英単語を覚えるのって大変ですよね。単語帳を持ち歩いて修行のように勉強してみても、どんどん嫌になってしまう……。筆者もそういう経験を何度もしました。単語を暗記するのは大変です。もう少し面白い覚え方はないものでしょうか? 遊ぶように単語を覚えられたら、きっともっと勉強がはかどるのではないでしょうか。
今回はちょっと趣向を変えて、ゲームで英単語を覚えてみましょう。ご紹介するのは、ネイティブの子供もやっている単語学習ゲーム、「スクラブル」です。
スクラブルってどんなゲーム?
スクラブル(Scrabble)は、1930年代にアメリカで開発されたゲームです。その以前からあった「lexico(語彙)」というゲームを改善して作られたゲームと言われています。
スクラブルは、「単語のクロスワードパズル」と言われています。遊ぶために必要なのは、15×15マスのクロスワード板です。オセロのボードを大きくしたようなイメージですね。オセロと同じように、2人で対戦するゲームです。
(画像出典 英語版wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Scrabble)
このボードの上で、単語を作っていきます。プレイヤーは、最初は7枚の「アルファベット」を持つことが出来ます。アルファベットが書かれたコマのことです。ちなみに英語では、「Scrabble tiles」と呼ばれています。
(画像出典 amazonUK https://www.amazon.co.uk/dp/B01HGK7LJO)
このコマの中から、ランダムに七枚が配られます。その七枚で、英単語を作るのです。
例えば、こんな手札が来たとしましょう
A T Y U I O P
この七枚の中で、英単語を作ることができるでしょうか?よく見てみましょう。P A Yでpay(払う)が作れそうですね。このようにして、ランダムに配られる手札の中から、頑張って英単語を作っていくのが、このゲームの基本ルールです。
ところで、先ほどのコマをよく見てみて下さい。A T Y U I O Pの七枚で作ることができる単語は「pay」だけでしょうか?どうも、「toy(おもちゃ)」も作れそうですね。このように、1つの手札にいくつかの出し方があることもあります。
今回は、「pay」でも「toy」でもどちらでも同じなのでしょうか。実は、アルファベットごとに点数が決まっています。上の画像をもう一度見てみると、アルファベットの横に数字が書いてあるのが見えますね。これがスクラブルの点数です。
スクラブルでは、それぞれのアルファベットに「点数」が決まっていて、点数の高いアルファベットを使うほど、もらえる点数が高くなります。スクラブルはただ単語を作るだけでなく、得点を競うゲームでもあるのですね。
Tは一点、Pは三点のコマなので、できればPの方を使いたいところです。ですから、この場面では「pay」の方が高得点を狙えます。「pay」ならP=3, A=1, Y=4で、合計8点になります。一方、「toy」の場合は、T=1, A=1, Y=4で合計6点に下がってしまうのです。
今度は、こんな手札が来た場合を考えてみましょう。
R E T I N R A
パッと見ると、まず「train(電車・鍛える)」が目に入ります。T=1, R=1, A=1, I=1, N=1の合計五点になりますね。ですが、残った手札をよく見てみましょう。
E R
この二枚のコマ、まだ使えそうではありませんか?そう、動詞にerをつけると「それをする人」になるという英語のルールがあるからです。先ほど作った「train」には、「電車」と「鍛える」のふたつの意味がありました。今回は「鍛える」という動詞の意味でとらえてみると、残った「er」が活かせます。
T R A I N E R、そう、「trainer(トレーナー)」が作れるのです。この場合は、Eの一点とRの一点がプラスされますから、得点は七点になります。「train」より高得点になるのです。
ところで、アルファベットごとの得点ですが、てきとうに決まっているわけではありません。使うだけで10点になる、ある意味で最強のコマはどれでしょうか?そう、QとZです。この二つは、ただ使うだけで10点もらえます。「trainer」の7文字より多くもらえるのです。どうしてでしょうか?
もしお手元に英和辞典があれば、ちょっと見てみて下さい。QとZで始まる単語がのっている部分はどれくらいありますか?明らかに薄くなっていないでしょうか。そうです、QとZは「使いにくい」からこそこんなに点数が高いのですね。これは他のコマでも同じで、使いにくい文字ほど点数が高くなっています。これは英語学習でスクラブルを使う時、とても大事になってくるポイントです。
できるだけ長い単語を、できるだけ「使いにくい」文字を使って作ること――これがスクラブルの基本です。
実際のゲームは、交互にこれをくり返します。先攻の人が単語を作ったら、後攻の人はそれに繋げて単語を作ります。
こちらは、スクラブルを遊べるアプリ「Word Master」の画面です。
手前にあるのが自分の手札です。今回は自分が後攻で、相手が「orient(東洋)」を出してきたところからスタートします。スクラブルのコマは、今場にあるものにくっつけてしか使えません。ですから、ORIENTの六文字に繋げる形でしか札を出せないのです。
今回はRに繋げる形で、「rag(布)」を使いました。すると今度は、相手が今出ている文字に繋げる形で出さなければいけなくなりました。
ある程度ゲームが進んだ画面がこちらです。先ほどの「rag」に「er」をつけることで、「rager(怒っている人)」を、その末尾の「R」に繋げて「rob(強盗)」を作っています。
全部のコマを使い切った後、全体の点数が高い方が勝ちになります。
このように、しりとりとクロスワードを合体させたようなイメージで遊ぶのがスクラブルです。
どんな人が遊んでいるゲームなの?
このスクラブルですが、ただ面白いというだけのゲームではありません。世界中の教育機関で使われています。なぜでしょうか?
先ほどスクラブルはしりとりに似ているといいました。日本語でしりとりをするとき、頭はフル回転し、必死で語彙をかき集めることと思います。スクラブルも同じです。自分の持っているボキャブラリーを最大限に使ってたたかいます。
さきほど、「使いにくい文字ほど得点が高い」という話題が出ました。このゲームは、使いにくい文字を使う「動機付け」になるのです。「このZを何とかして使いたい!あ、oneが場に出ている!もしかして……zone(ゾーン)が作れるかも!」ゲームの中で、楽しみながら単語力アップができるのです。
また、文字のルールも学べます。「Qって使いにくいな……question, quit, quiet, queen、もしかしてUの前でしか使えないのかな?」参考書に書いてあったら読み飛ばしそうなㇽ-ㇽですが、スクラブルなら楽しく学べるのです。
ネイティブの子供向けの英語教室でも、広くこのスクラブルが使われています。イギリスの傑作SFコメディ『銀河ヒッチハイクガイド』シリーズでは、原始人に言葉を教える場面があります。そこで第一に試されたのがこのスクラブルです。それくらい、英語圏では定着した教育アイテムなのです。
スクラブルが楽しめるようなアプリを紹介
スマートフォン向けアプリでは、「Word Master」というアプリがおすすめです。このアプリは無料でスクラブルを遊ぶことができます。CPUの強さは4段階から選ぶことができ、制限時間などもありません。お試しで入門するにはもってこいと言えるでしょう。いきなり対人戦はしたくないという方におススメです。UIがかんたんな英語なので、ちょっとした英語の練習にもなります。
Facebookのユーザーであれば、@Scrabbleを検索することで、無料のオンラインスクラブルを遊ぶことができます。(https://apps.facebook.com/livescrabble/)
このゲームは友達と、またはランダムに選ばれた相手とオンライン対戦をすることができます。オンライン対戦に挑戦したければ、まずはこれを試してみましょう。
スクラブルで単語の法則をマスターできる!
スクラブルは教育が目的のゲームではありませんが、プレイしてみると本当に勉強になります。例えば「s」のコマは可算名詞すべてに繋げられるため、とても強力です。でも、万能ではありません。「s」で終わる名詞には「es」の形でしかつながらないからです。また、「s」の威力を最大限活かすには、どの名詞が可算名詞なのか知っていなければいけません。こう考えると、勉強になりそうなのが伝わってきませんか?
また、同じ理由で「ed」も便利です。過去形を作ることで、かんたんに単語を作ることができるからです。でも、そのためには「不規則変化動詞」を知らなければいけません。「feel」に「ed」をつけても、点数はもらえません。
お勉強ではなくても、ゲームを遊びながら英単語の法則はマスターできます。
スクラブルにはもう少し細かいルールもありますが、それらは遊びながら覚えていった方がいいタイプのものです。ぜひ、一度トライしてみて下さい。
まとめ
スクラブルは面白いゲームで、しかも本当に勉強になります。実際にこどもに英語を教えるとき、「不可算名詞が~」「過去形が~」と言っても、誰も聞く耳を持ってくれません。でも、このゲームで遊びながら教えると、とても楽しそうに熱中してくれます。
この面白さは、大人もこどもも変わりません。英単語の「お勉強」がウンザリしている方に、是非プレイしていただきたいです。
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