子どもへの語りかけ:日本人の発音で大丈夫? by黒坂真由子

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子どもへの語りかけ、日本人の発音で大丈夫

日本人ママとして気になるのが、発音の問題です。子どもに英語で話しかけたり、教えたりすることに、多くの方が二の足を踏んでしまうのはこのためです。「自分のせいで日本人英語になってしまうのではないか?」「発音が悪くなるのではないか」という不安があるからです。

子どもを英語でほめて育てよう

私も同じような悩みを抱えていました。私は 『子どもを「英語でほめて」育てよう』という本のプロジェクトに関わったのをきっかけに、当時9歳、6歳、3歳の子どもたちに、英語のほめ言葉をかけることを始めました。しかし、自分自身の発音で、かえって悪影響を及ぼすのではないかと心配でした。

そこで「レアジョブ英会話」を通じて、フィリピン人英語教師にインタビューをし、「親が英語で話しかけること」「私の日本人なまりの発音で大丈夫かどうか」に関して質問をぶつけてみました。
同じアジアの国、フィリピンでは、フィリピン語(タガログ語)と並んで英語が使われています。学校教育は、基本的に英語。教科書も英語です。そのため、多くのママたちが、子どもが小さい頃から、タガログ語(もしくは地域の言葉)に加えて英語で子育てをしているのです。
私は発音の上手な先生を見つけるたびに、どうやって発音を身につけたのかを聞いてみました。その数は 50 名以上にのぼりました。

発音は大人になってからなおせる

発音は大人になってからなおせる

キレイな発音をするフィリピン人講師の多くが、大人になってから発音のトレーニングをしたと教えてくれました。「コールセンターで仕事をしたときに」「上司がアメリカ人だったから」「高校のときに集中的にトレーニーングをしたので」と、自分自身の努力で発音を身につけた、と答えたのです。つまり、「発音は大人になってからなおせる」ということです。
これでまずは一安心。なぜなら、子どもたちが私の日本人なまりの発音を身につけてしまったとしても、大人になってから修正ができる、それも英語教師になれるレベルにまで上達が可能、ということが分かったからです。

若い子はアメリカ英語を身につけている

「これは最近の傾向なんだけど……」と耳にした話。親がタガログ語なまりでも「子どもはアメリカ英語で話す」という家族が増えてきているというのです。フィリピンでは、アメリカのアニメが無料で放送されているため、子どもたちはテレビからアメリカ英語を吸収するそうです。
日本でも、インターネットを通じて子ども番組、アニメなど無料のネイティブ素材が簡単に手に入るようになりました。耳から本物の英語を聞くことでリスニングだけでなく発音もついてくるというのは嬉しいことです。

ママの発音も上達してくる

 また、思わぬ効果もありました。私自身の発音にも変化が出てきたのです。家で英語をぼちぼちと使うようになって半年後ぐらいのこと。子どもになるべくキレイな発音で話したいと注意をしていたためか、講師に立て続けに「ニュートラルな発音になってきたね」と言われるようになったのです。
「ニュートラル(neutral)」を調べてみると、「中立的な」などとでてきます。発音に関して当てはめると、「母語の偏りのない」「訛のない」といったところでしょうか。
このニュートラルな発音というのは、英語を学ぶ外国人にとって一つのゴールではないかな、と思うようになりました。ネイティブのような発音ではなくても、誰が聞いても理解できる発音であれば、聞く方も、自分自身も困ることはないからです。もちろんその発音を身につけた子どもたちが、将来困ることもないでしょう。
 

母語の訛があったとしても大丈夫

ママの発音も上達してくる

そして、もう一つ「母語の訛があってもかまわない」という立場をとることもできます。皆さんも「日本人訛の英語でも問題ない。世界ではいろいろな英語が話されているのだから」といった話を聞いたことはありませんか? 私はこのような話を聞いたり目にしたりするたびに「英語学習者をなぐさめてくれているだけだ」とずっと思っていました。
でも、最近考えが変わりました。世界で英語を使って活躍される多くの方が、口を揃えて同じことを言うからです。疑い深い私も、これだけ同じことが言われているのだから、この話の中には真実があるのだと思えるようになりました。
下記は、国際的な通訳者の先駆けとして活躍されてきた井上久美先生の言葉です。

『グローバル化が進む現在、世界中でさまざまなEnglishes(英語たち)が話されています。……今や、ネイティブ・スピーカー並みの英語をペラペラ話すことより、どんな相手とも通じ合えるコミュニケーション能力が求められています。……自分が話す番がきたら、シンプルで丁寧な英語を相手の目を見てゆっくりと話しましょう。単語ひとつひとつをしっかり発音しましょう。日本なまりの「ジングリッシュ(Jenglish)」でも、一生懸命、丁寧に話す方が、外国人には好感を持って受け止められるのです』
2012年『英語手帳』より抜粋

また、あるフィリピン人ママは、こんなふうに言っていました。「発音なんか気にしない。だっていつでもなおせるから。母親の役割は、子どもを英語の世界に案内することなのよ」

必要以上に発音を気にして何もしないよりも、子どもと一緒に英語を学ぶくらいの気持ちでスタートしたほうがよさそうです。きっと子どもが英語を身につけるのと同時に、自分の発音にも磨きがかかるはず。親子で一緒にレベルアップできたら、こんな嬉しいことはないですよね。

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