「TOEICの過去問ってあるの?」と疑問に思ったことはありませんか?
実は、TOEICには公式の過去問は存在しません。
では、過去問がない中で、どうやってスコアアップを目指せばよいのでしょうか?
この記事では、TOEICに過去問がない理由や効果的な対策法、そして代わりに使える公式問題集や無料模試サイトについて、わかりやすく解説します。
初心者から上級者まで、「本番に最も近い教材」で効率的に学習したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
TOEICに過去問がないの?何で対策すればいいの?
結論から申し上げますと、TOEICには公認の過去問は存在しません。
これは、試験運営団体であるETS(Educational Testing Service)が、世界共通の基準でスコアを評価するために、問題の持ち出しや公開を一切禁止しているためです。
TOEICは世界約160か国で実施されているグローバルなテストであり、もし過去問が一般公開されてしまうと、出題傾向が偏ってテストの公平性が保てなくなるため、問題用紙の持ち帰りや撮影・掲載が禁止されています。
とはいえ、「過去問がない=対策できない」わけではありません。
代わりに最も信頼性が高い教材として知られているのが、ETSが監修した『公式TOEIC Listening & Reading 問題集』です。この教材は、実際のテストと同じ形式・難易度・スピーカーで作られているので、過去問を知るために、ぜひ一度使ってみましょう。
TOEICの出題形式や傾向は大きく変わらないため、過去の公式問題集を繰り返し解くことが重要となってきます。
引用:注意事項|TOEIC Listening & Reading Test|【公式】TOEIC Program|IIBC
実は韓国に公式なTOEIC過去問が存在するの?
TOEICを主催しているETSが作成している問題であって質の高さは認められていますが、残念ながら公式認定したTOEIC過去問ではありません。しかし韓国では、TOEICの得点が就職の最低条件のため、過去問を解くことがTOEIC高得点への近道でもあるため、利用してもいいかもしれません。ただここで注意してほしいのは、解説がないこと。そのため、対象者は中級から上級者向けになるでしょう。
公式問題集や韓国版を利用しよう!
TOEICには公式の過去問は存在しませんが、公式問題集=最も信頼できる代替教材です。
また、無料模試や既出問題集を上手に組み合わせれば、実際の試験にかなり近い環境で対策ができます。大切なのは、「過去問がない」ことを不利に感じるのではなく、本番形式の練習を繰り返すことで実力をつけることが最短ルートです。
TOEIC対策に効果的な学習方法やポイント
TOEIC対策に効果的な学習手順は、次のようになります。
・本番と同形式の問題に慣れる
・時間配分を体に染み込ませる
・弱点を定期的に分析して補強する
この3ステップを意識すれば、600点→800点→900点とスコアを伸ばすことは、十分可能です。
では、ここから具体的な学習法を解説していきます。
対策の第一歩は公式問題集や予想問題集で行う
日本では過去問が販売されていませんが、公式サイトでサンプル問題を公開しています。どんな内容か、流れを確認するために、まずは問題を解いてみましょう。
サンプル問題が終わったら、試験の対策として過去問を活用してみましょう。過去問を解くことで試験の傾向を把握し、効率的に学習できます。
TOEICの開発機関であるETSが発行するTOEIC公式問題集は、本番のテストとまったく同様のプロセスで制作されており、テスト問題が2回分収録されているのが特徴です。
公式問題集の他にも、試験本番を想定して作られた問題集は数多く発行されているので、それらをうまく活用すれば十分対応できるでしょう。
次は問題に慣れること!何度も繰り返し問題集を解いてみよう
TOEICを攻略するためのポイントとして、まず「問題に慣れる」ことが挙げられます。毎回出題される問題は異なりますが、出題傾向は同じです。問題を何度も解いて出題傾向を把握しましょう。
例えば、パートごとの出題形式の違いや、どんなトピックやテーマがよく使われるのかなどを知っておくことは、とても有利です。全体の流れを理解し、自分に合った時間配分も設定できます。
TOEICはマークシート形式のため、ライティングやスピーキング能力は試されません。リーディングとリスニングのみに特化し、スピード感をもって解答するスキルが必要です。もちろん、英語力そのものを伸ばすことも大切ですが、TOEICの英語に特化して慣れることが高得点を狙う最短距離だと言えます。
問題集は時間を計って本番と同じように挑もう
TOEICを苦手と感じる人の多くは、試験時間が足りないと感じているかもしれません。TOEICは、リスニング約45分、リーディング75分の約2時間で全200問に解答する形式です。長文問題も含まれているため、読解が苦手な人は特に時間が足りないと感じるかもしれません。そのため、TOEIC対策では時間配分を考えながら解くことが非常に重要です。
予想問題集はなるべく本番と同じ構成で作られたものを選び、必ず時間を計って取り組みましょう。途中でわからない問題があっても先に進み、すべての問題を解き終わってから採点します。試験本番とまったく同じプロセスで解くことがポイントです。
まずは自分なりの時間配分を設定し、それに沿って時間を計りながら解く練習をしましょう。繰り返していくうちに、どれくらいのスピード感で解けばいいのかを体が自然と覚えていくはずです。
採点だけでなく復習もセットで!
問題を解いて間違った箇所があると、それをそのままにしておくという人もいますが、英語を学習するうえで「復習」はとても大切です。間違った箇所にこそ、英語力をアップするためのヒントが隠されているといっても過言ではありません。
正解すると満足感を得られますが、正解した箇所はすでに身についている部分です。問題集を繰り返し解く目的は、間違った箇所から自分の弱点を探し出すことだといえるでしょう。間違った問題や自信がなかった問題を克服することで、正解数を増やすことができます。
また、次から次へと新しい問題集に手を広げるのではなく、これと決めた1~2冊を徹底して繰り返すこともポイントです。「もう間違える箇所がない!」「問題を覚えてしまった!」(くれぐれも解答を覚えないでくださいね)というくらいまで復習すれば、試験本番でも高得点が狙えます。
関連記事:
・短いけれど侮れない! TOEIC Part 1の復習における3つのツボ
・TOEIC の Part 5 の1問をガッツリ復習するプログラムを考えてみた
苦手分野がわかったら重点的に対策しよう
自分の苦手分野がわかったら、それらを克服するための対策をとりましょう。
例えば、リスニングでいつも思ったように点数が取れないという人は、リスニングに特化した学習を増やす必要があります。もちろん、何度も音源を聞いて耳を慣れさせることも大切ですが、そもそも読まれている英語が理解できないと解答できません。
日本語と英語は文の構造そのものが異なり、語順が異なることも特徴です。英語を習いたての人は、「英語は後ろから訳す」ものと思いがちですが、リスニングなどスピードが必要な場合は後ろから訳していては間に合いません。
英語を英語のまま理解することも、リスニング力強化においては必須です。このように苦手分野を深堀し、重点的に対策を取ることがスコアアップにつながります。
目標スコアが600点以下なら問題集の前に単語と文法を
TOEICの運営組織である、一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が公表している受験者の平均スコアは579.2点で、580点程度であることがわかります。就職試験の際に履歴書に書いてアピールできるのはTOEIC600点以上と言われているため、600点を目指している人は多いのではないでしょうか。
しかし、まずは500点台を目指すという人もいるはず。そのような方には、実践的な問題集に取り組む前に、単語や文法などの基礎知識を徹底的に身につけることをおすすめします。基礎が身についていないまま問題を解くと、難しすぎてかえって自信をなくしてしまう可能性があります。
また、間違える箇所が多すぎると、復習に時間がかかってしまうので、先に英語力をある程度つけておくほうが近道です。目標スコアが低い人ほど、基礎固めが重要なので、詳しい解説が載った参考書や文法書、単語帳などを活用してみてください。
他にも、「TOEIC直前これだけはやっておいて!実力を出し切るためのPart別攻略法!」、「TOEIC対策必須のイディオム105選!効果的な勉強法とおすすめ本&アプリも紹介」などを参考に学習を進めてください。
無料で使えるTOEIC模試・練習サイトおすすめ
資格の勉強をしていると、参考書や過去問をたくさんそろえたくなります。さらに、受験料も値上がりしてしまい、お財布がピンチになってしまいますよね。そこでお勧めしたいのが、オンラインで受けられる無料のTOEIC形式の模試体験サイトです。
予想問題に解説あり!『過去問.com』
TOEICの予想問題を無料で公開している『過去問.com』は、試験までにとにかくたくさんの問題を解きたいという人におすすめのサイトです。
こちらはPart1、Part2、Part5、Part6の対策ができると謳われていますが、このサイトだけで全パートの対策ができるわけではない点に注意が必要です。
設問は1問1答形式で、解説が非常に詳しいのが特徴。単語や熟語の解説をはじめ、文法や解き方のコツも学べます。また、解説の中で覚えておきたい箇所に付箋メモを貼れるので、とても便利です。
また、ランダム出題機能もついているので、問題を何度も繰り返して解き、理解を定着させることができます。自分の弱点を見つけたい人にもぜひ活用してほしいサイトです。
海外のTOEIC模擬試験
海外にもTOEICの模擬試験をオンラインで提供してくれるサイトがいくつかあります。
● 50問を30分で解くTOEIC模擬
登録が必要ですが、無料で採点してくれるサイト
https://cakap.com/en/simulation-test/toeic/
● カナダにある短期大学が提供しているサイト
https://www.canpacificcollege.com/toeictest/reading5/toeic-directions5.php
● 全パートの模擬試験が受けられますhttps://www.examenglish.com/TOEIC/toeic_listening_and_reading.htm
● 全パートの模擬試験やパートごとに取組める問題もあります。https://englishteststore.net/index.php?option=com_content&view=article&id=11506&Itemid=227#gsc.tab=0
TOEIC公式問題集などおすすめの問題集を紹介!
やはり日本で作られた問題集の方が詳しく解説が載っているので安心という方に、お勧めの参考書を紹介します。効率よく学習するためには、どんな問題集を使うかも重要です。
本番さながらの対策が可能な公式問題集
TOEICの公式問題集は1~10までの計10冊発売されていますが、試験直前の対策に使うなら最新版『公式TOEIC Listening & Reading 問題集10』がおすすめです。
TOEICの試験は年々難易度が上がる傾向にあり、公式問題集もそれに合わせて改訂のたびに難易度が上がっているという印象です。こちらの公式問題集にはひっかけ問題も多く、難易度の高い問題に挑戦したいという人にぴったりですよ。
本番の試験と同じ、公式スピーカーによるリスニング音声が聴けるのもポイント。音声はパソコンやスマホにダウンロード可能なので、スキマ時間を活用して学習することもできます。試験2回分、全400問の練習問題が収録されているので、模擬試験として活用するのもよいでしょう。
| おすすめレベル | 中級~上級 |
|---|---|
| 著者 | ETS |
| 出版社 | IiBC |
| 価格(税込み) | 3,300円 |
模試5回分を収録!リーディング対策にぴったりの1冊
TOEICの出題形式にも慣れ、あとは実践となる模試に多く挑戦したいという人におすすめの『TOEIC(R)テスト新形式精選模試リーディング3』。リーディングに特化した5回分の模試が収録されているので、リーディングセクションでなかなか点数が取れないという人にも適しています。
すべての問題には、解答だけでなく答えへと導く考え方や手順が詳しく解説してあるのがうれしいポイント。解説をしっかりと読んで理解することで、リーディングセクションのスコアアップが期待できます。学習方法などについてのコラムも充実しているので、読み物としてもおもしろいですよ。
| おすすめレベル | 初級~上級 |
|---|---|
| 著者 | 加藤 優, 野村 知也, Paul McConnell, 中村 紳一郎, Susan Anderton |
| 出版社 | ジャパンタイムズ |
| 価格(税込み) | 2,090円 |
文法のスコアアップに特化した問題集ならこれ!
苦手な文法問題を克服したいという人におすすめなのが『TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問』。本書には1049問の文法問題が収録されていて、とにかくたくさんの問題に取り組みたいというときに手に取りたい1冊です。対象スコアは500~900点まで活用できる充実ぶり!また現在TOEICスコア200~500の人は、中学英文法からやり直して、600点突破を目指すための『[音声DL] TOEIC L&Rテスト 文法問題はじめの400問』から始めてみましょう。
圧倒的な問題量だけでなく、設問ごとに丁寧な解説がついているのも注目ポイントです。問題は品詞別に分けられているので、自分の苦手なものから取り組むのもよいでしょう。見開きタイプで、左ページに問題、右ページに解説という構成も使いやすいですよ。問題音声を無料でダウンロードできるため、リスニング対策にも活用できます。
| おすすめレベル | 500〜900点台 |
|---|---|
| 著者 | TEX加藤 |
| 出版社 | アスク |
| 価格(税込み) | 2,530円 |
| おすすめレベル | 200~500点台 |
|---|---|
| 著者 | TEX加藤 |
| 出版社 | アスク |
| 価格(税込み) | 2,220円 |
1冊で完結の心強いTOEIC対策問題集
初級者から上級者まで全レベルに対応した『はじめて受けるTOEIC(R)L&Rテスト全パート完全攻略』。パート別に問題ごとの特徴や攻略法などが解説してあり、「600点クリア(必須)」「730点以上狙い(高得点)」の2つの目標設定がされているのも使いやすいポイントです。
また、本番を想定した200問が解ける完全模試が収録されているため、時間内に解き終わる練習をするのにもぴったり。読むだけで差がつく解法テクニック27、頻出語彙・表現50などを活用してスコアアップを狙いましょう。無料のダウンロード特典もついているので、シャドーイングや速読などの練習にぜひ活用してみてください。
| おすすめレベル | 初級~上級 |
|---|---|
| 著者 | 小石裕子 |
| 出版社 | アルク |
| 価格(税込み) | 1,980円 |
動画を活用すれば講義感覚で学習できる
TOEIC受験力アップトレーナーとして活躍する著者が、研究を重ねて開発した『TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+』。各200問からなる本番を想定した模試が3回分と、復習用の模試1回分が収録されています。試験直前の予行演習をしたいという人におすすめです。本書の大きな特徴は、模試3回分の解説をすべて動画で見られること。(動画:https://vc.alc-book.jp/)
著者自らが解説しているので、まるで講義を受けているような感覚で学習できます。参考書や問題集などで独学するのが苦手という人にぴったりでしょう。また、アルクテストセンターを経由して解答すると、自動採点してもらえるのもメリット。自分の弱点を把握するツールとしても活用してみてはいかがでしょうか。
| おすすめレベル | 中級~上級 |
|---|---|
| 著者 | ヒロ前田 |
| 出版社 | アルク |
| 価格(税込み) | 3,330円 |
リスニング対策に最適の模試教材
前述した『TOEIC(R)テスト新形式精選模試リーディング3』のリスニング版となる『TOEIC(R)テスト新形式精選模試リスニング3』。リスニングでなかなか点が取れないという人におすすめの1冊です。こちらも5回分の模試が収録されていて、とにかくたくさんの問題に触れられるのが魅力。数をこなすことで自信につながるでしょう。
最新の出題傾向についても詳しく解説されていて、リーディング版と同様、正答への手順や考え方が理解しやすいのが特徴です。すべての問題に正答率が記載されているので、自分のスコアがどれくらいかを予想する目安にもなります。本番より若干難しく感じるかもしれませんが、リスニング力を鍛えることができる良書です。
| おすすめレベル | 初級~上級 |
|---|---|
| 著者 | 加藤 優, 野村 知也, 本田 美邦里, Bradley Towle |
| 出版社 | ジャパンタイムズ |
| 価格(税込み) | 2,090円 |
TOEIC初心者にもぴったりの公式問題集
2022年8月31日に発売されたTOEICの公式問題集『公式TOEIC Listening & Reading 500+』は、難易度が比較的低いのが特徴です。また、2023年8月30日に発売された『公式TOEIC Listening & Reading 650+』は、「600点前後で停滞している」という人向けです。『公式TOEIC Listening & Reading 500+』は初心者におすすめ。TOEICの問題形式に慣れるためにぜひ活用してみてください。
公式TOEIC Listening & Reading 500+
| おすすめレベル | 初級 |
|---|---|
| 著者 | ETS |
| 出版社 | IiBC |
| 価格(税込み) | 3,300円 |
公式TOEIC Listening & Reading 650+
| おすすめレベル | 600点以上の人 |
|---|---|
| 著者 | ETS |
| 出版社 | IiBC |
| 価格(税込み) | 3,300円 |
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