ニュースや会議、メールなどで「リソース」という言葉がよく使われるようになりました。英語のresourceをそのままカタカナにしたものですが、辞書で引くと「資源、資産、供給源」などさまざまな意味があり、「結局、どういう意味なの?」と悩んでしまうことがあります。
そこでここでは、英語のresourceが持つ本来の意味と、どのような場面でどんな意味で使われるのかを見ていきたいと思います。
resourceの本来の意味は?
lack of resources(リソースの欠如)と言われても、「足らないのはお金?材料?人?」と考えてしまいますよね。実は、resourceはそのいずれを指すこともできるのです。まずは、resourceの基本的な意味を考えてみましょう。
resourceは「役に立つ価値あるもの」
resourceは政府や企業、または個人が持っているもので「役に立つ、価値があるもの」を指します。具体的には、石油などの「資源」を指すこともあれば、ビジネスを進めるための「資金」である場合もあり、プロジェクトに必要な「人員」を意味することもあります。
つまり、誰かがresourceという言葉を使ったときは、それが何を指しているのか、前後の文脈や相手の立場から推測する必要があるのです。
実は便利に使えるresource
「なぜそんなあいまいな言葉を使うんだろう?」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、money(お金)やpeople(人)という直接的な言葉を使わずに「必要なものが欠けている」と言うことができるので、実はなかなか便利なのです。例えば会議などで
We have limited resources.(リソースが限られている)
と言った場合、「予算とか人員とか、目標を達成するために必要なものがいろいろ欠けている」と、漠然と表現することができます。この便利さが、resource(リソース)という言葉が巷でよく使われるようになった理由ではないかと思われます。
resourcesと複数で使う?
辞書で見るとresourceは「通例複数形」と書かれていることがあります。これは「資源、資産、物資」などを表す場合で、特定の「この資源」というわけではなく、「目標を達成するためのさまざまな必要要素」を指すのに使われます。
It’s a waste of resources.(リソース<=資源>のムダづかいだ)
一方で、役に立つ「資料、手段」などを表すことができ、a resourceという言い方も可能です。
This is a good resource to learn English.(これは英語を習うためのいいリソースだ)
この場合のresourceは、本だったり学習方法だったり、英語を習うのに「役立つ1つのもの」を指します。つまり、自分が何を言いたいかによって、resourceは単数のこともあれば、複数のこともあるのです。
「資源」「人員」「能力」など、さまざまなresourceを使いこなそう
それでは、実際にresourceという単語がどのような場面で使われるかを見ていきましょう。英語のニュースを理解したり、英語の会議やプレゼンテーションに参加するときに役に立つはずです。
「資源」としてのresource
We should protect our natural resources.(自然資源を守らなければ)
石油やガスのような「天然資源」だったり、森林や海洋などの「環境」、または「野生動物」だったり、自然界の資源を幅広く指します。mineral resources(鉱物資源)、marine resources(海洋資源)のように言うと、具体的に特定できます。
「資金」としてのresource
We need to find a way to ensure resources.(資金を確保する方法を見つける必要があります)
「資金、予算」と具体的に「お金」を指すことがあります。financial resources(財源)と言うと、より具体的になります。
「人員」としてのresource
I’m a member of Human Resources Department.(私は人事部に所属しています)
Human Resources(人事)はよくHRと略して使われます。人事関係の人がWe need more resources.と言ったらそれは、「もっと人材が必要だ」ということです。
「資料」としてのresource
I found a good resource to understand the theory.(その理論を理解するのによい資料を見つけました)
本やインターネットで見つけたニュースなど、「参考資料」になるものをresourceで表現することができます。
「手段」としてのresource
Do we have any resources to solve the problem?(問題を解決するのに何かよい手段はありますか?
具体的な物や人ではなく、何かの「手段、方法」として使われることもあります。
「能力」としてのresource
She has a great resource for communication.(彼女には素晴らしいコミュニケーション能力があります)
resourceは人の「能力、才能、力量」を表すこともできます。resourceful personと形容詞resourcefulを使うと、「機転が利く人、能力が高い人」ということになります。
ITで使うresource
We have no more resources available for the computer.(そのコンピューターで利用できるリソースがもうありません)
IT用語では、ディスク容量や処理速度などをresourceと呼ぶことがあります。ITエンジニアがresourceという言葉を使ったら、ハードウェアやソフトウェアの能力のことを言っているのだと思ってください。
A: We need more resources. Maybe we should talk to Human Resources Department.(もっと人員が必要です。人事部に言うべきかもしれません)
B: I hope they can find someone who has a good resource.(能力の高い人を見つけてくれるといいんだけれど)
A: Or we can rely on outsourcing resources.(もしくはアウトソースという手段に頼ることもできます)
レアジョブのオンライン英会話レッスンも、英会話を習得するためのresource(リソース=手段)の一つです。The lessons are great resources to improve my English conversation skills.(レッスンは、英会話のスキルを伸ばすのによいリソースです)と言うことができます。
レッスン中に先生と話をするときも、I found good resources to study.(勉強にいいリソース=資料を見つけたんです)、I want to be a good resource for our company.(会社にとってよいリソース=人材になりたいんです)といったフレーズを使い、ぜひresourceの使い方を自分のものにしていってください。
まとめ
すごく重要なことを指しているはずなのに、あいまいで具体的な意味が特定しにくいというユニークな特徴を持つ単語、resource。ここでご紹介した「役に立つ、価値があるもの」という意味を念頭に置いて、それぞれの場面で意味していることを考えてみましょう。自分が使うときに意味をはっきりさせるには、natural resources(自然資源)、financial resources(財源)のように、単語を補って使ってみるといいですよ。
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