皆さんは「ちなみに」という言葉をよく使われますか?日本語ではカジュアルな場面でも「ちなみに」という表現がよく使われますよね。英語でもそれに似たフレーズがいくつかあります。しかしそれぞれ、若干ニュアンスが異なったり、ビジネスの場では不適切なフレーズもあります。今回は英語で「ちなみに」と言いたい時のフレーズと、その特徴をご紹介します。
そもそも日本語の「ちなみに」とはどんな言葉?
そもそも日本語の「ちなみに」とは、動詞の「因む」から出てきた言葉で、「関係があること」を意味します。これまで述べてきたことと関係があることに関して、補足となる情報を足したい時に使う言葉です。しかし最近では、「ちなみに」と言いつつ、全く異なる話題に転換する際にも使われるようになりました。
また、SNSでは「ちなみに」を「ちな」と略して「ちなヤクルト(ちなみにヤクルトファン)」などと言う若者言葉が流行るなど、「ちなみに」が若者言葉として定着しつつあります。そのため、「ちなみに」はなんとなくカジュアルな雰囲気のある言葉になっており、ビジネスの場で使うと、人によっては敬意に乏しいという受け取り方をされる場合もあるので注意が必要です。
英語では「ちなみに」を意味するフレーズがいくつかありますが、そのフレーズによって特徴があり、使い分けが必要です。今回は、そんな使い分け方も一緒に合わせてご紹介したいと思います。
とにかくよく使われる「ちなみに」の英語フレーズ
「ちなみに」という意味の英語フレーズの中でも、ネイティブとの会話やメールの中で、とにかくよく見聞きするものをまずはご紹介します。しかし見たことがある、聞いたことがあるとは思っていても、実は使い方に注意しなければいけないフレーズもあります。そんな使い方も合わせてご紹介したいと思います。
大衆的な「ちなみに」:By the way
友達や同僚との間で、とにかくよく口にするのが「By the way」。話題をまったく別のものに転換したり、前に述べた事に対して新しい情報を追加する時に使います。よく使われるだけあって、どちらかというとカジュアルな印象のある表現。ビジネスの場でも使いますが、プレゼンやフォーマルな場所での頻繁な使用は避けましょう。
なお、友達とのメールでは頭文字をとった「BTW」という略語もよく使われます。日本語の略語「ちな」ほどカジュアルではありませんが、ビジネスメールや目上の方に使うのはNGです。
By the way, the flight is planned as written below.
(ちなみにフライトは下記の便を予定しています。)
I’m Alex, by the way.
(ちなみに、ぼくはアレックスっていうんだ。)
BTW, I didn’t go to school today.
(ちなみに今日私学校行かなかったよ。)
メールでも頻出の「ちなみに」:For your information
「ご参考までに」という意味の「For your information」。文書や会話の中で、参考情報を説明する際の導入として用いられます。ビジネスメールの件名に「For your information」や略語の「FYI」とあれば、「記載の内容は単なるあなたへの参考情報なので返信やご対応は不要です」という意味があると言えます。
For your information, in Japan, to lie down your feet toward anyone is considered to be very bad manner.
(ちなみに、日本では、人に足を向けて寝るのはとても失礼なこととされています。)
FYI, the deadline is tomorrow.
(ちなみに、締め切りは明日です。)
注意:口語では「ご参考までに言っておきますけどね」「ご存知ないかもしれませんがね」というような苛立ちを含んだ意味で「For your information」が使われることもあるので、話す際のイントネーションには注意が必要です。
また「FYI」の略語もカジュアルな面があるので、同僚の間でのみ使用し、目上の方には「For your information」と書いたほうが無難でしょう。
少しフォーマルな「ちなみに」:Incidentally
「付随的に」というのが本来の意味の「Incidentally」。重要なトピックに比べて、それに付随するついでのトピックを述べる時に使います。ビジネス文書などでも使われ、「By the way」や「For your information」よりは少しフォーマルなフレーズです。
This wine, incidentally, goes very well with a mature cheese.
(ちなみにこのワインは、熟成したチーズととても相性がいい)
Incidentally he is up for re-election next year.
(ちなみに彼は来年再選に向けて立候補する予定だ。)
使うとカッコいい「ちなみに」の英語フレーズ
次に、頻出フレーズではないけれど、使えると格好いい「ちなみに」のフレーズをご紹介します。ある意味手垢のついた言葉である「By the way」や「For your information」より、普段聞き慣れない言葉をうまく織り込んだ方が、プレゼンや文書などでは洗練されたものになることがあります。また、ちょっとキザな会話の中で使える「ちなみに」など、他と差をつける英語の「ちなみに」達をご紹介します。
追記したい時に使う「ちなみに」:As a side note
「Side note」を直訳すると「横のメモ」。「As a side note」で「横にメモ付すると」「補足すると」「ちなみに申し上げますと」という意味になり、口語でも使えるフレーズです。「By the way」よりフォーマルで、プレゼンなどでも使用可能。なお、全く同じ意味で「On a side note」という表現もありますが、どちらかというとネイティブの中では「As」派が多いようです。
As a side note, this episode is a true story.
(ちなみにこの話は実話です。)
「通りがかりに」から派生した「ちなみに」:In passing
もともと「通りがかりに」という意味の「In passing」。そこから派生して「この話をしたついでに(=ちなみに)」という意味でも使われています。もともと書き言葉として使われる表現ですが、口語で使う方もいます。
In passing, it is also said that this legend is one of the models of Momotaro.
(ちなみに、この伝説は桃太郎のモデルの1つだと言われている。)
少しお硬めな「ちなみに」:In this connection
「これに関連して」「この件に関して」という意味の「In this connection」。前述の件に関連したことを説明する時に使います。これまでご紹介した中では一番硬い表現で、論文やビジネス上では役立つフレーズです。使ってみるととてもプロフェッショナルに聞こえますよ。
In this connection, if the application is by online, you need to download the document.
(ちなみにオンライン申請だと、この書類をダウンロードする必要があります。)
ちょっぴりキザな「ちなみに」:En passant
最後は、語源はフランス語ですが、英会話でも使われるようになったフレーズ「En passant」です。チェスのルールの、通過途中で相手の駒を取る「アンパッサン」は、実はこの「En passant」のこと。英語の「In passing」と同意で、「通りすがりに」という意味から「ちなみに」の意味で使われます。格調高い、少しキザな英語として使われますよ。
En passant, this is a 20 years old wine.
(ちなみにこちらは20年もののワインです。)
まとめ
いかがでしたか?英語の「ちなみに」には、頻繁に使われるものから、ビジネス文書や論文などではよく見かけるものまで、色々なフレーズがありますね。普段見慣れないフレーズもありますが、その特徴に応じて適切なシーンで使っていきましょう!
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