて受験するという学習者も多いでしょう。

ここでは、IELTSを受験する前に押さえておきたい試験概要やスコアの目安、勉強時間などの基礎情報をご紹介します。

IELTSの試験概要

IELTSは「International English Language Testing System」の略で、既に30年の運営実績がある英語4技能試験です。世界各地で実施されており、毎年350万人以上が受験しています。スコアは0.5点刻みで採点され、各セクションが9点満点です。

おもに、イギリスやアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの英語圏の国に留学・就労・移住を希望する人のために実施されています。一方、日本では、東大や外務省で、英語力の判断基準として採用されています。

IELTSにはIELTS AcademicモジュールとIELTS General Trainingモジュールの2種類が展開されています。大学や高等教育機関に出願する際に用いられるのがAcademicモジュールで、英語圏の国に移住する際に使えるのがGeneral Trainingモジュールです。本記事では、大学・大学院への進学や専門職への登録に役立つIELTS Academicモジュールをおもに取り上げます。

スコアの目標目安

IELTSでは、各セクションにおいて0.5点刻みで1から9までの段階評価が与えられ、これを「バンドスコア」といいます。また、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能の平均スコアを「オーバーオール」と呼びます。

スコアのレベルの目安は以下の通りです。

バンドスコア~3:毎日の生活のなかで簡単な内容を英語で伝えたり理解したりできるレベル
バンドスコア~4:は身近な話題や慣れたテーマであれば基本的な英語を理解できるレベル
バンドスコア~5:日常生活のほとんどを英語で理解し、コミュニケーションできるレベル
バンドスコア~6:誤解や表現力の不足があるものの、英語の基礎力があり複雑な状況にも対応できるレベル
バンドスコア~7:状況によっては認識に齟齬が出ることがあるものの、複雑な言い回しでもおおむね対応できるレベル
バンドスコア~8:多少の間違いは見られても、込み入った会話内容や議論でも対応できるレベル
バンドスコア~9:ネイティブに近い英語力と理解力を持っており、流暢に正しい英語が使えるレベル

教育機関への出願を目指すには、最低でもオーバーオール6.5、全セクションでバンドスコアを6.0以上獲得することを目標にしましょう。ちなみに、6.5は4年生大学卒業と同等のレベルです。

勉強時間の目安

IELTSの試験では、0.5点刻みで実力が評価されますが、点数の小数点以下が0以上0.25未満の場合は切り捨てされ、0.25以上0.75未満では0.5、0.75以上は切り上げして点数化されます。

オーバーオールスコアを0.5アップするためには、一般的に200~300時間の学習が目安です。たとえば、1年かけて0.5を上げるには月におよそ16~25時間、半年間では33~50時間程度の勉強時間が必要になるでしょう。

IELTSの対策基本の5ステップ

試験の準備をする際には、出題傾向やレベルに合わせた対策をしておくと実力を発揮しやすくなります。ここでは、IELTSの試験に向けた基本的な対策を5段階に分けて紹介します。

1.英単語・英文法で基礎を固める

語彙や英文法を強化し基礎を固めると、英語の基礎力が高まり試験でも効果が発揮しやすくなります。まずは、IELTSで出題されやすい英単語を短期間で覚え、一度学習した語彙は通勤時間などを利用して試験まで繰り返し学習するのがおすすめです。英単語の知識を強化すると、全てのセクションで理解できる英語が増えて得点アップにつながります。

基礎文法に不安がある人は、まずは中学英語を、続いて高校英語を一通り学習しておきましょう。高校レベルの英文法を復習すると、基礎的な内容がほぼ全てカバーできます。

2.公式問題集を1回解いてみる

IELTSの頻出語彙や基礎的な英文法の確認ができたら、IELTSの公式問題集を一度解いてみましょう。時間制限を設けて本番と同じように問題を解いてみると、IELTSの試験の流れが掴めます。「どのくらいのペース配分で問題を解く必要があるのか」や、「難易度や自分のレベルはどのくらいなのか」といった点が確認できるはずです。

また、公式問題を一度通して解くことで自分の苦手分野がわかり、対策が取りやすくなります。時間がかかってしまう分野や得点が取れないセクションなどを把握し、残りの学習期間で何に集中して取り組むべきかがわかります。

公式問題集は、出版時期が新しい公式問題集を選んで購入するのがおすすめです。全て英語で記載されており、この点でも本番の試験に慣れることができます。

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出版社Cambridge English
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3.各セクション別の対策をする

公式問題集で試験の全体像や自分の英語レベル、得意・不得意の傾向が掴めたら、セクション別に対策を進めます。IELTSの試験は、ネイティブスピーカーや英語の上級者であっても満点を取るのが難しい試験といわれています。模試を解く段階での手応えやスコアの結果によって、以降の学習の戦略を練りましょう。

4技能全てが測定されオーバーオールに反映されるため、得意分野でも引き続きしっかり得点を取れるように、バランスよく学習計画を立てるのがおすすめです。

4.苦手分野を強化する

苦手分野に関しては、限られた期間で効率よく実力を伸ばせるように対策を打ちましょう。IELTS用の参考書や問題集などを使って強化したり、英会話スクールやオンライン英会話などプロの力を借りたりすると効率よく得点アップを目指せます。

IELTSのライティングとスピーキングは、特に対策をしておかないとスコア獲得が難しい分野です。ただし、事前に準備をしておけば得点化しやすいセクションでもあるため、書き方や話し方についてIELTS用の対策を講じておきましょう。

5.ひたすら公式問題集を解く

英単語や英文法など基礎力を強化し、各セクションの対策や苦手分野の集中学習を行ったら、試験日までに公式問題集をひたすら解くのがおすすめです。出題形式にできるだけ慣れて、時間内に解き終えられるようにしておきましょう。タイマーをセットして本番と同じ時間設定で行うことが大切です。

また、一度解くだけで終わりでなく、答え合わせや復習にもしっかりと時間を取りましょう。解けなかった問題やわからなかった単語・文法事項などはしっかりとメモし、参考書や問題集で再び対策しておく必要があります。なぜ間違ったかわからない場合は、ネイティブスピーカーや英語講師に聞いて、疑問を残さないようにしてください。

IELTS各セクション別の問題の傾向と対策まとめ

各セクションの得意・不得意は学習者によって異なります。セクションごとの傾向や対策を知っておくことで、効果的にIELTSの対策ができるでしょう。

ここでは、IELTSの出題傾向や対策などをリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングそれぞれに分けて紹介します。

リスニング

英語学習をしている人のなかには、リスニングを苦手としている人も多いでしょう。IELTSのリスニングセクションでは音声が1度しか流れないため、焦ってしまい実力が発揮できないという人もいます。

ここでは、IELTSのリスニングセクションの基本情報を知って万全に対策できるように、リスニングセクションの概要、問題の傾向やレベル感、勉強方法などをご紹介します。

セクション概要

IELTSのリスニングの試験時間は、約40分間です。IELTS AcademicモジュールとIELTS General Trainingモジュールで共通の試験になっています。

リスニングの試験中は、いかなる理由でも退室が許可されていません。リスニング試験中に退室してしまうと、試験を再開することができなくなってしまうので注意が必要です。

IELTSにはペーパーベースの受験とパソコンでの受験(Computer-Delivered IELTS、CDI)の2種類があり、試験の進め方やヘッドホンの使用可否などに違いがあります。CDIを受験する場合は、受験前に公式サイトで受験の流れを確認しておきましょう。リーディングセクションやライティングセクションでも同様です。

リスニング試験は4パートに分かれ、全40問で構成されています。パート1は2人の話者によるダイアログ、パート2は1人の話者によるスピーチ、パート3は2~3人の話者による会話、パート4は1人の話者によるスピーチです。問題の難易度によって多少の誤差はありますが、スコアを6.5獲得するためには27~29問の正答を目標としましょう。

問題の傾向

IELTSのリスニングセクションは、パート1からパート4にかけて難易度が高くなっていく傾向があります。後半に難易度が高くなるため、前半から集中して正答できる問題は確実に正答していく必要があるでしょう。また、前半の2つのパートでは日常生活の一場面を想定しているテーマが扱われ、後半の2つのパートでは大学でのシーンや専門的な内容などが扱われます。

学習者によって難易度の感じ方は異なりますが、TOEICなど他の試験でハイスコアが取れる人でも、前もってIELTSの問題形式に慣れておかないと厳しいと感じることが多いでしょう。とくに、中間のパート2やパート3は選択問題やマッチング問題などが出題されますが、細かい内容まで聞き取って内容を理解する必要があります。

リスニングの勉強法:IELTS頻出の単語を覚える

どのセクションにおいても語彙力を高めておくことが必須ですが、リスニングでも語彙力がないと細かい内容を正確に理解するのが困難です。また、実際に受験してみると、音声は聞き取れているのにスペルが書けなくて正答できないというケースもあります。IELTSのリスニングに頻出する単語を事前に対策しておくと、聞き取れているのに書けないという悔しいミスを防げます。

パートごとに頻出する単語の傾向があるため、とくに力を入れたいパートの頻出単語を集中的に強化するのもおすすめです。スキマ時間を使いながら、効率よく語彙力を鍛えていきましょう。

リスニングの勉強法:効果的なメモの取り方を練習する

IELTSのリスニングでは、メモの取り方も重要です。リスニング中は、焦らずに落ち着いて音声の内容を聞き取り、必要な情報を書き留める必要があります。リスニングの練習段階から本番を想定してメモの取り方を考えておくと良いでしょう。

効果的にメモを取るためには、リスニング能力を鍛えて重要な情報やそうでない情報を自然と聞き分ける力が求められます。また、一瞬のうちに耳で聞いてインプットしながら手で書いてアウトプットしなければならないので、普段のリスニング練習からメモを取る習慣をつけておきましょう。本番中に全て書き留めることは難しいため、キーとなる情報を聞き分けて書き留める練習をすることが大切です。

リスニングの勉強法:イギリス英語の表現や発音に慣れる

IELTSのリスニングセクションでは、イギリス英語に寄った表現や発音が使われることが多くなっています。IELTS専用の参考書やイギリス英語の参考書、BBC放送などで耳を慣らしておくとリスニング問題を解きやすく感じる場合があります。

リスニングでは、日常生活のシーンから大学でのシーンまで幅広い場面で異なる性別、年代の人の音声が使われます。アメリカ英語に慣れている学習者にとっては、聞きなれないアクセントや単語が使われることもあるので要注意です。

リスニングの勉強法:ディクテーションを勉強する

リスニング能力を鍛えるためには、ディクテーションを行うのも効果的です。ディクテーションは、音声で聞こえた文章を全て書き取るリスニング練習方法の1つ。一字一句残さず書き取ることで、文法や語法、スペルなどを正確に把握しているかを確認できます。

IELTSのリスニングセクションでは、Part1とPart4で聞こえた単語を書き出す問題が出題されます。普段からディクテーションでリスニング力を鍛えておくと、問題が解きやすくなるでしょう。IELTSの公式問題集やIELTS用の参考書を使って練習しておくと、頻出単語や表現を中心に強化できます。

リーディング

IELTSのリーディングセクションは文章のボリュームが多く、問題形式も特徴的です。他の試験に慣れている英語学習者でも、IELTS用の対策を講じておかないと実力を発揮できないことがあるでしょう。

続いて、IELTSリーディングセクションの概要、問題の傾向やレベル感、勉強方法などを紹介します。

セクション概要

IELTSのリーディングの試験時間は、60分間です。解答用紙に答えを書き写す時間が設けられているリスニングと異なり、リーディングでは試験時間中に解答用紙を完成させておく必要があります。時計や大画面によって残り時間を確認できるため、時間配分の目安にしましょう。リーディング試験では、最後の10分間を除いて体調不良やトイレなどでの一時退出が可能です。

Academicモジュールのリーディング試験は全40問で、900語前後の長文が3題出題されます。論旨に沿って文章の内容を読み取る力や書き手の意図や態度、目的を正確に把握するスキルが問われます。暗示的な意味や細部の読み取りなどの読解力も必要です。

問題の傾向

IELTSのリーディングで出題されるテキストは、実際の書籍や学術系の雑誌、新聞記事からの抜粋です。取り扱われるテーマは、自然科学や社会科学、人文学など多岐に渡ります。文章の形態も、書籍の内容や新聞記事、学術的な内容の雑誌などさまざま。表やグラフ、イラストなどの非言語的な要素を含む場合もあります。設問として、選択肢問題、正誤問題、内容一致、文章・表などの穴埋め問題が出題されます。

Academicモジュールのリーディング試験で扱われるのは、大学の授業で扱われるような学術的な内容です。専門的な知識は文章のなかで解説されているので特別な勉強をする必要はありませんが、アカデミックな用語や文章に慣れておく必要があるでしょう。

リーディングの勉強法:公式問題集を繰り返し解く

リーディングの対策には、早めに公式問題集を購入して繰り返し説くのがおすすめです。まずは、問題にざっくりと目を通し、60分の時間内に3つの文章を読んで問題を解きます。1つのパッセージに割く時間が偏らないように、途中経過も時間を計りながら進めましょう。

解き終わったら、採点や解説の読み込みを行います。理解できなかった単語を調べて再度文章を読み直すと効果的です。この段階で語彙力の不足を感じる場合は、単語帳などで語彙力強化に力を入れましょう。ただし、どれだけ単語を学習しても知らない単語に出くわしてしまうのは当たり前です。ある程度学習が進んだら、知っている単語や文脈などから推測する力も養っておきましょう。

リーディングの勉強法:解答につながるキーワードを探す練習をする

リーディングでは時間との勝負になるという受験者も多いでしょう。限られた時間で問題を解き終えるためには、速読だけでなくキーワードを掴みながら要領よく文章の内容を把握するスキルが必要です。全てを読み込まなくても、設問や解答につながるキーワードが押さえられていれば得点を獲得できることも多いでしょう。

IELTSのリーディング試験のなかでは、キーワードが類語や類似表現に言い換えられていることがあります。問題文のなかの表現が全く同じ形で本文中に書かれているとは限らないため、パラフレーズを理解しながら要領よく正答するスキルを身に付けましょう。また、具体的な言葉と抽象的な言葉がリンクされている場合もあります。

リーディングの勉強法:パラグラフリーディングを練習する

長文を段落ごとのまとまりで読み進めていくパラグラフリーディングを練習すると、全体の話の流れや主旨を読み取りやすくなります。パラグラフリーディングをしたことがない人は、まずは短い段落の内容を掴むことから始めてみましょう。公式問題集や参考書、インターネット記事や新聞記事など、あらゆる英語の文章を使って練習できます。

段落を一気に読み、一度文章から目を離してみましょう。段落の内容や要旨を声に出したり書き出したりしてみると、理解できているかどうかを自覚できます。パラグラフリーディングのスキルを磨いておくことで、試験の時間内に解答に必要な情報を掴みやすくなります。

リーディングの勉強法:スキャニングを習得する

スキャニングとは、長い文章の中から特定の情報を探しだすスキルです。限られた時間の中で大量の文章を読んで設問に答えることが求められるIELTSのリーディングでは、必須のテクニックといえるでしょう。

普段の学習の段階から、設問内のキーワードを察知して必要な情報を素早く本文中に探しに行く力を身に付けておくことが求められます。固有名詞や年号など、キーとなる情報に印をつけるなど、自分なりのルールややり方を決めてスキャニングの練習をしておくと効果的です。

ライティング

他の英語試験でハイスコアが取れる英語学習者でも、IELTSのライティングセクションは一定の対策をしておかないと難しいと感じることが多いはずです。心理的にハードルが高く、後回しになりがちなライティング対策ですが、試験前にIELTS用の練習を重ねておく必要があります。

ここでは、IELTSライティングセクションの概要、問題の傾向やレベル感、勉強方法などを紹介します。

セクション概要

IELTSのライティングの試験時間は、60分間です。2つの問題が用意されており、Task1では図やグラフ、表を説明するエッセイを作成します。Task2は、提示された課題に対して自分の意見を述べる問題です。客観的に事実や内容を説明するスキルと、説得力を持って主観的な意見を述べるスキルが必要とされます。

2つのタスクの間で時間配分は指定されておらず、60分以内に2つのタスクを完了すれば問題ありません。Task1の目安時間は20分、Task2の目安時間は40分とされています。

ライティング試験中は、体調不良やトイレなどの一時退室が許可されています。ただし、最後の10分間は退室できないので注意しましょう。

問題の傾向

ライティングセクションのTask1では、150語以上でライティングを行うという指定があります。AcademicのTask1は、図やグラフ、表などを分析して英語で説明するレポート形式です。テストによって内容が異なりますが、棒グラフや円グラフ、折れ線グラフ、表、ダイアグラムなどが用いられるパターンが多く、パターンごとに練習しておくのがおすすめです。データや根拠を示しながら客観的に説明する力をつけておきましょう。

Task2は、240語のエッセイが出題されます。テーマは文化や環境問題、教育など多岐に渡りますが、一般的な教養があれば解答できる範囲です。質問にはいくつかのパターンがあり、賛否や意見、利点や欠点、原因の説明など、頻出する質問があるため、あらかじめ練習しておくのがおすすめです。

バンドスコア6.5を目指すには、論理的にエッセイを書き上げる必要があります。高い英語スキルに加えて、論理展開や首尾一貫性などを意識しながら物事を論理的に英語で説明する力を付けておきましょう。

ライティング勉強法:アカデミックライティングの単語・表現を覚える

ライティングのタスクに回答するために必要な単語や表現を一通り学習して記憶しておいてください。口頭では説明できても、文語表現を曖昧に覚えてしまっているため正確に書けないケースがあります。

必ずしもハイレベルの語法や文法を使う必要はありません。自信を持って使える表現を増やしていき、文章の正確性を上げていきましょう。ライティングの練習では、単語や表現、語法の使い方が正しいかを辞書や参考書で確認したり、ネイティブスピーカーに見てもらったりするのがおすすめです。

ライティング勉強法:プランニングを練習する

プランニングは、文章を書く前に内容を考えて整理しておくことです。IELTSのライティング対策では、プランニングの練習をしておくと効果的。例えば、「質問で聞かれている内容は何か」「メインの主張はどのようにするか」「具体例や説明などにはどのようなアイデアが使えるか」「自分の意見やスタンス、文章の構成はどのようにするか」などの項目を整理しておきます。

書き始める前にプランニングを作成しておくことで、論理的なエッセイを構成したり語数の不足を防いだりできるでしょう。プランニングが不十分だと、内容が曖昧になってしまい主張がブレてしまったり途中で書くことがわからず手が止まってしまったりします。ライティングの勉強をする際には、まず始めにプランニングを5~10分程度で行う習慣をつけましょう。

ライティング勉強法:繰り返し作文してエッセイに慣れる

エッセイを書き慣れていないと、時間内に考えをまとめて指定の語数以上で書き上げるのが難しく感じられる人が多いようです。何度も英文に触れて、抵抗なく英作文できるようにしておきましょう。

一度書いたエッセイは、時間を置いて後から読み直してみるのも効果的です。後から読むと、細かい文法・語法のミスやスペルミスなどに客観的な視点で気付けることがあります。また、再び読むことでより良い表現方法や論理構成が思い浮かぶ可能性もあります。

このように、繰り返し作文してエッセイの作成や読み直しに慣れておくことで、ライティングの質や構成力を高めることができます。

ライティング勉強法:添削を受けて間違いを把握する

辞書や参考書を使って自分でライティングの対策をすることも可能ですが、できればネイティブスピーカーや英語講師などに添削してもらうと、より正確な文章が書けるようになります。自分では気が付かなかったミスや不自然な言い回し、意味の通らない箇所などを指摘してもらうと実力アップにつながるものです。

ただし、本番と同じ基準で採点するのは難しいため、スコアを重視するよりは苦手なポイントやミスを把握し正しい英語を書けるようにする目的で添削を利用すると良いでしょう。身近に添削を頼める人がいない場合は、手軽なオンライン英会話サービスを利用する方法がおすすめ。プロの英語講師からライティングに関して適切なアドバイスを受けられるでしょう。

スピーキング

スピーキングは、留学・海外経験、英会話学校通学の有無などによって得意・不得意が分かれる分野です。IELTSでは、対人の会話によってコミュニケーションスキルが試されます。

最後は、IELTSライティングセクションの概要、問題の傾向やレベル感、勉強方法など紹介します。

セクション概要

IELTSのスピーキングの試験時間は、11~15分程度です。筆記試験と同日に行われるケースと、別の日にスピーキングが行われるケースがあります。試験中は、不正防止や再採点などの目的で音声が録音されます。

自己紹介や挨拶、スピーチ、ディスカッションの3つのパートに分かれて試験が実施されます。決められた回答はなく、IELTSの試験官が採点基準をもとに採点します。

試験は個室で試験官と1対1で行われるため、受験者の英語能力や話すペースにある程度合わせてくれます。また、質問が聞き取れなかった場合は、質問を繰り返してもらうことができます。

問題の傾向

Part1では、試験官が自己紹介をした後に、受験者が自己紹介をするように誘導されます。本人確認や家族や仕事、研究、興味などの身近なテーマについて質問されるでしょう。Part2はタスクカードが手渡され、特定のテーマについて1~2分のスピーチを行います。準備時間が1分与えられ、メモを取ることも可能です。また、試験官からいくつかの質問があります。Part3は、Part2に関連したその他の質問が与えられるディスカッション形式です。受験者は自分の意見や一般的な問題などについて述べます。

スピーチは、ある程度練習しておかないと短い時間で意見をまとめるのが難しいでしょう。また、質問には短い返事を返して終わってしまうのではなく、説明や具体例などを付け加えることがスコアを伸ばすために重要です。

スピーキング勉強法:試験の評価基準を知る

IELTSでは、「Band Descriptors(バンドディスクリプター)」という評価基準を用いてスピーキングが評価されます。あらかじめ評価基準を知っておくと効率よくスピーキングの準備ができるでしょう。

評価基準には、「Fluency and Coherence(流暢さと一貫性)」「Lexical Resources(語彙)」「Grammatical Range and Accuracy(文法の柔軟性や正確性)」「Pronunciation(発音)」といった4つの項目があります。受験者の話し方を見ながら質問を変えていき、これらの項目が評価されます。特に、Part3での話し方は評価に大きな影響を与えるといわれています。

スピーキング勉強法:使える表現を増やす

スピーキングでは何を話して良いかわからなくなってしまい、言葉が口から出てこないという人もいるでしょう。そのような場合は、スピーキングセクションで使える表現をリストアップしておき、自分のものになるように繰り返し学習しておくのがおすすめです。

それぞれのPartの出題傾向に合わせて、使えそうな表現を見つけたらリストを更新していくのが便利です。自分の意見や感情を表す表現などを覚えておくと、本番でさまざまな質問に応用できるでしょう。

スピーキング勉強法:口頭で素早く英作する練習をする

スピーキング対策として、さまざまなテーマに対して口頭で素早く意見を述べたり説明したりする練習がおすすめです。瞬発的に英文を作れるようになっているので、スムーズに口から英語を発することができるようになるでしょう。

英作文が得意な人でも、瞬時に言語を転換できないと会話についていけないことがあります。実際に口を動かしながら英作するトレーニングを重ねておくと、本番でも流暢に英語を話せるでしょう。質問に対して素早く反応できるようになります。

スピーキング勉強法:何度も繰り返し実践練習を行う

スピーキングの準備は、実践的なシーンで練習するのが効果的です。自分1人で勉強しているときは作文できるのに、他の人を目の前にすると緊張して英作するスピードが落ちてしまう人もいるでしょう。

英会話スクールやオンライン英会話サービスなどを利用して、自分が作成したフレーズを聞いてもらったり、実践的な会話練習を重ねたりするのがおすすめです。第三者に聞いてもらうことで新しいアイデアやアドバイスをもらえるでしょう。スピード感を持った英会話に慣れることができ、本番でも落ち着いて自信を持って会話できます。

IELTSの勉強で役立つおすすめ教材

ここからは、IELTSの試験対策におすすめの教材をピックアップして紹介します。語彙力アップや文法力アップなど目的・セクション別にご紹介するので、苦手分野や強化したい分野に合わせて選ぶと効果的に対策できるでしょう。限られた時間でIELTSの目標スコアを達成するためにお役立てください。

語彙力アップのための教材

IELTS必須英単語4400』は、IELTSで必須の英単語3300と英熟語1100を学習できる単語集です。IELTSの語彙力を リスニングやリーディングなどのインプットだけでなく、ライティングやスピーキングなどのアウトプットに使える実力が身に付くでしょう。単語と例文、日本語訳が記載されているため、記憶に定着しやすくなります。

また、音声にも日本語と英語が収録されているため、移動中などに学習する際にも便利です。英単語の重要度がレベル分けされているため、必要な箇所を集中的に学べるのも嬉しい点といえるでしょう。

おすすめレベル初級~上級
著者林功、小玉英央
出版社ベレ出版
価格(税込み)2,970円

文法力アップのための教材

English Grammar in Use 5th edition Book with answers and interactive ebook』は、英語学習者の間でもお馴染みの文法教材です。英語によって英文法を学ぶと、総合的な英語力もアップするでしょう。日本語の文法書だけでなく、英語の教材に触れながら英語学習に力を入れたいと考えている人におすすめです。

構成はシンプルで説明がわかりやすいため、文法の復習用としてこの1冊に集中して取り組んでみるのも効果的。全て英語で書かれているため、初級の段階では難しく感じるでしょう。

おすすめレベル中級~上級
著者Raymond Murphy
出版社Cambridge University Press
価格(税込み)3,500円

リスニング対策用の参考書

実践IELTS技能別問題集リスニング(音声DL付)』は、IELTSのリスニングセクションが聞き取れるようになる方法を学び、多くの問題を解いて慣れることができる教材です。各パートの特徴や進行、解き方が解説されているため、効率的にIELTSのリスニング対策ができます。丁寧な解説によってリスニングで得点を取るポイントを学べるでしょう。大量の練習問題をこなしておくことで、自信を持って本番に臨めます。

巻末には本番形式の模試が2回分ついているので、実力チェックにぴったりです。長い会話からモノローグまで、英語を確実に理解できるようになっていくでしょう。

おすすめレベル中級~上級
著者松園保則
出版社旺文社
価格(税込み)2,860円

リーディング対策用の参考書

パーフェクト攻略IELTSリーディング 新装版』には、本番5回分のパッセージが収録されています。押さえておきたい11の設問タイプを整理して学習し、スコアアップを目指せるでしょう。

リーディングの和訳が載っているため、効率よく学習を進められます。限られた時間でリーディングセッションを集中的に強化して実力アップしたい人におすすめです。

おすすめレベル中級
著者トフルゼミナール
出版社テイエス企画
価格(税込み)2,640円

ライティング対策用の参考書

IELTSのライティングのスキル習得とスコアアップには、『IELTS ライティング徹底攻略』がおすすめです。出題されやすいトピックや必須トピックを効率よく学び、本番に備えて練習できます。テーマ別語彙や必須フレーズ、言い換えテクニックなどを学習できるので、効率的にライティングのスキルを身に付けられるでしょう。

ライティングについて大切なポイントがまとめられており、内容が充実しおり、ライティングに役立つ文法や語法などのレベルを高めていけます。何度も読み返しながら、ライティング練習の数をこなしていきましょう。

おすすめレベル中級~上級
著者植田一三、小谷延良、上田敏子
出版社語研
価格(税込み)2,640円

スピーキング対策用の参考書

IELTSスピーキング完全対策』は、スピーキングの対策に役立つ参考書です。日本人が苦手意識を持ちやすいスピーキングセクションに特化してIELTSの対策ができます。ポイント解説が充実しており、具体的な戦略や採点基準、頻出トピックやモデルアンサーなどが掲載されています。タイトルの通り、スピーキングセクションに向けて「完全対策」ができるでしょう。

重要表現や類似表現の違いなども丁寧に説明されているので、この本を見ながら本番用に回答を作成しておくのも良いでしょう。総合対策本ではなかなかスピーキングの適切な対策ができないと感じている人におすすめです。

おすすめレベル初級~中級
著者嶋津幸樹
出版社ディーエイチシー
価格(税込み)2,420円

まとめ

今回は、IELTSの試験について基礎情報や対策方法などを詳しく紹介しました。IELTSは世界で通用する試験なので、留学や研修などに役立ちます。また、国内でも入試にIELTSを活用する学校が増えています。

IELTSは0.5点の得点アップでも多くの学習時間が必要とされています。そのため、オンライン英会話を活用すると、適切なアドバイスをもらいながらスピーキングなどのアウトプット学習を効率よく行えるでしょう。

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