ネイティブたちがThere’s a lot of people.(人がたくさんいる)と言うのを聞いて、「peopleは複数扱いだから、There are a lot of people.じゃないの?」と思ったことはありませんか?実は、There’s+複数という言い方も、会話では頻繁に使われています。ネイティブが普段使う英語は、必ずしも私たちが学校で習う文法通りとは限りません。会話の中でよく耳にする表現を覚えて、自分でも使いこなせるようになりましょう。
There’s+複数もOK
There is/are ~(~がある)という文の場合、「~」が単数であればis、複数ならareを使うと学校で習ったかと思いますが、実は会話では、複数の場合でもThere is の短縮形 There’sが使われています。どのような場合にそうなるのかを見ていきましょう。
a lot of peopleはis?are?
「広場(square)にはたくさんの人がいます」を英語にしてみましょう。
答え:
There are a lot of people in the square.
There’s a lot of people in the square.
どちらも正解です。文法的に正しいのはThere areですが、a lot of peopleを一つのかたまりと考えて、There’sも使われます。なお、口語表現であるためThere is ではなく通常There’sと短縮します。
他にも「peoplesって何?数えられない名詞が複数形になるとき」を読んで、理解を深めてみましょう。
名詞をつなげるときは?
「大人(adult)が1人、子ども(children)が2人います」を英語にしてみましょう。
答え:
There are an/one adult and two children.
There is an/one adult and two children.
There’s an/one adult and two children.
「大人1人と子ども2人で合わせて3人。複数だから、areを使う?」と思うかもしれませんが、この場合どれも正解です。数えられる名詞を並べる場合、最初の名詞の数に合わせてThere is またはThere’sを使うことがあります。
「もっときれい」にはmore prettyもアリ
形容詞の比較級に-erを使う場合、原則として「2音節までの単語は-er、3音節以上はmoreをつける」と習ったかと思います。では、prettyはpret・tyと2音節だからprettier(語尾のyはiにする)かと思ったら、実はmore prettyが使われることも。意外と複雑な比較級の作り方をお教えします。
比較級・最上級の作り方をおさらい
規則変化をする比較級の場合、普通は次のようになります。
1音節の単語:old – older – oldest
2音節の単語:simple (音節はsim・ple) – simpler – simplest
3音節の単語:beautiful (音節はbeau・ti・ful) – more beautiful – most beautiful
音節は、辞書を見ると発音のところに区切りが書いてあります。これだけなら単純明快ですね。
もう少し詳しく知りたい人は、「英語の最上級の作り方・使い方を徹底解説!最上級を使った表現もご紹介」を読んで、基礎を復習してみましょう。
prettierかmore prettyか
prettyはpret・tyと2音節なので、基本の変化は以下のようになります(語尾の-yはiにします)。
pretty – prettier – prettiest
それでは、「こちら(this one)のほうがよりきれいですね」を英語にしてみましょう。
答え:
This one is prettier.
This one is more pretty.
どちらも正解です。2音節の単語は本来-erという変化ですが、会話の中ではmoreをつけて使われることがあります。例えば、以下のような例を聞くこともあると思います。
This one is more heavy.(こっちのほうが重い)
文法的に正しいのはheavierですが、more heavyもよく使われます。
I need something more simple.(もっとシンプルなのが必要です)
文法的にはsimplerですが、よくmore simpleとも言います。
famousやusefulはどう変化する?
実は、2音節の形容詞の中にも、-erや-estを使わず、常にmoreやmostをつけるものがあります。
famous (音節はfa・mous)- more famous – most famous
useful(音節はuse・ful)- more useful – most useful
この場合、famouserやusefulerは使われません。規則変化があるとされつつも、実は個々の用例に触れて使い方を覚えていく必要があるということになります。
taller than meも使われている
英語の人称代名詞には「格」があり、主語の時には主格のI、目的語のときには目的格のmeを使わなければならないと、学校で最初のころにならったかと思います。でも、実は主格を使うべきところに目的格のmeを使っていいとしたら?会話でよく使われる例を押さえておきましょう。
thanの後に続く代名詞は?
「彼は私よりも背が高い」を英語にしてみましょう。
答え:
He is taller than I.
He is taller than me.
この文はHe is taller than I am.のamを略したものなので、正解はthan I、学校英語ではthan meは×にされたはずです。しかし、現在会話ではthan meがよく使われています。この場合、than I (am)のthanは接続詞、than meのthanは前置詞と考えると、文法的にも理にかなっているということになります。
meを主語に使っていい?
「私とトムは映画を見に行きました」を英語にしてみましょう。
答え:
Tom and I went to see the movie.
Me and Tom went to see the movie.
「私とトム」を主語にする場合、「私」は主格のI、通常自分を後に持ってくるので、Tom and I went ~とするのが学校英語での正解です。しかし、現在会話では「Me and+人」を主語にする言い方がよく使われており、話し言葉であればMe and Tom went ~も間違ってはいないということになります。
会話だから許されるこんな言い方
ネイティブの普段の会話では、学校で習った文法とは異なる表現が使われていることに気づいてもらえたでしょうか。例えば映画のセリフや音楽の歌詞で、次のような言い方を聞くことがあるかもしれません。
It don’t matter.(かまいません)
itが主語の場合、本来はdoesn’tを使ってIt doesn’t matter.となりますが、くだけた会話の中ではdon’tが使われることがあります。
He did good.(彼はよくやった)
goodは基本的には形容詞なので、この場合He did well.ではないかと思うかもしれませんが、口語ではgoodを「よく、ちゃんと」という副詞として使うことがあります。
My bad.(ごめんなさい)
badは形容詞なのに所有格のmyがついている?と思うかもしれませんが、口語ではこのbadを名詞として使い、「私の悪いこと」=「私が悪かった」という意味にしています。
Englishlabの記事では、書き言葉や学校で学んだこと以外の表現を学べる「決まり文句をひとこと言うだけでOK!1語で話せる英会話」、「便利な英語フレーズ集!ネイティブがよく使うフレーズを厳選」「「やっぱり」を英語で自然に言いたい!よくある7つの場面と使えるフレーズ」などを読んで表現の幅を広げましょう!
ネイティブが普段よく使う表現で会話をしてみよう
ここで紹介した表現を使って、例えば次のような会話をすることができます。
(買い物で)
A: Look at this dress! Isn’t it more pretty?(このワンピース見て!ずっときれいじゃない?)
*文法的にはprettier。
B: Sure. It goes good with you, since you’re taller than me.
(ええ。似合ってる、あなた私より背が高いから)*文法的にはgoes well、taller than I。
A: OK. I’ll get this. Can we go next?(よしこれ買おう。次行こうか?)
B: Of course. There’s plenty of shops around here.(もちろん。この辺にはお店がたくさんあるよ)
*文法的にはThere are plenty of shops。
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