社会人になって、キャリアアップのためにTOEICの受験を検討する人は多いのではないでしょうか? しかし、TOEICに挑戦してみたいと思っても、
・英語初心者でどう勉強を始めるべきかわからない
・仕事との両立で学習の継続や時間確保が難しい
という人も少なくないと思います。今回は、そういったお悩みを解決するのにぴったりな勉強法やおすすめ参考書を紹介しながら順に解説していきます。これからTOEICに挑戦する方はぜひ参考にしてみてくださいね。
効率的にTOEICの勉強を始めるためにまず取り組みたいこと
効率的にTOEICの勉強を始めるためには、まずは試験までの学習の全体像を以下で整理していきましょう。
自分のレベルを知る
まずは、TOEIC公式問題集を利用し、本番通りの時間設定で1度問題を解いてみましょう。現時点の実力を把握できるので、目標スコアを設定しやすくなったり、自分のレベルに適した参考書選びができたりと、この先の学習の方針が決まりますよ。
目標スコアを設定する
TOEICは合否の判断ではないので、目標スコアを設定しましょう!自分の今のレベルより少し上のレベルを目指すのがおすすめです。2021年4月のTOEIC公開テストの平均点は623.2点(*)でした。平均点を超えるところから目指すのもよいでしょう。目指すスコアを設定することで、重点的に学習するポイントを定めて計画を立てることができます。
(*出典:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会)
TOEICの受験日を決める
TOEICは年間10回開催されています。10回もあるので、仕事の都合や家庭の予定に合わせて適切な受験日を決めやすいですね。受験日を決めることで、逆算して無理なく継続できそうなスケジュールをあらかじめざっと組み、学習を進めましょう。
TOEIC対策に必要な4つの勉強法
TOEICではやみくもに勉強するのでは効率がよくありません。そこで、特に初心者は、次に紹介する以下4点を意識して、自分がどの分野の学習を重点的に取り組むべきか考えて進めていくとよいでしょう。
単語を増強する勉強
TOEIC初級レベルの600点を取るには、中学・高校で習う約3000語を含む約5000語の英単語が目安として必要と言われています。習得しなければならない単語は多いですが、その中でも頻出単語にしぼって勉強することで、効率よくスコアにつなげることが可能です。使用する単語帳は1冊で十分です。英単語を記憶に定着させる上で最も大切なのは繰り返し確認することなので、1冊を何回も見直しましょう。
文法力を強化する勉強
文法は学ぶべきことが決まっているので、きちんと理解をすればスコアに直結しやすい分野です。特にリーディングセクションのPart5、Part6は文法問題を中心に出題されているので、文法項目をきちんと押さえることでスコアをかなり上げることができます。
まずは高校までに習う英文法の基礎から勉強するのがおすすめです。基礎力が身についたら、TOEIC対策用の問題集を解きましょう。できなかった問題は解説を読んで必ず解き直すことが大切です。文法力を強化することで、Part7で問われる長文読解の理解も深まるので、焦らずに基礎を固めていきましょう。
リスニング力を上げる勉強
TOEICのリスニングは、Part1〜Part4までの全100問あります。また、ランダムにイギリス、カナダ、アメリカ、オーストラリアの4カ国の発音で出題されるので、それぞれの特徴に慣れておきましょう。
リスニングで大切なのは、何を質問されているのかを聞き逃さないことです。聞かれているポイントを押さえるには、質問の文頭に来る、Why、Where、Whenなどの「疑問詞」に注目することが重要です。疑問詞を聞き取れると、例えばWhyなら理由、Whereなら場所、whenなら時を聞かれているとわかるので答えに迷いづらくなります。
本番になれる勉強
TOEIC対策において基礎力をアップするためには、パートごとに学習を進めることも大切ですが、同時により実践的な形式に慣れる必要もあります。そのためには、本番と同じ2時間という制限時間内で問題を解ききる練習もしましょう。そうすることでどれくらい時間がかかるのかや何分以内で解かなければいけないのかといったスピード感覚が身につきます。
スピードの目安としては、リーディングセクションはPart7の長文読解に多くの時間が必要になるので、その分Part5とPart6の文法問題をともに10分程度で解けるようにしましょう。あくまで目安の時間ですができるだけ早く解答できるようになれば、気持ち的にも余裕が出るので、練習時からスピードを意識して取り組みましょう。
TOEICの勉強におすすめの必携参考書3選
「TOEICは参考書がたくさんありすぎて何を選べばいいかわからない…」という人も多いのではないでしょうか?また、参考書選びに時間がかかったり、選んだ教材が適切でなく途中で勉強を諦めてしまう場合もあるでしょう。途中で断念せず、かつ最短でスコアアップを狙うには、自分に適した参考書を使用することがとても重要です。以下では、TOEIC対策用のおすすめの参考書を3冊ご紹介します。
公式TOEIC Listening & Reading 問題集 7
『公式TOEIC Listening & Reading 問題集 7 』はTOEICテストを開発している機関が作成した公式の問題集です。リスニングも公式と同じスピーカーで、本番に近い難易度で構成されている模擬試験なので、事前に試験に慣れるにはぴったりな1冊と言えます。
TOEICの公式問題集には改訂版がよく出されますが、体裁や難易度がより本番に近くなるように工夫がこらされているので、最新版を選ぶようにしましょう。模擬試験を解くにあたっては、正しく解答できるかどうかよりも間違えた問題を見直して、自分の弱点を克服することです。問題集は解くだけではなく、必ず復習をしましょう。
はじめて受ける TOEIC(R)L&R テスト全パート完全攻略
「TOEICの勉強何から始めよう…」という初心者にまず手に取ってもらいたいおすすめの1冊は、『はじめて受けるTOEIC(R)L&R テスト全パート完全攻略』です。リスニングセクションとリーディングセクションの全パートの解法のコツと演習問題がこの1冊で完結します。600点を目指す人と、730点以上目指す人に適した学習内容が段階的に提示されているのも特徴です。筆者自身、600点を超え目標スコアが上がった際にも、引き続きこの攻略本を活用することができたので、コスパのよい1冊とも言えるでしょう。
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
『 TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ』はTOEICの単語帳の中でも鉄板の1冊です。600点から900点までレベルに合わせて段階的な学習が可能で、初心者から中級・上級者まで使用できる万能な単語帳と言えるでしょう。収録された単語やフレーズの音声を無料ダウンロードでき、視覚だけでなく耳からも慣らしていく勉強ができるよう工夫されています。別売りでアプリ版もリリースされているので、スマホでの学習の人がしやすいという人は、こちらも活用してみてはいかがでしょうか?
TOEICのスコアを上げるおすすめ勉強法
上の章で紹介した問題集や参考書を一通り解いたら、これからおすすめする勉強法もぜひ試してみてください。英語の基礎力が上がるのでさらなるスコアアップも期待できますよ。
シャドーイング
シャドーイングとは、音声に沿って、聞こえた内容を口に出して後追いしていくことです。やってみると意外と難しく、自分の聞き取りづらかった部分をはっきりと確認できるはずです。聞き取れなかった部分はテキスト見ながらシャドーイングを繰り返すことで、リスニング力が鍛えられます。テキストをきちんと理解してシャドーイングをすることで、英文の文法や単語の理解も深めることができます。慣れてきたらテキスト見ずに意味を理解できるまでシャドーイングをやりこみましょう。
ディクテーション
ディクテーションは音声を文字に書き起こしたりタイピングすることです。英語には日本語とは違う特有の「リズム」「発音」「単語同士のつながり」があり、どうしても聞き取りづらく感じる部分が多くあります。英語を聞き、文字として書き起こすことで、自身の聞き取りの精度と、聞きとれていない部分を確認することができます。
初心者はTOEICのPart1やPart2の比較的短めの英文で、ディクテーションを試してみてください。一通り聞き終えた時点でテキストを見ながら聞き取れなかった部分を確認して再度聞き直し、シャドーイングを繰り返しましょう。繰り返し訓練することで、今まで聞き取れなかった英語も聞き取れるようになり、リスニング力を大幅に伸ばすことができますよ。
精読
精読は正確に意味がわかるまで長文を読み込むことを指します。特に時間を測る必要はないので、わからない単語やフレーズを調べ、文法や文の構造も確認して全ての文をじっくりと理解をします。その上で、その文章を何度も繰り返し読むことで、頭の中での英語処理能力が向上していきます。結果的に英文をスムーズに読むことにつながり、長文問題のスコアアップも見込めます。まずは、TOEICの長文問題のPart6やPart7の問題文を題材として精読をしてみましょう。
暗唱
暗唱とは一般的に文章を暗記して空で唱える学習方法のことを言います。暗記のコツとしては、完全に文章を記憶するまで何度も音声を聞きながら覚えることです。自然とリスニング力がアップすると同時に、文の構成や単語・フレーズの理解も深まるので、リーディング力アップにつながります。TOEICリスニング問題で、長めのナレーションを聞き取るPart4が暗唱におすすめです。時間はかかりやすいですが、途中で諦めないように、自分に適した長さで文章を区切りながら無理なく継続できるように工夫しましょう。
TOEIC初心者でも挫折しない勉強の進め方
「英語学習を始めても続かない…」という人は少なくないかもしれません。特にTOEICの勉強を始めたばかりだとは、なかなか結果が見えずに挫折してしまうこともありますよね。TOEICの勉強は「継続」が何より大切です。そこで挫折しないような勉強の進め方のコツを3点ご紹介します。
自分のレベルに合った勉強をする
前述の「自分のレベルを知る」という章で、自分のレベルを知るために1度模擬試験を受けてみることをおすすめしました。選択する参考書のレベルが高すぎたり、かなり大変な勉強計画を立てたりとハードルの高すぎる学習は挫折の原因になりやすく、逆に低すぎても成果にあまりつながらないかもしれません。自分のレベルに最適な方法で学習を進めるようにしましょう。
結果を焦らない
スコアがなかなか伸びない中、地道に単語の暗記や文法の理解などを進めるのはもどかしいかもしれません。ですが勉強した分、必ず力はついてくるので結果を焦らないことが大切です。筆者の経験上、焦ることで一時的に勉強の意欲が湧くことはありましたが、長続きせずいい影響はほとんどありませんでした。焦らないことも1つ必要なスキルですよ。
無理をしない
無理して勉強時間を組み込み、体調を崩したりやる気が失せてしまったりしては元も子もありません。まずは、自分にとって適切な学習ペースを見つけていくことがポイントです。とは言え、社会人など忙しい人は勉強時間をどのように確保しようかと悩むことでしょう。次の章で具体的な勉強時間をつくるコツについてご紹介をしているので参考にしてみてください。
時間のない人のための勉強のコツ
社会人は仕事の都合や家族の予定があり、1日の中で自分のために使える時間が限られていますよね。そこで忙しい中でどのように勉強時間を確保していくのかについて解説していきます。取り入れられそうなものはぜひ試してみてください。
朝の時間を活用する
人によって「夜型」「朝型」とあると思いますが、学習時間をとるなら断然朝がおすすめです。朝の出勤前の時間は限られている分、短時間で集中する環境が自然に作られます。学習効果が高まるとして、朝活をする人も多いですよね。最初は習慣づけるためにも、無理のない数十分程度から早起きを始め、慣れてきて意欲も出てきたら1時間2時間早く起きてもいいですね。小さなアクションはいずれ大きな成果に繋がります!いつもより少し早起きして出勤までの時間、有効に活用してみてはいかがでしょうか?
スキマ時間を活用する
忙しい毎日でも、意識すると通勤電車の時間、お風呂の時間、会社のランチタイムなどの短いスキマ時間があるかと思います。勉強は、まとまった時間机に向かわなくても、意外と十分取り組める余地があります。例えば筆者の場合、通勤時間に、YouTubeを活用してTOEICリスニング問題や、問題集の音声を聞きながら、小声でシャドーイングを実践していました。リスニング問題に自信がついたのはもちろんですが、毎日少しでも勉強時間を取り入れることで1日の達成感も感じられました。ぜひスキマ時間を有効に活用してみてください。
休日用メニューを考える
スキマ時間ではやりきれない、まとまった時間が必要な勉強は休日にしましょう。例えば、模擬試験を解く時間に当てるのもひとつです。TOEICの模擬試験を一通り解くには、2時間は必要です。特に、試験日が近づいてきたら休日に問題集を解き、平日に少しずつ復習を進めるような流れがおすすめです。どんな学習が必要で、どのくらいの時間がかかるのかを意識して、事前に学習予定を整理しておくことも大切です。忙しい日々での勉強時間には限りがあるので有効に使えるように工夫をしましょう。
まとめ
初心者に向けたTOEICの勉強法を解説してきました。忙しい中でも、スキマ時間を利用するなど自身の学習環境を整えることは可能です。ここで紹介した勉強のコツを駆使してスコアアップを狙いましょう。
一方で、英語で話す「コミュニケーション能力」も求められつつある現代。TOEICではリスニングとリーディングのみを試すテストのため、「話す能力」が鍛えづらいという点があります。レアジョブではオンライン英会話レッスンの無料体験を実施しているので、話す力も一緒に伸ばしてみてはいかがでしょうか?より英語を使えるようになり学習もたのしくなるかもしれません。
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