「アクティブリスニング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。その名の通り「アクティブに聞く」ということで、元は心理学の世界で生まれた用語です。これを英語学習の世界に取り入れたときの学習法をご紹介しましょう。
アクティブリスニングとは?
一般的な「アクティブリスニング」とは、相手の言うことをただ聞いているのではなく、話の内容を分析しつつ、「そうですね」とあいづちを打ったり、「それからあなたはどうしたんですか」といった話を促す言葉を入れたりしながら、相手の話をさらに引き出そうとするテクニックを指します。
この理論を英語学習に応用して、「アクティブリスニングによる聞き取り攻略法」が生まれました。例えば、以下のような練習法があります。
アクティブリスニングの練習法
1)言っていることを漫然と聞き流すのではなく、相手が次に何を言うか予測しながら聞く
2)一言一句すべて聞き取ろうとするのではなく、聞き取れたところから話の全体像をつかむ
3)相手に一方的にしゃべらせるのではなく、途中であいづちや質問をはさみ、会話をコントロールする
いずれも日本語で話すときは無意識で実践しているかもしれませんが、これが英語となると、ちょっとでも聞き取れないところがあるとパニックになってしまい、話についていけなくなってしまう人が多いようです。英語を聞くときにアクティブリスニングをどのように実践すればいいのか、ニュースの音声を例に、その練習法をご紹介します。
ニュースを聞いて実践してみよう!
レアジョブ英会話の公式レッスン教材であるニュース記事「Daily News Article」とその音声を題材に、実践してみましょう。
For the first time, a ramen restaurant was awarded a Michelin star.
The prestigious Michelin Guide unveiled its 2016 Tokyo edition on December 1, 2015 and welcomed the first-ever ramen shop to be awarded a single star — Tsuta. Last year also marked Tokyo’s ninth year as Michelin Guide’s dining capital of the world.
(訳)
ラーメン店が初めて、ミシュランの星付きレストランに選ばれました。
名高いミシュランガイドの2016年東京版が2015年12月1日に発表され、ラーメン店として初めて、「蔦」に一つ星が贈られました。東京がミシュランガイドで取り上げられる食の都となって以来、昨年が9年目でした。
レアジョブ英会話Daily News Articleより 全文はこちら
3つの攻略法で聞き上手に
1)先を予測しながら聞く
最初の一文で、ramen(ラーメン)やMichelin(ミシュラン)という言葉が聞き取れます。そうすると「どこで?」「なんていう店?」といった疑問が頭の中に浮かんでこないでしょうか。そうすると、次の一節のTokyo(東京)やTsuta(蔦)という名前が耳に入ってきやすくなります。
2)聞き取れたところから話の全体像をつかむ
このニュースの中で、恐らく聞いて理解しづらいのは、prestigious(名高い)やunveiled(明らかにした)といった単語でしょう。しかし、first, ramen, Michelinといったキーワードから、「ミシュランで初めて選ばれたラーメン店」という大意をつかむことができます。
つまり、prestigiousやunveiledが聞き取れなくても、話の内容を十分理解することができるのです。
3)あいづちや話を促す言葉を入れる
この話を、外国人との会話の中で聞いたとしましょう。アクティブリスニングのテクニックを取り入れると、例えば以下のような話し方をすることができます。
外国人: I heard the Michelin Guide unveiled its 2016 Tokyo edition.
あなた: Anything new?
外国人: For the first time, a ramen restaurant was awarded a Michelin star.
あなた: What’s the name?
外国人: Tsuta. Have you heard of it?
(訳)
外国人:ミシュランガイドの2016年東京版が発表されたそうだよ。
あなた:何か新しいことは?
外国人:ラーメン店が初めて、ミシュランの星付きレストランに選ばれたんだ。
あなた:名前は?
外国人:蔦。聞いたことある?
いかがでしょうか。外国人は、あなたの質問に答えるかたちで話しているので、あなたは次にくるのが「東京のレストランに関する情報」「店名」であるという心の準備をしながら聞くことができます。すると、相手がただ一方的に話しているよりも、ずっと話が理解しやすくなり、会話に積極的に参加しているという雰囲気を作ることができるのです。
日頃の心得が肝心
普段から英語のリスニングをするとき、単語一つ一つを聞き取ろうとするのではなく、「1)先を予測しながら聞く」と「2)聞き取れたところから話の全体像をつかむ」を実践してみるようにしてください。
また、外国人と英語で話をする際に、「3)あいづちや話を促す言葉を入れる」を試してみるといいでしょう。相手の話が聞き取りづらかったら、”Michelin?”(ミシュラン?)のように、聞き取れた言葉を言ってみるだけでもかまいません。この場合も相手は、あなたの言ったことに答えるかたちで話を続けはずです。
アクティブリスニングでは、難しいテクニックを必要とされるわけではありません。一番肝心なのは、積極的に聞き取ろうとする姿勢。ぜひ今日から始めてみてください!
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