助動詞は動詞の意味を変化させる、とても大切な要素です。日本語で会話しているときも、意識せずに微妙な動詞の変化を求めて使い、相手に内容を細かく伝えられています。
今回は、英語で基本となる5つの助動詞、“can” “will” “should” “must” “shall”を使った表現を解説します。それぞれの助動詞をしっかり理解して、英語力を底上げしましょう!
助動詞の基本を確認
まず英語の「助動詞」を紹介する前に、そもそも日本語での「助動詞」がどういうものか、確認してみましょう。日本語での使い方を理解していないと、英語でのイメージもわかりにくくなってしまいます。
助動詞とは「動詞を助ける言葉」、つまり動詞の意味を少し変化させる語です。例えば「私は走ります。」を、「私は走ることができます。」といったように、基本的な内容は変えずに、動詞の意味に少し変化をもたらすのが助動詞の働きです。
助動詞の使い方
日本語では語尾が変化しているだけで、動詞と助動詞の区別をしにくいですが、英語の場合は単語がしっかりと独立して確認できるので、わかりやすいです。英語で助動詞を使うときは、基本的に主語と動詞の間に入ります。
I swim fast.
( 私は速く泳ぐ。)
I can swim fast.
( 私は速く泳ぐことができる。 )
また助動詞を用いる場合、動詞は原型になります。
以下にあげる例文の場合、三人称単数形だった “speaks” からsが無くなり、“speak” となります。さらに疑問文に用いたいときは助動詞を文頭に、否定文のときは助動詞の次に “not” を用います。
He speaks Japanese well.
( 彼は上手に日本語を話す。)
He can speak Japanese well.
( 彼は上手に日本語を話せる。)
Can you use this tool well?
( 君はこの道具を上手に使える?)
I cannot break the window.
( この窓を割るなんてできない。)
これで助動詞の基本は確認できましたので、この基本事項をしっかりおさえましょう。
助動詞を使った疑問文の作り方
では、助動詞を使った疑問文を作りたいときはどうすればいいのでしょう?
① 助動詞を文の最初におきます
② 次に、主語を助動詞の後におきます
③ 基本形の動詞を主語の後におきます
④ 最後に、必要に応じて目的語など補語をおきます
つまり、疑問文では、<助動詞+主語+動詞+補語>? となります。
Can you use this tool well?
( 君はこの道具を上手に使える?)
Will she be attending the meeting?
(彼女は会議に出席しますか?)
Should we leave now?
(私たちは今出発すべきですか?)
Must I finish this by tomorrow?
(これを明日までに終わらせないといけませんか)
答え方:Yes, you must.(はい、終わらせないといけません)
No, you don’t have to. (いいえ、終わらせなくてもいいです)
Shall I call a taxi for you?
(タクシーを呼びましょうか)
助動詞を使った否定文の作り方
否定文は、<主語+助動詞+not +動詞+補語>となります。
(否定文)
I cannot break the window.
(この窓を割るなんてできない)
I will not (=won’t) finish my homework until tomorrow.
(明日までに仕事を終えられないだろう)
We should not (shouldn’t) open the window.
(私たちは窓を開けるべきでない)
We mustn’t be late for the meeting; it’s very important.
(私たちは会議に遅れてはいけません。それはとても重要です)
Students shall not use mobile phones during examinations.
(学生は試験中、携帯電話を使用してはならない)
これで助動詞の基本とその活用形は確認できましたので、次に代表的な助動詞の意味をそれぞれ見てみましょう。
代表的な5つの助動詞(can, will, should, must, shall)
まずはそれぞれの助動詞の意味を説明しながら、実際に助動詞を使って英文を解説します。
1.助動詞【can】「~することができる」「~してもいい(許可)」
助動詞 “can” は多くの人がなじみのある助動詞です。第44代アメリカ合衆国大統領オバマ氏の “Yes, we can.” は、まだ記憶に新しいでしょう。canは「可能」「許可」の意味があります。日本語では「~することができる」(可能)「~してもよい」(許可)となります。
まず「可能」の“can”を使った例文です。
We can change the world!
( 世界を変えることができる!)
My brother, Mike, can bake a cake well.
( 兄のマイクは上手にケーキを焼けるよ。)
次に「許可」の例文で、相手に許可を与える表現になります。
You can use my textbook.
( 僕の参考書使ってもいいよ。)
さらに疑問文にすると、相手に「許可」を求める表現にもなります。
Can I borrow your pen?
( 君のペン借りてもいい? )
Can I help you?
( お手伝いしてもいいですか?( = 何か手伝いましょうか。))
外国でお店に入ったときなどに、店員さんから“Can I help you?”と声をかけられることもあります。日常生活でとてもよく使う表現ですので、しっかりと覚えておきましょう。
“can”を使ったレアジョブの教材を使って実際に英会話してみましょう。日本人講師からも教えてもらえますよ。
2.助動詞【Will】「(これから)~する」
助動詞 “will” は「(これから)~する」という、これから起こりうる未来を表現できます。
I will visit you tomorrow.
( 明日君を訪ねるよ。)
We’ll win the game next week.
( 来週の試合は勝つだろう。)
It’ll rain tomorrow morning.
( 明日の朝は雨だろう。)
よく使う表現では、以下のようなものもあります。
I’ll be there.
( 私はそこにつくでしょう。( =もうつくよ。))
さらに “will” は疑問文にして用いると、相手への依頼の表現にもなります。
Will you come with us tomorrow?
( 明日私たちと一緒にきてくれませんか?)
Will you take me to the club-house?
( そのクラブハウスに連れて行ってくれない? )
3.助動詞【Should】「~すべき」
助動詞 “should” は、「~すべきである」という提案を表現することができます。
You should study more.
( 君はもっと勉強すべきだ。)
They should come earlier.
( 彼らはもっと早く来るべきだよ。)
Should I write this letter in English?
( 僕はこの手紙を英語で書くべきですか。)
「~すべきだ」から転じて、状況によっては「~したほうがよい」と訳される場合もあります。あまり厳しい言い方ではないので、ソフトに伝えれば簡単な提案の際に使うことができます。
You shouldn’t go to see him for now.
( 今は彼のところに行くべきではない。( =今は彼のところへ行かないほうがいいよ。))
4.助動詞【Must】「~しなければならない」
助動詞 “must” は、「~しなければならない」という強い提案を表現です。
You must leave us.
( あなたは私たちのもとを去らなければならない。)
I must tell you about what happened then.
( 私はそのとき起きたことをあなたに話さなければならない。)
このように、言葉に緊迫感を与えます。相手に使うときには強い表現ですので、状況次第では不快に思われてしまう可能性もあります。さらに否定文で用いる場合は、より強い否定を表現することができます。
You must not come here.
( あなたはここに来てはならない。)
You must not tell anyone about it.
( あなたはそれを誰にも話してならない。)
かなり強く禁止しているニュアンスで伝わってしまうので、使いどころには注意が必要です。
5.助動詞【Shall】「~しましょう」
助動詞 “shall” は通常ですと「~しましょう」という未来への意思表示、疑問形ですと「~しましょうか」という柔らかい提案を表現できます。基本的には一人称単数・複数にしか用いません。
疑問形の “Shall I ~?” は、自分ひとりが相手のために行動する場合、“Shall we ~?” は、自分と相手が共に行動する場合の提案を表します。
Shall I take your luggage to your room?
( 荷物を部屋まで持っていきましょうか。)
うまく使いこなせると、相手と打ち解けるための会話に繋げることができます。
助動詞で表す「推量」
「推量」の確信度が強い順に紹介すると、
・will: ~でしょう
・should: ~はずだ
・may: ~かもしれない
となります。さらにcanの否定形は、「否定の推量」の助動詞として用いられます。
それぞれを使いこなすと、推量している確信度の違いを伝えられます。単語によって確信の度合いが変わるので、それぞれの単語の特性を理解し、正しい場面で使えると自分の意見を伝えやすくなります。推量の度合いがどのように変わるかは、以下の例文で確認しましょう。
He is married.
(彼は結婚している。)
He must be married.
(彼は結婚しているに違いない。)
He will be married.
(彼は結婚しているでしょう。)
He should be married.
(彼は結婚しているはずだ。)
He may be married.
(彼は結婚しているかもしれない。)
He cannot be married.
(彼は結婚しているはずがない。)
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助動詞の使い方について「なるほど納得した!」と理解できたなら、今度は英語を「使う」ことにもチャレンジしてみましょう。
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