電子メールの普及とともに国際郵便を送る機会は少なくなりました。しかし文書の原本を送るなど、何かの拍子に英語で宛名を書かなければならない場面に出くわすかもしれません。これまでに国際郵便を送ったことがなければ、国内郵便とは異なる宛名の書き方に戸惑うことでしょう。
そこで今回は、個人宛からビジネスまで「英語の宛名の正しい書き方」を徹底解説します。
一般的な英語の宛名の書き方
まず、会社宛に郵送するビジネスメール以外の一般的な宛名の書き方を解説します。
宛名の書き方1:書く順番
送付先の宛名に名前や住所を書く順番は、アメリカでもイギリスでも以下のようになっています。国内郵便とは順番が逆になっているので注意しましょう。
<送付先の宛名を書く順番>
1.To:
2.名前
3.住所
4.国名
送付先を明確にするために、上記を左寄せでワンブロックにまとめて書くのがポイントです。以下にそれぞれの書き方を示していきます。
宛名の書き方2:名前
名前はフルネームで「ファーストネーム(名)・ラストネーム(氏)」の順に書きます。友人宛の場合は「To:名前」や「Dear:名前」でも構いませんが、目上の人やビジネスレターの場合は「敬称」をつけましょう。敬称の後にはピリオド「.」を打ちます。
<性別による敬称>
Mr.:男性 → Mr. John Brown
Mrs.:既婚女性 → Mrs. Mary White
Miss.:未婚女性 → Miss. Mary White
Ms.:未婚・既婚を問わず女性全般 → Ms. Mary White
Mr. and Mrs.:~夫婦 → Mr. and Mrs. Baker
親しい夫婦なら敬称を使わないで、「Peter and Jennifer Green」でOKです!
<職業による敬称>
Dr.(Doctorの略):医師・博士 → Dr. Michael Collins
Prof.(Professorの略):教授 → Prof. Michael Collins
Esq.(Esquireの略):弁護士 → Esq. Michael Collins
また、家族宛に贈りたい場合は以下のように記します。
<家族宛の場合>
The+名字+s → The Greens
The+名字+Family → The Green Family
夫婦の名前+名字+and Family → Peter and Jennifer Green and Family
Mr. and Mrs.+名字+and Family → Mr. and Mrs. Green and Family
「夫婦の名前+名字+and Family」はよく使われる表現ですが、目上の人やあまり親しくない場合は敬称をつけましょう。
宛名の書き方3:住所
個人や家族宛の場合は、名前の下に住所を書きます。書く順番は以下の通りです。
<住所を書く順番>
1.建物番号
2.通りの名前
3.市名
4.州名
5.郵便番号
6.国名
↓
9999 Amphitheatre Parkway, #555, (建物番号・通りの名前・部屋番号)
Mountain View, CA 94043 (市名・州名・郵便番号)
USA (国名)
通りの名前には、~Street、~Road、~Drive、~Avenue、~Closeなどさまざまな表現があります。アメリカでは部屋番号を「#+番号」や「Apt+番号」で表記し、通りの名前の後に記しますが、オーストラリアでは建物番号の前に部屋番号を書き、部屋番号は「Unit+番号」で表します。このように、国によって多少の違いがあることは覚えておきましょう。
ちなみに、アメリカ英語では郵便番号を「zip code」と言いますが、イギリス英語では「postcode」です。
宛名の書き方4:送付先の宛名の記入例
では上記を踏まえ、アメリカとイギリスへの宛名の記入例を示しておきます。国名はすべて大文字で書く方が分かりやすいでしょう。
<宛先がアメリカの場合>
To:
Mr. John Brown
9999 Amphitheatre Parkway, #555,
Mountain View, CA 94043
USA
<宛先がイギリスの場合>
To:
Mr. John Brown
999 Newton Street,
Manchester M1 1FT
ENGLAND
宛名の書き方5:差出人の名前と住所
差出人となる自分の名前や住所も送付先と同様に、左寄せでワンブロックにまとめて書きます。住所は送付先と同様に記入しますが、マンション名と部屋番号は住所の一番上に書きましょう。また、差出人だと明確にするために、一番上に「From:」をつけます。
<一軒家の場合>
From:
Hanako Yamamoto
5-4-3 Wakabadai, Asahi-ku
Yokohama-shi, Kanagawa
241-0801
JAPAN
<マンション等の場合>
From:
Hanako Yamamoto
ABC Mansion 101
5-4-3 Wakabadai, Asahi-ku
Yokohama-shi, Kanagawa
241-0801
JAPAN
宛名の書き方6:それぞれの記入位置
宛名の書き方の最後は、それぞれを記入する位置です。たいてい封筒は横長にして使います。
<封筒の記入位置>
左上:差出人の名前と住所
右上:切手
中央:送付先の名前と住所
左下:「AIR MAIL」あるいは「VIA AIR MAIL」と記入して枠で囲む
中央の送付先の名前と住所は大きめに書き、左上の差出人の名前と住所は小さめに書きます。上記はすべて封筒の表面に記し、裏面には何も記入しません。
宛名の書き方7:記入の際に注意すること
一番気をつけるべきことは、住所等を記す際に大文字と小文字を使い分けることです。最も分かりやすいのは、「すべてを大文字で書く」か「各単語の最初の文字を大文字にする」かのどちらかです。
なぜなら、大文字と小文字を使い分けていないと、大文字の「I(アイ)」と小文字の「l(エル)」など区別しにくい文字があるからです。
ビジネスレターの宛名の書き方
次に、ビジネスシーンで国際郵便を出す際の宛名の書き方を解説します。会社名を入れる順番などを間違えずに記入しましょう。
ビジネス用の宛名を書く順番と例
基本は個人宛と同様ですが、ビジネス用の宛名を書く順番は以下の通りです。住所の書き方は一般的な書き方と同じですが、オフィスビルの部屋番号は「Suite+番号」や「Unit+番号」で記します。
<ビジネス用の宛名を書く順番>
1.To:
2.名前(役職)
3.部署名
4.会社名
5.住所
6.国名
↓
To:
Ms. Mary White, Manager (名前・役職)
Publicity Department (部署名)
ABCD Inc. (会社名)
Suite 555, 9999 Amphitheatre Parkway, (部屋番号・建物番号・通りの名前)
Mountain View, CA 94043 (市名・州名・郵便番号)
USA (国名)
名前と会社名だけでも構いません。役職は名前と併記するか、名前と会社名の間に書きます。また、担当者が不明の場合は以下のように「Attention:+部署名」を入れ、「○○部担当者様」のように書きましょう。以下は「広報部担当者様」宛です。
<Attentionの例1:会社名と住所の間に入れる>
To:
Attention:Publicity Department
ABCD Inc.
Suite 555, 9999 Amphitheatre Parkway,
Mountain View, CA 94043
USA
もう一つは、宛先ブロックの下に一行あけて入れる方法です。
<Attentionの例2:宛先ブロックの下に入れる>
To:
ABCD Inc.
Suite 555, 9999 Amphitheatre Parkway,
Mountain View, CA 94043
USA
Attention:Publicity Department
差出人の会社名と住所
ビジネス用でも差出人の書き方は送付先と同じで、名前の下に会社名を入れ、役職は名前と併記するか名前と会社名の間に入れましょう。また、書く場所は一般的な差出人と同様に左上です。
<ビジネス用の差出人の書き方例>
From:
Hiroshi Tanaka
J Paint Company
5-4-3 Wakabadai, Asahi-ku
Yokohama-shi, Kanagawa
241-0801
JAPAN
便利な「c/o」の使い方
c/oは「care of」の略で、「気付」で手紙や荷物を送るのと同様です。便利な使い方があるので覚えておきましょう。
ビジネス相手に個人的に送る
仕事で知り合った人や取引先の人に個人的にビジネス文書や招待状などを送りたいとき、自宅の住所を知らないということはよくあること。そんなときに便利なのが「c/o」です。会社名の前に「c/o」をつけるだけです。
例:
To:
Ms. Mary White
c/o ABCD Inc.
Suite 555, 9999 Amphitheatre Parkway,
Mountain View, CA 94043
USA
ホテルなどの滞在先に送る
これは日本で滞在先のホテルや出張先に「気付」で送付するのと同じです。滞在先のホテルの部屋番号が分からなくても届けられます。この場合もホテル名や会社名の前に「c/o」をつけるだけです。
例:
To:
Mr. Hiroshi Tanaka
c/o InterContinental San Francisco
888 Howard Street
San Francisco, CA 94103
USA
~様方としたい場合
レアなケースかもしれませんが、「~様方」の使い方も覚えておきましょう。海外のホームステイ先などにいる家族や友人に送る際に便利です。
例:
送りたい人の名前
c/o 送る先の人の名前
↓
Hanako Yamamoto
c/o Robert Johnson
上記は「ロバート・ジョンソン様方 山本花子さんへ」という表記です。
親しい友人宛に送る
招待状、お礼状、引っ越しの連絡などを多くの人に送りたいとき、自宅住所が分からないということもあるでしょう。そんなときには、送りたい相手と親しい友人宛に送り、手渡ししてもらうことも可能です。
例:
手紙を送りたい人の名前
c/o 手紙を受け取る人の名前
手紙を受け取る人の住所
↓
To:
Michael Collins
c/o Mr. John Brown
999 Newton Street,
Manchester M1 1FT
ENGLAND
ビジネス電子メールの宛名の書き方
最後に、ビジネス用電子メールの宛名の書き方にも触れておきます。
相手の名前が分かる場合
ファーストコンタクト
ビジネスでもプライベートでもファーストコンタクトのときには、敬称とラストネームを使うのがベストです。
例:
Dear Mr. Collins,
また、相手の性別が分からないときには、敬称を入れずに「Dear+フルネーム」で記しましょう。
例:
Dear Alex Collins,
2回目以降
2回目以降のコンタクトでは「Dear Michael」のようにファーストネームだけでもOKです。ファーストコンタクトの後に相手から「~と呼んでください」あるいは「ファーストネームで呼んでください」と言われるかもしれません。
DearとHi、あるいはHelloが名前の前に使われますが、Dearの方がHiよりていねいな表現です。どれを使うのかは人それぞれで、業界や送る相手で使い分けている人が多いでしょう。それぞれの違いは以下の通りです。
例:
最もフォーマル:Dear+ラストネーム → Dear Mr. Collins,
ややフォーマル:Dear+ファーストネーム → Dear Michael,
ややカジュアル:Hello+ファーストネーム → Hello Michael,
もっとカジュアル:Hi+ファーストネーム → Hi Michael,
ややフォーマルは「Dear+ファーストネーム」は面識のある相手に使います。相手が2人なら「Dear Michael and John,」とandを使いましょう。迷ったときには、社外の人にはDear、社内の人にはHiを使うのが無難かもしれません。
相手の名前が分からない場合
ビジネスで電子メールを送りたいとき、相手の名前が分からなければ「ご担当者様」「関係者各位」という意味を持つ以下のフレーズが使われます。各単語の最初の文字を大文字にするのが一般的です。最後のコンマ「,」の代わりに、コロン「:」を使うこともあります。
例:
To Whom It May Concern,
相手の名前が分からないときのその他の表記は以下の通りです。
例:
Dear Sir or Madam,(相手の性別が分からな場合)
Dear Sir,(相手が男性の場合)
Dear Madam,(相手が女性の場合)
まとめ
「英語の宛名」と言っても、書き方が分かればそれほど難しいことではありません。日本とは反対に書き入れていけばいいだけです。電子メールやチャットアプリなどが普及し、国際郵便の必要性は低くなっていますが、たまには心のこもった直筆の手紙等を海外にいる友人・知人に送ってみるのもいいかもしれませんね!
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