英検準1級はやっぱり難しい? レベル感と試験内容を分析して対策を練ろう

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「英検準1級を受験しようと思ってるけど、実際どれくらいの難易度なんだろう?」と不安に感じている人もいるでしょう。どれくらいの難しさかわからないと、準1級のレベルに合った勉強をすることができませんよね。本記事では、英検準1級のレベルや試験内容について詳しく解説します。現在の自分の英語力と照らし合わせて、合格するためにどんな勉強をすればいいか掴んでいきましょう。

英検準1級のレベルや必要な単語数はどのくらい?

公益財団法人日本英語検定協会によると、英検準1級のレベルは以下のように示されています。

・大学中級程度のレベル
・社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる
・「実際に使える英語力」の証明として高く評価されている

大学中級程度と聞いて難易度が高いことは想像できますが、具体的にはどれくらいの難しさなのでしょうか?

まず、合格に必要な単語数は7,500~9,000語程度とされています。英検2級では4,000~6,000語が目安となるので、それにプラス3,000語程度の語彙力が必要になるということです。

また、2級までは日常会話で使用される単語が多いですが、準1級に登場する単語は社会性の高い話題で使われる専門的なものが多いのが特徴。難易度はぐんと上がります。

さらに、英検準1級を持っていると大学受験の際に試験を免除される学校もあるなど、高い英語力を示す基準として認められています。

英検準1級の一次試験について解説!出題形式や概要は?

英検準1級の一次試験はリーディング・ライティング・リスニングの3パートで構成されています。制限時間は筆記90分、リスニング30分の計120分。一次試験には、学校や職場、家庭、講義、電話でのやり取りなどのシーンが多く登場します。リーディングとリスニングはマークシート方式で、ライティングのみ記述式です。

一次試験①:リーディングは3形式!すべて選択式

リーディングパートでは以下の3つの大問が登場します。

・短文の語句空所補充
・長文の語句空所補充
・長文の内容一致選択

すべて選択式となっていて、4つの選択肢の中から1つ選んでマークシートに解答します。ちなみに、英検2級までは設問が日本語で表示されていましたが、準1級からは設問もすべて英語なので注意が必要です。ここでは、各大問の特徴や実際に過去の試験で出題された例題などを紹介します。

短文の語句空所補充

英検準1級のリーディングパート大問1は「短文の語句空所補充」です。4つの選択肢の中から、英文の空欄に当てはまるものを選んで解答します。設問数は全部で25問、短文と会話文から構成されています。目安の解答時間は25分ほど。

この大問1では語彙力が問われますが、準1級レベルの単語は難易度が高いのが特徴です。準1級レベルの単語をいくつか見てみましょう。

・eliminate(除去する)
・consistent(首尾一貫した)
・embrace(喜んで受ける)
・mandatory(強制的な)
・reinforce(強化する)

いくつわかりましたか?このパートで得点を稼ぐには、とにかく語彙力をつけることがポイントとなります。

<例題>

(1)
Lisa went to the interview even though she thought there was a low (   ) of her getting the job. As she expected, she was not hired.
選択肢:1.restoration  2.credibility  3.contention  4.probability

(2)
Some say the best way to overcome a (   ) is to expose oneself to what one fears. For example, people who are afraid of mice should try holding one.
選択肢:1.temptation  2.barricade  3.phobia  4.famine

解答
(1)4 (2)3

出典:英検準1級過去問2021年度第1回|英検
出典:英検準1級過去問解答2021年度第1回|英検

長文の語句空所補充

次のパートは「長文の語句空所補充」です。こちらも文章の空欄に当てはまる語句を選択する設問スタイル。2つの長文が出題され、各長文ごとに3つずつ、計6つの設問に解答します。時間配分は12分程度を目安にするとよいでしょう。設問の種類は説明文、評論文などで、文全体の流れを把握する読解力が問われるパートです。

また、前パートと同様に高い語彙力も必要となるため、準1級レベルに応じた単語帳を活用して語彙力を鍛えておく必要があります。特に記述が苦手という人は、語彙の対策を行って、選択式の問題で点数を稼ぐといいでしょう。

<例題(抜粋)>

Supporters of herbal medicines say the amount of data from clinical studies is increasing, and this can help people understand which medicines are safe. They also feel that herbal medicines and modern, doctor-prescribed drugs ( 28 ).

選択肢:1.are both overused 2.are essentially the same 3.should have different roles 4.both lack evidence that they work

解答
3

出典:英検準1級過去問2021年度第1回|英検
出典:英検準1級過去問解答2021年度第1回|英検

長文の内容一致選択

リーディングの最終パート「長文の内容一致選択」では、3つの長文を読み、各長文ごとに出題される3問・3問・4問の計10問に解答します。設問は、長文でどんなことが述べられているかを問う内容です。パッセージの単語数は300~500と、問題が進むにつれて増えていき、扱うテーマは新聞や雑誌の記事のような専門的なものに。文中には難しい専門用語も多く使用され、前後の文脈から意味を推測する力が必要となるでしょう。解答の目安時間は22分程度です。

<トピックの例>

・Impostor Syndrome
・Climate Change and the Sámi
・Lemons and the Mafia

出典:英検準1級過去問2021年度第1回|英検

・Bike Sharing in Seattle
・Antarctica’s Wildlife
・Darwin’s Paradox

出典:英検準1級過去問2020年度第3回|英検

一次試験②:ライティングは英作文!すべて書き出し

準1級のライティングセクションでは、与えられたトピックについて自分の意見を書くことが求められます。解答時間は30分程度を目安にするとよいでしょう。各トピックには、4つのポイントが提示されています。

<トピック>

・Agree or disagree: Big companies have a positive effect on society

<ポイント>

・Products
・The economy
・The environment
・Work-life balance

出典:英検準1級過去問2021年度第1回|英検

ライティングの際には、以下の点を踏まえることが必要です。

・提示された4つのポイントのうち、2つをライティング内で使用する
・120~150語にまとめる
・introduction / main body / conclusionの3つのパートに分けて書く

トピックの内容は、賛成もしくは反対の意見を述べるものがほとんどです。ライティングのコツとしては、提示されたポイントを見て賛成と反対、どちらの意見が書きやすそうかを判断すること。自分の意見と異なる場合でも、試験では実際に書きやすい方を選ぶことも重要です。

一次試験③:リスニングは3形式!すべて選択式

一次試験の最終セクションは約30分のリスニング問題です。リスニングは以下の3つで構成されています。

・会話の内容一致選択
・文の内容一致選択
・Real-Life形式の内容一致問題

どれも放送される回数は1回なので、メモを取りながらしっかりと聞き取りましょう。4つの選択肢の中から1つを選び、マークシートに記入します。それでは、各パートについて詳しく解説していきます。

会話の内容一致選択

まずはじめに出題されるのが「会話の内容一致選択」です。男女の会話を聞いて、その会話の内容についての質問を、4つの選択肢の中から選んで解答します。会話の長さは短いものから長いものまでさまざま。

質問は全部で12問あり、1つの会話はそれぞれ約30秒程度です。1つの設問ごとに10秒ポーズがあるので、この間に解答しましょう。

会話の内容は、知人同士の会話と、店員との会話が多い傾向にあります。知人同士の会話には、職場の同僚や家族、先生と学生の対話などが含まれます。また、店員との会話では、お店や空港などの会話の他、会社へ問い合わせをするシーンなどさまざまな場面が想定されるでしょう。

設問のほとんどが、Whatで始まる疑問文になっているのが特徴です。会話の相手が何をするのか尋ねる質問が多く見られます。また、準1級のリスニング試験からはイギリス英語が混ざるため、アメリカ英語だけでなくイギリス英語の発音にも慣れておきましょう。

文の内容一致選択

次のパートは、長文を聞いた後にその内容と一致する選択肢を選ぶ問題です。設問数は全12問で、6つの長文につき2つずつ設問が用意されています。長文の長さは150語前後で、解答時間は1問につき10秒です。

長文のほとんどは論説文で、動物の生態や歴史上の人物・事件、最新の技術などさまざまなテーマが取り上げられます。2つの設問は、長文の前半と後半から1つずつ出題される傾向にあることも覚えておきましょう。

長文の結論や主なテーマだけでなく、理由や根拠、細かい部分までを問う問題が多いのも特徴です。多くの設問はWhatで始まる疑問文スタイルですが、WhyやHowなどから始まる質問も見られます。

出題されたテーマの例

・Cochineals
・Icelandic Turf Houses
・The Breakdown of Wet Wipes
・Raising Angora Rabbits
・Fireside Chats
・Bajau Divers

出典:英検準1級過去問リスニング2021年度第1回|英検

Real-Life形式の内容一致問題

リスニングの最終パートは、「Real-Life形式の内容一致問題」です。問題に記載されている状況設定(situation)と質問を読み、放送を聞いて質問に答えます。

放送内容は、電話での音声ガイダンスやコマーシャル、案内放送などの日常生活で体験するさまざまなシチュエーションに関するもの。実際の電話の音など、効果音が使用されることもあります。

状況設定と質問を読むのに与えられる時間は10秒、1つの設問ごとの解答時間も10秒です。1回のみ放送されるそれぞれの長文は85~100語程度の長さで、5つの設問が用意されています。

放送には、解答とは関係ないまぎらわしい情報がたくさん盛り込まれているので、必要な情報を選び取るスキルが必要です。What should you do~?(あなたは何をするべきか)といった質問形式が多いのも特徴といえます。

<設問例>
Situation: You want an apartment that is just a short walk from a train station. You need at least two bedrooms. A real estate agent tells you the following.
Question: Which apartment should you look at?
出典:英検準1級過去問2021年度第1回|英検

英検準1級の二次試験について解説!面接ではどんな課題が出る?

筆記の一次試験に通過したら、いよいよ面接です。準1級の英語面接は、所要時間約8分。面接官と受験者の1対1で行われ、課題は以下の3つで構成されています。

・自由会話
・ナレーション
・受験者自身の意見を問う質問

会話を通して、発音や文法、語彙、応答内容、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度や意欲(アティチュード)などが評価されます。

自由会話

まずは、入室から面接までの流れをざっと見ていきましょう。入室したらすぐHello.と挨拶を交わし、面接官に面接カードを手渡します。

Please have a seat. (どうぞ座ってください)と言われたら、Thank you. (ありがとう)と答えて着席しましょう。この時に黙って座るとコミュニケーション不足と取られるので注意が必要です。

まずは名前と受験する級を確認され、その後自由会話へと移ります。この自由会話は採点されないので、気負わずリラックスして臨むのがポイント。自分自身に関する質問に答えるスタイルです。

Mr. 〇〇, could you tell me a little bit about yourself?(〇〇さん、あなたについて少しお話ししてください)

Have you ever been to foreign country?(これまでに海外へ行ったことはありますか?)

このように簡単に答えられる質問ばかりなので、面接官の目を見てコミュニケーションを図ることがポイントです。質問が終わり、面接官がLet’s start the test. と言ったら試験が開始されます。

ナレーション

ナレーションのパートでは、4コマのイラストを2分間で説明します。イラストを渡されたら、内容を把握するために1分間与えられるので、焦らず全体の流れを読み取りましょう。

これまでの試験では、社会性の高いトピックが取り上げられ、レストランでの喫煙、在宅勤務、チャイルドシート、住民運動などさまざまな題材が使用されています。

2級の面接でも、イラストについて説明する問題が出題されますが、準1級との違いはイラストが3コマであることと、制限時間がないこと。準1級では難易度が上がっていますが、内容や流れは同じなので焦らず対応すれば大丈夫です。

そうはいっても、制限時間があると焦ってしまいますよね。理解している内容でも英語が口から出てこず時間切れになったり、逆に急ぎすぎて各コマの説明が足りなかったりすることも。受験者は試験中に時計を見ることができないので、時間配分を身につけておくことが必要です。

2分間でナレーションを終わらせるためには1コマにつき約30秒と考え、それぞれを2~3文程度で描写するとよいでしょう。問題集や過去問などで何度も繰り返し練習し、2分間の長さを体でしっかりと覚えておくことをおすすめします。

受験者自身の意見を問う問題①

ナレーションが終わったら、次は受験者自身の意見を問う問題へと移ります。設問は全4問で、No.1はイラストに関する質問、No.2~4はカードのトピックに関する質問です。No.1は、登場人物の気持ちになって考える設問が多い傾向にあります。以下の例を見てみましょう。

Please look at the fourth picture. If you were the woman, what would you be thinking?(4コマ目のイラストを見てください。あなたがその女性の立場なら、どう思いますか)

設問の多くは、登場人物が問題に直面しているシーンから出題され、登場人物の気持ちを汲み取ることが求められます。その人物はどんなことに困っているのか、どうやってその問題を解決すればいいかをうまく説明できるようにしましょう。

What would you be thinking?と聞かれたら、I’d be thinking~と答えます。もしYes / Noで答えられる質問の場合は、はじめに自分がどちらの立場を取るのかを明確にし、その後でその理由を加えましょう。

出典:英検準1級二次試験サンプル問題|英検

受験者自身の意見を問う質問②

No.2~4の問題はカードのトピックに関する質問ですが、ここからはカードを見ることができません。このパートは主に以下の2つで構成されています。

・カードのトピックに関連した内容についての質問に答える(2問)
・カードのトピックにやや関連した、社会性のある内容についての質問に答える(1問)

いずれもDo you think~? 、Should be~? などの形式で質問されることが多く、 まずはYes / No で自分の立場を明らかにすることが大切です。そのうえで根拠となる理由を述べると説得力があります。

1つの文で長々話そうとするとハードルが高くなるので、短い文をいくつか並べて簡潔に伝えるとよいでしょう。

どれも自分の意見を面接官に伝える内容で、他の級と同様のスタイルですが、準1級では扱うトピックも難しくなるので回答までに時間がかかるはず。英語力はもちろんですが、さまざまなトピックに触れておくことが必要です。

日頃からニュースや新聞を活用し、世間で起きている出来事について情報収集しながら、自分はどう思うか考える訓練をしておきましょう。

まとめ

難易度の高い英検準1級ですが、レベルを把握して効率的に勉強すれば合格も夢ではありません。自分の苦手なセクションを中心にしっかりと対策を練って、試験本番に臨みましょう。

面接が苦手で、必要以上に緊張してしまうという人や、本来の実力が発揮できないという人は、日頃から英語で話す訓練をしておくといいですよ。英語は筋トレと同じで継続することが大切。毎日続けられるレアジョブのオンライン英会話もおすすめです。

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