「ふつうの子」が世界のトップ大学に「編入」する方法【前編】

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日本ではあまりなじみのない「編入(トランスファー)」という方法で、アメリカのトップ大学へ進学する人たちがいます。今回は編入専門の留学コンサルタントで『東大・京大に勝てる! 世界のトップ大学に編入する方法』を出版された山内勇樹さんにインタビュー。ご自身も編入で世界ランキング16位のUCLAへ進学されています。編入とそのメリットについてお伺いしました。

アメリカのトップ校への入学方法「編入」とは

Q:まず、「編入」とはどのようなものなのでしょうか?

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アメリカの大学に入学する方法は2種類あります。「フレッシュマン入学(Freshman)」 と「トランスファー (Transfer)」という方法です。フレッシュマン入学は、日本の高校からアメリカの四年制大学の1年生として入学する方法です。日本ではこれが一般的ですね。

一方トランスファー、つまり編入は、日本の高校からアメリカの短大を経て、四年制大学の3年に編入する方法です。アメリカではこの編入は一般的に行われており、名門大学に進学する学生の3割は、短大からの編入組です。留学生の多くも、この方法で名門大学への進学を果たしているのですが、日本ではまだまだ認知度が低いようです。

Q:では、まずは短大を選ぶということですね?

四年制大学と短大の間には、つながりがあって、地理的に近いとそのつながりが強くなる傾向があります。例えば私が所属していたLBCCという州立短大は、カリフォルニア州にありますので、近くの四年制大学、UCLA、UCバークレイ、UCサンディエゴ、UCデイビス、UCサンタバーバラなどとのつながりが密になっています。

アメリカは日本とは違って、州ごとの独立性が強いので、別の州へのトランスファーは難しくなります。そのため、最終的に進学したい四年制大学を決めてから、短大を選ぶという方法をとることになります。

Q:なぜ4年制大学は、短大から編入という方法で生徒を集めるのですか?

四年制の有名州立大学は「同じ州立の短大」と結びつきが強いので、同じ州内の州立短大から、優秀な学生を欲しがっています。ですから、四年制大学への編入で問われるのは、「短大」の成績です。その意味において、高校の成績がどんなに悪くても問題ないのです。
 

Q:編入で入学するメリットはどこにあるのでしょうか?

まず、フレッシュマン入学よりも、圧倒的に名門大学に入りやすいということです。フレッシュマン入学では、成績、TOEFLやSATのハイスコア、英文エッセイ、ボランティアの経験など、非常に多くのものが求められます。トップ校ならなおさらです。そのため、合格のハードルが非常に高いのです。

編入はそこまで難しくありません。大抵の方は「語学学校→短大→四年制大学」というルートをたどりますので、英語を含めて徐々に準備をすることができます。アメリカの語学学校、短大への入学は、日本の高校生であれば問題なくクリアできるレベルです。

Q:その他にはどんなメリットがありますか?

親御さんが気にされる学費に関してもメリットがあります。
大学に4年間行くよりも、州立短大の学費は大学よりかなり安いのです。「短大2年+4大2年」の方が、授業料をトータルで安く抑えることができます。

さらに短大では、トップ大学に行くような優秀な学生には、返金義務のない奨学金が用意されているので、費用の面でも編入のほうがメリットが大きいのです。

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山内勇樹さん著『東大・京大に勝てる! 世界のトップ大学に編入する方法』

ふつうの高校生でもアメリカの短大へ

Q:アメリカの短大を経ての編入。しかし、アメリカの短大への入学はむずかしくないのでしょうか?短大へ入学するために、高い英語力はいらないのですか?

多くの方が語学学校を経て短大に入学しますので、TOEFLなどのスコアを用意する必要はありません。もちろんスコアがあれば、語学学校を経由せずに、そのまま短大に入ることができます。英語面を考えても、編入は多くの方にとって、取り組みやすい方法なのです。

英語が苦手でも、私のように系列の語学学校に入ることで、通常3〜4カ月あれば、短大の合格基準に達することができるので、心配いりません。

Q:ふつうの高校生でも、アメリカの短大に入れるのですか?

日本の高校の成績は、ほとんど関係ありません。高校での成績が10段階評価で、最低3〜4あれば大丈夫です。高校のレベルも関係ありません。引きこもりだった学生が、大検を経て編入に成功もしているのです。

Q:英語力が低いままで、短大でいい成績を取ることはできるのでしょうか?

私自身も、英語がほとんどできないまま、語学学校を経て短大に入学しました。しかし、最初の履修科目を体育や数学など、英語力で左右されない科目にすることで、よい成績を取ることができました。

そして、体育で友達ができたことも大きかった。英語力アップにつながるだけでなく、どの先生がAを出してくれるのか、くれないのかといった情報を集める事ができるようになったからです。また、アメリカの数学は、日本人で普通に高校数学を学んできた人であれば問題なくクリアすることができます。

このように、履修の仕方一つで成績は変わってきます。私が学生たちにこのような履修方法も指導しています。

人生の可能性を広げる選択肢としての「編入」

Q:最後に、編入という方法に興味を持たれた方へのメッセージをお願いいたします。

中高一貫校に行けなくても、希望の高校に入れなくても、人生を諦める必要はまったくありません。なぜなら必要なのは「最終学歴」だからです。私の周りには、この編入という方法を使って、普通の高校から、東大や京大を世界ランキングではるかに上回る名門に入った学生がたくさんいます。

私自身、高校の体育科に通いながら、怪我でバスケができなくなり、将来が見えない状態でアメリカの短大に入りました。しかし、最終学歴は世界ランキング16位のUCLAとすることができたのです。

あのまま日本に残っていたら、自分の人生はどうなっていたのだろうと考えることがあります。仲間たちのようにバスケで活躍することも、体育大学に進むこともできなかったでしょうから、入れる大学に入って、4年間遊んでしまったかもしれません。

編入という方法を知ったことで、人生の大切な時間を無駄にせずにすみました。ご自身やお子さんが、現在思い通りの進路に進むことができていないのなら、この編入という方法を知っていただき、可能性の一つに加えていただけたらと思います。

『「ふつうの子」が世界のトップ大学に「編入」する方法』【後編】へ続く

(構成:黒坂真由子)

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