英語の助動詞は「想いを伝える」ツール?【may,should,would…】 ニュアンスの違いを解説!

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みなさんは、canやmay、must、shouldなどの助動詞を正しく使えていますか?
リーディングやリスニングではなんとなく理解している。でも実際に使うとなると、canやwillは使えても、mightやwouldの使うタイミングがわからない…。mayもmightも「〜かもしれない」と習ったけど何が違うの?

そんな方はこれを読めばスッキリするかもしれません。今回は助動詞について、辞書的にではなく、ニュアンスに重点を置きながら解説していきます。

1. 助動詞の文法的な意味について

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助動詞は「動詞と結びついて用いられ、動詞を助ける役割を果たすもの」です。そう考えるとたくさんのものが助動詞に含まれますが、今回は代表的なcan、will、may、must、shallの5つを取り上げたいと思います。なお、それぞれの辞書的な意味の説明は省略いたします。

「話し手の主観的な考え」を表す

①He gets up early every day.
(彼は毎日早起きする)
②He must get up early every day.
(彼は毎日早起きしなければならない)

上の二つの英文を比べてみましょう。①では現在形(gets up)が使われているので、「彼は毎日早起きする」という現在の習慣的な事実を表しています。一方で②は、「彼は毎日早起きしなければならない」という話し手の考えを表しています。このように、助動詞のmustを加えることで、客観的な事実ではなく、話し手が心の中で描いている主観的な考えを表す表現へと変化します。このことはmustだけでなく、他の助動詞にも当てはまります。

We can finish the report.
《可能》「私たちはそのレポートを終わらせることができる」と私(話し手)は考えている

We will finish the report.
《意志》「私たちはそのレポートを終わらせるつもりだ」と私(話し手)は考えている

We may finish the report.
《可能性推量》「私たちはそのレポートを終わらせるかもしれない」と私(話し手)は考えている

We must finish the report.
《必要・義務》「私たちはそのレポートを終わらせなければならない」と私(話し手)は考えている

We shall finish the report.
《意志》「私たちはそのレポートを終わらせるだろう」と私(話し手)は考えている

それぞれの助動詞は意味こそ違えど、「話し手の主観的な考えを表す」という点で、共通の働きをしています。このように助動詞は、話し手が心の中で描いている希望や予測、可能性などを表すのです。

未来的なニュアンスを含んでいる

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先ほど紹介したように、助動詞は話し手の主観的な考えや想いを表します。よって助動詞を使った英文は、「実際のことはわからないけど、おそらくそうなるだろう」というニュアンスが含まれており、事実ではありません。そして「〜だろう」という確定的ではないことを表すことから、助動詞には未来的なニュアンスがあります。過去や現在には確定的な事実がある一方、未来にはそれがないので、不確かなことは未来的な感じがするのです。

よって、例えば先ほどの英文に未来を表す語句(by tomorrow)を入れて、We can finish the report by tomorrow(私たちは明日までにそのレポートを終わらせることができる)、We may finish the report by tomorrow(私たちは明日までにそのレポートを終わらせられるかもしれない)などとしても、自然に聞こえます。このように助動詞には「まだ終わっていないから、これから〜する」という含みがあり、そのため未来的なニュアンスが感じられるのです。

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2. 【could、would、should…】助動詞の過去形が未来のことも表すのはなぜ?

can、will、shall、mayの過去形は、それぞれcould、would、should、mightです。しかし、海外ドラマや洋画などで、wouldやcouldが過去形ではない場面で使われているのをよく耳にしませんか?
次の2つの英文を見てください。

She could play the piano well when she was young.
(若い頃、彼女はピアノを上手に弾くことができた)
She said she could play the piano well.
(彼女はピアノが上手に弾くことができると言った)

このように過去のことを述べたり、時制の一致によりcanがcouldになっている場合は、couldをcanの過去形と見なしていいでしょう。では次の英文はどうでしょう。

①We can go to the movies tomorrow.
②We could go to the movies tomorrow.

①は問題ないかと思いますが、②ではtomorrowという未来を表す語句を含んでいるにも関わらず、couldという助動詞の過去形が使われています。実は①も②も「これからのこと(未来)」についての、話し手の考えを表しています。では、canとcouldの違いは何なのでしょうか。

時間的な距離を心理的な距離に置き換える

couldはcanの過去形なので、時間軸で考えるとcouldはcanよりも時間的に現在から遠く離れています。この時間的な距離感を、話し手の「気持ち」や「心の状態」に置き換えてみると、couldはcanに比べて、心理的に離れることになります。それによって、「できると思う気持ち」も弱くなるのです。

つまり、canが「〜できる」という強い気持ちを表すのに対して、couldは「〜できるかも(実際はできないかもしれない)」のような、話し手の比較的弱い気持ちを表すと考えることができるのです。

①We can go to the movies tomorrow.
(明日、映画を見に行くことができる)
⇒比較的「強い」気持ち
②We could go to the movies tomorrow.
(明日、映画を見に行くことができるだろう)
⇒比較的「弱い」気持ち

日本語訳ではその微妙なニュアンスを上手く表現できませんが、couldはcanに比べて心理的に離れていることから、話し手が実現する可能性が低いと考えていることを示しています。

助動詞から話し手の心理を読み取る

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いま説明したことは他の助動詞にも当てはまります。willとwouldを例に見てみましょう。

He will eat out tonight.
(今夜、彼は外食をするつもりだ)
He would eat out tonight.
(今夜、彼は外食をするつもりだろう)
⇒wouldの方が実現の可能性が低い

willに比べてwouldの方が心理的に離れているため、そのぶん実現の可能性が低くなっているのがわかります。よって、その他のshouldやmightも含めたそれぞれの助動詞の過去形は、can、will、shall、mayに比べて話し手の気持ちが弱く、そこから自信のなさや、現実問題としての実現可能性の低さを表しているのです。

このように話し手の主観を表す助動詞を考えるときは、時間的な視点よりも、心理的な状態に着目することで、より正しくニュアンスを理解することができ、またそれらを正しく使うこともできるでしょう。

「使える」をゴールに

英語学習者のみなさんは、今回ご紹介した助動詞をはじめ、たくさんの文法や英単語を覚えてきたかと思いますが、そのうちの何%を実際に使うことができるでしょうか?
是非、インプットしたことを、英会話などで実践してみて「使える」英語にしていってください。

〈参考文献〉 江藤裕之『英文法のエッセンス』大修館書店

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